米国Googleは、来週開催される予定だった中国でのAndroid開発者向けイベントを中止するもようだ。同社は、中国国内での
事業をめぐり同国政府と厳しく対立している。
Google主催のこのイベントは、2月28日からスタートし、香港、台湾、シンガポール、北京などで開催されることになっている。
この件に詳しい情報筋(同社に近い開発者)によると、このうち、北京でのイベントは中止されることになったという。
同社の広報担当者は、この情報を否定しているが、すでに北京でのイベントは、スケジュールから外されているという。この
情報筋は、「中国国内でGoogle問題が深刻化しているため、イベントは中止された」と語っている。
Googleは、今年1月、中国にある検索エンジンで検索結果の検閲をやめると発表した。これまで同社は、長年にわたり中国の
国内法を遵守する立場から検閲を実施してきたが、ハッキングや検閲に対する懸念が高まったとして検閲の停止を表明した。
Androidは、中国市場でも広く受け入れられており、世界最大の加入者を抱える同国の移動体通信事業者China Mobileも、Androidを
ベースにした独自のモバイルOSを設計している。
情報筋によると、Googleは、来週からアジア各地で始まる開発者向けイベントで自社のスマートフォン「Nexus One」を披露する予定で
あり、このイベントには数百人の参加者が集まる予定という。
Googleは、検閲を停止することで、中国市場から退場を迫られる可能性もあるとしているが、この市場への未練も断ちがたいようだ。
同社のWebサイトには、北京、上海、広州にあるオフィスの求人情報が現在も掲載されており、この中には販売部門や開発部門の
スタッフも含まれている。
GoogleのCEO、エリック・シュミット氏は今年1月、中国での事業継続に対する期待感を表明し、同国政府との交渉を続けていることを
明らかにした。中国にある同社の検索エンジン「Google.cn」は、現在も検索結果の検閲を行っており、チベットの宗教指導者で、中国政府
が分離独立主義者として厳しく非難しているダライ・ラマ(Dalai Lama)氏など、中国政府にとって微妙なテーマは排除されている。
http://www.computerworld.jp/topics/bg/175490.html