もののけパンヶ市
〜ストーリー〜
ある夏の夜、焼窯ベーカリーの店主が店じまいをしていると、
白い着物を着た女の人があらわれ、
「パンをひとつ下さい・・・」
と言いました。店主は不審に思いながらも、店の奥からパンを出してきて
女に渡しました。女は嬉しそうにパンを抱えて帰って行きました。
それからたびたび、その白い着物の女の人はパンを買いに来ました。
しかし、必ず夜遅く、誰もいない時にしかやってきません。
「これはおかしいぞ。」
ある日店主は意を決して、パンを買いにやってきた女の後をこっそり着いていって
みることにしました。
すると女は、もののけ番外地に行くではありませんか。
ふるえる体を押さえながら、店主がものかげから覗いてみるとどうでしょう。
色々なもののけたちが、美味しそうにパンを食べているではありませんか。
もののけたちは、
「パンは美味しいなあ。」
「おいしいパンが毎日食べられたら、イタズラやめてもいいなあ」
「でも、このナリじゃ、パンを買いにいってもみんな逃げてしまうんだ」
そこで店主は決意しました。
もののけ番外地にパン屋を開いて、もののけのみんなにもオイシイ焼きたてパンを
毎日食べてもらおう!
そこで店主はパン屋仲間に声をかけ、もののけ番外地に色々な美味しいパンが
食べられるエリアを作りました。
こうして出来たのが「もののけパンヶ市」です。
もののけたちも毎日おいしいパンが食べられてご機嫌です。
でも、大好きなイタズラはやめられなかったみたいですけれど。