[R指定]紳士淑女のオーディオ千夜一夜なのさ[121夜カニ]
昨夜からのデッキ調査により、原因判明と修理が終わり
このスレに書き込める状態になった。
ビクターの音も分かった。デッキはTD−V711
さすが、バブル期の中の1988年に作られただけあって、重量が重いし
ネジが多く使われていたので、メカ部分の取り出しに手こずった。
ネジは使いたいだけ使った・・という感じだった。
なのでフロントパネルにも、普通は考えつかない箇所にネジが使われていたので、
フロントパネルの外しに手こずった。
しかしビクターの音が分かってよかった。
自己再録をすれば、そうでもないのかもしれないが、TEACやA&Dのデッキで録音したテープは、
ややハイ上がりに聴こえた。音楽では分からないがFMパーソナリティーの声だと
どの様な傾向なのかが分かる。よく聴いているパーソナリティーの声がやや
Hi上がりに聴こえた。音はクリア。音楽性での量感はいい。
想像していた音よりは良かった。パワフルな馬力感で押してくる質感だと思っていたのだけれども、
その押し付け気味の感じはなかった。TEACやA&Dと比較すると少しパワフル感を感じる音だった。
しかし昔聴いたビクターのアンプでの、パワフル感を押し付ける音でなかったので、
聴き易い部類の音に感じた。 そのビクターデッキの故障原因と修理方法は後で投下予定。
故障の説明は次の様に書かれていた。
・再生すると巻き取り側のリールが回らないので、テープを巻きこみます。
・早送りは出来ます。
・巻き取りは止まりそうな感じです。
テストをした。巻き取り側のリールを細い針金で回しながら再生状態にしてみた。
すると、再生音を確認出来た。だから再生アンプは生きている。
早送りなどが出来るので電源部分も生きている。という事が分かったので
再生が出来な原因を調べた。 最初は電源部分を疑った。一晩おいて又、考えた。
再生状態にして巻き取りリールの部分を見ると、キャプスタン軸からアイドラーを介在して
巻き取りリールの少し黄色のアイドラー部分は回転していた。その部分は回転していたが
テープの穴に入る軸の部分は回転していなかった。
だから、このリール部分での摩擦の低下などが原因と考えてみた。
このブログでの、上から2番目の写真が役に立つ。
●メカ部分の写真 写真は上下を逆にして写っている。
Victor TD-V711の修復A
http://blogs.yahoo.co.jp/emroad/58516116.html だから、写真の上側にヘッドが見える。だから巻き取り側のリールは左側に写っている。
左のキャプスタン軸が巻き取り側の軸になる。その斜め左下にあるのがリールを回す為の
アイドラー。キャプスタン軸の回転を介して巻き取り側のリールを回す方法になっている。
写真では、左のリールが巻き取りリールになっている。右側の白色に比べて黄色味に
なっている部分のアイドラーに、キャプスタン軸から回転を伝えるもう一つのアイドラーが接触して
リールが回る。その回転の伝わり方が正常な場合。
そこでよくリールを見た。すると、少し黄色味のアイドラーの次に真鍮りリングが見える。
その先には、テープの軸に入る六角のツメ部分がある。だけれども、故障品のデッキは
写真での真鍮のリング位置とは違い、写真で見るよりは前に飛び出していた。
だから、左右の真鍮リングの位置は平行ではなくて、段違いになっていた。
左の真鍮リングは前に飛び出して、テープの穴に入る六角ツメに近づいている位置にあった。
その飛び出しの状態が、すべての故障原因だった。
理由は分からないが、その真鍮リングを奥に押し続けると、何かにはまり込む様にして
写真での位置状態に収まった。すると、キャプスタン軸の回転→ 黒いアイドラー →
少し黄色のアイドラーへの回転 → 六角ツメの回転 として、巻き取り側のリールが
正常に回転し始めた。 そこで実際にテープをメカ装着して再生をしてみた。
するとテープを正常に巻き取り、再生を開始した。
むぅ。私が某卓球用具会社の中のシトだったら提携してホヒヒッ
名状し難い打球が放てる粒高ラバーとかヒートの粘着ラバー等の商品展開をするのダガー
写真での真鍮リングが前側に飛び出す事により、少し黄色のアイドラーとの摩擦力が無くなり、
テープを巻き取る六角ツメを回転できなくさせていたと考えられる。
手で真鍮リングを押し込む事により、何かのロック状態になり、真鍮リングが正常な位置に
固定されたので、少し黄色のアイドラーとの摩擦力が回復したので、テープを巻き取る六角ツメの
正常な回転につながったのだと思う。
その巻取り用・六角ツメが正常に回転をし始めると不思議に、あれだけ力の無かった
巻き戻し側のリールの回転力は増して、問題なくテープのエンドまて巻き戻しが可能になった。
手探り状態での修理だったけれども、修理は完成した。
メカを取り出したついでに、修理ブログにあるパルスモーターの弱点=表面実装電解コンの
早期劣化を回避する為に、その電解コンを交換しておいた。 電解コンは2個。
16V 10μF だけれども、25Vでも、35Vでも、50Vでもかまわない。10μFであれば。
だから、50V 10μFに交換をした。
ビクターのパルスモーターの弱点。TEACなどのDDモーターでも
表面実装という電解コンの液漏れが起こり易いとの事。この電解コンの劣化は
キャプスタン軸の回転を高速回転させるので、Hiピッチの再生音になるとか。
この修理ブログでの、4〜5枚目の写真がその問題である・表面実装という
電解コンと、その修理後(電解コン交換あと)の状態。
写真ではTD-V721 になっているけれども、V711、V721、V931の3機種は
同じパルスモーターなので、表面実装電解コンの交換方法は同じ。
初めて見ました。DD ダイレクトドライブ
http://joeflyish.exblog.jp/11457421/
1988年と書いてしまったが、1987年から製造となっていた。
VICTOR TD-V711 \85,000 (1987年頃)
http://audio-heritage.jp/VICTOR/player/td-v711.html 天板を外した写真で見るかぎりは、接続コードが多いと見えないけれども、
実際にはメイン基板からフロントパネルにつながるコードの数は多い。
メカにつながるコードもゴワゴワ感のあるコードなので、コードが多いと錯覚を感じ易い。
その錯覚が、メカの取り出しを少し難しくしていた。
修理を完了して再生音を聴く限り、電解コンデンサーはまだ劣化をしていない様に感じた。
そう言えば、天板の裏側にもスス焼けの後が全く無かった。
なので、ほとんど使われていないデッキだと思う。 しかし年数が経っているのと
落札価格が100円という事もあり、外観はある程度、傷があった。しかし目立つほどの
傷でもなかった。 1987年からなので、25年経過したことになる。
それでも電解コンデンサーはまだ使える。 日本の電解コンデンサーの良さを感じる
ことが出来るのかも。