新聞配達〜17束目【春の陽気】

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492FROM名無しさan
  まいど  駄目息子ダモナ  オッヒスァー (´∀`)アハハッ

 新聞配達駄目ストーリー  (語り部 駄目息子)

 漏れの親父は。新聞配達をしていた。
朝4時頃、起こされて、「一緒にいくか?」と聞かれたら、楽しそうなので
父と一緒に配達をしていた。
 まだ、幼かったので、カブのシートの前部、
親父の股の間にチョコンと座れて、読者の家に着き
「あのポストにこれ、いってこい」と言われたら、走って入れてきて、
また戻って、チョコンと座る。
傍から見れば、DQN親子にうつっただろう・・・
 でも、なんだか、楽しかった。最初の10件ほどは、特にワクワクする。
子供ながらに、前カゴの新聞が減ってくると、もう終わりなんだなという感覚が
快感だった。 後ろカゴの新聞を前に積みなおすときは、
「マダアルノカヨ ヽ(`Д´)ノ ウワァァン」と
一人ゴチったけれども、それはそれで楽しかった。
さすがに、最後のほうになると、子供なので飽きてきて帰りたくなる。
そして、「これで最後やぞー」というと、達成感が沸いてくる。
 その時分には、子供用の薄い靴は、エンジンの上に乗せているので
とても熱くなっている。バイクは、ココが熱くなるんだなと
経験で覚えた印象がいまでも忘れられない。
たしか、ギャバンの絵がついた靴だったと思う・・・
 しかし、漏れは、大人になって新聞配達なんてしたくないものだと痛感していた。
世間では、「負け組み」なんだと本能的に理解していた。
妙に切なかった。
とはいえ、真面目に配達していた父には、感謝と尊敬の念は、忘れたことがなかった。
僕が食べられるのも、父が配達してくれるお陰だというのは、分かっていたから
493FROM名無しさan:03/04/29 19:42
 しかし、いつの間にか、父は、あまり働かなくなっていた。
夜になっても帰ってこない・・・
後になって知ったのだが、ギャンブルにはまっていたのだ。
それで、母が配達するようになった。
配達をして、子供の食事を作り、学校の用意をする。
いつのまにか、働かない父に嫌悪感を抱き、ママッ子になった。
 それでも、母が人並み以上に仕事&母役をこなすので
家族が崩壊することもなく無事に生活ができた。
一日数時間寝る以外は、全て働いていたように思う。
しかも、母は、浪費もせず貯金を一生懸命していた。
信じられないほど働く・・・
人間として尊敬する・・・
 それから、小学校の成績が良いので、漏れは、勧められるままに
私学を受け・・・近隣の一番賢い私学に見事合格してしまった。
 母は、無理して学校に行かせてくれた。
漏れは、中学まで普通に頑張った。成績もトップである。
しかし、進学高校で・・・
不登校になり・・・ヒッキーになった・・・
毎日、親父と喧嘩・・・
それでも、母は、漏れの責任として叱らず、いつもかばってくれた。
無理して進学校へ行かせた自分を責めさえしていた・・・
 今、思えば、漏れは、なんて母不孝なヤシだったのかと
情けなくなる・・・
494FROM名無しさan:03/04/29 19:43
 それから、ヒッキー生活数年を経て、働かねばならないと
思うようになる・・・脱ヒッキーである・・・
 しかし、不思議なもので、あれほど嫌いだったオヤジと同じ
新聞配達をするようになって・・・
悲しく切なく、でも、どこか運命のような気がしてならなかった
 新聞配達は、漏れの性格に驚くほどにピッタシだった・・・
順路も一発で覚え、不配もしない・・・
外的ストレスもなく・・・安定して食べて暮らせる・・・
一人、バイクに乗って走ると、向い風を感じるのだが・・・
その向かい風さえも、背中をおす追い風になっている気がした・・・
 ただ、子供の頃にぼんやりと感じていた、「負け組み」は、今も
同様に漏れの心の中にある・・・
こんな仕事は、嫌だと感じる・・・
痛烈な劣等感が漏れを痛めつける・・・
 でも、同時に、あの頃、オヤジに抱いていた尊敬と感謝の念が
漏れをそれから救っている・・・
なんと不思議なものか・・・
495FROM名無しさan:03/04/29 19:50
 これからも、真面目に配達、頑張るぞ
ミンナ ツイコイ ( ゚Д゚)ゴルァーーー

 でも、いつか、辞めるときがくるだろう・・・
 一生懸命、働いて、勉強して、お金をためて・・・
それから、立派な仕事に就くのだ・・・

 漏れの人生もを配ってくれる・・・ビバ、新聞配達!!

         (完)

  全部、読んだ人  (・∀・)イイ