米国Amazon.com傘下のAmazon Web Services(AWS)は、クラウド基盤サービス「Elastic Compute Cloud」に、
「High Memory Extra Large Instance」という新たなインスタンス・オプションを追加した。
High Memory Extra Large Instanceは、既存の「Standard Instances」に比べてメモリ容量を大幅に増強した
インスタンス・オプション。Standard Instancesのメモリ容量は、「Small Instance」で1.7GB、最大構成の「Extra
Large Instance」で15GBであるのに対し、High-Memory Extra Large Instanceでは17.1GBのメモリ容量が提供
される。なお、ストレージ容量は420GBとなっている。
「大容量メモリのインスタンスを追加したのは、解析アプリケーションや膨大なデータを扱うアプリケーションを
快適に動かすためだ。データベースやミドルウェアなどのアルゴリズムは長年、メモリの制約をうまくかわしてきたが、
膨大な演算を力ずくで処理するには単純にメモリを増やすのが有効だ」と、米国の調査会社Redmonkでアナリストを
務めるマイケル・コート氏は指摘する。
また、Amazonは、「Reserved Instance」オプションにWindowsのサポートを追加することも明らかにした。これにより
同社は、Microsoftのクラウド基盤「Windows Azure」に対抗策する構えだ。
通常、AWSのユーザーは処理能力を従量制で購入するのに対し、Reserved Instanceでは前払いすることで一定期間
インスタンスを利用することができる。ユーザーはそれと引き換えに1時間単位の料金をディスカウントしてもらえるしくみだ。
なお、通常の「On-Demand Instance」は、Windowsに対応済みだ。
「従量課金制のクラウド・サービスは、アプリケーションの実行時間を最小化することで専用サーバより割安にすることを
目的としている。今回のオプション追加も同様のことが言える」とコート氏は説明する。
http://www.computerworld.jp/topics/cloud/175329.html