新型携帯端末「iPad」の米国外での発売を延期するとの米Appleの決定に、ドイツやフランス、日本のユーザーたちは失望している
だろう。だがこの決定は少なくとも、米国在住の一部のずる賢い人たちにとっては嬉しいニュースだったに違いない。
いわゆる転売屋、つまり人気商品をごっそり買い占め、ネットで高値で売りさばく日和見主義的な人たちは、ここ最近、Craigslistや
eBayといったサイトで定価より500ドル以上も割高な価格でiPadを売り出している。
こうした転売人たちは近く、さらに価格をつり上げることになるかもしれない。Appleが4月14日、米国外でのiPadの発売は5月下旬に
なると発表したからだ。それまでの間、欧州やアジア、中東地域の人たちは、このタッチスクリーン端末が地元で売り出されるのを
待ちきれないのであれば、割高であってもWebで購入せざるを得ない。
Appleは米国外の市場での販売価格はまだ発表していない。市場調査会社NPDのアナリスト、スティーブ・ベーカー氏によると、
消費者がいくら支払うかを決めるのは市場の力だという。
「グレーマーケットでは、需要と供給の市場原理が最も純粋に働く。供給が少ないのに需要が減らないのなら、当然、価格は上がっていく」
と同氏。
米国では、iPadは一部のアナリストの予想を上回る高い人気を集め、4月3日の発売から1週間で販売台数は50万台に達している。
こうした人気から、iPadの唯一の直販店であるApple Storeの一部店舗や全米のBest Buyで品切れ状態が発生。ただし、Appleは一部の地域
では供給の補充を行っている。
Appleによると、向こう数週間にわたって供給を上回る好調な売れ行きが続く見通し。米国外の顧客については、同社は5月10日に販売価格
を発表し、オンラインで予約受付を開始する計画という。
カナダの通信事業者Rogers Communicationsは14日、同国では5月末までにiPadの販売を開始すると発表した。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/15/news028.html