マイクロソフト株式会社は、同社Macintosh Business Unit(通称Mac BU)のゼネラルマネージャであるエリック・ウィルフレッド(Eric Wilfrid)氏の 来日にともない、メディア向けのラウンドテーブルを開催した。
Mac BUは、Mac向け製品を専門に開発する組織としてはAppleを除けば最大規模であり、同氏はそのトップにあたる人物である。
MacBUは8月13日(現地時間)にWebカンファレンスを行なっており、Microsoft Office for Macの次期バージョンにおいては、 既存のEntourage for Macに代わってOutlook for Mac を提供すると発表している。 また次期バージョンのMicrosoft Office for Macは、2010年のホリデーシーズンに向けて開発中であることも、この時明らかにされた。
エリック氏がビッグニュースとして改めて紹介したのが、次期Office for Macにおいて、 Outlook for MacがEntourageに代わって搭載されるという点だ。 実は、Mac OS 9時代のOutlook Expressとは異なり、Exchange Server対応アプリケーションとしてのOutlook for Macという製品も 以前には存在していたことがあるのだが、今回同氏が「新しいアプリケーションとして」とわざわざ前置きしてOutlookを紹介したのは、 次期Office for MacのOutlookは、開発環境をCocoaベースにして一から作成されているというニュアンスが含まれていたはずだ。
Outlook for MacがCocoaベースとなることで、ユーザーインターフェースはMac OS Xとの親和性がより高まり、 新しいデータベースを採用することで現在のMac OS Xとの相性もさらに向上するものとされる。
その場では言及されなかったが、具体的な例を挙げると、現行のEntourageではメールファイルが受信ボックス単位で1つのファイルとして管理されている。 その利点も確かにあろうが、Time Machineを使ったロストファイルの復旧やSpotlight検索など、現行のMac OS Xでの利用を考慮するならば、 受信BOX単位ではなくメール単位で管理した方がより効率的な運用が見込めるだろう。
実際、Mac OS X標準搭載のMail.appはメール単位でのファイル管理がなされている。 やや大雑把ではあるが、新しいデータベースの採用にはこうしたメリットがあるものと思われる。