Q:060turboの060モードにするとX68030と比べてどのくらい速くなりますか?
A:キャッシュモードなどにもよりますが、MPUの内部で処理できることは圧倒的に速くなります。
例えば、レイトレーシングソフトのように実数演算を大量に使うプログラムは数倍から数十倍、
ものによっては20倍以上速くなります。
一方、X68030の本体側で時間がかかることは速くなりません。
例えば、グラフィック画面のアクセスはMPU内部よりもX68030本体側でより多くの時間がかかるため、
ほとんど速くなりません。
つまり、動画の再生などはデータ変換にかかる時間を除けばほとんど速くならないということです。
Q:X68030で動いていたプログラムは68060モードでも全部動くのですか?
A:残念ながらそのままでは動かないプログラムも出てきます。
しかし、キャッシュモードの変更やプログラムの簡単な改造で動く場合があります。
Q:060turboを装着する前まで動いていたプログラムが、
060turboを装着したら030モードですら動かなくなりました。なぜですか?
A:原因は幾つか考えられますが、第一に060turboの装着ミスが挙げられます。
060turboやそのボード上の68030およびROMが正しい向きに十分な深さまで
押し込まれているか確認してください。
また、X68030のROMに依存していて、ROMを変更しただけで正常に動かなくなる
プログラムを実行した可能性があります。
X68030のROMに依存しているプログラムは、市販のゲームソフトやフリーウェアに
ごく稀に存在します。
このようなプログラムは、一時的にROMジャンパを戻して030モードにしなければ動きません。
Q:ライトスルーモードでは動くのにコピーバックモードでは動かないプログラム
があるのはなぜですか?
A:そのようなプログラムは、自己改変や自己展開を行っている可能性があります。
ライトスルーモードでは自己改変を行っても命令キャッシュがヒットしなければ
正常に動作することがありますが、コピーバックモードでは書き換えたテータが
ダーティデータとしてデータキャッシュに留まっていると命令キャッシュがヒットしなくても
正常に動作しません。
そのようなプログラムはライトスルーモードで動かすか、コピーバックモードでも動くように
プログラムを改変する必要があります。
Q:256色モードのグラフィック画面を使っているプログラムが速くなりません。
なぜですか?
A:256色モードのグラフィック画面のアクセスを速くする手段に、movep命令を
使うという方法があります。
ところが68060にはmovep命令がハードウェアで実装されておらず、
ソフトウェアでエミュレーションされるようになっています。そのため、
68040以下のMPUと比較しmovep命令を多用しているプログラムは速くならないのです。