骨のついている肉。スープにしようと考えた。湯を張った鍋に投入し2時間ほど煮込んだところへ、さらに人参、大根、さといも、
ごぼう、ねぎ、こんにゃく、油揚げを投入し、しょうゆでコトコトと40分ほど煮込みつづけた。
翌日、指先を凍らせながら自転車で帰宅すると、おまちかねの和風スープの出番だ。昨日十分に煮込まれたスープは冷え、
ところどころに煮凍りができている。ヌラヌラとした光沢を放つそれには、大量のコラーゲンが含まれている。うれしくなる。
電気焜炉のスイッチをひねり、コートやカーディガンをクローゼットにしまいながら、スープが十分にあたたまるのを待つ。
数分すると鍋は沸騰しコトコトという静かな音が聞こえてくる。冷え切ったつま先もあたたまるような、温かい音だ。
ふたをあけると、だしの香りとねぎや人参の香りをのせた湯気が私のメガネをフワッと曇らせる。
同時に、レンジでは昨日ラップにくるんで冷凍しておいた白飯がもうアツアツになっている。
それらをそれぞれ木でできた深めのお碗と100円ショップで買ったベージュ色の茶碗に盛り、こたつへ持っていく。
NHKのニュースを見ながら、質素ながらも温かい夕飯だ。
いただきますを言い、スープを口に含んだ。肉や骨からでたコクと根菜のうま味がマッチし、口の中がジンワリとなる。
数時間も煮込むと、肉や軟骨と骨とは箸でつついただけで容易にホロッとはがれてくれる。軟骨は適度にやわらかくもコリコリと
しており、実に楽しい食感である。大根は一晩おいただけあって味がしみいっている。人参やさといももホクホクとした食感がある。
白飯には、レンジでよく温まっていない部分や、ラップに接していたため水分を含みすぎている部分があるが、それも愛嬌だ。
このスープ、白飯の味と実に調和するのである。