9月9日にはもう1つビッグニュースがある。それは米Microsoftが米小売大手のBest Buy用に作成した
スライドに関連したものだ。このスライドは、Linux搭載デバイス(特にNetbook)よりもWindows 7を搭載した
マシンを買う方が得だという理由をBest Buyの販売スタッフに示すのが目的であるようだ。
言うまでもないことだが、こういったニュースが流れると、ブログの世界ではアイドルのコンサートで
十代の女の子たちが金切り声を上げるような大騒ぎになるものだ。
Linux対抗スライドでは、Microsoftは広範な分野にわたって批判を展開しており、オープンソースの
競合製品であるLinuxは「World of Warcraft」などのゲームを動かせず、対応する周辺機器の数も
少ないと主張する。
ブロガーやLinuxおよびAppleの各コミュニティーが展開している反論は当然ながら、Linuxユーザーは
Wine(エミュレータ)を使えばWindowsプログラムを実行でき、また、Windows 7アプリケーションを必要と
するAppleユーザーには、デュアルブート機能やParallelsなどのプログラムを利用して仮想マシン上で
Windowsを実行するなど、さまざまな選択肢が用意されているというものだ。
だが、こういった反論はやや的外れだ。というのも、Best Buyの平均的な顧客は、A地点(起動)から
B地点(インターネット、ワープロ、シューティングゲームなど)に最短距離で連れて行ってくれるPCを
求めているのであり、B地点に行くにはWineをダウンロードしなければならないとか、デュアルブートを
使う必要があるなどと言おうものなら、彼らは目を丸くするだろう。
これらのスライドの主張が誤りかどうかは別として、あらゆる企業が自社に有利なメッセージを
繰り出しているのは事実だ。Appleは自社のOS「Snow Leopard」にマルウェアスキャナを組み込んで
いるのに、同社のTVコマーシャルを見ると、Macはマルウェアやウイルスとは無縁だと宣伝している。
もちろん、企業の宣伝文句に対して腹を立てても仕方がない。
企業が自社の利益のためにできることは何でもするのは当たり前だからだ。
(抜粋)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0909/10/news081.html