米国McAfeeは2月9日、2009年第4四半期(Q4)のセキュリティ脅威レポートを公開した。それによると昨年2009年は、政治的な
背景を持つ“政治的ハッキング活動(Political hacktivism)”が急増したという。
同レポートによると、“政治的ハッキング”の標的はもはや米国だけではなく、またそうしたハッキング活動の拠点ももはや中国
だけではなくなっているという。レポートでは実際にそうした攻撃に見舞われた標的として、ポーランド政府、コペンハーゲン環境
サミット、ラトビア独立記念日などが挙げられている。
同四半期中に送信されたスパム・メッセージの数は、平均で1日あたり約1,355億件にも上った。ただし、この件数は直前の四半期
と比較すると24%も減少している。同四半期におけるスパム発信元の上位3カ国は米国、ブラジル、インドだった。
ゾンビPC(マルウェア感染などにより、外部から不正操作できる状態で放置されたコンピュータ)の“生産国”として、前四半期に
トップだった米国は2位に後退、代わりに中国が1位となった。全世界のゾンビPCのうち、12%が中国にあるコンピュータだったという。
なお、2位米国以下はブラジル、ロシア、ドイツと続く。
Webアプリケーションの脆弱性などを突くSQLインジェクション攻撃は、過半数の54.4%の攻撃が中国を発信源とするものだった。
スパマーの動向としては、「マイケル・ジャクソン氏死去」や「Air Franceの航空事故」など、社会的関心を集めたニュースをエサに
スパム・メッセージを配信する手口が多く見られたという。また、スケアウェア(何の機能も持たない偽のセキュリティ・ソフト)を購入
させる事例や、「Facebook」などのSNSを悪用した攻撃事例も増加したと報告されている。
McAfee Labsのシニア・バイス・プレジデント兼CTO(最高技術責任者)を務めるマイク・ギャラガー(Mike Gallagher)氏は、「2009年
Q4はスパム行為が下火になった一方で、脅威の発生源となる地域や脅威の種類といった面で、興味深い変化が起きた」と指摘して
いる。
http://www.computerworld.jp/topics/vs/174310.html