米国MicrosoftがWindowsの海賊版対策プログラムを「重要なセキュリティ更新プログラム」として配布し、顧客に正しい情報を
伝えなかったとして2006年に提訴されていた問題で、米国連邦地方裁判所の判事が先週、この訴訟を棄却していたことが明らか
になった。
裁判所の文書によると、連邦地裁のリチャード・ジョーンズ判事は原告とMicrosoftが訴訟取り下げに合意して一夜明けた2月5日、
本件を棄却した。
2006年6月、Microsoftは「優先度の高い」自動更新プログラムとして、Windows XP利用者に海賊版対策プログラム
「Windows Genuine Advantage(WGA)」を配布し、これは多くのXPマシンに自動的にダウンロード、インストールされた。
Microsoftでは海賊版Windowsを検出するために、WGAとその後継プログラム「Windows Activation Technologies」を採用している。
海賊版Windowsが使われていると判断した場合、WGAは画面に警告メッセージをしつこく表示する。
一連の訴訟は、同社がWGAプログラムを「重要なセキュリティ更新プログラム」と偽って配布し、WGAがユーザーのPCから
情報を収集して頻繁に同社サーバに送信することをユーザーに正しく伝えなかったとして、2006年7月に提訴されたものだ。
その後、原告らは各自の主張をまとめたうえで裁判所に集団訴訟の認定を求めた。
Microsoftは昨年、もしこの訴訟が集団訴訟として進められたら巨額の賠償請求になるとしてジョーンズ判事に異議を申し立てた。
同社は、「原告は12件の損害賠償申し立てに対し、数千万人のユーザーを代表して数億ドルを要求している」とし、「これでは企業
から金を巻き上げる企業ゴロと変わらない」と訴えた。
ジョーンズ判事は先月の裁定において、原告側が公判前にほとんどの申し立てを撤回したとはいえ、Microsoftは集団訴訟への
対応に費やした金額の補償を求めることができるとも述べている。その場合、Microsoftは2月12日までに支出報告書を提出
しなければならない。
ただし、本件棄却の条件として、原告とMicrosoftはそれぞれの弁護士費用を各自で負担することで合意している。
http://www.computerworld.jp/news/plf/174249.html