◆気軽にアナログプレイヤーの話題スレ part.20◆

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699名無しさん@お腹いっぱい。
>>686
ピックアップで振幅比例型と呼ばれる物(セラミックなどの圧電型、コンデンサー、
光など)は記録された波形にほぼ比例した出力が得られる。
蓄音機はこちらのタイプなのでイコライズ無しでもなんとか聴ける。

これに対し速度比例型の電磁変換型(MM,MC,VMなど)のピックアップは波形の変化率
(微分値)に比例した+6dB/octの出力になる。
これは1kHzを基準とすると100Hzでは-20dB、10kHzでは+20dBのハイ上がりの特性、
即ち再生イコライズを入れないととても聴けない音。

逆に言うと盤上の記録波形は周波数に対する振幅が一定に近くなる様に記録されて
いる事になる。(本来はこれが目的だった?)
7001000ZXL子 ◆ZXL//XI9GI :2006/03/10(金) 22:39:28 ID:+iw8dDG4
>>699

勉強になるな!_〆(。。)メモメモ…
701金田デデ使い:2006/03/10(金) 23:57:11 ID:tWTcJxP7
>>699
> 逆に言うと盤上の記録波形は周波数に対する振幅が一定に近くなる様に記録されて
> いる事になる。(本来はこれが目的だった?)

たぶんそれが狙いでしょうね。
一番ふつうに聴かれているRIAA特性のレコードというのは50Hz以下が等速度特性、
50Hzから500Hzまでが等振幅特性、500Hzから2120Hzまでがまた等速度で、
それより上が等振幅、というものですね。
全帯域が等速度特性であるなら、電磁型のカートリッジではフラットな特性のアンプで
フラットな再生が可能なわけですが、これだと同じ音圧レベルを得るためには
低域ほど大振幅のカッティングが必要になります。音溝の振れ幅をそんなに大きくすることは
盤の面積からも、カートリッジに要求されるトレース能力からも、無理があります。
そこで、ほどほどに等振幅特性でカッティングする帯域を混ぜている。
では全部を等振幅特性でカッティングすればいいのではないのか、ということになりますが、
そうなると、電磁型カートリッジで再生する場合、高域と低域の音圧レベル差が
あまりに大きくなり、ものすごく極端に低域を持ち上げた特性のアンプを通さないと
フラットな音が得られません。そこまで高域に較べて低域を持ち上げた実用的なアンプを
作ることは、真空管時代には事実上不可能でしたし、現在でも難しいでしょう。
RIAAなどの規格は、そんなところで妥協してできたものだったのではないかと想像しています。
しかし、全帯域を等振幅特性でカットすれば、コンデンサー型などの振幅比例型カートリッジ
ならイコライズなしにフラットな特性が得られるわけです。
残念ながらちゃんとした振幅比例型のカートリッジは電磁型よりかなり作るのが難しいので、
レコードの初期に主流にはなりませんでした。だからレコードの規格を全帯域等振幅にしよう
などということにはならなかったのでしょう。