■■ここまでのあらすじ■■
いままでアニメやギャルゲーの美少女にしか興味のなかった
>>1。
しかし、正月番組で偶然見かけた芸能人らしき美女に一目ぼれしてしまう。
テレビの中とはいえ、生身の人間に恋をしたのは、これが初めてだった。
アニメヒロインならスリーサイズや食べ物の好みまで熟知している1であったが、
現実の美少女アイドルとなると、モーニング娘。が何人なのかも知らない程度だ。
そこで、自分の唯一の味方である愛機(パソコン)のキーを叩き、ここ「2ちゃんねる」の住人たちに
自分の惚れた絶世の美女の名前やプロフィールを探ってもらおうと、こうしてスレッドを立てた。
当初は「アニヲタ逝ってよし」等のお約束の暴言であふれかえったが、アイドルマニアを自負する
数人の名無したちの登場により、事態は探偵ごっこの様相を見せ始めた。
彼らの直リンクするアイドルの画像と、1の「もっと目は切れ長」「もっと頬はふっくら」などの
曖昧な反応により、探索はすすみ、ついに、1の惚れた「麗しの姫君」の正体はついに暴かれたのである。
紀宮清子(のりのみや・さやこ)内親王殿下 (昭和44年4月18日生まれ)
1が恋した相手は、こともあろうに本物のプリンセスだったのだ。
「いろんな意味で勇気あるやつだとは思うが、まあ、あきらめろ」
意外すぎる結末に、多くの名無したちは、こんな言葉をかけるのが関の山だった。
しかし、1はあきらめたくなかった。清子のまぶしい笑顔が、清子の可憐な仕草が、
脳裏に焼き付いてはなれないのだ。あのかわいらしい清子を自分のものにするには、
いやそれ以前に、いとしい清子に自分の想いを打ち明けるには、
これからどれほどの障害を乗り越えなくてはならないのか。
1は、一部でささやかれた「紀宮アニヲタ説」に一縷の望みを託すのだった。