Facebook、Twitter、YouTubeはアウト。だが中国の巨大なオンライン世界では、自由にNew York Timesを読んだり、お気に入りのポルノサイトにアクセスしたりできる。
中国のネット検閲について読んだことのある中国外の人々はよく、わびしく退屈なオンライン生活を想像する。だが現実は違う。
中国の3億8400万人のインターネットユーザーは、ゲームや有名人のゴシップから10代向けのチャットルーム、学術フォーラム、違法なファイル交換までさまざまな
ものを楽しんでいる。
英語の報道記事は、中国政府に非常に批判的なものも含め、たいてい自由にアクセスできる。ハードコアなポルノサイトも同様だ。同国政府はこの種のサイトを
取り締まるとたびたび公言している。
だがTwitter、Facebookなどの国外ブログサイトは遮断されている。これらのサービスは迅速な情報共有を可能にするため、中国共産党は大規模な騒乱につながる
可能性を恐れている。
ほかに政府の検閲当局にとって厄介なのが、過去の紛争、政治、宗教だ。
しかし、商業的発展の余地を残し、ユーザーの不満を抑えたい高度な検閲当局にとって、完全な遮断は最後の手段だ。
最初の防波堤はメディアやWebサイトの編集者だ。彼らは政府が何を許し、何を許さないかを理解しており、定期的に当局からデリケートな問題について具体的な
指示を受けている。
Webサイトのトップページからトピックが削除されたり、物議を醸す記事のコメント機能がオフになったり、一部のニュースについては公式の報道のみを使うよう
命じられることもある。
また一部のアナリストは、Webサイトに政府が認可したコメントを投稿して回り、投稿ごとに少額の報酬を受け取る巨大な「50セント」軍に中国当局が資金を提供
していると考えている。
だが検閲当局の巨大なリーチと力も、YouTubeのお気に入りビデオや官僚腐敗のニュースを検索する中国の多数のユーザーには軽くあしらわれている。
やる気とお金のある人は、閉鎖されたサイトを丸ごと有料VPNで復活させることができる。VPNを使えば、実質的に政府のグレートファイアウォールを自由に通り抜ける
ことができる。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/25/news011.html