コンピュータの専門用語、「レ点チェックボックス」の文化、想像力に欠ける広告のせいで、インターネットユーザーはオンライン
でのセキュリティ対策について学ぼうという意欲を削がれている――。
ややこしくて難解な専門用語を突きつけられ、世界の20億人近くのインターネットユーザーの多くは、「セキュリティは専門家の
もの」と諦観し、サイバースペースにおける自らのセキュリティに対する責任を果たさずに済ませているが、それは大きな犠牲を
生むことになりかねない過ちだ。
専門家によると、問題の1つは、コンピュータに詳しい一部の人たちが、専門用語を用いて自らの仕事に学究的で神秘的な雰囲気
をまとわせようとしており、その結果、解説マニュアルからシステム設計、プロフェッショナルトレーニングに至るあらゆる側面で明快さ
が欠如していることだという。
ユーザーの教育という点では業界は進歩を遂げてはいるが、サイバー犯罪の脅威が高まりつつあり、また近い将来インターネット
ユーザーがさらに何十億人と増えるであろうことを考えると、前途には膨大かつ至急の課題が待ち受けている。
セキュリティと使い勝手の良さを両立させ、さらにモバイル通信の要望にも応えようとバランスに苦心する業界にとって、個人ユーザー
の教育は長年、最大の目標となっている。
だがユーザーはセキュリティソフトウェアをインストールするよう促されたり、より複雑で安全なパスワードを設定するようアドバイス
されたりすることはあっても、「なぜ」の部分を分かりやすい言葉で説明してもらうことはほとんどないはずだ。
また専門家らは、オンラインでのセキュリティ対策の重要性を創意に富んだメッセージを介して説明する必要があると指摘する。そして
そうしたメッセージは、さまざまな年齢層やユーザー層を対象にテレビ広告や学校教育、YouTube、Second Life、ソーシャルネットワーク
サイト、動画ゲームなど、あらゆるメディアを通じて発信すべきという。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1002/25/news048.html