コンテンツ配信技術で著名な米Akamai Technologiesと米Macromediaは22日(米国時間)、MacromediaのFlash Player
を介した動画コンテンツ配信で提携したと発表した。これにより、コンテンツ配信事業者や企業は、切れ目のな
い高画質なストリーミングビデオ映像を、Flashを介してユーザーに提供することが可能になる。また同日、フラ
ンス企業のAlcatelと米MicrosoftがIPネットワークを介してTV配信を行うIPTV技術で提携を発表するなど、イン
ターネット業界ではストリーミング配信が1つのムーブメントとなりつつあるようだ。
今回、AkamaiとMacromediaが発表した提携により、コンテンツ事業者や企業はMacromediaのFlash Communication
ServerとAkamaiのEdgePlatformを使って、高画質なストリーミングをFlash Player経由でユーザーに届けること
が可能になる。動画配信にFlashを利用するメリットの1つは、ストリーミング配信のために専用のプレイヤーを
別途ダウンロードしたりする必要がなく、手軽にストリーミングを楽しめる点だ。現在、この分野では米Microsoft
のWindows Mediaと米RealNetworksのReal、米AppleのQuickTimeが大きな勢力を持っており、MacromediaのFlash
もAkamaiやコンテンツ事業者の助力を得ながらこの市場へと歩を進めることになる。
これまでにもAkamaiでは、同社のコンテンツ配信プラットフォームを介して数百Mbpsの速度でのストリーミング
など、Flashベースのコンテンツを配信してきた実績がある。Akamaiによれば、2004年はこのプラットフォームを
介した配信量がFlash以外のコンテンツも含め、全体で200%以上増加しているという。両社では今回の提携を通し
て、映画やTV放送のオンデマンド配信、製品デモストレーション、企業の各種発表など、さまざまな用途での利
用を拡大していくつもりだと述べている。
また同日、フランスのネットワーク機器企業Alcatelと米Microsoftが、IPTVソリューションの展開で提携を発表
している。IPTVとは、インターネットなどのIPネットワークを介して高画質なTV放送のオンデマンド配信を行う
技術の総称で、1年ほど前から、Microsoftが米SBC Communicationsなどの地域系電話会社やサービスプロバイダ
ーと共同で配信実験を進めてきたものだ。今回の提携で両社は、IPTVの展開に必要な技術やサービスの開発を共
同で進めていく予定だ。
このようにインターネット業界ではオンラインでのビデオ配信が1つのブームとなりつつある。調査会社の米Avenue
A/Razorfishが1月20日発表したデータでは、2005年のオンライン広告のトレンドは、従来までのポップアップに
よる手法から、ビデオ配信によるものが増加してくると予想している。Flashの今回の発表も、こうした業界のビ
デオ配信に対する要求の増加を受けてのものだと考えることができるだろう。
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/02/23/007.html より