米Microsoftは12月16日(現地時間)、Office製品へのODF(Open Document Format)の実装に
ついて解説した文書「ODF 1.1 Implementer Notes For Office 2007 SP2」を公開した。
「Document Interoperability Initiative(DII)」のサイトで閲覧できる。同社は今年5月、
2009年春に提供が予定されているOffice 2007 SP2でODF、PDF、XPSの3つの文書フォーマ
ットを新たにサポートすると表明。今回の発表はOffice 2007やODFまわりの製品開発を促
進するのが目的で、開発者らの要望を受ける形でリリースした。
XMLをベースにした文書フォーマットODFは標準化団体のOASISを中心に仕様が策定された。
従来までベンダーごとに異なる実装が行われてきたプロプライエタリな文書フォーマット
の世界を共通化することを目的としている。ODFと並行する形で対抗規格となるOpen XML
の標準化を進めてきたMicrosoftだが、各方面からの圧力もあり、Open XMLのみにこだわ
らず、Office製品で幅広いフォーマットをサポートしていくという方針転換を5月に発表
したばかりだ。今回はその途中の成果報告となる。
Office 2007 SP2ではODF 1.1のほか、PDF/A(PDF 1.4をベースにしたISO標準)、XPS(XML
Paper Specification)の3種類の文書フォーマットに新たに標準対応する。XPSは2005年5月
のWinHECで発表されたPDF対抗の印刷物をターゲットにした文書フォーマット(開発コード
名: Metro)だ。米MicrosoftのシニアプログラムマネージャDoug Mahugh氏は、文書間の互
換性を実現することがすべてのゴールになると説明する。今回は文章の形でMicrosoftの
Office製品における実装をすべて明らかにすることで、仕様の透明性を高める狙いがある
という。例えば、文章の装飾方法1つとっても文書フォーマットによって扱いが異なった
り、アプリケーション特有のカスタマイズ情報が埋め込まれることがある。実装内容をす
べて明らかにすることで、開発者側がこうした挙動の細かい違いを把握できる。
Microsoftはまた、Office 2007 SP2でのOpen XML(Ecma 376 Edition 1)の実装についても、
数週間内に技術文書を公開する予定だという。
米MS、Office 2007 SP2でのODF実装を解説する技術文書を公開
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/12/17/004/