カナダResearch In Motion(RIM)の共同CEOであるジム・バルシリー氏は11月16日、スマートフォンとアプリケーションの
開発用SDKを、AdobeのマルチメディアソフトFlashなどの業界標準をサポートしないクローズドなシステムで提供するという
米Appleのやり方に異議を唱えた。
米サンフランシスコで開催されたWeb 2.0 Summitで、バルシリー氏は次のように発言した。「われわれはモバイル端末でも
Webを利用できるようにすることには賛成だが、そのためにSDKで開発を統制するようなことは不要なはずだ。それがわれわれの
メッセージの核となる部分だ。Webを利用するためのアプリなど不要であり、特別に規定された開発ツールセットを使う必要もない」
同氏のこのスタンスは、自社が認めたソフトウェアとSDKを使ってプログラマーにアプリを書かせているAppleのクローズドな
開発プラットフォームとは全く対照的なものだ。
バルシリー氏によれば、RIMのBlackBerry開発環境では、プログラマーは何らネイティブコードを書かなくてもBlackBerryに
アプリを発行できるほか、Adobe AIR SDKを使用して、BlackBerryスマートフォンにローカルにランタイムを置くことも可能という。
米国のスマートフォン市場ではRIMが依然としてトップだが、AppleのiPhoneとGoogleのAndroidを搭載する端末はRIMに脅威を
与えるのに十分な勢いでRIMからシェアを奪いつつある。
バルシリー氏はこのタブレット論争のさらなる援護として、Web 2.0 Summitの出席者に対し、PlaybookとiPadの性能を比較した
YouTube動画を紹介した。
またバルシリー氏は、RIMがNFC(近距離無線通信)のサポートを追加する予定であることも示唆し、「この技術をサポー
トしないようでは愚かだ」と述べている。Googleのエリック・シュミットCEOも15日、同じくWeb 2.0 Summitにおいて、NFCを
サポートする携帯電話のデモを披露している。
バルシリー氏によれば、RIMはスマートフォンの新製品BlackBerry Torchも発売しており、スマートフォン市場において決して
苦境に陥ってはいないという。BlackBerry Torchはユーザーからさまざまな評価を受けている。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1011/19/news011.html