マイクロソフト Windows Phone 7 にマーケットプレース以外からアプリをインストールできるようにするアンロック
ツール ChevronWP7 が開発者の手によって配布中止となりました。Windows Phone 7 (WP7) はかつての
Windows Mobile からの完全新生にあたり、アプリケーション追加・管理プロセスを一本化つまりアップル
iPhone とおなじ公式ストアのみに限定しています。アンロックツール ChevronWP7はSideload 機能
(マーケットプレース以外からのインストール) を有効化することで、審査を経ていないHomebrew アプリが
使えるようにするツール。
ChevronWP7 の開発者たちは上のスクリーンショットのように全員が連絡先と氏名を明らかにしており、また
公開の意図が「Windows Phone 7 プラットフォームを開発者・ユーザーからのより広いアクセスに対して
オープンにする」ことであり、いわゆる海賊行為を可能にする機能もなければサポートする意志もないことを
明確にしていました (sideload はもともとWP7のOSに含まれており、ChevronWP7はそれを有効にするのみ。
またマーケットプレースアプリはプロテクトされており、Sideloadしても動かない)。
開発者いわく、12月1日にマイクロソフトの Brandon Watson 氏 (Director of Developer Experience for
Windows Phone 7)からコンタクトがあり、Windows Phone 7 で Homebrew アプリの開発を公式にサポート
することについて今後話し合いを続けることについて合意に至ったとのこと。ChevronWP7の開発・公開を
中止したのは、この話し合いへのプロセスを「早送り」するため。
この「話し合い」がどう転ぶかはまだ分かりませんが、結果的にマイクロソフトが妥協できるかたちでの
自家製アプリサポートが実現すれば、ハッカーチームが脆弱性を見つけては脱獄ツールを公開 >
メーカーが小刻みなアップデートで対応、といういたちごっこを繰り返す必要もなく、ユーザーにとっても
OSのアップデートのたびに脱獄ツールの対応を調べて待つ手間もありません。なんらかのガイドラインや
施策が示されるのか、あるいは決裂してより強力なツールが登場するのか今後の展開がおもしろいニュース
です。
http://japanese.engadget.com/2010/12/01/windows-phone-7-ms/