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名張毒ぶどう酒事件再審決定
名古屋高裁 死刑確定囚で5人目
発生から44年「自白信用性に疑問」
三重県名張市で昭和三十六年、農薬入りぶどう酒を飲んだ五人が死亡した
「名張毒ぶどう酒事件」をめぐり獄中から死刑確定後も含め四十年余、
無実を訴えてきた死刑囚の奥西勝元被告(79)=名古屋拘置所=の第七次
再審請求審で、名古屋高裁刑事一部(小出●(●=金へんに淳のつくり)一
裁判長)は五日、「自白の信用性には重大な疑問があり、確定判決の有罪
認定は合理的な疑いが生じている」として再審を開始し、死刑執行を停止
する決定をした。死刑判決が事件発生から四十四年を経て、裁判のやり直し
で取り消される可能性が出てきた。
国内で死刑囚の再審が決定されたのは財田川、免田、松山、島田事件に
続き五人目で十九年ぶり。過去の四人は再審で冤罪(えんざい)と認められ
て無罪判決を受けている。