県や千葉市が旅客船桟橋などを整備して「港町」としての
売り込みを目指す千葉港地区に、大型パチンコ店の出店計画が浮上している。
海沿いの立地で、4年後にできる桟橋とは目と鼻の先。地元関係者は
「イメージダウンにつながりかねない」と懸念するが、規制をかける手だてもなく、市も頭を悩ませている。
計画地はJR千葉みなと駅に近い千葉中央港の約1万平方メートルの敷地。
北関東を中心にパチンコ店を展開する企業が出店を予定している。土地登記簿によると、
敷地は地元不動産会社が所有。一部は駐車場として使われていたが、すでに重機で
アスファルトをはがすなどの作業が始まっている。
この一帯では、これまで工業港のイメージが強かった千葉港をウオーターフロントとして
再生させようと、土地区画整理事業が進められてきた。並行して県は2015年度末の
一部供用開始を目指し、桟橋2基や緑地を整備。市は隣接地に旅客船ターミナルなどの
整備を進め、にぎわいを呼び込みたい考えだ。
そうした中、最も海側に近い「好立地」に今回の出店計画が浮上。「せっかく遠くから
船で観光客が訪れても、目の前がパチンコ屋ではがっかりだろう」(地元関係者)と懸念の声が上がっている。
ただ、一帯は商業地で、地区計画上も風俗店などを除き規制の対象外。市によると、
区画整理の以前から別のパチンコ店が2軒あったといい、今回の計画地の向かいにも
既存店舗がある。建てること自体は可能という。
市は「意図するところではないが、何とも致し方がない。つらいところだ」(幹部)
とこぼす。業者側には景観に配慮し、派手な色やデザインにならないよう指導していくという。
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