わずか数カ月の間、ウイルス対策ソフトを更新しなかった学生のPCは、マルウェアの巣窟のような状態だった――。
英セキュリティ企業Sophosの研究者が、ある大学生のノートPCを調べたエピソードをブログで紹介している。
問題のノートPCは、Sophos研究者の娘が友人に相談されて持ち帰ったものだといい、持ち主の学生は金銭的余裕が
なかったとみられ、昨年末以来ウイルス対策ソフトを更新していない状態だった。その結果、このノートPCではあらゆる
類のマルウェアが実行されていたが、持ち主はそのことに気付いていなかったという。
だが先週になって悪質な偽ウイルス対策ソフトに感染し、偽の感染警告が出るようになった。それでも学生には
「身代金」を払う余裕がなかったのでそのまま放置したところ、幾つかのWebサイトにアクセスできなくなり、ついには
iTunesにもアクセスできなくなるに至って音を上げたという。
SophosではこのノートPCを調べてマルウェアをすべて削除した。しかし偽ウイルス対策ソフトのように、あからさまな
被害が出るマルウェアに感染したのは「運が良かった」と研究者は言い、この学生のように無防備なままインターネット
を使い続けている若者はどれくらいいるのだろうと懸念する。やはり保護者が責任を持って、安全なインターネットの
使い方を教えるべきなのかもしれないとも述べている。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/16/news019.html