米Microsoftはカナダのソフトウェア企業i4iに起こされた特許侵害訴訟への対応として、オンラインストアでのOffice 2007の販売を
一部停止したほか、Microsoft Word 2003およびWord 2007向けのパッチをオンラインダウンロードセンターで公開している。
この特許侵害訴訟では、「MicrosoftのWordはi4iが所有するカスタムXMLの特許を侵害している」との判断により、Microsoftは裁判所
からWordの販売差し止めを命じられ、その期限が1月11日とされていた。Microsoftはかねてより、問題とされている機能を削除し、
i4iの特許を侵害しないようWordを作り直すことでこの差し止め命令に従う意向を示していた。
一方でMicrosoftは米連邦巡回控訴裁の11人のすべての判事に対し、この長期にわたるi4iとの訴訟の内容を見直すよう要請している。
米テキサス州東部地区連邦地裁が2009年8月に下したオリジナルの判決は、Microsoftに対し、i4iへの総額3億ドル近くの賠償金の
支払いのほか、Wordの販売を60日以内に停止するよう命じる内容だったが、同社はこれまでのところその実行をなんとか回避してきた。
米連邦巡回控訴裁は12月22日、地裁の判決を支持する判断を下している。
連邦巡回控訴裁が地裁の判決を支持したことを受けて、Microsoftの広報担当者ケビン・カッツ氏は12月22日付の文書でReutersに
次のように語っていた。「当社はこの差し止め命令をめぐる問題に対処すべく、迅速に行動している。われわれは連邦巡回控訴裁大法廷
での再審理の請求や米連邦最高裁への上訴も含め、幾つか法的な選択肢も検討中だ」
今のままではMicrosoftは3億ドル近くの賠償金を支払わなければならないが、同社としてはそれは回避したいところだろう。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1001/12/news041.html