インターネット番号資源を世界中に割り当てるレジストリによると、IPv4のアドレス不足が深刻な状況に達しているという。
レジストリを代表するNumber Resource Organizationは米国時間1月19日、IPv4の未割り当てアドレスの割合が10%未満となり、
ISPや企業によるIPv6への移行が進まなければ、すべての企業や組織の今後のネットワーク活動に影響が生じる恐れがあると述べた。
NRO会長のAxel Pawlik氏は19日の声明で、「IPv4はアドレス数に限界があり、グローバルインターネットアクセスという世界中の人々が
抱く野望を実現するための十分なリソースを提供することができない」と述べた。「IPv6の導入が、今後莫大な数の人々および機器を
接続するネットワークの実現に向けた主要なインフラとなる」
しかしPawlik氏はZDNet UKに対し、かつては2011年にIPv4アドレスが枯渇すると予測されていたが、現在の状況からは2012年になる
可能性が高そうだと述べた。「それは、現在の増加率に基づく予測だが、今後、膨大な割り当て要求が生じる可能性もあるため、実際の
ところはわからない」と同氏は述べた。
ネットワークを介して機器が互いに通信するためのインターネットプロトコルには、2種類存在する。ほとんどのアドレスがIPv4のものだが、
2008年初頭に導入されたIPv6の方が格段にアドレス数が多く、ウェブユーザーや接続機器の数の増加に伴い、その膨大なアドレス数が
必要になると思われる。
IPv4とIPv6のアドレスの間には互換性はない。Pawlik氏は、両方のIPアドレス間で互いに通信することは技術的に可能だが、ネットワークの
安定性を維持し、IPv4アドレスが枯渇した場合の複雑な問題を回避するために、企業やISPが可能な限り早くIPv6に移行することが最適で
あると述べた。
Pawlik氏は、IPv6への移行に伴う作業時間やコストに見合う「現実的で説得力のあるビジネス上の利点」がないために、ISPや企業は
IPv6への移行を先送りにしてきたと述べた。
「(数字以外にも)特殊な文字が使用され、また、IPv6アドレスの方が長いが、エンジニアはいつかそれに取り組まなければならない」と
Pawlik氏は述べた。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20406896,00.htm