【LINN DS】ネットワークプレーヤー総合3【DLNA】

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26名無しさん@お腹いっぱい。
日本光電のLANトランスHIT-100のレビュー。
比較はいつもの通りサンワのカテ7ノーマル1m。そこへHIT-100と同ケーブルを継ぎ足して試聴。

これは凄まじい変化である。
音が太い。低音の量感が段違いに増している。かと言ってサンワカテ7スリムの様な低域寄りのやたら押し出しの強い方向へ振れるのではなく高域の解像感は全く失われない。
それどころか上方向へもかなり伸びている。その恩恵か音の輪郭はより鮮明になり明らかに全体として一回り新しく音の衣が付け足されたと感じられ、ボリューム感が増している。
以前OSJのAGLC-1を試した時に音がかなり付け足された感があるが安定感が無くクオリティの低い蛇足にしか感じられないとレビューしたが、こちらは文句無しに質の高い音が付け足されている。
溢れる様な低音でありながら繊細さは全く埋もれず、失われないどころか音の余韻、伸び、残響の表現はストップウォッチで計れるのではないかと思う位にトランス無しよりも圧倒的な長さに変化している。

だが個人的には常用する気にはなれない。
頭で理解した変化はHiFi的な視点からは完全に優良な物であり、完成度の向上は疑いようがない。しかし、理屈抜きで我を忘れて没入させられるパッションが全く感じられない。
ありていていに言えばあまりにも機械的にきっちりと教科書的な上下への伸びとクリアネスの増加がなされたようで、画面全部にピントの合う様に合成された写真のように本来あるべきボケが無い不自然な印象を与える。
そのせいでまるで演奏から魂が抜けたような不安を覚えると共に、所詮紛い物でしかないという録音データの悲しい生の姿を包み隠さず直視させられるようで、正直苦痛である。

だがこの印象は個人的な物で、大抵の環境では目を見張るような出音のクオリティアップに投資額を遥かに超える効用を感じるだろう事は間違いないだろう。
入手に多少難があるが一度使っておいて損は無い、ネットワーク再生の長所を極端な姿で見る事が出来る色々と考えさせられる品であると感じられた。