オーディオのロマンを語ろう パート4

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705Eurodyn使い
「Eurodynの話題について展開して欲しい」と言うご要望が謎スレに上がりま
した。ロマンスレでは「謎」の話題に振り回され、謎スレでは「ロマン」の
話題が持ち上がる。私は理解に苦しみます。

まぁ、せっかくのご要望なので・・・

Eurodynの風体、開発の歴史については、ネット上で公開されているサイトが
ありますので、私がコメントする必要も無いでしょう。ここでは、私の主観的
な部分を書くことにします。

Eurodynを最初に聴いたのは、20年以上前になります。最初の印象は、
「壊れたラジオみたいな音」です。強烈にナローレンジ、硬くこわばった音で
、怪鳥の雄叫びの様な中高音には驚きました。それも、売価がペアで
\3,000,000-以上!!!こんな音にこの金額を支払う理由など全く理解できま
せんでした。

恐らく、今でもあの様な音を聴かされたら、Eurodynを評価するようなことは
ないでしょう。ステレオサウンド1982年冬号のEurodyn試聴記事での評価が曖
昧だったのも、とんでもない音を聴いてしまったのではないかと思います。

しかし、今、私はEurodynを使っています。Eurodynの評価が一変する経験が
無ければ、今には至らなかったでしょう。当時のハイエンド・オーディオ
(民生機)ではバランスが全く取れず、Eurodynを鳴らすことを前提にした様
な劇場用装置の類しかバランスが取れなかったのです。

Eurodynの魅力は、透明感、コントラスト、トランジェント、低域の音階の
再現力・・・そんなところでしょうか。しかし、これらはバランスが整った
場合にしか楽しむことは出来ないようですし、音色や独特の言い回しとも言う
べき表現は好き嫌いが分かれてしまうところだろうと思います。

ここで言うシステムバランスは、スピーカーケーブル等の枝葉末節ノウハウで
調整できるものではないと思います。「音脳」等という代物も枝葉末節ノウハ
ウの一つにしか過ぎないでしょう。システムバランスを整える方法として、
TKさんの様にEurodynを鳴らすことを前提にしたシステムを揃えてしまうの
が、迷路に迷うことも少ない近道かも知れません。

私の場合は、当時の業務用装置よりももっと自分の好みに合う鳴らし方を求
めていますので、必然的にアンプは自作となってしまいます。私にとっての
Eurodynは、私が作ったアンプの音を余すところ無く表現してくれるようで、
大変に有り難い存在です。裏を返せば、出来の悪いアンプの音も余すところ
無く表現してくれるので、悲劇的な再生音を聴くことも出来ます。

「Eurodynの音を聴きたい」とのご要望には、私は極めて消極的にお応えする
ようにしています。その筋のお店に行けば、Eurodynを鳴らしてくれます。
どの様な鳴り方なのかは私の知ったことではありませんが、素性、ポテンシャ
ルだけは分かるかも知れません。それが、Eurodynについてなのか、お店につ
いてなのか、試聴された方についてなのかは、各自がお考え下さい。