こんな事くだくだ言っていてもしょうがないのだが、一寸した手遊びだと思っ
て付き合ってください。いま丁度仕事が終わったので。(藁
音楽に普遍性があるように思っておられるようだが、それはあまりにも音楽史
に無知なだけですよ。大体芸術そのものに普遍性はありません。
人間の業(技)に普遍性があると思っているところが、そもそも間違いの始ま
りで、それが傲慢不遜な態度を生み、人をして謙虚さを奪うのです。
同じ事が科学技術にも言え、科学的思考とは普遍性を求めるものでは無いので
す。科学的思考の根底にある「約束事」のみが普遍性を持ち、それゆえに純粋
数学の世界は美しいのです。それさえも日々新しい発見がなされているではな
いですか。全ての科学技術は、この「約束事」の範囲内で思考され、それ故、
遍性などという言葉が、卑しくも科学を講ずる御仁から発せられる事自体、人
間の営みや、あえて狭く言っても、工業技術史そのものにに無知だと言わざる
を得ません。氏の研究がその素子の持っている性能・性質をギリギリ一杯引き
出すものだとしても、それは技術として「約束事」の範囲内に在らねばならず、
趣味の世界(実用に供しないという意味)であっても、人によって作られたも
のは同じです。危うさを秘めた魅力は認めるとしても、どうしてそうなるのか
が説明できなければ技術とは呼べません。これは芸術の世界でも同じです。賤
くも、音楽においては自然調整、平均率、はたまた様々な民俗音楽を持ってし
ても、そこに普遍性を標榜するバカは居りますまい。
技術に於ける「ひねり」とか「あそび」、はたまた「一なめ」何ていうのは、
原理原則が十二分に分かっている、練達のエンジニアが使って初めて生きてく
る技術です。氏一流のアジテーションというのにも引っ掛かりますが、賤しく
も科学者、技術者、教育者の自覚が寸分たりとも御ありなら、アジる必要が何
処にありますか。これはご自分の無知を隠蔽する目的なのかと疑ってしまいま
す。冗談とすれば、科学・技術を語りながら随分と下卑た感性の持ち主と言わ
ざるを得ません。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。反感をもたれた方は
忘れてください。