猫の額
これは、非常に恐ろしい話である。
一般的に、人を呪うときにはワラ人形に五寸釘で穴を二つあければいいと言われているが
猫を使った方がさらに効果的である。
草木も眠る丑三つ時、白装束を身にまとって一人で神社へ向かう。
そこの神木に猫を釘で打ちつけるのだ。古参のミステリィマニアだと舌に釘を打ちたくなるが
ここはやはり、額に打たなければならない。
しかし、これがなかなか難しくてよく失敗するのだ。目標が狭いからである。
これ以来、土地や建物が狭い様子を「猫の額」と言うようになった。
なお、釘を打ったあとの猫は、猫の死体である。