4306と4305Hを聴き較べてきました。
4306はなかなかまとまりが良くて使い易そうな印象。
最新の録音でレンジの広いものを聴くと両者の差が出る。ぱっと聴いた感じでは4305Hの方
が元気がいい感じがするが、しばらく聴いていると音にあばれがあるのを感じる。このあ
ばれが4305Hの特色でもある。それに対して、4306は地味なようで音の輪郭はシャープ。
ホーンの音の密度は4306の方がかなり高い印象。
両方ともホーンのアッテネータは3時の位置が0dBとなっているが、両モデルとも、そのま
までは高域が出過ぎで、ドラムのタムやスネアの中心周波数の中域がマスクされてしま
い、打楽器系が弱く感じられてしまう。2時と3時の中間からやや3時よりぐらいに少し
ホーンを絞った方がつながりが良い。そのように調整すると、レンジ間は4305よりも4306
の方が広い。
低域は良く似ている。さすがに小さいので4306も4305Hもスケール感は出ない。80Hzぐら
いから下はあまり出ていない感じ。ただし、躍動感はけっこうあり、八畳ぐらいの部屋で、
1.5m程度の近い位置で聴くなら、それなりの低域を楽しめるだろう思われる。フォスの
CW200Aあたりのサブウーファーと組み合わせると良さそう。
値段が4305Hは4万(一本)を切るのに対して、4306は6万弱(一本)。4306には2万の価格
差はその通りだと思える質感の良さがある。上位機種である4312Eが7万弱というのと較べ
ると、1万しか差がないが、低域のスケール感は4312Eのほうが圧倒的に良い。この点では、
4312Eの値段が非常に安いという感じがする。ただ、中高音は互角というか、好みによる。
この価格帯としては4306のホーンは出色の出来。管楽器のリアルさでは4312Eよりも上。
その一方で、ドラムのタムやスネアの打撃感がバシバシ張り出して来るというところでは
4312Eが上。ちなみに、4312EのアッテネータはMIDが9時、HIが3時に設定した。