またこれまで扱ってない録音分野としては
トランス、テクノ系などに至る電子音楽の音響デザインの歴史と展望
民族音楽等のフィールド録音とプロデュースされたサウンド・イメージのアイテム化
などもあります。
>920への返信
1.
芸術家は、常にマクロな視点で作品を見ながら作っていることは間違いないと思う。
建築であれば、建造物そのものだけを見ても作者の意図はつかみきれない。
当然、周りの風景や文化などが、建造物のありかたに大きく関わっている。
同時に、内部装飾にも深い意味や機能がもたらされている。
これは、町という視点から見れば、いたってミクロな世界であるが、
作者の「世界観」(非常に吟味された言葉ですねw)を知るには必要な要素である。
つまり、作者の世界観を把握しようとするには、全体と細部を同時に鑑賞可能な
状態を用意しなければならない。
ここでどうしても「芸術の定義」という問題から逃れられなくなる。
私は芸術を、「深層心理が求める感情を引き出す刺激」と定義している。
(深層心理、感情についての定義は省略w)
よって、おっしゃっている「トータルな世界観」および「個々のテクニック」は、
双方とも、「観念」および「刺激そのもの」という、芸術作品を形作る重要な要素であり、
作者にとっても鑑賞者にとっても、同時にモニターされるべきものであると思う。
2.
これはただもう、当時の環境を再現するしかないのでしょうか?w
可変型のスタジオや、空間シミュレートエフェクタ、スピーカーエミュレータ
(以前そういう類のスピーカーが話題になってましたねw)等が実用化すれば
便利でしょうねw
3.
録音環境は規格化されていく傾向にあるということでしょうか?
現場の苦労やノウハウ、テクニック等を全然知りませんので、
私にとっては、規格化されたほうがうれしいですねw
かなりの亀レスですが・・・
「コンソールの上のモニター」なんですがコンソールの反射を
利用しているとのこと。ツマミとかフェーダ−が、デフュ−ザ−
の代りになっているそうです。
よく10Mが載ってますね。よく現場では「でっかいラジカセ」
って言われてますね。>10M
>>923 3.について補足すると
例えば同じプロデューサーが何十年後かにリマスターCDを製作した際に
当時のサウンドを十分に記憶しているわけではないということがあります。
中には再発する際にベーシストを入れ替えてリミックスし訴訟問題になった人もいます。
これは本人が望もうと望むまいと人間は常に経験を積み重ねる生き物ですから
積み重なった経験のフィルターを通してサウンドの記憶を再構築します。
つまり時の情況をサウンドそのものとして記憶することは実はとても難しいことなのです。
逆に勘の良いエンジニアは当時の機器のもつクセをトレースしてリマスターに挑みます。
例えばAmpexのある種のテープ録音機はリールの半分を超えると速度が変わるそうです。
また古いジャズ録音ではチャンネル・セパレーションがモノラルに近いものがあり
CD化する際に左右信号をミックスする必要があると考えた人もいます。
中には高域の位相遅れを補正することで、本来の音の立ち上がりを再現する人もいます。
さらには今の機器に合わせTHDやトーンをシミュレーションするものも出てくるでしょう。
デジタルになってこの手の補正技術はms単位で調整できる一方で
ハード面の準備は再生される雛形の情報がないままユーザー任せというのが市場の常です。
最近になってマスタリング・エンジニアの名前がクレジットされる機会が増えましたが
雛形のサウンド・デザインとユーザー・フレンドリーな試聴環境の変化を仲介する
役割を担う批評活動が本来必要なのだとも感じています。
なるほど、貴重なお話をありがとうございます。
直感的に思った感想は、もしかして現在の方が、どのような「くせ」をもつ環境で
マスタリングされたのかわかりにくい時代、ということでしょうか?
職人が、職人同士で通じ合うことのできる(メディアに残された)情報を集め、
編集されたであろう環境を知ることが可能なのであれば、
現在のような、正確でハイファイな製作現場で作られた「音」は、
編集環境を示す情報をほとんど残さないでしょうから。
「録音状況の記録」についてですが、やはり何の知識も経験も持たない自分としては、
記録が残されていないことによるメリットは全くありません。逆に、知識や経験から
記録されていな部分を読み取ることのできるエンジニアは、たいへんなアドバンテージを
持っていると言えましょう。
ですので私から見れば、あらゆる録音時の情報は、可能な限り文章等の形で残してあった方が
ありがたいと思います。
「マスタリング時にどのような編集作業を行ったか」という情報が、文章で残されるべきなのかどうか。
自動車レースなどのチームだと、あらゆるデータを保存しているでしょう。
もし私がマスタリングを行う身だとしたら、多分文章では残さないでしょうね。
レーベルからの絶対命令とか、規格で残すような義務でもない限り。
ようやくおっしゃっている内容を理解し始めることができたように思います。
つまり、「演奏」→「録音」「編集」「再生機材」→「演奏の再現」という段階を踏んで届く音は、
記録メディアに残そうとするそれぞれの段階で、かなりの不安定要素を含むということですね。
それが幾重にも重なると、「演奏」→「演奏の再現」という関係は、完全な複雑系であるということに
なります。つまり、一つの「演奏」から無限の「演奏の再現」が生まれてしまう。
それをどのようにして収縮させるか、という問題の一つとして、モニタースピーカーというパラメータが
あるに過ぎないということでしょうか。
>>927 モニタースピーカーというのはモニター環境のひとつのパラメータに過ぎませんが
他の機器に比べると個性が強く、また古典的な機器であることも手伝って
興味深いものであったように思います。
他に録音で重要な要素として、マイクの癖とセッティングの違いもあり
ミキサー卓のように必要悪のような負荷の重たい電子回路もあります。
最近はビンテージ・ミキサーのレプリカをチャンネルストリップとして販売してますが
こうした機器の音の癖はモニター環境に大きく影響を与えていると感じます。
スタジオでミキサーを既に通ってミックスダウンしているので更に通すのはオカシイと思いますが
実際のフィードバックは卓で調整して流していることが多かったと思います。
これはエフェクターと呼ぶには難しい扱いですが、今の再生環境で考えると
音の質感にもうひとつトラップが必要なようです。
デジタル時代に入ってテープのコンプレッションや高調波歪みが激減した分
デジタル録音は乾いた音という認識が広がった時期がありました。
真空管やトランスで高次倍音を加える機器は後を絶ちません。
逆に楽音とは異質なパルスノイズが乗るため
それに対するフィルターという効果もあるように思います。
(パルス性ノイズが乗るとほとんどのスピーカーで定位感が乱れます)
あと録音時の機材リストは大まかなものが保管されていたり
ドイツのトーン・マイスター制度のなかにはデータシートの保管が義務付けられています。
ただポピュラー音楽では競争の激しかった部分もあり
ミックスの手法は秘密にするという伝統はまだまだ続くように思います。
929 :
名無しさん@お腹いっぱい。:05/01/31 13:14:08 ID:DyK6Uj4f
そのパルス性ノイズって、正体はなに? なぜ定位感が乱れるの?
>>920の2.でユーザー・フレンドリーという考え方には
従来、技術のダウンサイズということが中心にありました。
例えばスピーカーの分野でいうと小型&量販化というスタンスです。
JBL 4343→4312、TANNOY Super Red Monitor→IIILZ、三菱 R305→P610などです。
当然のことながらこうしたメーカーのサウンド・デザインの継承は
ある程度真実で、ある程度虚構の部分があります。
確かに4312とIIILZ、P610を並べるとそれらのサウンド・デザインの違いは明らかです。
しかし上位機種との比較では、これも甚だしく異なるというのが普通です。
これはユーザー・フレンドリーの中身を考えるうえでヒントになります。
これを伝統的なサウンド・デザインのソフトウェア化として考えてみると
ソフトウェアのシミュレートではサウンド・デザインは一致しないのがほとんどです。
理由としては物理的な過度特性で数値化できないものはシミュレートできないためです。
ここでは「等価」という価値観の共有をユーザーに投げ掛けるよりは
本来のサウンド・デザインとの「比較」という作業をさせたうえで理解してもらうのが
妥当のような気がします。
ホームオーディオで欠けてやすい視点は、室内でのパーソナルな価値観に溺れて
パブリックなサウンド・デザインへの視野を共有する機会を奪ってしまうことかもしれません。
この意味でユーザー・フレンドリーというものは
パブリックな音響体験のなかで養われていかなければ意味をなさないし
そのために公に開かれたサウンド・デザインが常に体験できる場が必要に思うのです。
モニター環境の整備はそうした価値観を相対化し比較するための方法論のようです。
不思議なことにコンシュマー機器のレベルが低い時代には
こうした共用システムを運営している商業スペースが充実しているというパラドックスもあります。
このことも色々と考えさせられるものがあります。
そうなると…
例えば最近に録音・編集・プレスされた音楽CDを主に聴くなら、
今一番スタジオで普及しているモニタースピーカーを選択するということが
共用システムを自宅に持つという目的とって、一番良いという結論になりそうですね。
933 :
名無しさん@お腹いっぱい。:05/01/31 23:35:08 ID:CkTpfzRQ
NS-10Mか・・・
934 :
名無しさん@お腹いっぱい。:05/02/01 00:31:12 ID:WlZirRDE
んな馬鹿な
サブウファー付けるといいかもよ〜>10M
80年代以降であれば、あるいはそういうことも言えるかもしれないですが
ニアフィールド・モニターの選択肢はかつてより増えていると思います。
逆にラージモニターはスタジオ毎のTPOで決めているようなところもあり
GENELEC、B&W、Rey Audio、PMC、Dynaudio など顔ぶれは豊富です。
これらも基本的に大小で役割分担しながら「比較」試聴をしているわけで
サウンド・デザインを組み立てる道筋を立てているわけです。
GENELECとPMCではほぼ同じ結論を出す可能性がありますが
B&WとRey Audioでは違うサウンドを組み立てるでしょう。
両者ともにアコースティック楽器の録音に定評があるモニターにしてもです。
最近では古いJBLやAltecのラージモニターを再導入するところもありますし
オーラトーン5cでチェックする人もまだまだ居ます。
オールド・デッカやEMIを理解するためにTANNOYを所望する人も出てくるかもしれません。
これらの趣向は古いサウンド・デザインにも一理ある一方で
現在のシステムに翻訳しなおす作業には欠かせないもののように思えます。
ステレオ空間のサウンド・デザインは、真実というよりは事実としての歴史の一部なのです。
うおおお、なんか目の前の霧が、すっと消えたような感じがします!
しかしまあ、プライベートで所有するスピーカーとして、どれを選択したいかという悩みは
依然解決しませんが!! むしろ、余計に悩みが大きくなっている!?w
でも、「悩み」はとても心地よい贅沢なものへと変化しました。
以前このスレッドで、Dynaudio製スピーカーの取扱説明書が、
民生機っぽいつくりになっている、という話題がありましたよね。
これは本当の意味で、ユーザーフレンドリーな歩みよりという事ですよね。
1さんはこのようなDynaudioの方針を、高く評価させているのではないかと推測します。
小型スピーカーは、家具としてあまり部屋の雰囲気を圧迫しないので、
一般家庭に普及しやすい。また、ミキシング作業時には小型スピーカーが好まれる。
よって、ニアフィールドなモニター用スピーカーこそが、音楽を製作する側と、一般的な聴衆とを繋ぐ
役割を果たしうる。
というお考えでしょうか?
>>938 初期のステレオ録音で仮想音源を持ち込んだのは
RCA-Victorのリビング・ステレオという商標でした。
RCA自身は戦前のラッパ吹込みの頃からマルチ収録派で
ステレオ録音でも早くからマルチマイクを立てて実績をあげました。
モニターはLC-1という同軸型スピーカーで行ってました。
ただRCAは戦中に解体されコンシュマー用はラジオ・コンソールしか出しておらず
Hi-Fi用途ではGEやOlsonから同軸型が販売されていました。
多くの人はランシング系列の会社のほうが馴染みがあるかもしれません。
Altec、JBL、Jensen、Truesonicなどが往年の機器としてあります。
英Deccaはデコラという大型コンソールを販売し
英EMI製の楕円コーンを用いたスピーカーが脇にセットされています。
EMIの楕円コーンはフルレンジの仕様で、ステレオ試聴のデモ用として
独Lorenz製のツイーターを足したブックシェルフがEMIより出ています。
(モニターは依然としてTANNOYでありレコード店舗の貸出品だったかも?)
イギリスやドイツはフルレンジ・スピーカーに優れた機種が多くあります。
小型モニターへの移行は主にFM放送でのモニターから始まります。
これは狭い放送ブースや実況録音を考慮したものです。
イギリスではBBCが、アメリカではAR社がこの手のモニターに使われています。
60年代では小型で広帯域という意味が多くを占めていたのですが
70年代にBBCがLS3/5を出す際にニアフィールドの概念を持ち込んだのは有名です。
この影響が現在のバランス・エンジニアに活かされています。
80年代に入ってイギリス製の小型スピーカーが世界中に広まったのは周知のとおりですが
NaimやLINNなどは本国で積極的に子供のためのオーディオ教室を開き
体験的にステレオ再生のノウハウを蓄積できる場を提供していました。
アンプのキット製作から理論的な実践まで広く扱っていて中身は濃いものです。
日本でもショウルーム、喫茶店での試聴、体育館での出張デモなど色々な形態がありましたが
今はほとんどがオーディオショップしかないのはいささか不手際のように思います。
>>940 いろんな意味でEMIが最もEMIらしい音で鳴ってた時期だよね。
80年代以降にリニューアルしたけど結局元に戻ることはなかったのが残念。
>>940 EMIネタですね。多分1st(一番大きいスタジオ)ですかね。
因みに60年代、2st(ビートルズがよく使っていた)はしばらくアルテック604E+リークの
アンプだったそうですよ。
2枚目の写真、指揮者誰でしょう?エンジニアは、ピーター・ミューさんでしょう。今は
マスタリングエンジニアですね。現役でビートルズから経験しているEMIのエンジニアは彼
だけとか。こちらの写真は1枚目より後ですね。
スレ違いですが、EMIのコンソール、TGシリーズの前者が8トラック用、後者は16トラック
用ですね。すでにTGシリーズはトランジスタ化したコンソールです。
この時期のEMIは
>>942さんと同じく最もEMIらしい音だった時期でしょう。
相変わらずの良スレで本当に勉強になります。
本スレに感化されシステム構築検討中の
>>882 です。
年度末にかけ何とか予算確保が出来そうな状況です。
>>893 CDPはタスカムのCD-RW750が意外に堅実な音がでますので迷ったときにどうぞ。
と、ご推薦を頂きましたが、 BM5A + CA01 前提にて、マラプロCDPは如何でしょうか?
現役の「PMD331」や、オークション/中古でしばしば見かける「CDR630」「CDR615」など。
バランス接続が出来るのもそそられます。
肝心のスピーカー、BM5or6(A)は、居住地(名古屋)では視聴環境がありませんでした。
TCエレクトロニックさんは「なじみの楽器店があればデモ機貸出し検討しますよ」と仰ってくれましたが、
なじみオーディオ店ならともかく楽器店のなじみはなく、遠慮してしまいました。。。
一番近くでは大阪で聞けるようです。音を聞かずに購入する勇気はありませんので近々聞きに行く所存。
製作側であるプロの方々はともかく、再生側の一般人(小生だけかもしれませんが)にとっては、
プロ用機器をどこでどうやって購入するか!?といったノウハウがない事を身をもって体験した次第。。。
>>934 マランツの「PMD331」うち使ってますよ。結構、上から下まで出ますね。
マランツプロスレで話題になってますた。文面からするとバランス接続かな。
接続は試してよい方でいいかなと。値段から見ると、業務用から見ても良い
とおもいますよ。
CA01、気になってますたよ。結構、いろいろ出来そうですね。
BM5,6(A)。漏れはBM5Aの音聞きましたけど、なかなかよかったですよ。
ちょうどInterBeeっていう放送機器の見本市で聞きました。パワードで、ニア
モニだったら、見えやすいモニターですね。隣にあったPMCよりパワーもあった
し、PMCはどちらかと言うと「繊細」な印象でしたね。ディナはデンマークでも
アメリカンでも聞きやすいと感じますね。
そうですね、プロ機となると個人でのデモ貸し出しは厳しいかも。ほんと、近
場にそういう楽器店があるといいのですが。音聞いてOKであれば、某有名な成田
で通販という手もありますね。
>>934 追伸です。ソニーの業務用と比べると、マランツの方が自然な感じが
しますたよ。ソニーは「固め」というかハイミッドが出るという感じで
した。マラプロスレでは書かなかったのですが、「PMD331」は電源の
3端子仕様ですが、アースがキャンセルされてます。うちの場合、なし
よりアース取った時の方が中音域が安定してたので、ここはもし開ける
技術がありましたら試すと面白いかもしれませんね。
うちもPMD331ですよー。 ^^
つい先日届いたばかりです。サイコーに気に入ってます。
XLRでヤマハのアクティブモニターに直接繋いでます。
(marantz pro スレッドとのマルチレスっぽくてすいません…w)
「SOUND HOUSE」というお店から、通販で手に入れました。
このお店には色々あるようです。
インターネットブラウザで、それこそ「windowショッピング」を楽しむのもまたいいものでしょう。
もちろん! モニタースピーカーもイパーイありんす!
>>939 私が知らなかっただけで、プロオーディオ機器と民生用機器との境界を
無くそうという流れは以前からあったという事ですね。
プロオーディオ機器メーカーも企業ですから、慈善事業として良質なスピーカーを
供給しようという訳じゃなく、それなりに事業拡大の見通しもあったんでしょうね。
勉強会まで開くとは! 現在のマイクロソフトのような構想ですね。
>>944 CDレコーダーがいいなと思ったのは
知り合いに楽器をやる人間がいれば、録音でいろいろ遊べることです。
どんなにヘタでも良いのでワポイントマイクの収録はとても勉強になります。
ジョン・アーグル著「ハンドブック・オブ・レコーディング・エンジニアリング」は
実践的な事例をもとに丁寧に解説されてある良書で参考になります。
紹介されてる初期のワンポイント・マイキングを色々試してみると
ステレオ・イメージの原風景が判ります。
最近はアマチュアで扱える安価で良質なマイクが多いので便利になりました。
(以前はバックエレクトレック型とかXY同軸とか、あまり持ち札がなかったです)
950 :
226:05/02/02 09:12:15 ID:k2nZEvUM
さて、久々に訪問いたしましたが盛り上がっていてなによりです。
とりあえず、スレ違いで申し訳ないが、業務用のCDPの話がでているので補足すると、
今度出るTacamのDV-RA1000 (10万ー20万だろう)がよい出来だという評判だ。
今までは業務機ではクロック受けがついているCDP+ハウスシンクまたはクロック内蔵DAが一番合理的な選択だろうが、
このTascamはDSDマスターレコーダーとしても使えるのでプロシュマーとプロでかなり普及するだろう。
フィールドでDSD録音する場合も今まではGenexだったが、今後これがメインになる可能性がある。
ついでに書くとDSDそのものはSONYがさいきんDUAL DISKをプッシュし始めてきているので、
コンシューマーSACDの将来がどうなるかかなり不透明になってきている。
DSDは制作側には浸透しつつあるから、
今後は制作側はDSD、コンシューマーはiPodという図式になる可能性は否定できない。
個人的には音がいいから、SACDはなんとか存続してほしいところではあるが、
なにぶん儲からないから難しいんだろう。
業界ねたで申し訳ないが、知りたい人もいると思うので一応書いておく。
951 :
226:05/02/02 09:43:43 ID:k2nZEvUM
モニタースピーカーの話にもどすと、
以前おれがコンシュマーをプッシュしていたときとは若干気分が変わってきたので、
書かせていただきたい。
その後半年ほどハイエンドコンシュマーモデルを自宅で使用しているが、いくつか問題があった。
1. ScanSpeakの特注ユニットが変なノイズを出して交換。また同じ症状でさらにもう1度交換。
音量が大きすぎて壊れるのだろうという代理店の話だったが、
コンシュマー用というのはこんなにモロいものかと驚いた。
2. 仕事でGenを聞くと音が悪すぎてやる気が出ない。
とはいえ、高価で壊れやすいスピーカーをいちいちスタジオに持っていくのはいやだし、恥ずかしい。
3. マスタリングスタジオでDunのIVと少し前のボルダーアンプがあったがかなりよかった。
確かに業務機的な素っ気なさはあるものの、これなら家で聞いても十分楽しめると思った。
部屋やほかの環境も関係しているだろうが、そこではN800よりよかった。
Dunはあいかわらず値崩れが激しいから、これは超お買い得品かもしれない。
ただし、ベースが結構出るから部屋がちゃんとしていないと無理だ。
まあ、ほかにもいろいろ思ったことはあったが、ほとんど忘れてしまった。
俺の結論としては、あまりコンシュマー/モニターの違いは考えても意味がないということだ。
952 :
226:05/02/02 10:06:04 ID:k2nZEvUM
しばらくSterophileを定期購読するようになってわかったが、
アメリカのハイエンド市場というのはSET(3極管)マニアをのぞいては、
ほとんどマスタリングスタジオ的な音を至上とする忠実再生に傾いてきていると思う。
まあ、オーディオの専門家ではないから誤解はあるかもしれないが、
実際にアメリカハイエンドとマスタリングスタジオの機材では、そんなに違うとは思えなくなってきた。
ちなみにこのスレでは、
マスタリングのモニターと録音スタジオのモニターをごっちゃにしている場合が多いと思うので、
繰り返しになるが一応書いておくと、
モニターには、大きく3種類あると思ってよい。
1. 現在のレコーディングスタジオで使われる小型モニター
2. レコーディングスタジオの壁にソフィットされている大型モニター
3. マスタリングモニター(普通はフロアスタンディング)
普通にここでモニターという場合には、1が多いようであるが、
2や3も業務用のモニターとしてあるということは知っておいてほしい。
2は一般家庭には関係ないので話から除外するが、
1と3を比べると一般的に音質的には圧倒的に3の方がよい。
録音スタジオで聞き逃した間違いを補正するというのもマスタリングの重要な役割な訳で、
そこから考えても当然でこれには議論の余地はない。
953 :
226:05/02/02 10:23:20 ID:k2nZEvUM
では、マスタリングモニターが一般家庭で使うのモニターとして最高なのかと言えば、
今度は、低域の問題が出てくる。
SteringSoundのようなマスタリングスタジオにいけばわかると思うが、たしかに
マスタリングスタジオの音響特性はレコーディングスタジオにくらべると、
一般家庭に近いとはいえ、やはり、慎重に低域を中心として残響特性が整えられている。
このマスタリングモニターをそのまま一般家庭に持ち込んだ場合、まあ、100%低域過剰になるわけだが、
オーディオマニアの場合、それをイコライザーで補正するのは邪道な訳で、
ここがマスタリングモニターを家庭に入れたときの問題になる。
それで、フロアスタンディングではなくいわゆるブックシェルフの登場になるわけだが、
マスタリングに使用できる業務用ブックシェルフというのは、まったくといってよいほどない。
マーケットがないから存在しないのはあたりまえだが、そこでレコーディングスタジオ用の
小型モニターを選択すると、今度は音が悪い。
954 :
226:05/02/02 10:36:35 ID:k2nZEvUM
音が悪いと一言で済ませてしまったが、
実際に探してみればわかるがレコーディング用のモニターで音のいいのはない(俺の知る限り)
前にも書いたが、レコーディングでは予測不可能な過大入力が発生するためにそれに
対して音質を多少犠牲にしてもSPを保護しなければならないことと、
PAほどではないにしても、移動や過酷な使用条件に耐えることが、
業務機として要求されているわけで、あまり繊細すぎる設計は当然ながらできない。
だから俺からみると、自宅でレコーディング用小型モニターを使う利点というのは、ほとんどないのだが、
おそらくレコーディング用小型モニターを買いたいと思う人は、
1. レコーディングスタジオで聞いているのと同じ音で聞きたい。
2. 自分の耳に自信がないので、わけのわからないコンシュマーを買うよりは安心して買える。
というかんじではないだろうか?
>>948 かつてはスピーカーメーカー毎に音響理論のアプローチに独自性が強く
ダウンサイズされた民生機にも同様の思想が反映されていました。
同様にレーベル毎のパイオニア精神が加わって混沌としていたことも確かです。
ユーザーもそれを楽しむ感覚があったように思います。
最近は業務用のニーズが一般化してしまって
プロダクションの個性が争われることは少なくなっています。
(かつてのように凄いサウンドだといって噂になるヒット曲に恵まれません)
録音品質が安定しているといえばそうなのですが
一種の停滞感を感じるというのも確かで、かなり悩ましいところです。
最近、電子楽器について色々調べていて(ほとんど知らないに等しいのですが)
タンジェリン・ドリームのように自己のライブ・テープを起し直して
アナログシンセの歴史を知るうえで興味あるCD-BOXを出してるのが嬉しいです。
アナログシンセの高域まで伸びきったクリーミーなハーモニクスは再発見でしたし
機器の不安定な部分を補うのに即興を加えながら進行させる手法も面白いです。
当時は再現芸術というのとは程遠く、残ったテープは本当の意味で記録になります。
また同時期のポップスにシンセ音が加わるときのエフェクトは
生楽器との兼ね合いを含めると本来の音を判断するのが難しいのですが
どういう倍音とダイナミクスの加わるのが最適なのかという目安になります。
トラック分けのないシンセミュージックのLPが当時結構な枚数で売れたというのは
欧米での電子楽器に対する興味というのが特別なものであることに気付かされます。
956 :
226:05/02/02 11:02:57 ID:k2nZEvUM
2の場合は論外としても、
1の場合でも、マスタリングされたCDをレコーディング用のモニターで聞いても、
もちろんそれはレコーディングされたときの状態を再現するものではありえない。
プレスによって音は劣化するし、CDぐらいローファイなメディアをスタジオモニターで聞いて
レコーディング時の音が再現されていると思うのは幻想だ。
個人的な経験では、SACDなら、かなりマスターテープの音に近いが。
しかもマスタリングの過程で、音はかなり変化している。
変化しないのなら誰もマスタリングなんかやらないよ。
もっと重要なことは、部屋のアコースティックの問題だ。
スタジオと家庭では音響特性は全く違うし、部屋がスピーカーと同じぐらい
再生音に影響しているのを認めないひとはいないだろう。
オーディオ師で何百万円もするコンバーターを使っているのに、部屋は普通の居間
に音響パネルが2、3枚というような人が出てくるが、俺からみるとなにを考えてるのか
さっぱりわからない。部屋を改造しなさい。
といっても、情報がなくてどう改造していいのか、全くわからないだろうが。
まあ音響のことはすれ違いなのでおしまいにするが、
議論の前提として、スピーカーと部屋の音響特性は密接に関わっており、
プロの現場では、スピーカーの100倍の金額を部屋の音響に投入していることは
忘れるべきではない。
957 :
226:05/02/02 11:25:07 ID:k2nZEvUM
ここまで、がまんづよく俺の駄文を読んでくれた人に感謝します。
で、結論を言えば、モニターを買うならマスタリング用のフロア型を買って、
部屋をある程度補正するのがよい。最近は安く、手軽にベース帯域を補正できる
パネルも出てきているので本格的な工事はしなくてもかなりよくなる。Minitrapとか。
コンシューマーのハイエンドブックシェルフなら、低域の補正は簡単だが、
理不尽な価格設定とか、壊れやすいとかいろいろ問題もある。
だから一長一短ということだ。
最後に、最近UltimateMonitorを聞く機会があったが、たしかによくできている。
見た目が非常によいが、音だけきくとそんなに魅力ある音とも思えなかった。
アメリカでは120万なんで、日本の代理店はボリすぎている。
本当に売りたいのなら値段を50万にすれば業務機としてもかなり売れるはずだ。
958 :
226:05/02/02 11:47:26 ID:k2nZEvUM
ああ、それからスレ違いなので書くのはsどうしようかなやんだが、
ワンポイントのマイクでは、最近出たAEAのR88というステレオリボンマイクはすごくよい。
しかも実売$1500ぐらいだから、一度は試してみるべき。
>>941 3stではB&Wと一緒にADAMも置いてありますね。
選ぶ理由がラージのじゃまにならないけど高性能というニーズ。
もともと位相特性やトランジェットに優れたスピーカーなので無問題かな。
ハイルドライバー自体は指向性がとても広いので
ウーハーがツインで横並びでも、むしろ違和感がないのかもしれない。
ttp://www.cfe.co.jp/adam_pa/
ScanPeakのユニットを使ったフロア型(トールボーイ)というところまでは書いてるね。
962 :
名無しさん@お腹いっぱい。:05/02/02 12:53:01 ID:JhDmmEhj
ながながとうんちく垂れ流しご苦労さん。こんにゃく問答のネタには
うってつけだから、このスレ終わったらどっか無料ほむぺで晒しとくと
厨のエサにはなるだろ。タイムダメイン系のデムパが入ってるので、荒氏を
呼ぶ可能性も高いけどな(w
比較の問題として
・GENELECのニアフィールド・モニター
・ScanSpeakのユニットを使ったフロア型
で、どっちの音が良い? と訊かれたら
好みの問題じゃねぇか。。。と答えます。
他人の批評だけで自分の意見のない
>>962ほうが場をしらけさせる出せるダメレス
なんだけど
で、次スレの方向性を議論してたわけだが。。。
今回の話題の継続)
・モニタースピーカーが録音のサウンド・デザインに及ぼす影響
・記録されたサウンド・デザインの適切な再生方法とモニター環境の構築
拡張できるテーマ)
・モニター環境でスピーカー以外に影響する要因の抽出と整理
・マスタリング・アイテムの活用などユーザー・フレンドリーな情報
などですが、何かリクエストがありましたらヨロシク。
DunってDunlavyでしょうか。確かメーカ消えちゃいましたよね。
967 :
226:05/02/02 14:56:18 ID:k2nZEvUM
>963
PA用のスピーカーとDunlavy比較してももちろん好みの問題だが。
>966
そうです。つぶれたから安い。でもユニットは自分で交換できるとスタジオの人が言ってましたが。
>962
俺の頭が悪いのか、あなたが何をいいたいのかぜんぜんわからん。
>965
記録されたサウンド・デザインの適切な再生というのが、このスレのもともとの趣旨だと解釈しておりますが、
そうだとしたらプロのマスタリング環境がそれにいちばん適切なんじゃないだろうか。
いっそマスタリングを語る刷れにしたらいいんじゃない。
マスタリングプロセスで一般家庭用にサウンドデザインされたCDをソースにして、
そういうことを語るのも無理があるが。
968 :
226:05/02/02 15:20:35 ID:k2nZEvUM
しかしマスタリングを語りだしたら、マスタリングの機材みればわかるが
当然ハイエンドオーディオに行き着くだろうから、
もともとのモニタースピーカ云々というのは、どこへ行くのか。
ハイエンドスピーカーを語るすれにしたらどうか。と思うが、
そうすると俺も書くことがなくなってつまらんな。
969 :
226:05/02/02 15:33:32 ID:k2nZEvUM
ああ、すまんすまん。
俺の悪い癖ですぐちゃかしがはいってしまうが、悪気はないので許してくれ。
まあ、こう見えておれもこのスレをもりあげようとがんばってるのよw
いま過去レスみていたが、
一番やられたのは、部屋の両側にヘッドフォンみたいに内側にむけてスピーカーをおくのはどうか、という質問だ。
こういう釣りが俺は好きだな。 答えてあげたかったよ。
>>956 確かに、サンプリングレートで44kHzと48kHzとの違い程になると、
私程度でも歴然とした差があることはわかります。
DTMをやっているとき、全然思い通りの音が出なくて、
ふとサンプリングレートの設定を見ると44kHzになっていた、ということもありますねw
編集時には48kHzの更にその倍、96kHzであることも普通でしょう。
しかし、実際配布されている音楽CDは、よくできていると思います。
無くなっている音情報もたくさんあるでしょうが、それのみで聴いて足りないと感じることは、
正直言うとないですね。
>>965 私が手に入れたいと思う、プライベートな音楽再生機材について話させてください。
これが私が抱く興味であり、今後議題になって欲しいと思っている内容につながりますので。
・メンテナンス不要で壊れにくい
・シビアな設定が不要である
・おおがかりな部屋の改造を必要としない
・出ている(記録されている)音を全部聞かせてくれる
ずぼらなんですよ。。。 orz
かといって音楽が聴けなくなると、性格が破綻します。本当に麻薬のように、むしばまれています。
ですから機材の故障や不調は許しがたいw
ですから移動PAよりな、タフな機材が向いていると思っています。
部屋で音楽のみをじっくり聴くということは少ないです。主に流しっぱなしですね。
ふとした瞬間にうっとりと聴き入ってしまって、CDとっかえひっかえモードになることはありますが。
本気で音のつくりを「知りたい」ときには、もっぱらヘッドフォン(AKG401)で聴きます。
このヘッドフォンを、私はすごく信頼しています。スピーカーでこれぐらい聴こえるものが
欲しいと思っています。