半導体製造を手がける GLOBALFOUNDRIES は29日、STMicroelectronics (STMicro) が顧客企業となったことを発表した。
GLOBALFOUNDRIES は、AMD が半導体製造部門を分離し、中東からの投資を受けて設立した会社で、AMD 以外の大型顧客獲得は今回が初めてとなる。
GLOBALFOUNDRIES が外部から得る初の大型顧客は、グラフィックス市場における AMD の競合相手 nVidia ではないかと見られていたが、
最終的には STMicro との契約が成立した。STMicro は、高性能グラフィック プロセッサを手がける nVidia ほど有名ではないし、
人々の関心を誘う側面も少ないが、とても大きな会社だ。
スイスに拠点を置く STMicro は、2008年通期の決算で98億4000万ドルの売上を計上しており、これは nVidia の売上に比べほぼ2倍に相当する。
同社は現在、半導体製品の設計と製造の両方を手がけている。
そして、nVidia がすでにそうしたように、半導体製造施設を経営から切り離す、いわゆるファブレス化の意向を持っていた。
また STMicro は、一部の企業ほどには目立たないが、幅広くビジネスを手がけている。
同社は、通信、自動車、コンピュータ周辺機器、プリンタ コントローラ、電源、メモリといった分野の製品を提供している。
今回の契約により、STMicro は、40nm 製造プロセスによる低消費電力量産技術に基づいた製品の製造において、GLOBALFOUNDRIES と提携する。
この技術は、低消費電力を必要とする STMicro のワイヤレス応用製品、携帯機器、家電製品の多くにとっては理想的なものになる。
GLOBALFOUNDRIES は来年、同社のドイツ工場で STMicro 製品の製造に着手する。
GLOBALFOUNDRIES は、ニューヨーク州北部で巨大な生産施設を起工したばかりだが、同施設の建設が終わるのは2011年で、操業開始は2012年になる予定だ。
その一方で、同社は40nm 製造プロセスを配備するため、ドイツのドレスデンにある生産施設の更新も同時に進めている。
なお AMD は CPU 製品について、45nm 製造プロセス移行を進めており、さらに32nm 製品への移行も開始している。
http://japan.internet.com/busnews/20090730/11.html