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FROM名無しさan:
☆治験(ちけん)とは
製薬会社が新しい薬を開発する場合、
あらかじめ動物実験で効果(副作用も含む)などを確かめてはいるが、
体の仕組みの違いなどから、人間でも同じ結果になるとは限らない。
人間ではどのような結果になるか調べるための試験が「治験」である。
「臨床試験」や「創薬ボランティア」などと呼ばれる場合もある。
治験は新薬が承認されるためには、絶対に避けて通れない過程である。
言い換えれば、全ての薬は治験という過程を経ているということ。
治験はアルバイトではなくて、あくまで(有償の)ボランティア。
もらえるお金は「謝礼」または「協力費」と呼ぶ。
健康診断などでもらえる謝礼は「交通費」とも呼ばれる。
よく、治験が非道な人体実験のように言われるが、全くの誤解である。
人体実験は被験者の意志に関係なく勝手に行うもの。
治験参加はあくまで同意に基づくもの。両者は決定的に違う。
治験は参加者の意志で、いつでも辞退できるようになっている。
☆治験に参加するための条件
治験は希望すれば誰でも参加できるというわけではない。
フェイズ1の治験で共通する参加条件としては、
○日本国籍を持つ健康な成人(多くの治験は40歳位まで(注1))
○薬物アレルギーではない(注2)
○臓器を切除していない
○いれずみをしていない(注3)
○健康診断日の4ヶ月以内に他の治験に参加してない(注4)
○健康診断日の3ヶ月以内に献血をしていない(注5)
治験によっては他にも様々な条件があったりする(BMI制限など)。
フェイズ2や3は全く条件が異なるので省略。不明な事は担当者に質問。
(注1)逆に高齢者しか参加できない治験もある。65歳以上が多い。
(注2)他のアレルギーだと、アトピー性皮膚炎、喘息などは相当難しいが、
花粉症を含むアレルギー性鼻炎などは多くの場合は参加可能。
食物アレルギーは、米や卵のような身近な食品ほど参加が困難になる。
(注3)データに対する影響というより、人間性なんかの問題。
(注4)治験によっては、3ヶ月や6ヶ月になることもある。
これは前回の治験ではなく、これから受ける治験によって変わるようだ。
(注5)400mlの献血をした場合。200mlだと2ヶ月、成分献血なら1ヶ月。
☆初めての治験参加までの流れ(カッコ付きの過程は施設によっては必要ない)
このスレなどの情報などを頼りに、治験を実施している施設を見つける
↓
(紹介者になってくれる人を捜す)(紹介者が必要な所のみ)
↓
(施設に電話して、登録会の予約を取る)
↓
(登録会に参加して登録完了)(健康診断がある場合も)
↓
(施設から実施予定の治験の案内が届く)(2回目以降はどの施設もここから)
↓
参加したい治験の健康診断の予約を取る (電話は早めに)
↓
健康診断に参加する
↓
健康診断の結果待ち。パスすれば治験実施日まで待機。
↓
治験参加。場合によっては終了後に事後検診が待っている。
☆治験を実施している施設の見付け方
まずは、下のサイトに行ってみると良い。
http://www.chikennavi.net/m_phase1.htm なお、
http://www.chikennavi.net/phase1.htm は、これを書いてる時点では、上の2つのリンク先が間違っているので注意。
首都圏在住ならここに貼られたリンクだけで十分だが、
地方在住などの理由で他の施設にする場合は、
地名(基本は都道府県名)、治験、臨床試験、創薬、ボランティア、入院、
健康、参加者、第T相、病名(子宮内膜症、花粉症、骨粗鬆症など。
フェイズ2や3の治験も実施してる施設を探すのに有効)、
などのキーワードを組み合わせて検索すると良い。
また、既知の施設名をキーワードにして検索すると、
他の施設の情報もかいてあるサイトを見付けられる事もある。
また、紹介者を探す場合は、"(アル)バイト"というキーワードも有効。
これは、彼らが(アル)バイトというキーワードを用いる事が多いため。
治験の協会に加盟している施設は、一ヶ所しか登録できないので注意。
☆治験の種類
○第T相臨床試験(フェイズ1)
健康な人を対象にした治験で謝礼は高め。薬物動態と安全性を調べる事が目的。
人間に対する最初の試験なので、副作用で未知の部分があるなど危険な所もある。
もっとも、これはあくまで可能性の話で、重大な副作用が出る事は極めてまれ。
特に、既に外国人に対して治験が行われた薬なら、危険度は大幅に下がる。
このスレは基本的には、この第T相と生物学的同等性試験を扱う。
○第U相臨床試験(フェイズ2)、 第V相臨床試験(フェイズ3)
第T(U)相臨床試験を終えた薬の、患者を対象にした治験。
第T相と違い、薬の治療効果(副作用も含む)も調べる。
第U相と第V相は、参加人数(前者は少なく、後者は多い)や、
調べる内容が異なる。どちらも通院が原則。
第T相と違って治療の意味が強く、謝礼はあまり期待できない。
○第W相臨床試験(フェイズ4)
薬の承認後に行われる試験。
その多くは、薬の市販後に何年か経過して、
副作用などのデータが沢山集まってから行う。
○(生物学的)同等性試験
既に世の中に出回っている薬と同じ成分が入った薬の治験。健康な人が対象。
日本で行われている、健康な人を対象にした治験の大半はコレ。
安全性などの確認ではなくて、2つの薬の同等性を証明する事が目的。
薬物動態の変化の仕方が2回の投薬で同じだと、同等の薬と認められるようだ。
副作用などは既に判明しているため、その分危険度は低い(時給換算も少し低め)。
比較のために必ず2回入院する事になり、間に一週間以上の休薬期間を置く。
なお、条件を揃えるため、2回の入院で出される食事は全く同じものになる。
○パッチテスト
皮膚に対して使う外用薬の試験で、ほとんどの副作用は皮膚止まりで安全。
第T相〜第W相、生物学的同等性試験と幅広く行われている。
性別があまり関係ないらしく、女性が参加できる事も多い。
薬剤を貼る部分(大抵は背中)が日焼けしてると参加できない。
採血が少ないためか人気の高い治験なので、申し込みの電話は特に早めに。
この治験は、皮膚の赤みなどで追跡調査になる事が多い事も覚えておこう。
☆健康診断を受ける際の注意事項
以下は、健康診断で異常値が出る可能性が高い行為である。
カッコ内はその行為を止めるべき時期。
異常値が出た場合、人数に余裕が無い場合などは再検査をする事もあるが、
多くの場合は再検査なしでいきなり落とされてしまう。
たまに「○○しても健康診断に受かった」といった書き込みがあるが、
単に運が良かっただけの話である。真に受けないこと。
上の3つは、状況によってかなり差が出るため、あくまで目安と考えること。
当然の事ながら、しっかり睡眠を取り、決められた食事制限を守ること。
○筋肉痛が起きる運動(一週間前)
○日焼け(一週間前)
○薬の服用(一週間前)
○過度の食事制限(二日前)
○(筋肉痛を起こさないが)激しい運動(二日前)
○飲酒(二日前)
○自慰、性交(二日前。男性のみ)
○サプリメントの服用(二日前)
○極度の食事制限(二日前)
○水分を摂らない、または摂りすぎ(健康診断の1、2時間前)
☆待機者について
待機者(補欠、予備)とは、健康診断で一定の基準は満たしているが、
順位の関係で正式な参加者になれなかった補欠人員の事。
彼らが参加できるのは、参加者が当日来られない場合や、
何らかの理由で帰った場合、投薬直前の臨床検査で
参加できない事が判明した場合などである。
場合によっては、待機にすらなれなかった人が当日までに、
参加者の辞退などによって参加できるようになる事もある。
基本的に、待機だからといって辞退はしない方が良い。
辞退すると信用度が下がってしまうためである。
最終的に参加できない場合は、投薬前の臨床検査の後で解放される。
この場合の謝礼は、15000円程度が相場のようだ。
治験によっては、入院する時に帰される事もある。
この場合は交通費程度しかもらえないようだ。
投薬せずに帰される場合は休薬期間を考えなくてもよい。
この点から考えると、待機で終わる方がお得だとも言える。
☆女性の治験参加について
生理や妊娠の問題があって、男性と較べてかなり不安定なため、
女性が参加できる治験の募集はかなり少なく、参加するのは困難。
登録すらできない施設が多い。
現在出回ってる薬のほとんどは、男性に対して治験が行われたもの。
女性でなければならない薬を除いてはまず行われない。
ただし、パッチテストだけは、女性でもあまり問題がないためか、
女性でも参加可能なものも多い(それでも男性よりも数が少ない)。
フェイズ1以外では、子宮内膜症の薬の治験がよく見られる。
また、閉経後に参加できるものとしては、骨粗鬆症の治験がある。
どの治験であっても、生理の日を聞かれるはずなので覚えておくこと。
余談になるが、女性も登録できる施設は、各ベッドごとに、
仕切りのカーテンがある可能性が高い。
これは、医師が巡回して診察する治験があるためと思われる。
☆紹介屋(情報屋)について
紹介屋とは、「料金を取って治験施設の情報を提供したり、
登録する際の紹介者になる(と言ってる)悪徳業者」の事。
もちろん、無料で紹介者になってくれる人は”紹介屋”ではない。
紹介屋には絶対に金を払わないこと。施設と紹介屋は何の関係もない。
基本的に紹介屋の情報はゴミ同然(HP上で募集している施設のアドレス等)で、
紹介屋の名前を出してしまうと絶対に登録できない(施設は紹介屋の事を調査済み)。
これは、一般の人からお金を貰って紹介者になる事が禁止されているため。
更に、(登録できないからと)施設の人と喧嘩になった場合などは、
ブラックリスト入りで他の協会加盟施設にも登録できなくなったりもする。
どの施設でも紹介者が必要だと言ってる紹介屋があるが、実際はほんの一部である。
また、治験に参加できるようサポートすると言っているが、入金した後は、
抗議のメールなどは全て無視されると思った方がいい(詐欺の常套手段)。
紹介屋が親切なのは、あくまで金を振り込むまでなのである。
下の3つは特に有名な紹介屋。体験談や日程表に騙されない事。
http://www.sinyaku.net/ http://www.kit.hi-ho.ne.jp/infox/job/ http://gooside.com/jyouhoya/
☆FAQ(よくある質問と回答)
Q.治験は本当に安全なんですか?
A.絶対に安全だと断言する事はできないが、
後遺症が残るようなケースは次の3つで、他には考えにくい。
○病気や薬物アレルギーを隠して参加する場合
○副作用が出ているのに、それを隠して参加し続ける場合
○休薬期間を無視して参加する場合
副作用というのは、病気を治す効果以外の体の反応全てを指す。
風邪薬で眠くなったりするのも立派な副作用である。
副作用が出たとしても、医師が素早く対処してくれるので、
よほどの事がない限り、すぐに回復して元の健康な状態に戻る。
これは短期も長期も同じ事。長期の方が副作用が出やすいというだけ。
注意しなければならないのは、副作用と後遺症は別物という点。
副作用が出る事は珍しくないが、後遺症が残るほど重症化する事は、
上記の3つの場合を除けばまず起こらない。
治験で禿げたなどという話は、全てネタと思って構わない。
ただし、これは健康な人が対象のフェイズ1の場合。
フェイズ2や3だと患者が対象で、重い副作用が出る抗ガン剤の治験もあり、
全く当てはまらない。実際に死亡例が存在する。
Q.良い施設とはどのようなものですか?
A.以下のような条件を満たす施設は良い施設と言えるだろう。
(1)多くの治験を実施している
(2)健康診断の結果を聞く電話の順番で参加できるかどうかが決まらない
(3)個人スペースが広く、仕切りのカーテンがある
(4)漫画などの娯楽用品が充実している
(2)は順位の関係で落とされがちな(さほど健康でない)人だと逆になる。
電話の順番で決まるのは、健康な人ほど不利になるシステムであるため。
(3)は長期の治験では特に重要。これが駄目だとかなりのストレスを感じる。
マンションの一室を借りているような施設では、この部分は全く望めない。
もっとも、そういう辛い施設では、投薬までに脱落者が出やすいので、
待機の人が昇格しやすいという(微妙な)メリットもあるにはある。
(4)は自分で暇つぶしの道具を持参すれば、それほど重要な要素ではない。
Q.施設と離れた所に住んでますが、参加できますか?
A.大抵は、参加できないか、交通費で手にする金額が大幅に減る事になる。
ごく一部の施設を除けば、交通費は定額になっている。
近くにいくらでも参加希望者はいるはずなので、
施設側にとっては、遠くから来てもらうメリットがない。
Q.参加できるかどうかはどのように決まりますか?
A.健康診断の結果+信用度+αで決まる。
全員に順位を付けて、上位から参加できるようになっている(一部の施設は、
健康診断の基準をクリアすれば、電話の順番で決まってしまうようだ)。
いくら健康でも、何度も遅刻するなど、問題のある人間は、
順位が大幅に下げられて参加が困難になる(健康診断の参加を拒否される事もある)。
特に、無断でキャンセルした場合と、入院中に勝手な理由で帰った場合は、
次回以降の治験の参加がかなり困難になるようだ。
ちなみに、後者の方が(施設側からすると)ずっとタチが悪い。
同じ事を繰り返す事が予想され(忍耐力の問題なので注意しても直らないため)、
より多くの金が無駄になるので仕方がない(謝礼もいくらか支払われる)。
いつでも辞退する事は可能だが、それは辞退しても問題がないという事ではない。
+αの部分は、例えば、採血がしやすいか、喫煙者かなどである。
特に採血のしやすさは重要。皮下脂肪や血管の細さなどで採血が困難な人は、
治験中の採血では時間を掛けられない事を考えると、確実に不利になる。
Q.謝礼はどの位貰えるんですか?
A.治験によって異なるが、フェイズ1なら、
(800〜1100)×拘束時間(h)位が相場といった所。
条件(危険度や参加者の負担など)でかなり変わる。
交通費は1000〜5000円位。こちらは施設ごとに定額となっている。
トータルでどの位になるかは、幅がありすぎて答えられない。
医師の判断で中止になったり、参加者側の理由で脱落する場合にも、
原則的に謝礼は支払われる(ただし、金額は変わる)。
Q.謝礼はいつもらえるのですか?
A.入院が一度だけの治験なら、どの施設も治験が終了したときにもらえる。
同等性試験のように入院が2回になる治験では、退院する度にもらえる所と、
全て終わった時にもらえる施設とがある。
退院後に必ず事後検診がある施設では、その後にもらえるようだ。
交通費は来る度にもらえる(例外があるかも)。
基本的に手渡しだが、一部の施設は振り込みになっているようだ。
Q.謝礼に税金は掛かりますか?
A.治験の謝礼は雑所得として扱われるので、一応税金は掛かる。
Q.無料で紹介者になってくれる人は信用してもいいのですか?
A.途中で金を要求したりしない限り信用していい。
仮に、治験を楽なアルバイトのように言ってたとしても問題ない。
問題とされてるのは、「紹介料を取る行為」そのものであって、
宣伝文句などが問題にされているわけではない。
ちなみに彼らは、無償のボランティアのつもりでやってるのではない。
施設側からお金がもらえる仕組みになっているからである。
Q.人為的に骨を折って観察するバイトがあると聞きましたが?
A.ただのくだらない都市伝説で、全くあり得ない。
Q.病気でなくても、フェイズ2や3の治験に参加できますか?
A.できるわけがない。施設の人もそんな奴に来られても迷惑なだけ。
Q.後遺症が出ても訴えないという誓約書を書かされるって本当ですか?
A.そんな事は全くない。もちろん、契約書なども存在しない。
治験に参加するために署名するのは「同意書」である。
そもそも、製薬会社が補償してくれる仕組みになっているので、
わざわざ訴える必要が無い。
Q.登録するのに必要な物は何ですか?
A.身分証明書と印鑑。身分証明書は写真付きと明記してる施設もあるが、
大抵の場合は写真が付いてないもの(健康保険証など)でも大丈夫。
Q.健康診断の時に心拍数や血圧が上がるのですが…
A.ネットで得られる情報で十分なので、「自律訓練法」を試してみると良い。
また、立ったり座ったりするだけで心拍数や血圧が上がる事や、
水分の摂りすぎで血圧が上がってしまう事も覚えておこう。
Q.入院中にタバコは吸えますか?
A.投薬までは吸える場合もあるようだが、基本的に入院中の喫煙は禁止。
Q.食事は残してもいいのですか?
A.少量なら残せる事も多いが、原則的には全て食べる事になっている。
Q.ピアスは付けても大丈夫ですか?
A.さほど問題はないようだ。ただし、やたらと多く付けてたり、
変な所に付けたりすれば、常識的に考えて印象は悪くなるはず。