StyleaudioのDAC(CARAT-PERIDOT他)
Rubyを使っている。開けてもみた。音質面に言及する。
長所
・チャンネルごとのオペアンプ。
チャンネル間のセパレーションが良くなる。
・部品の品質が高い。
例えばDACの解像度は高く、OS-CONなどの高品質パスコンが電源の配線で発生した高周波成分のインピーダンスを効果的に除去。
短所
・ACアダプタの電圧がDC6Vと低く、直流側コードが普通に長い。
これだと電源インピーダンスが大きくなり、全域に渡って音が曇りやすくなる。
・+5v +-12vコンバータ(多分スイッチング)の存在。
PeridotはUSBバスパワー設計であったがRubyでは消費電力がオーバーしたためバスパワー機能を単に取り除いたと思われる。
一からセルフパワーで設計していればDC15V程度のACアダプタor内蔵電源からリニアレギュレータで+5vと+-12Vを生成することもできたため残念。
このコンバータの出力インピーダンスは余り小さくないようであるため音の透明感が不足する傾向がある。
またこのコンバータの出力は入力電源のインピーダンスに大幅に左右されることがわかる。
まあ出ているノイズの影響は比較的小さい感じに聞こえた。
・ヘッドホン出力バッファはオペアンプだけでトランジスタがない。
ヘッドホンは24Ω以上が推奨されていることもあり、パワーに不安が残る。
短所の続き
・出力カップリングコンデンサの存在。
超低音が再生できない。このクラスではやむを得ないかもしれない。
・USBの転送方式における同期タイプはAdaptive。
USBのIsochronous転送には他にAsynchronousとSynchronousがあるがこれらではデバイスが再生クロックをデバイス自身に同期できるのに対し、
AdaptiveではPCのクロックに合わせようとするため音質が劣化しやすい。これは多くの廉価USBオーディオ機器で取られている方式。
・S/PDIF再生時のワードクロック出力と内部同期がない。
USBと同じ事だが、S/PDIFオプティカル入力のクロックに合わせてS/PDIFデータを再生しようとするため音質が劣化しやすい。
まあ他の製品でこれができるのは大幅に高いものしかないし出力機器も外部同期に対応していなければならない。
聞いたことはないけどバスパワーで使えるPeridotの方がバランスの取れた構成であろう。
あと俺の環境ではUSBの方がS/PDIFより遙かに音が良かった。かなり出力依存のようで。
USB使用時はUSBコントローラとして使用されるPCM2707からデジタルオーディオレシーバCS8416に転送されるようだ。
これらはいずれもクロックリカバリを行うものであり、二重のクロックリカバリが音質にいい影響を与えるかわからない。
電源を改造せずにオペアンプを交換する時は電源電圧変動除去比も重要でないかな。ヘッドホン出力段はできるだけ大電流にしたいけれども
そういうのは特性が悪いものしか見当たらなかった。まあ高インピーダンスヘッドホンを使うか歪みを気にしなければ問題がないと言える。
容易にできる音質確保としてACアダプタはコンセントに直接つなぐか短く太い電源タップで繋ぐことは重要と言える。