ウイルス感染の警告をでっち上げてユーザーを脅す偽ウイルス対策ソフト(スケアウェア)が今年に入ってさらに勢力を増し、
業界全体の売り上げ規模は拡大の一途をたどっているもようだ。セキュリティ企業の米McAfeeがブログで明らかにした。
McAfeeが今月まとめた報告書によると、2004年1月〜2009年12月に出現した偽ウイルス対策ソフトは3000種類以上。このうち
出現した年が分かっているものだけを見ても、2008〜2009年にかけてそれぞれ前年の倍以上に増え、今年は1月と2月だけで
既に100件を超えた。
偽ウイルス対策ソフト本体のほかに、それを手助けする形でコンピュータを攻撃するトロイの木馬も2009年から激増。今年
3月1日〜10日の間だけでも新たに4万5000種類が見つかったという。
ただしこうした「製品」の多くは同じプログラムを使い回して名称だけを変え、Webサイトを次々に開設する手口を使って被害者を
増やしているにすぎないとMcAfeeは指摘する。このビジネスを手掛ける業者の数は、推定30〜50社程度。同じ経営陣のまま
社名を変え、多数の子会社を作り、アフィリエートを募って営業を続けているとみられ、「最大手」は約1000種類もの製品を販売、
中には幹部がLinkedInにプロフィールを公表するなど公然と活動しているところもあるという。
McAfeeの試算では、偽ウイルス対策ソフト業界全体の年間売り上げは世界で3億ドル規模を突破。しかもこうした業者は
マルチメディアソフトなどの偽製品やポルノも手掛けている場合が多く、収益はさらに莫大になると予想している。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/16/news016.html