Winnyでどのようなファイルが公開されてしまう状況にあるのか――情報セキュリティ研究者の高木浩光氏が、このほどWinny上の
ファイルを確認するためのブラウザ「Nyzilla 1.0」を公開し、ユーザーに実態を把握するよう呼び掛けている。
Nyzilla 1.0は、特定のサイトを指定することでそのサイト上からWinnyへ公衆送信される可能性のあるファイルを確認できるもの。
ファイルのアップロードやダウンロード機能は搭載せず、ファイルの特徴やキーの更新時間などの情報のみを把握する仕組みと
なっている。
高木氏は、Winnyで違法ソフトや児童ポルノ、情報漏えいしたファイル、不正プログラムなどの流通が続く現状について、Winny
ユーザー自身がどのような情報を公開可能にしているか自覚していないことが原因の1つと指摘。海外の主要なファイル共有ソフト
はユーザー自身が公開している情報や、接続先の相手がどんなファイルを公開しているかを確認できるが、Winnyにはこうした
仕組みがないという。
Nyzillaの狙いについて同氏は、Winnyユーザーが状況を把握することで不特定多数へファイルを公開する行為を自覚してもらうこと、
また、ファイルの流通実態が明るみになることで、Winnyなどに対する世論が事実に基づいて正しく形成されることを期待したいと
表明している。
なお、企業ネットワークなどで使用する場合にWinnyを使用したものとして検知される場合があり、企業などでNyzillaを使用する
必要がある場合には必ずネットワーク管理者へ相談するように促している。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0912/24/news085.html