UNESCO(国連教育科学文化機関)と米Sun Microsystemsはスイスで現地時間2009年5月22日,
社会と経済の発展を支えるためのオープンソース技術の利用に関して協力すると発表した。
ジュネーブで開催された世界情報社会サミット(World Summit on the Information Society)の
2009年フォーラムにおいて5月18日に締結した提携協定のもと,世界中の発展途上地域での
情報アクセスの向上,通信技術の利用促進,ICT(情報通信技術)スキルのトレーニングについて
オープンソースの活用を目指す。
教育の向上や,情報と知識への普遍的なアクセスを低コストで実現するための手段として,
OpenOffice.orgやOpenDocument Format(ODF)などのオープンソース技術の利用を推進する。
また,新興国でのオープンかつ包括的な知識社会の確立に向けた支援も行う。
提携によるプロジェクトでは,Sunはオープンソース・ソフトウエアおよびそのノウハウ,トレーニング
素材を提供する。UNESCOは,オープンソース技術の導入促進に向けた取り組みを担い,
OpenOffice.orgやODFの利用に関するサポートとトレーニングを担当する機関の選定も行う。
今回の提携について,UNESCOの松浦晃一郎事務局長は発表資料の中で,「UNESCOは,
あらゆるソフトウエア・モデルがもたらす可能性を尊重しており,すべての人が情報と知識の
恩恵を享受できるよう,選択肢の多様性を支持している。Sunとの提携により,フリーなオープン
ソース・ソフトウエアの力を生かして知識の拡充と普遍化を進めたり,コミュニティの手法による
ソフトウエア開発を促進したりできることを喜ばしく思っている」と述べている。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090526/330676/