米国Dellは、米国Googleが開発するOS「Chrome OS」を自社コンピュータに搭載するため、同社と交渉を行っているもようだ。
Reutersが伝えた。
Dellの中国/南アジア地域担当プレジデント、アミット・ミドハ氏は、先ごろReutersの取材に対し、Chrome OSなどのユニークで
革新的な技術の採用で先陣を切りたいとの考えを明らかにしたうえで、今後数年のうちに製品を投入する意向を示した。
この件については、Dell、Googleとも公式発表を行っておらず、DellがChrome OSベースのコンピュータを実際に製造する可能性を
示す情報も、製品投入の時期も明らかにされていない。
先ごろGoogleは、Chrome OS搭載デバイスが今秋から年末までの時期に投入されるとの見通しを示した。
しかしながら、DellがChrome OSに関心を寄せているとしても不思議ではない。Googleが2009年7月にChrome OSを発表した直後から、
DellはこのOSのテストを実施する方向で検討していると明らかにしていた。その数カ月後には、Dellの従業員が自社ブログでネットブック
「Mini 10v」用のChromium OSを公開した。Chromium OSはオープンソース・プロジェクトであり、Chrome OSはこれをベースにしている。
Chrome OSは、基本的にGoogleのWebブラウザ「Chrome」とデバイス・ドライバ類により構成されている。WindowsやMac OS Xといった
多機能OSとは異なり、Webブラウザ以外のデスクトップ・アプリケーションは実行できず、Webベースのアプリケーションにアクセスして
利用することが前提となっている。
だが、Chrome OSはこうした制約を克服するような新機能も相次いで備え始めている。例えば、今年4月に発表された「Cloud Print」
プロジェクトは、Chrome OSデバイスに印刷機能を持たせるというものだ。デバイスにプリンタ・ドライバをインストールすることなく、
デバイスからWeb上の中継機能を介してプリンタに印刷ジョブを送ることができる。
今回の報道どおり、DellがGoogleと協力することになった場合、米国のコンピュータ・メーカー上位5社のうち4社、そして世界の
コンピュータ・メーカー上位5社すべてがChrome OS陣営に加わることになる。
http://www.computerworld.jp/topics/innovation/184969.html