【ヤスヒロ】CR戦国乙女 〜乙女武将との日々〜 第二章

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1名無しさん@お腹いっぱい。
「CR戦国乙女」のショートストーリーを発表するスレです。

■前スレ
http://money6.2ch.net/test/read.cgi/pachik/1213196217/

■公式
http://www.heiwanet.co.jp/latest/sengoku_otome2/

■本スレ(55スレ目)
http://money6.2ch.net/test/read.cgi/pachik/1216918579/

■まとめwiki
http://www11.atwiki.jp/sengokuotome/
■セリフ集
http://www11.atwiki.jp/sengokuotome/pages/26.html
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/26(土) 22:47:59 ID:NBZLoCEb
に(´・ω・`)
3:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/07/26(土) 23:05:15 ID:HKtNDF9R
前スレ>>535続き。自分で立てといて自分が初投稿ってのもなんですが・・・
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ヒデヨシ「お母さん大丈夫!?」
   先代「あらあら、騒々しいわね。」
   ○○「・・・母上がお倒れになったと聞き、そのまま飛び出していきまして。申し訳ございません。」
   先代「なんとも無いわ、少し疲れただけよ。ほら、ヒデヨシも落ち着いて。」
 ヒデヨシ「は〜い。ねえねえお母さん!」

 母はヒデヨシと楽しそうに話しはじめた。見たところいつもと変わらぬ様に見えるが。

   ○○「・・・で、本当のところどうなんだ?」
   重臣「はい・・・。医者の話では今すぐに、と言うことではありませんが、もうそんなに長くはないそうです・・・。」
   ○○「そうか・・・。」

 楽しく話す二人を横目に、俺は重臣と母の容態について話し合った。その口調から察するに話の内容は本当のようだ。
あまり長居はしない方がいいだろう。俺もあまりこの場にはいたくないしな・・・。

   ○○「さあヒデヨシ、そろそろ戻ろう。長居しては母上のお体に触る。」
 ヒデヨシ「え〜、やだ!もっとお母さんとお話しする!」
   ○○「わがままを言うんじゃない。さっ、戻るぞ。」
 ヒデヨシ「ぶ〜。じゃあまた来るね!お母さん。」
   先代「ええ、いつでもいらっしゃい。あ、そうだ○○ちょっと。」

 母に呼び止められた俺は、重臣にヒデヨシを頼みそのまま部屋に残った。・・・母と二人っきりになるのも何年ぶりかな。

   先代「ごめんなさいね。色々苦労をかけて。」
   ○○「・・・いえ、役目ですから。」
   先代「そう。残ってもらったのは、ちょっと聞いて欲しいことがあるからなのよ。」
   ○○「・・・はっ、なんなりと。」
   先代「そんなによそよそしくしなくてもいいわよ、二人きりなんだから。ね?」
   ○○「いえ・・・、お互いに立場がありますので。」
   先代「そう・・・、まあいいわ。話と言うのはね、私がいなくなった後の事。」

 母は庭の花を見ながら話し始めた。相変わらず美しい横顔だ。俺は不謹慎にも一瞬そうおもってしまった。

   ○○「何をおっしゃいます。まだまだ母上には元気でいてもらわなくては。」
   先代「自分の身体は自分が一番分かってるわ。もう私は長くないでしょう。
       その前にどうしても、あなたに伝えなくてはいけないことがあるの。」

 ついにきたか・・・。覚悟してはいたが、いざその場面になると、緊張するな。

   ○○「自分にですか?一体、なんでしょうか?」
   先代「ええ、実はね。私が亡くなったら、あなたに私の後を継いでもらいたいのよ。」
   ○○「えっ?」

 予想と違う母の言葉に、俺は思わず間抜けな声を出してしまった
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/26(土) 23:24:13 ID:Iq78tLYz
>>1
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/26(土) 23:57:21 ID:9f/G87v+
おぉ、ついに2スレ目に。
今回はほぼ○○が主役だな(*´∀`)
ヒデヨシ出番少なす
6:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/07/27(日) 00:57:22 ID:I3l6oAdP
>>3続き。話を膨らませすぎて、主役の出番が少なくなって本末転倒になって本当に申し訳・・・。
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 
    ○○「何を、おっしゃいます・・・。自分は男ですよ?それにヒデヨシというれっきとした跡継ぎがいるではありませんか。」
    先代「それは充分に承知しています。ですが、それを承知で敢えてあなたにこの国を頼みたいのです。」
    ○○「いや、それは・・・。無理ですよ、それに自分はそもそもそんな器ではありません。
        それに比べて、ヒデヨシの人をひきつける魅力は天性のものです。アイツこそ、時代の君主にふさわしい。何も心配することはないでしょう。」
    先代「確かに、ヒデヨシのそれは天性のものでしょう。しかし、ヒデヨシはあまりに幼すぎます。
        とても、君主としてやっていける年齢ではありません。それに、アナタの才能は私が一番良く知っています。」
    ○○「そうかもしれませんが、それでも自分があとを継ぐというのは。さすがに家中の者達が納得しないでしょう。」

 俺は母の突然の申し出に、頭が混乱しながらも何とか断りの返事を口に出した。
実際、俺はヒデヨシが生まれた時から後を継ぐ気など、さらさらなかった。それに、例の件も絡んでなおその気は無かった。

   先代「皆には私から説明します。だから―。」
   ○○「無理ですよそんなの。・・・誰も納得しません。」
   先代「・・・ごめんなさいね。私がアナタを拾ってしまったばっかりに。
       他の誰かに拾われれば、あなたをこんなに苦しめることはなかったのに・・・。」
   ○○「なっ!?」

 別に恨んでなどいなかった。だが、面と向かって謝罪の言葉を聞くと、母も苦しんでいたことを知った。
そう考えていたら、俺はなんだかスッキリしてきた。今まで気にしていたのが何だかアホらしくなってくる。

   ○○「・・・わかりました。母上の願い聞き入れましょう。」
   先代「まあ・・・、では。」
   ○○「ええ、母上の跡目、俺なんかでよければ。」
   先代「○○、本当にありがとう・・・。」
   ○○「親子じゃないですか、水臭い。・・・でも条件があります。」
   先代「わかっています。ヒデヨシが成長したら、その役目を終えたいというのですね?」
   ○○「はは、お見通しでしたか。もとから、君主の座なんて興味はないですからね。」
   先代「まったくこの子は、いいわ。無理させるのもなんだしね。でも、その役目を終えた後もここに残って、ヒデヨシのことを頼むわね?」
   ○○「それは、モチロン。子供の時に母上と約束しましたから。」
   先代「何だ覚えていたの。やっぱりアナタは私が見込んだとおりの男ね。ふふふ。」

 そう言って母は微笑むと、昔と変わらぬ美しい笑顔を俺に向けた。 
 その後、母は家臣達全員の前で俺を次の君主にすると伝え。自分は引退すると発表した。
もちろん家臣達は大騒ぎしたが、母の毅然とした物言いにひとまず沈静化した。
 ヒデヨシは何のことかいまいち分かっていなかった様だが、俺が君主になることを自分のことのように喜び祝福してくれた。
のんきなもんだ、そのうち自分がなるのに・・・。
 母は安心したのか、その後しばらくして旅立っていった。その顔はなんとも安らかだった。
7:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/07/27(日) 03:17:39 ID:I3l6oAdP
 ヒデヨシ「あー!また昼間っからお酒呑んでるー!ダメだよ、お兄ちゃん!」

 またうるさいのがやってきた。人が美しい思い出に浸っていると言うのに・・・。
   
   ○○「なんだヒデヨシか、良いんだよ、良い天気なんだから。」
 ヒデヨシ「ふ〜ん。じゃあアタシも!」
   ○○「って、おい!お前は仕事しろ!サボるな!重いから人の上に乗るなあ!」
 ヒデヨシ「〜♪」

 怒り顔から一変、笑顔になったヒデヨシは俺の膝の上に飛び込んできた。
あの後、何年か君主の座についた俺だったが、当然家来達からの信頼はゼロだった。
 そして、ようやく一人前になったヒデヨシに位を譲り、ようやく悠々自適の暇人生活を送れるようになった。
だが、目を離すとすぐに遊びまわってしまうこの遊び癖は、どうにかならんものか・・・。

 ヒデヨシ「あ〜、ポカポカして気持ち良いな〜。なんだか眠くなってきちゃった・・・。」
   ○○「こらっ!毎度毎度、人の上で寝るな!」
 ヒデヨシ「スースー。ムニャムニャ。」
   ○○「また早いな、おい・・・。ったく、まだまだ子供だな。」

 あっというまに、俺の膝の上で眠ってしまったヒデヨシの頭をなでながら、おれは苦笑するしかなかった。
まあ、正直ここで昼寝していても大丈夫なくらい最近の世の中は平和だ。
 他国との争いは確かにあるが、ここのところは戦国乙女たちの実力が拮抗しているためか、
その争いも小競り合い程度で済んでいる。
 少し気になることと言えば、正体不明の勢力が、しばしば他の乙女たちと戦を起こしていることぐらいだろうか。
連中の目的は不明だが、見境無く攻撃をしかけているようだ。いつうちにも仕掛けてくるかワカランが、
まあ少しくらいならいいだろう。にしても・・・。
 
 ヒデヨシ「えへ〜。お兄ちゃん変な顔〜。ムニャムニャ。」
   ○○「む、勝手に人を夢に・・・。しかも、何て夢をみてやがるんだ。」
 ヒデヨシ「お〜、結構跳んだあ。」
   ○○「こいつ、また人をひょうたんでぶっ飛ばす夢をみてるな・・・。」
 ヒデヨシ「むふふ〜。」

 なんともけしからん夢を見ているヒデヨシを眺めているうちに、ふと思った。
こいつは俺と血のつながりが無いことを、知っているのだろうか?まあ。どっちでもいいか。
 そろそろ良い時間になってきた。これ以上サボらせたら、さすがにちとマズイ。

   ○○「おい、ヒデヨシ、起きろ。そろそろ時間だぞ。」
 ヒデヨシ「これぞ、お兄にぎり〜。ふえ?」
   ○○「なんだそれは・・・。ほら寝ぼけてないで起きろ。そろそろ、仕事にもどれ。」
 ヒデヨシ「ええ〜、めんどくさいな。ふあ〜あ。」
   ○○「そう文句を言うな。終わったらちゃんと遊んでやるから。」
 ヒデヨシ「ほんとに!?約束だよ!」
   ○○「うお、声がデカイってば・・・。ビックリするだろ。ああ、約束だ。」
 ヒデヨシ「やったあ!絶対にだよ?破ったら、ひょうたん百叩きだからね!」
   ○○「お前は俺を、この世から物理的に抹消する気か・・・。わかったから、さっさいけ。」
 ヒデヨシ「うん!じゃあね、お兄ちゃん!」

 ニッコリ笑ったヒデヨシの笑顔に思わずドキッとしながらも、俺はヒデヨシを送り出した。
8Original Fire:2008/07/27(日) 03:47:36 ID:eK6EYZuQ
まずは疾走感溢れるパンクミュージック、【サウンド・オブ・ナイブス】だ。
ドラムスのスティックのタイミングに合わせ、16分ビートを刻み始める。
スネア、タム、バスタムの準備が整ったら、いざ、マサムネが空気のように入り込む。これで、安心感がよりいっそう増した。
そこへ、風が流れ込むようにサイドギターのケンシンが得意のカッティングで入り、音の土台を作り、観客を飲み込んでゆく。
そして、待ってましたのミツヒデがハイ・ポジションからの単音ソロで、オーディエンスは片手を挙げて縦ノリを始めた。

俺「すげぇ、すげぇよ! サニーサイドアップ!!」

雷神の如く全てを叩きのめすドラムス・・・。
まるでボディーブローを連続で食らっているかのような、シャープで際どいベース・・・。
死角のない完璧なリズムでメンバー全員の息をまとめるサイドギター・・・。
圧倒的な存在感であらゆる視線と言う視線を集めるリードギター・・・。
カリスマ的な声量で、見る人、聴く人の全てを奪い去るボーカル・・・。

イエヤス「次は新曲の【ラウド・プラウド】です! デス! Death!!」
観客「うぁおおおおおおお〜〜〜〜!!!!!!!!」

イエヤス&観客「です!! デス!! Death!!」

そして、皆の息が一つになる。

ヨシモト「やっぱり、最高ですわね・・・」
俺「あ、ヨシモトさん」

今川ヨシモト。
月刊誌「ギター・モンスター」の編集部員である。
彼女もまた、一昔前はやはり音楽界において、相当のクセモノだったらしいが、今となってはそれは黒歴史と化されている。

???「いや、いまいちだな」
俺「えっ」

不意に声をかけられ、驚いて振り向くと、赤い頬と髪をした女がジャック・ダニエルを片手に難しい顔をしていた。
この人は・・・・・・たしか「ホット・ロッド」の入り口に座り込んでいた人じゃないか。

ヨシモト「あなた・・・・・・元ウォー・ヘッズのボーカル、ノブナガ様じゃありませんこと?」
俺「何だって! あのロック界のカリスマ、ノブナガ様だって!? でも、そんな面影は・・・・・・」

たしかに、今の彼女は、どこからどうみても、ただのイカれた飲んだくれだった。頬はこけ、声もガラガラだ。
ウォー・ヘッズは三年前、メンバー内の音楽的思想の食い違いから解散を余儀なくされた。だが、今でもファンの間では再結成の噂が後を絶たない。

ノブナガ「特にミツヒデの存在だ。やつはいけねぇ」
俺「何でです? 最高のギタープレイヤーじゃないですか」
ノブナガ「へっ、素人が。何も分かっちゃいねぇ。たしかにやつは最高だ。だがな、最高であるが故にそこに穴があるものさ」

ノブナガがジャック・ダニエルをラッパ飲みしながら言ったことを、俺はまだよく理解できていなかった。
9○○○○夢想:2008/07/27(日) 15:31:36 ID:bu4PKx1S
???「はぁっ…はぁっ…」

夜の森の中を、家来と思しき兵達と共に駆けていく小さな影。
後ろからは、大勢の馬の蹄の音と喊声。どうやら影達は追われているようだ。

兵士「……様!このままでは…このままでは、追いつかれてしまいます!」

兵士の一人が情けない声を上げる。

???「…はぁっ…はぁっ…大丈夫…もう少し…もう少しの辛抱です!ここを抜ければ…」

走っていく奥の方にボンヤリと明かりが見える。月明かりでもない…あれは…松明の光だ。


 ───── 抜けた!


抜けた先に広がる、広い空間…そこには何列にも並んだ多数の兵士が弓を構えていた。
弓は全てこちらを向いており、一声かければ全ての矢が放たれる…そういった様子である。

???「……」

影は立ち止まった…汗が頬を伝っていく。刀を持つ手は更に強く握られる。
後ろからは騎馬隊…前には弓隊…

 ───── ついに騎馬隊が森の中から姿を現した!
10○○○○夢想:2008/07/28(月) 00:58:39 ID:lv3YIO1M
???「弓隊第一陣!斉射ぁ!!」

ピュン ピュン!!ピュン!!

影から発せられた幼さの残る声を皮切りに、一斉に弓矢が発射された。
矢は、影達の頭上を越え、騎馬隊に降り注ぐ。

敵兵「うわぁ!」 「きゃぁ〜!」 「ひ、退け〜!」

???「続いて第二陣!斉射ぁ!!」

ピュンピュンピュン!!

 ───── 騎馬隊は総崩れ、兵の大半を失い退いていったようだ。


???「はぁ…なんとか撃退できた…」

影はホッと一息つくと、その場に座り込んだ。
小さな身体を、雲に隠れていた月の光が照らす。
汗で光る、緑色の綺麗な短い髪。

兵士「流石です、コタロウ様!一時はどうなるかと思いましたが…」
兵士「こういった窮地にこそ、コタロウ様の提唱する兵法が効果覿面ですね!」

笑顔ではしゃぐ兵達に、コタロウも笑顔で返す。

コタロウ「ボクは何も…この作戦がうまくいったのも、全てはみなさんのおかげです。
      よくやってくれました、ありがとうございます…」
兵士「…もう!謙虚なコタロウ様も可愛いです!ぎゅぅ〜!」
コタロウ「わっ!?く、苦しいですぅ〜!」

 ─── 彼女の名はコタロウ。荒ぶる戦国の世を生き抜く戦国乙女だ。
小さな身体ながらも、その軍師としての腕、知識、さらには実力も折り紙つきである。
悩みは男の子に間違えられ易いことと、背が小さいこと。
日々、その二つを克服するため牛乳を飲むのが日課となっている。
家臣にはそのルックスや振る舞いから、絶大な人気?があるようだ…

コタロウ「さ、さぁみなさん、追手に気をつけて、本陣まで退却しましょう…」
兵士「は〜い♪」
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/28(月) 09:27:13 ID:qIrVEW2c
まさか、コタロウ夢想に突入!?
(*´∀`*)

確かに最近、コタロウ強くなったもんなぁ…
orz
12コタロウ夢想:2008/07/28(月) 17:46:34 ID:ycpzccG4
ボクたちは無事城に戻った。
小さな国だが、これでもボクが城主を務めている。
母上から譲り受けたこの国は、資源もそこそこ豊かで、土地も悪くない。
それゆえ、あまり目を付けられることがなかったが、近頃戦況が悪化したため、狙われるようになってしまった。
ボクとしては、あまり戦いたくはないし、中立の立場を貫きたかったのだけれど…
戦況がそれを許してはくれない。

部屋に戻ったボクは、数々の書状を眺めた。宣戦布告…または臣下に下れという内容のものばかりだ。
一応目は通したが、ひどいものばかりだ。そんな中、一通だけ気になるものがあった。
差出人は…オウガイ。
オウガイといえば、近頃名を上げてきた武将で、身の丈は六尺七寸にもなろうという大女で
筋骨隆々、向かうところ敵なしという噂だ。似顔絵を見たことがあるが、とても恐ろしかったのを覚えている。

内容は『貴公と一度話しがしたい』…これだけだ。

頭ごなしに降伏を迫ったり、罵詈雑言が書いてあるような書状とは違い、とても簡素で実直だ。
一度会ってみるのもいいかもしれない…そう思わせる書状だった。

コタロウ「…誰かいますか?」
兵士「はい、ここに」
コタロウ「すみませんけど、すずりと筆を用意してくれませんか?」
兵士「只今お待ち下さい!」

ボクはつたない字で返事を書く…
『あなたのお気持ちはわかりました。後日伺うことに致します。』

噂通りの人だと怖いけど、文面を見る限り、威厳を感じる。斬って捨てられることもないだろう…
あわよくば協力を取り付け、この戦国の世を乗り切りたいものだ。
13コタロウ夢想:2008/07/28(月) 18:06:58 ID:ycpzccG4
ボクの国からオウガイの国はそう遠くはなかった。むしろ一番近い国かもしれない。

二日ほどたった日の朝、ボクはオウガイの国へ向かうため、準備を始めた。

家臣1「コタロウ様ぁ…大丈夫ですか?噂では馬をも投げ飛ばす怪力女だとか…」
家臣2「私たちのコタロウ様が、そんな奴にハチャメチャにされたら…私もう!」
コタロウ「心配しなくても大丈夫ですよ…すぐ戻ってきますから」
家臣3「絶対ですよ!帰ったら一緒にお風呂入りましょうね!」
家臣2「私がコタロウ様のお身体を洗います!」
家臣1「なによ、私が洗うのよ!」
コタロウ「まぁまぁ…みんなで仲良く入りましょうよ」

むずがる家臣たちをなだめ、ボクはお付き一人を連れ、旅立った。

 ──── 馬に揺られ数刻、昼過ぎに国境の砦に着いた。

兵士「コタロウ様ですね…お話は伺っております。さぁどうぞ」

門を通り、あちら側の兵士に付き添われ、進む。
緑豊かな土地だなぁ…暮らしている人々の顔も晴れやかだ。

城下に着いた。結構大きな国なんだなぁ。ボクの国とは大違いだ。
商売も盛んで、みな笑顔で往来を行きかっている。民の暮らしぶりから、城主の手腕の大きさが伺える。

ただ粗暴で腕っ節が強いというだけでは、ここまでできないだろう。
やはり睨んだとおりの大人物のようだ…。気を引き締めよう。
14コタロウ夢想:2008/07/28(月) 18:42:01 ID:ycpzccG4
しばらくしたら来るというので、ボクは広間にて待たされることになった。

従者「ももも、もし、コタロウ様が脅されるようなことになったら、私は…!」
コタロウ「心配しすぎですよ…きっと大丈夫です…」
従者「ででで、でもですね…。!!ひっ、あ、足音が!来ます!」

コツ…コツ…とこちらに近づいてくる足音。そして広間の扉が大きく開けられる。

──── 赤く逆立った髪、きりりとした美しくも気高い顔立ち、その顔の右部分に彫られた刺青…
       大きな身体に装着された燃えるような赤い鎧に、外套。そこから覗く、筋肉質の肌…

噂とは随分違う…とても優しそうな顔立ちをしている。身の丈も六尺といったところかな…。
筋肉もそんなに筋骨隆々というわけではなく、付くべき所に付いているという感じだ。

きっとその強さに恐れをなした者が、誇張して彼女を表現したのだろう。
それでも六尺もあるので、見上げて話すことになるけれど。

オウガイ「遅れて申し訳ない。我はオウガイ…書状にて綴った此度の会合…受けていただき
      誠に嬉しく思う。お主の名は噂に聞いておる。なんでもその軍師の腕は一級品であるとか…」

風体に似合わず、とても澄んだ綺麗な声だなぁ…思わずボクは聞きほれてしまった。

オウガイ「…ん?どうなされた?」
コタロウ「え、あ、いえ…ボクはコタロウです。一度話し合ってみたく思ったので、参った所存です」
オウガイ「このような味気ない所で話すのもなんだ…よければ風呂場にて語り合ってみぬか?」
コタロウ「風呂場…ですか?」
オウガイ「そうだ。我が城の風呂は他と違ってな、源泉をそのまま引いておる。なかなかの名湯だぞ」

互いに丸腰で話し合おうという意図だろうか…随分デキる武将だ…その意図に乗ることにしよう。
…それに、温泉というのも初めてだから、少し胸が躍ります…
15コタロウ夢想:2008/07/29(火) 01:40:41 ID:uitWUpV3
カポーン

コタロウ「はぁ…いいお湯です…これが温泉というものですか…」
オウガイ「ふふふ…しかも、温泉につかりながらの酒はまた極上なのだぞ」

そういって一気に酒を煽る。大きな胸が揺れる。…うらやましい。
ボクは持参した牛乳を酒で割ったものを呑む。うん、おいしい…確かに格別だ。

オウガイ「さて、お主と話し合いたいというのは、単刀直入に言うとだな…」

きました…。これでこの人の真意がわかる…。

オウガイ「っと、その前に我の夢を話しておこう」

ふぇ?

オウガイ「我の夢は、天下を統一することだ」

なんだ…他の武将と同じだ。結局は天下を手に入れたいんだなぁ…

オウガイ「だが他の武将は力で天下を支配しようとしているが、我は違う」
コタロウ「…と、言いますと?」
オウガイ「我の目指すところは、天下泰平の世…争いの無い世を築くことだ。
      争いを無くすといっても力で支配するのではなく、平和の志を以ってこれを成す」

 ──── ボクとしたことが、見る目を誤っていたようです。
この人は…デカい。志も夢も…。ボクの理想とする世にとても近いものを持っている。

オウガイ「もしこの志を理解して貰えるなら…同盟を…是非とも我に手を貸していただきたい。
      配下などではなく…友人として」
コタロウ「えぇ…あなたとならいい友人になれそうです…オウガイ」
オウガイ「ありがとう…コタロウ」

杯を交わし、それぞれの国の情勢、民の暮らしぶりなどを色々話し合った。
オウガイはよく笑い、楽しそうに話す。明るい人だ…きっとこの人なら天下を獲れるだろう…そう確信した。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/29(火) 19:12:44 ID:QUMTAhTp
書いたの上げようと思ったらまさかPC規制とは・・・。
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/30(水) 19:22:42 ID:e9N530lJ
ムラサメ「オウガイにコタロウちゃん、ちょっとぉ、私がシロをちょっと抱いたら、二人とも順番にワン?と言うのよ」
オウガイ「何だいきなり?」
コタロウ「ムラサメさん何企んでいるんですか?」
ムラサメ「いいから、いいから、ほらシロを抱いたわよ」

オウガイ「ワン?」
コタロウ「ワン?」
シロ「わぉーん?」

ムラサメ「ワンワンすろとぉ〜れんだぁ〜」

オウ&コタ「( ゚д゚)ポカーン」

18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/30(水) 20:07:55 ID:EjQi2wvA
コタロウ夢想が読めるのは、このスレだけ!

夢想先生(仮名)へのファンレターは、このスレに

わっふるわっふる
(*´∀`*)
19コタロウ夢想:2008/07/31(木) 00:28:30 ID:P+8ooQ8H
カラカラ…

オウガイ「誰だ!……っと」

ん、なんでしょうか…湯気でよく見えませんが、何か小さい影が…

???「くぅ〜ん?」
オウガイ「なんだ、シロか…」
コタロウ「!?!?!?」

そこにいたのは、真っ白な毛並みをした、犬…?犬のような…二足歩行の生物。
シロと呼ばれたそれは、手ぬぐいを手にすると、自らの身体を洗い始めた…

コタロウ「あ、あの!あれは一体…」
オウガイ「ん?あぁあれは、以前裏手の森で彷徨っているところを拾ってな…
      シロと名付け、我が城にて飼っておるのだが…中々可愛いであろう?」
コタロウ「か、かぁいいにゃぁ〜」
オウガイ「へ!?」
コタロウ「え?あ、いや…コホン。えっと…あれは犬…ですよね?」
オウガイ「犬以外見えんであろう」
コタロウ「ま、まぁそうですよね」

どうやら洗い終わったらしく、シロは湯船に入ってきた。

シロ「わふ〜」

とても気持ちよさそうに浮いている…

コタロウ「あ、あの!だ、抱いてみてもいいですか…?」
オウガイ「別に構わぬが…あれは中々人に懐かぬ犬でな…まぁ試してみるのも一興だ」
20コタロウ夢想:2008/07/31(木) 00:49:22 ID:P+8ooQ8H
コタロウ「シ、シロ〜?」

恐る恐る呼んでみる。シロがこちらを向いた…かぁいい…
パチャパチャ。え?こ、こっちに泳いでくる…!

シロ「くぅ〜ん」

シロは自らボクの腕の中に飛び込んできた。

オウガイ「む…。我でさえ、懐くのに数日かかったというに…。なんだか妬けてしまうな、ふふ」
コタロウ「は、はうぅ〜柔らかくて…もふもふして…気持ちいぃよぉ〜、かぁいいにゃぁ〜」
シロ「わんわん!」
オウガイ「…ヨダレがたれておるぞ」
コタロウ「はっ…!コ、コホン。す、すごく可愛いですね…」
オウガイ「はは、どうやら相思相愛のようだな」
シロ「くぅ〜ん」
オウガイ「お?わ、はは!こら、舐めるでない!ははは!こやつめ!」

シロは一通り戯れた後、泳いでどこか行ってしまった…名残惜しいです…

オウガイ「…どうやらお主とは利害も一致しておる。良き友になるだけでなく、互いに夢を追おうではないか」
コタロウ「えぇ…今日はありがとう。そしてこれから末永く…共に手を取り…」

ボクらは風呂からあがった。従者の娘は、今にも泣きそうな顔で迎えてくれた。

従者「コタロウ様ぁ〜、心配したのですよ〜」

そんな彼女も、オウガイの兵と将棋をして楽しんでたのをボクはさっき見た。
これならうまくやっていけそうかな…
そんなこれからの展望を見据え、ボクは城へと戻った。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 04:42:24 ID:ub1jeKb4
夢想様、○○様わっふるわっふる(*´∀`)
お二人とも前スレからわふわふしながら読ませてもらってます
22コタロウ夢想:2008/07/31(木) 19:29:49 ID:qPqyupYe
オウガイと同盟を結んだボクは、恥ずかしながらシロ目当てに、結構な頻度で城に通い詰めていた。
オウガイはムラサメという女性とも同盟を組んでいた。彼女は幼馴染のようだ。
神秘的な雰囲気を携えた彼女は、とても美しく、聡明な人だった。ボクもいつかはあぁなりたいものだ…。

 ─── 同盟から一月、ボクはいつものようにシロのところへ来ていた。

オウガイ「お主は随分とシロに入り浸りだな」
コタロウ「だって可愛いんですもん…オウガイだってそうでしょう?」
オウガイ「まぁそれはそうだがな…」
コタロウ「ボクだって、シロを散歩させたいんです!いつもオウガイばかりでずるいです」
オウガイ「ふふん、我は飼い主だから当然なのだ!」
コタロウ「むぅ〜、まぁいいです。それじゃあ散歩させてきますね」
オウガイ「気をつけてな〜」

たまにこうやってシロと散歩する時間は、とても楽しい。
厳しい戦国の世にあって、こういうのどかな時間は必要です…。

城の外周に沿って、散歩していると、目の前を歩くシロが立ち止まった。

コタロウ「シロ?どうしたんです?」
シロ「くんくん…」

なにやら何かの匂いを感じ取っているようだ…
しきりにあたりを見回している。もしや、外敵では…?

─── すると、突然前方の森の中で何かが光り輝いた!

な、何だ!?一体あの光は…
その時、シロが一目散にその光のところへ走り出した。

シロ「わんわん!」
コタロウ「あ、シロ!待ってよー!」

少しばかり森の中へ入ったところで、シロが何かの周りをうろうろしている。
あれは…人?見たことのない格好をしている…。
倒れて動けないみたいだけど…まさか死んでいるのでは…

シロ「くぅ〜ん…」   ペロペロ
???「……ぅ」

あ、息があるみたいだ!ボクは急いで、その人の所へ駆け寄った。
23コタロウ夢想:2008/08/01(金) 01:33:52 ID:VaG8vRWk
倒れていたその人は男の人で、見たことのない服装…ムラサメが言っていた外国の服だろうか?
外傷は…ないみたいだ。気を失っていたのだろうか?でもなぜこんなところで?

コタロウ「大丈夫…ですか?」

声をかけてみる。外国の人だとしたら、言葉が通じるかは定かではないけど…
やがてその人は、目をゆっくり開けた。まだ焦点が定まっていないようだ。そして…

???「あれ…ここは…?」

あ、言葉は通じるみたいだ。

???「あれ…?俺は確かバイクで…車に…あれ?」
コタロウ「あの…大丈夫ですか?」
???「う、うわ!?」

彼はいきなり飛び起きた。
なまりや、聞いたことの無い単語が言葉の節々にあるけれど、話せるみたいだ。

???「き、君は?ていうか…なにその格好…ここどこ?森?え?」
コタロウ「えっと…ボクはコタロウです。ここは、オウガイの城の近くの森ですけど…あなたは…何者ですか?」
???「おうがい…?城…?ちょ、ちょっと待って…え?ここ東京じゃ…」
コタロウ「とうきょう?」
???「いや、でも見た限り違うし…バイクで事故って…あぁわけわかんなくなってきた…」
コタロウ「敵ではないみたいですけど…頭かどこかを打って記憶が混乱しているのではないでしょうか?」
???「え?敵?いやいや、わけわかんないんだけど…」
コタロウ「ん〜、あなた自分の名前はわかりますか?」
???「ヤスヒロだけど…」

ヤスヒロと名乗ったその人は、よくわからないけど、とうきょう?という所からやって来たらしいです。
今が戦国時代だというのを聞くと、ひどく驚いているようでした。
にわかには信じられませんが、どうやら違う時代から来たとのこと。
とりあえず城で、どこか身体に異常がないか調べることにしました。
24コタロウ夢想:2008/08/01(金) 02:05:46 ID:VaG8vRWk
コタロウ「肩お貸ししましょうか?一人で歩けます?」
ヤスヒロ「ん、なんとか大丈夫みたいだけど…」
シロ「わんわん!!」
ヤスヒロ「うわっ!?え!?なにこれ!?犬!?」
コタロウ「まぁ犬以外見えないでしょう?ボクも最初はちょっと思いましたけど…」
ヤスヒロ「ていうか何で二足歩行してんの!?何で兜みたいの被ってんの!?」
コタロウ「まぁ時代が時代ですし…シロも被りたがってたので…」
ヤスヒロ「戦国時代ねぇ…えっと、コタロウ…だっけ?君もその、兵士…なの?」
コタロウ「いえ、ボクはこう見えて武将なんですよ。自分の国だって持ってるんですからね!」
ヤスヒロ「武将?君が?へぇ…ちっちゃいのにすごいねぇ…」
コタロウ「あ、何か小馬鹿にした感じ…」
ヤスヒロ「い、いや、そんなことないって!」

とりあえず、城に移動したボクたちは、異常がないか調べるため、医務室へ行くことに。
途中会った兵士に、オウガイにこの人のことを伝え、後で目通りするようにしました。

随分辺りを珍しそうに見回したりするのを見て、違う時代かどうかはともかく、こういったところに
馴染みが無い人なのだというのは分かりました…。

 ──────────────────

ヤスヒロ(うわぁ…すっごい怖そう…)
コタロウ(そうですか?あぁ見えてすごく優しい人ですよ?)

オウガイ「お主が、例の行き倒れか」
ヤスヒロ「は、はい…」
オウガイ「随分と奇妙な出で立ちをしておるな…」
ヤスヒロ「いや、別に普通だけど…」
兵士「!!!オウガイ様に何と言う口の利き方を…」
オウガイ「あー、構わぬ、気にするでない」
兵士「は、はぁ…」
シロ「くぅ〜ん」
ヤスヒロ「こ、こら、纏わりつくな!」
オウガイ「ほう…シロが懐くとはな…おもしろい男だな」

オウガイが笑った…この笑みは、気を許した相手に見せるもの…
きっとオウガイもこの人に害意はないとわかったのだろう。
25コタロウ夢想:2008/08/01(金) 18:25:00 ID:podMOwJP
オウガイ「ふむ…しかし珍しい拾い物をしたものだな」
コタロウ「行く宛てもないそうですし、どうですか?ここに置いてあげては」
オウガイ「別に構わぬが…男だからといって、特別扱いはせぬぞ」
ヤスヒロ「あ、ありがとうございます…」
コタロウ「ふふ、よかったですね。どうです?言ったとおり優しいでしょう?」
オウガイ「な!コ、コタロウ、お主そんなことを言っておったのか!
      貴様も勘違いするでないぞ!捨てたままでは後味が悪いからだ!わかったな!!」
ヤスヒロ「は、はぁ…」

そういうとオウガイは顔を真っ赤にしてスタスタと広間を出て行ってしまった。
まったく、素直じゃないんですから…

 ───── 客間へヤスヒロさんを案内する。彼は多少落ち着いたみたいです。

ヤスヒロ「それにしても、すれ違う人みんな女の子なんだけど、ここはそういうとこなの?」
コタロウ「この時代では、女が戦場に立つのは普通のことですけど…」
ヤスヒロ「ふぇえ…随分と価値観が違うところだな…でも、コタロウは男の子なのに何で戦場に?」
コタロウ「……ボクだって女の子です!!!」
ヤスヒロ「え?あ!ご、ごめん!!女の子だったのか…」
コタロウ「ふん!もう知りません!」
ヤスヒロ「あぁぁ、ご、ごめん!!申し訳ない!!この通り!」
コタロウ「もう…そりゃよく間違われますけど…これから成長していくんです!」
ヤスヒロ「きっと綺麗になるよ…今はあれだけど…」
コタロウ「…何か言いました?」
ヤスヒロ「いえ!言ってないです!」

もう…!調子のいい人なんだから…!
でも…なんだか憎めない、そんな感じの人です…

この人がいることで何かが変わる…そんな予感がボクの胸に響き渡りました…

                                             continued to オウガイ夢想
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 00:12:51 ID:EgaXLrbm
シンゲン「ケンシン殿、ここであったが百年目、今こそ決着をつけるぞ!」
ケンシン「ん? あそこにいるのは超人気美人声優の植田佳奈さんでは?」
シンゲン「ん? どこだ?」
ケンシン「ふふふ、こんにちは〜」
シンゲン「確かにこの声は植田さんだぁぁぁあ、待って植田さ〜ん、無条件に好きだぁああ」
ケンシン「さぁ、城に帰るとするか」
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:08:52 ID:NH2XLYuC
>>25
わっふるわっふる!
コタロウ夢想と聞いて『え?』と思ったけど外伝的な役割だったんですな(´∀`)

次のアイデアが浮かびましたらお願い致します!
わっふるわっふる
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:38:20 ID:pjf7PtOu
さぁ、今年もやってきました、全国高等学校野球選手権大会!
開会から破竹の勢いで勝ち進み、並居る強豪を破り、今ここに12校が集いました!

まずは大阪府代表、薬多単高校!
トップバッターの豊臣ヒデヨシは小さい体ながらも、その長打力には定評があります!

新潟県代表、BI学園!
選手兼任監督でもある上杉ケンシンは、この甲子園でもきっと光るような戦略を見せてくれることでしょう!

東愛知代表、上底高校!
キャプテンの徳川イエヤスの安定したバッティングは脅威です!

静岡県代表、うつけ大学付属桶狭間高校!
ピッチャーの今川ヨシモトの奇妙な投球術が、各校を混乱に陥れることでしょう!

山梨県代表、尾必呉学院!
キャッチャーの武田シンゲンの豪快な采配が冴え渡ります!BI学園とはライバル同士です!

宮城県代表、独眼竜高校!
4番の伊達マサムネの、音が遅れて聞こえるほどのスイングは、ここ甲子園でも健在です!

西愛知代表、尾牌工業高校!
4番キャプテンの織田ノブナガの非情なまでの練習により、追随を許さないほどの強豪校となりました!

岐阜県代表、スリーデイズ商業高校!
ピッチャーの明智ミツヒデの巧みな投球は光るものがあります!得意技は隠し球です!

東東京代表、無双学園!
キャプテンで4番でピッチャーで兼任監督もこなす、パーフェクト超人オウガイ率いる無双学園は、優勝候補筆頭です!

西東京代表、板井高校!
この高校には一切の情報がありません!謎のムラサメ嬢がキャプテンをしている以外一切不明!その強さは未知数です!

東神奈川代表、朴陀手実業高校!
近年その強さを増してきた、コタロウ率いる朴陀手実業は、今大会のダークホースです!

西神奈川代表、輪恩学園!
トップバッターのシロは、あのイチローがお手本にしたと言われる、一本足打法の持ち主!今大会活躍が期待されます!

以上12校が勝ち進んだ甲子園大会!
乙女新聞社の協賛でお送りします!
29:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/03(日) 00:56:52 ID:yjYpg+io
>>7続き。

 あっという間に走り去っていったヒデヨシを見送りながら、俺は再び杯を手に取る。
何も考えず、ただ何も考えず、視界に広がる青い空や白い雲の流れの肴に酒をあおった。
 しばらくすると、なにやら城内が騒がしくなってきた。いつもの騒がしさとは、少し様子が違うようだ。
いつもならば無視していたところだが、少し酔いがまわったせいだろうか、俺はふらふらと立ち上がり、
皆が集まっている大広間の入り口の陰に隠れ、話の内容を盗み聞きしていた。

   重臣「それは本当なのね?」
   伝令「はい。正体不明の軍勢が国境付近の砦を襲いつつ、先日完成したばかりの我が城へ向けて進軍中です。」
 ヒデヨシ「よお〜し!じゃあ、アタシがやっつけてくる!」
   重臣「いや、その、少々おまちくださいね・・・?」
 ヒデヨシ「え〜。いいじゃん〜。早くいこうよお〜。」
   重臣「そう言わずにですね・・・。んんっ!さ、続けて。」
   伝令「は、はあ。ええっと、それでその城から援軍の要請を受けて、こちらまで参った次第です。」
   重臣「そう、分かったわ。でも、一体連中は何者なのかしら、狙いは・・・。あ、ヒデヨシ様、もう結構ですよ。」

 そうヒデヨシに促すと、つまらなそうに口を尖らせていたヒデヨシが、待ってましたと言わんばかりに立ち上がった。

 ヒデヨシ「うんっ!よお〜し、皆いっくよ〜!」
  家臣達「お、お〜・・・。」

 困惑した家臣達の掛け声とともに軍議は終了。家臣達はいっせいに立ち上がり、戦の準備をするべく駆け出していった。
ついに噂の謎の軍団が、我が国にもやってきたようだ。一体なんなんだ?連中は。・・・まあいいか、俺には関係ないしな。
 残った酒でも呑んで一眠りしようと思い、その場を離れようとすると、後ろから突然声をかけられた。

   重臣「あ、○○様。」
   ○○「ビクッ!な、なんだお前か。脅かすなよ。」
   重臣「これは失礼。しかし、盗み聞きとはいけませんね。堂々とご出席なさればよろしいのに。」
   ○○「そんなことできる訳ないだろ。第一メンドクサイ。」
   重臣「ふふ、そうおっしゃるとおもってました。で、どう思います?」

 急に真面目な顔になった重臣は、俺に意見を求めてきた。

   ○○「ん〜?さあ、さすがにあれだけじゃな。」
   重臣「そうですか・・・。どうです?ヒデヨシ様とご一緒に出陣なされては?きっと喜ばれますよ。」
   ○○「なんでそうなるんだよ・・・。ヒデヨシなら大丈夫だよ。もう立派な総大将だ。」
   重臣「ですがその、言いにくいのですけれど。駆け引きの段になると、未だに・・・。なので○○様がおられれば安心かと。」
   ○○「知恵袋ならお前達がいるじゃないか。俺なんかがいても、役に立たないよ。実戦からもだいぶ遠ざかってるし。」
   重臣「ですが―。」

 説得の言葉を続けようと口を開きかけたその時、背後からの元気一杯の声にそれはかき消された。
30:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/03(日) 02:08:41 ID:yjYpg+io
>>29続き
 
 ヒデヨシ「あー!お兄ちゃんだあ!」

 目ざとく俺を見つけたヒデヨシは、そのままこちらに駆け出し、俺に飛びついてきた。
条件反射で思わずその小さな身体を受け止める。

   ○○「よっと。・・・出陣だって?」
 ヒデヨシ「うん!悪い奴らやっつけてくるからね!」
   ○○「そっか。気をつけてな?」
 ヒデヨシ「へへ〜ん、平気だよ。すぐに、終わらせてくるからね!」
   ○○「まあなんだ、皆の言うこと良く聞くんだぞ?」
 ヒデヨシ「もう!しつこいなあ!あたし、もう子供じゃないもん!」

 ・・・ふ〜む、子供じゃない、か。しかし、この容姿を含めて色々なところが・・・。
特にこの、胸の辺りがね。何度か会った、ノブナガとかケンシンに比べると幾分か見劣りが。
いや、さすがにあの二人辺りと比べるというのは酷か・・・。でも、さすがに大人の女性とは―。

 ヒデヨシ「もうっ!聞いてるの、お兄ちゃん!?」
   ○○「え?ああ、スマンスマン。ちょっと考え事を。」
 ヒデヨシ「ふ〜んだ、どうせまた別の女の子のこと考えてたんでしょ!もうお兄ちゃんなんかしらないよ!」
   ○○「いや、そんなことないって。な?悪かったって。(くっ、まれに鋭いなコイツ。)」
 ヒデヨシ「つーん。」

 ヒデヨシは完全に機嫌をそこね、ほっぺたを膨らませてそっぽを向いてしまった。出陣前だというのにこれはマズイ。
何とかヒデヨシの機嫌を直すべく、必死の説得を開始した。

   ○○「なあ、機嫌直してくれよ。これから出陣だろ?」
 ヒデヨシ「しらないもーん。」
   ○○「ああ、ほら!この前言ってた、お菓子。終わったら一緒に食べに行こう!」
 ヒデヨシ「いらないもーん。」
   ○○「じゃあ、そうだ!そろそろ夏だし、新しい浴衣でも買いに行こう!」
 ヒデヨシ「い、いらないよ!」
   ○○「なら、あ、ほら。前に城下の店で見つけたカンザシ。あれきっとヒデヨシに似合うと思うんだけどな〜。」
 ヒデヨシ「そ、そうかなあ?」
   ○○「ああ、モチロン。ヒデヨシにぴったりだ。帰ってきたら、一緒に買いに行こう!」
 ヒデヨシ「や、やっぱいらないもーん。」
   ○○「(くそ、これでもダメか)はーっ。なあいい加減機嫌直してくれよ。帰ったら一緒に遊んでやるからさあ。」
 ヒデヨシ「・・・ほんと?」
   ○○「へ?あ、ああ。一緒に遊んでやる、ぞ?」
 ヒデヨシ「ほんとに、ほんとだね?絶対約束だよ!?」
   ○○「おお、や、約束だ。」
 ヒデヨシ「わーい!すぐ帰るからね、お兄ちゃん!」
   ○○「ああ、気をつけ―。ってもういないし。」

 あっという間に走り去っていったヒデヨシの去っていった方向を見つめ、思わずため息が漏れる。
31:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/03(日) 03:36:27 ID:yjYpg+io
>>30続き。

   ○○「あ〜、疲れた。ったく、まだまだ子供じゃないか・・・。」
   重臣「ふふふ、ご苦労様です。これで安心して出陣できます。」
   ○○「ぐう。助けてくれたっていいじゃんか。」
   重臣「ヒデヨシ様をなだめることが出来るのは、あなた様しかいませんよ。・・・では、行って参ります。」
   ○○「ああ、お前も気をつけてな。ヒデヨシのこと、頼んだぞ・・・。」
   重臣「はい。・・・なんだかんだ言っても、やはりご心配なされてるんですねえ。」
   ○○「う、うるさいな。じゃあな!」

 重臣にからかわれ照れくさくなった俺は、足早に自室へと戻った。
 多くの軍馬のいななきと武具の音を響かせ、多数の兵を引き連れたヒデヨシが城をあとにした。
まあ、正体不明の軍といっても、さすがに負けるようなことはないだろう。あの城も中々に出来た城だ。
 自室に戻った俺は、部屋で書物を読んでいるうちにいつの間にか寝てしまった。
まあ、この陽気だ。仕方ないじゃないか、なあ?

 その日の夜更け―。
           ドタバタ、ドタバタ。

   ○○「んあ?あれ?もう夜か。ふあ〜あ、寝すぎたか。にしても、うるさいな。」

 もう夜中だというのに、なにやら城内が異常に騒がしい。ヒデヨシたち、もう帰ってきたのか?
一応、約束した手前ヒデヨシの顔を見に行くことにした。夜中なのにうるさいんだろうな・・・。

   ○○「おーい、ヒデヨシー。もう帰ったの、か・・・。っておい!」

 ヒデヨシの部屋の戸を開けた俺の目に、信じられない光景が飛び込んできた。

   重臣「あ、○○様・・・。」
   ○○「これは、どうなってんだ・・・?おい!」

 そこにいたのは、所々包帯を巻いて気を失っているヒデヨシの姿だった。

   重臣「申し訳、ございません・・・。我らがついていながらこのような。」
   ○○「そんな事はどうでもいい!何があったっていってんだ!」
   重臣「は、はい。それが―。」

 城を出発して数刻、目的地の城に着いたが、城門は閉まって敵に襲撃されたような様子は無い。
城を含めまわりもいたって静かな空気だった。

   重臣「これは一体?いかが致しましょうかヒデヨシ様?」
 ヒデヨシ「ええ〜、悪いやついないの〜?つまんない。」
   重臣「また、そんな・・・。」

 ヒデヨシの言葉に思わずがっくり肩を落とした重臣は、大きなため息をついて城を見上げた。その時―。

  ???「わーっはっはっはっはっは!今頃来るとは、のんきなものだな!」
   重臣「何者だ!」
  ???「は、お前らごときに名乗る名など無いわ!そんなことより、この城は我が軍が貰い受けた!」

 突如、城門の上に躍り出た巨大な人影は、豪快な笑い声と共にヒデヨシたちを見下ろした。
暗くてよくは見えないが、その身体はクマのように大きく、手にしている得物は普通の人間の身長ぐらいの長さをしていた。
 そしてなにより、その身体から発せられる異様な殺気に、その場にいる全員が飲まれていた。ただ一人を除いて。

 ヒデヨシ「何だお前は!あたしがやっつけてやるから覚悟しろ!」
  ???「ほう、なかなかの胆の据わりようだな。さすがは総大将と言ったところか。よかろう!相手になってやる!」

 ヒデヨシと巨大な影は得物を構えると、互いに全身に力をこめて相手目掛けて一気に飛びかかった。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:09:30 ID:LlLFzsb3
ヒデヨシの人、待ってたぜ!
ワッフルワッフル
>>28
時期的にいいネタだw
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:49:13 ID:Ux1Y8H8n
>>28
各校名にワロタwww
34ムラサメ夢想:2008/08/03(日) 15:22:28 ID:cT8HdR8r
ある日の昼下がり、突然ムラサメが城にやってきた。どうやら暇になったから来たらしい。
まぁ天下泰平の世だからいいようなものの、それで城主が務まるのだろうか?

ハルナ「むらさめねぇさま〜遊んで〜」
ムラサメ「仕方ないわねぇ…」
ハルナ「やった〜!」
ムラサメ「だいぶ大きくなったわね…オウガイに少し似てきたかしら…」

ハルナは積み木で遊び始めた。見た感じ城を作っているのだろうか。さすがは戦国乙女の娘だ。

ムラサメ「あら、これはお城かしら?すごいわねぇ、防壁の形状が理想的だわ…」
ハルナ「えへへ!」
ムラサメ「母譲りの才能ね…父上とは似ても似つかないわねぇ。本当に血が入っているのかしら?」
俺「それは随分じゃないか…。息子のほうは俺そっくりだよ」
ムラサメ「男のくせに剣で遊ぶし…確かにそんなところはあなたそっくりね」

ヤスヒロ(息子)は最近外で剣を持ち遊んでいる。これが中々にセンスがある。
オウガイはハルナにも剣を教えたいと言っていたが、彼女が自分から剣に興味を持たない限り
強制するのはよそう、ということにした。
周りの話では、オウガイは1歳の頃から剣を持っていたという…まさに末恐ろしいというか何というか…。

ムラサメ「オウガイも小さい頃から剣の腕は凄かったわ。周りの大人でさえ勝てないんですもの」
俺「ふ〜ん…」

ムラサメはオウガイと幼馴染だから、小さい頃の事も知っているのだろう。
…ムラサメの事を今まで聞くタイミングを逃していたりしてたから、ちょっと聞いてみよう。

俺「そういえば、俺はあまり二人の昔の事を知らないんだけど…小さい頃から仲良しだったの?」
ムラサメ「…えぇ、そうよ」
俺「それにムラサメの小さい頃とかあまり聞かないし…どんな子だったのさ」
ムラサメ「……」

黙ってしまった。何だか聞いちゃいけないことだったのかな…。
壮絶な過去があったという噂も聞いたことがあるし…。

ムラサメ「聞いてもあまり楽しいことではないわ」

そう言ってムラサメは話を切り上げ、ハルナと遊び始めてしまった。
やっぱり知られたくないこともあるのだろう。でもやっぱり気になるなぁ…
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 18:08:46 ID:f/Aanf13
スゲーwww

オウガイ夢想は、現在(?本編)
コタロウ夢想は、過去
ムラサメ夢想は、未来(本編後)

構成にビビった



シロ夢想に期待…
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 18:31:00 ID:8AgCGd2F
シロ夢想はあれだな、我輩は猫である視点。
人の言うことは理解できるが、自らの意思を伝えることが出来ない。
しかし、犬だからこそ見える事もある。
そんな、シロならではのエッセイ。
みたいな感じで。
37:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/03(日) 23:02:25 ID:quKpT1Yy
>>31続き

 ヒデヨシは渾身の力をこめて、謎の巨影めがけ愛用の巨大ひょうたんをたたきつけた。
家臣の誰もがヒデヨシの実力を信じて疑わなかった。だから、その一撃で敵は地面にひれ伏すものと確信していた。
 だが―。

  ???「ふはははは!そのナリにしては、中々の豪打ではないか!だがっ!」
 ヒデヨシ「そ、そんなっ!」
  ???「うおおおお!!!!!」
 ヒデヨシ「きゃあっ!」

 ヒデヨシの渾身の一撃を、謎の女は難なく受け止め、そのままヒデヨシを弾き飛ばし、全身から尋常ではない気を発し始めた。
先ほどの気が殺気ならば、今度の気は闘気と言っていいかもしれない。実際、この女の周りの空気は、目に見えるほどのゆがみが生じていた。

  ???「ふふふ、ヒデヨシ!その命貰ったっ!」
 ヒデヨシ「あっ!」

 謎の女は巨大な剣を大きく頭上に掲げると、呼吸を整えヒデヨシ目掛けて一気に振り下ろした。
体勢を崩されていたヒデヨシは、不利な体勢ながらも雷の様な一撃を何とか受け止めた。
 しかし、さすがのヒデヨシといえど、不利な体勢からの攻撃を完全に受け止めきれず、
まるで強弓からは放たれた矢のように、はるか後方の城壁まで吹き飛ばされた。

 ヒデヨシ「ぐっ・・・!ううう・・・。」
  ???「ふはははは!中々楽しかったぞ、ヒデヨシ!だが、これで終わりだ!」

 壁に叩きつけられた衝撃で、半ば気を失ったヒデヨシのもとに、不敵な笑みを浮かべゆっくりと近づいていった巨大な女は、
ヒデヨシを足元に見下ろすと、勝利を確信しトドメを刺すべくゆっくりと大刀を振り上げた。

  ???「お主もそのような身分でなかったら、一人のおなごとして平穏な人生を送れたものを・・・。」
 ヒデヨシ「ううう・・・。お、にいちゃ、ん・・・。」
  ???「・・・せめて苦しまずに送ってやろう。さらばだっ!ぬっ・・・!?」

 ヒデヨシ目掛け、巨大な刀が振り下ろされそうになったその刹那―。
謎の女は人間離れした跳躍で、突如その場から離れた。
38:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/04(月) 00:16:24 ID:8gauQw5h
>>37続き。

  ???「・・・どういうつもりだ?お主がなぜこやつを助ける?」

 謎の女は誰もいないはずの暗闇を見つめ、飛んできたクナイを投げ捨て不機嫌そうにつぶやいた。
すると、暗闇からメガネをかけた静かなたたずまいの女性が姿を現した。

 ミツヒデ「なに、その子がやられるとなにかと不便でね。この国には、わが国の盾になってもらわねば。ふふふ。」
  ???「お主も冷酷な女よな。しかし、さすが我らの存在に唯一気づいているだけのことはある。」
 ミツヒデ「ふふふ、お褒めいただき恐悦至極。さて、実は今アナタに我が軍秘蔵の火縄銃が向けられているのだが。どうします?」

 そうメガネを光らせたミツヒデは、横目で森の奥をチラリと見た。
確かに、ほのかに何かがこげる匂いがする。どうやら、引っ掛けではないようだ。

  ???「ふん。にしても飛び道具が好きなやつめ。たまには、お主自身が刀を握って掛かってきたらどうだ?」
 ミツヒデ「ふふふ、このクナイ1つ1つが私にとっては刀そのものなのさ。」
  ???「まったくお主は、口だけならば乙女たちの中でも突出しておるな。」
 ミツヒデ「さて、口だけかどうか、身をもってお試しになってみるかな?オウガイ殿?」
 オウガイ「軽々しく我が名を呼ぶな!この卑怯者風情が!」

 オウガイと呼ばれたその女は、鬼のような形相でミツヒデをにらんだ。しかし、当のミツヒデはさらりとその視線を受け流す。
オウガイの顔に彫られた炎のような刺青が、赤々と月明かりに照らされた。

 ミツヒデ「おお、怖い。さすがは万夫不当のオウガイ殿。それで、まだやるのかしら?」
 オウガイ「ふんっ!興がそがれたわ。まあ良い、ここは引こう。おぬしとて、我がいるこの城を落とせはしまい?」
 ミツヒデ「さて、どうかな。ふふふふふ・・・。」
 オウガイ「まあせいぜい、お得意の策でもめぐらせるのだな。そこのちびっ子にも、無駄な努力はよせといっておけ。
       何者も、このオウガイに勝てる道理などないのだからな!わーっはっはっはっはっは!!!。」

 そう高らかに笑ったオウガイは、軽く城壁を飛び越え城内に姿を消した。
オウガイの気配がなくなったのを確認したミツヒデは、後方に控えていた部下に合図を送り、警戒を解かせた。

 ミツヒデ「ふふふ、我が火縄銃も中々の威力だな。」

 そういって森から出てきた部下たちの手には、ただ火がついただけの縄が一本握られていた。

 ミツヒデ「さて、この子の具合は。ふむ、案外軽症だな。さすが、元気だけは人一倍だな。ふふふ。」

 未だに気を失っているヒデヨシの具合を見たミツヒデは、何故か少し安心したような笑顔を浮かべ、手勢に撤収を命じた。
39ムラサメ夢想:2008/08/04(月) 01:31:38 ID:35aWZdcC
次の日、オウガイが仕事が早く切り上げられたということで、久しぶりに子供達を連れ、外に出た。
城の近くの原っぱで、子供達は無邪気に走り回る。

俺とオウガイは近くに腰を下ろし、その様子を眺めていた。
やっぱり平和が一番だな…安心して子供達が外で駆け回れるんだから。

オウガイ「ふふ…今日は弁当を作って持ってきたのだ。こういう時間も久しぶりだからな」
俺「お〜、嬉しいな。どんな弁当か楽しみだな…」

今まではビクついていた俺だが、今は違う!
なんとオウガイは3年の間に料理の腕が凄まじいほど上達していたのだ。
やはり母親となるに当たって、周りもその腕を心配したのだろう。
俺にとっては、つい最近までその恐ろしい料理を堪能していたわけだが…。

俺「ふぁ〜あ…しかしいい陽気だ…眠くなるねぇ」
オウガイ「……」

オウガイが自分の膝をポンポンと叩く。

オウガイ「どうしても…というなら、膝を貸してやらんでもないぞ?」
俺「ん〜、じゃあ遠慮しておこうかな〜?」
オウガイ「むぅ…いいから横になれ!」

強引に膝枕の態勢にもってかれた。まったく素直じゃないんだから…まぁ、そういうところも好きなんだけど。

─── オウガイの膝枕を堪能しつつ、俺は昨日のムラサメの顔を思い出していた。
      どことなく陰のあった横顔…あまり踏み込んではいけない気もしたけど、やっぱり気になる。

俺「ねぇオウガイ…」
オウガイ「ん、なんだ…」
俺「ちょっとムラサメの事について聞きたいんだけど…イデデデッ!!」

み、耳がちぎれるぅ!!飛び起きて見るとオウガイが口をとがらせている。

オウガイ「せっかくの二人の時間だというのに…他の女の話題など…」
俺「い、いや…そういうつもりで言ったわけじゃ…」
オウガイ「わかっておる。わかっておるが、釘を刺す意味でな…」

ヤキモチ妬きのところも相変わらずだ。
40ムラサメ夢想:2008/08/04(月) 01:57:57 ID:35aWZdcC
俺「ほら…二人って幼馴染なんでしょ?俺、二人の昔のこととかあまり知らないからさ…」
オウガイ「本人に直接聞けばよいだろう」
俺「いや、それとなく聞いたんだけど…どうにも答えたくなさそうな雰囲気だったから…」
オウガイ「本人が嫌というなら、嫌なのであろう。だというのに探る様な真似をしていては…」
俺「う〜ん、まぁねぇ…」
ハルナ「ちちうえ〜!ははうえ〜!みてみて〜!きれーでしょ〜!」

子供達が駆けて来る。母譲りの赤髪に、花の冠が乗っかっている。
我が娘ながら、なんとかわいいことか。親バカかもしれないが。

ヤスヒロ「ボクがつくってあげたんだよ!」
オウガイ「ほー、ヤスヒロは器用だなぁ…。ハルナもよく似合っておるぞ」
ハルナ「えへへ〜」

二人の頭を撫でるオウガイ。ちなみにヤスヒロは、俺と同じ黒髪だ。
その後、オウガイの特製弁当を4人で仲良く食べた。
うまいうまい。今までの消し炭が嘘のようだ。

そうだ…過去は過去、今は今だ。オウガイの料理が今こうして凄く美味しいものになっているように、
過去の事を気に留めることはないんだ。
ムラサメがあぁやって健在している以上、過去など意味を成さない…。

帰途に着く間、俺はそんなことを思っていた。
41:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/04(月) 02:04:06 ID:8gauQw5h
>>38続き

   ○○「・・・・・・。」
   重臣「それで、その後ヒデヨシ様を丁重にお連れして、城に引き返した次第です。」

 ヒデヨシが負けたことにも驚きだったが、あのミツヒデがヒデヨシを助けたことにも驚いた。一応は、良好な国交を築いてはいたが。
何より驚いたのは、そのオウガイとかいうバケモノのことだ。ヒデヨシを軽く一蹴したばかりか、簡単にあの城を落とすなんて。だが、今はそんなことよりも・・・。

   ○○「で、ヒデヨシの容態はどうなんだ?」 
   重臣「はい。ケガも思ったより軽く、少し安静にしていればすぐに良くなるとのことです。ですが・・・。」
   ○○「ですが、なんだよ?」

 とてもいいにくそうにしている重臣に、俺は発言を促した。

   重臣「その、敵将のオウガイとか言うものに負けた悔しさが原因なのか、一向に目を覚ます様子が無く・・・。」
   ○○「なんだって?」

 蒲団で寝ているヒデヨシの表情を覗き込むと、顔に汗を浮かべ、悔しそうな顔をしてうなされている。
俺は枕元に置かれた水桶に手ぬぐいを浸すと、ヒデヨシの汗を拭って、その小さな顔をなでてやった。
 頬に手を置くと、ヒデヨシは安心した寝顔を浮かべ、呼吸も落ち着いてきた。

   ○○「まったく昔から変わらないな。風邪引いた時なんか、よくこうやって看病してやったな。」

 ふと、昔の思い出が頭をよぎる。昔からコイツは手が掛かるな。
しばらく、ヒデヨシの寝顔を眺めていた俺は、最後にヒデヨシの顔を優しくなでると、静かに立ち上がった。

   重臣「○○様・・・。あの、どちらへ?」
   ○○「んっ?いや、ちょっと風呂でも入ろうかと。ヒデヨシも落ち着いたみたいだし。」
   重臣「・・・まさか、お一人でオウガイに立ち向かうおつもりではないでしょうね?」
   ○○「んな訳ないだろ?ヒデヨシが全く歯が立たなかった相手だぞ?俺が一人でかなう訳無いじゃないか。」
   重臣「そ、それはそうですが・・・。」
   ○○「だから、安心してくれ。そんなことしないからさ。・・・もしかして一緒に入りたいとか?」
   重臣「な!?そんなわけ無いでしょう!こんな時にからかわないで下さい・・・。」
   ○○「ごめんごめん。じゃ、また後で。・・・じゃあなヒデヨシ。」

 最後に、誰にも聞きとれないような声でヒデヨシに語りかけると、俺はヒデヨシの部屋を後にした。

   ○○「さてと・・・。ま、アイツを泣かせた奴を、このまま許しておくわけには、な。
       あれ、あいつ泣いてたっけ?どっちでもいいか。」

 廊下を歩きながらブツブツと独り言をつぶやいていた俺の顔は、とてつもなく物騒な顔をしていたと、後に侍女の子から教えられた。
 自分の部屋に戻った俺は、押入れの奥からホコリの被った、大きなつづらを取り出した。
42:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/04(月) 02:06:48 ID:8gauQw5h
>>41続き。

   ○○「この中身を出すのも何年ぶりかな。」

 つづらの蓋を開け、中に納まっている品々を懐かしい気持ちで眺めた。
中には、まだ俺が君主だったころに身に着けていた数々の戦道具が納まっていた。
 鎖帷子に軍配。そして、母から送られた見事な刺繍が施された戦装束。
やたら派手なのは母の趣味だ。「総大将たるもの常に目立たなくてはいけません」が口癖だった。
 しばらく、中身を眺めていると、うしろで戸が静かに開く音がした。

   重臣「・・・お手伝いします。」
   ○○「風呂に入る着替えくらい、一人で出来るぞ?もう、ガキじゃない。」
   重臣「お二人ともワタクシから見れば、まだまだ子供ですから。」
   ○○「ふぅ〜。かなわないねえ、人生経験豊富なおばさんには。何でもお見通しか。」
   重臣「・・・手元が狂って、首が絞まりますよ?うふふふふ。」
   ○○「ちょ、調子に乗りすぎました・・・。ゴメンナサイ。」
   重臣「何をおっしゃっているんです?うふふふふふふ。」

 この世でもっとも恐ろしい何かの威圧の手伝いを受けながら、俺は身支度を整えた。

   重臣「うん。立派な男ぶりでございますよ。○○様。」
   ○○「まあ、そういう男は世の中的には変なんだがな。」
   重臣「よいではありませんか。たまにそんな男性がいても。・・・お気をつけて。」
   ○○「ま、いいか。・・・じゃあ、ちょっと行って来るよ。」
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 08:17:09 ID:qz+HVeyY
夢想さんも○○さんも(・∀・)イイ!
毎朝わふわふフルボッキしながら楽しみにしてます
44ムラサメ夢想:2008/08/06(水) 01:23:44 ID:lw/RnqeV
その夜、子供達を寝かしつけたオウガイは、一人外を見ながら少しばかり酒をやった。
いつもならヤスヒロと一緒なのだが、今日は一人で呑みたい気分になった。
昼間ヤスヒロが言っていたムラサメの事が頭に残っていたのだ。

ムラサメ…自由奔放で飄々とした性格の幼馴染…根は変わっておらぬが、やはり昔と比べるとなると…
あんなことがなければ、また違った風であったのだろうか…

 ─────────────────────────

 数年前、まだ二人が幼かった頃の話…

臣下「御館様!オウガイ様の御姿が見当らぬのですが…御心当たりはございませんか?」

臣下のひとりが慌しく広間に入ってきた。
その声に反応したのか、玉座のほうから煙がフウッと浮かび上がる。
玉座に腰を下ろしているのは、燃えるような赤い髪でキセルを燻らせる、凛々しい顔立ちをした女性…

??「どうせ隣国のムラサメのところであろう…。あの子ももう十になる、心配する歳ではあるまい」
臣下「ですが、今は勉学の時間ゆえ…抜け出して遊びに行かれるなどと…」
??「はは…子供は元気なのが一番じゃ。遊べるうちに遊ぶのが賢い生き様というものだ」
臣下「しかし…!」
??「もうすぐあれもこの国を継ぐ事になる…その時には嫌でも学ぶことになるさ、今は好きにさせておくがいい」
臣下「はぁ…」

この落ち着いた風体の主こそ、オウガイの母親である。
剣術の腕、切れる頭脳、全てにおいて優秀であり、各国に名を轟かせる勇将である。
オウガイもまさにその血を色濃く継いでいると言える。


一方その頃隣国では…
45ムラサメ夢想:2008/08/06(水) 09:07:17 ID:CvYeKudq
あたり一面広がる花畑の中に、とても美しい紫の髪をした女性が座り、花を摘んでいる。
歳の頃は十といったところだろうか。それでも大人の様な雰囲気を醸し出す、まさに美人である。

??「あら…」

彼女は何かの気配に気付いたか、立ち上がった。

??「やはりここにいたか。お主はここが好きだものな」
??「今の時間ですと…勉学の時間ではありませんか?」
??「な、なはは!抜け出してきちまった…」
??「もう…母君が理想というなら、ちゃんと勉強しなくてはいけませんよ?」
??「そうはいったものの…退屈なんだよ…俺の性に合わんのだ」

そういってポリポリと頭をかいたのは、若かりし頃のオウガイ…
そしてもう一方は…

オウガイ「そういえばムラサメ。先ほどお主の叔父上が城に来ておったぞ」
ムラサメ「あら、叔父上が…一体何用でしょうか…」
オウガイ「さぁな…。お、それは花の冠ではないか」
ムラサメ「えぇ…とても綺麗に咲いていたので、少しばかり摘ませて頂いて作りましたの…ほら」

そう言ってオウガイの頭に冠を載せる。

オウガイ「は、恥ずかしいだろ…」
ムラサメ「ふふ、お似合いですわよ…天下を獲った暁には、是非着けて頂きたいですわ」
オウガイ「そ、そうか…?よし!天下を獲ったら、いっぱいの花畑を作ってやるからな!」
ムラサメ「うふふ、楽しみにしてます」

 ─────── オウガイの城

母「しかし、奴も奴の娘も、随分と穏やかな性格じゃ…。戦国の世ゆえ、ちと不安じゃのう」
臣下「近頃、隣国を狙う輩も増えていると聞きます…」
母「奴とは幼い頃からの腐れ縁だ…ふふ、姉妹といっても過言ではあるまい」
臣下「…守りを固めますか?」
母「もちろんだ。隣国に兵を送っておけ。少しばかりしたら、我も出向こう。話しをしておかねばな…」
46ムラサメ夢想:2008/08/06(水) 09:33:15 ID:CvYeKudq
花畑に座り、話し込む二人。

オウガイ「ムラサメは剣を持たぬのか?」
ムラサメ「えぇ…それこそ、性に合わない…ですわ」
オウガイ「しかし、この前一緒に訓練した時は、中々に鋭い太刀筋だったぞ」
ムラサメ「そうですか?私なんてとても…こうやって花を愛でている方が好きですわ」
オウガイ「ふふ、確かにお主は綺麗だから、花畑にいると一層映えるものな」
ムラサメ「やだ…オウガイだって綺麗よ」
オウガイ「そ、そんなことないよ…。さぁ、そろそろ飯の時間だ!行こうぜ!」
ムラサメ「うちのご飯が目当てでしたの?」
オウガイ「な、なはは!ばれたか…うちの飯は何だか味気なくてな…」

 ──────────

兵士「あ、オウガイ様。ちょうどよいところに」

ガツガツと広間でご飯を平らげていると、見慣れた兵士がオウガイの元にやってきた。

オウガイ「ん?なんだお前か…今俺は飯で忙しいんだ!」
ムラサメ「ほら、ご飯粒飛んでるわよ…それで、いかがなさいましたの?」
兵士「あ、はい。夜になったら御館様がこちらに参られますので、帰りはご一緒の方が都合が良いかと…」
オウガイ「ん?母上が来るのか…一体なんだろうな」
ムラサメ「抜け出してばかりの娘を叱りに…じゃないですか?」
オウガイ「うぅ…それはやだな…ん?」

オウガイはただならぬ気配を感じた…。廊下を歩くその影から、異様な気が…
通りかかったのは、ムラサメの叔父…こちらを一瞥し、立ち去ってしまった。

オウガイ「……」
ムラサメ「…どうしましたの?」
オウガイ「お主の叔父上は随分腕が立ちそうだな」
ムラサメ「えぇ…男ながらに凄いのですよ。私にもとても優しくしてくれるし、素敵な方ですよ」
オウガイ「ふぅん…」


───── そして全ての歯車が壊れる、長い一夜がやってきた。
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 13:38:16 ID:LvRKSXQj
夢想さん(・∀・)キター!
あんな穏やかだったムラサメになにが起こったのか・・・・多分悲しいことなんだろうなぁ
わふわふわっふる!!!!
48ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 01:32:59 ID:iM4Pq6YI
オウガイはその夜、用意されたという部屋へ通された。
しかも兵士が護衛に立つという優遇ぶりだ。
もう少しムラサメと話していたかったが、なにやら会合があるとかで、会ってはいけないらしい。
しかたないので書物を読んで過ごしていた。

 ───── ムラサメの父親の部屋

ムラサメ「母上…今日はとても楽しかったですわ。オウガイったら、また城を抜け出して…」
ムラ母「ふふ…あの子も親に似て自由な子ね」
ムラ父「そういえば、私の弟が話があるとか言っていたが…まだ来ぬのかのぅ」

スーッ…

叔父「兄上…お待たせいたしました」
ムラ父「おお、来たか。ムラサメ、お前は席を外していなさい」
ムラサメ「わかりました、父上」

ムラサメは隣の母親の部屋で待つことにした。
母親の布団に横になり、ゴロゴロと転げる。

ムラサメ「うふふ…母上の匂い…」

隣からは何やら話し合う声がかすかに聞こえる。

叔父「……ゆえ……頼む……」
父「……いや……お前は……」
叔父「……とても……せる額では……後生だ……」
父「……自得だ……などに……」
叔父「……頼む、どうしても……が必要……儂は……」
父「くどい……のだ……」

─── しばしの静寂。ムラサメはうつらうつらと眠りかけていた。

母「きゃああぁぁぁ!!!」

悲痛な叫び声でムラサメは目が覚めた。
この声は…母上…!?
49ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 01:52:06 ID:iM4Pq6YI
オウガイは何となく不安を抱いていた。
昼間みたムラサメの叔父の目つき…かなり思いつめている人間のそれであった。
母上に目通りする人々の中にも、そういう目をした者は何人か見てきた。
あれは、何かをしでかす目だ…。

オウガイは行動あるのみと考え、様子を見に行こうと思い立った。

オウガイ「あのぅ…」
兵士「ん?どうなさいました?まだ会合中のはずですが」
オウガイ「…厠へ」
兵士「あぁ、それでしたら…」

オウガイは抜け出すと、念のため刀を持ち、記憶を頼りにムラサメの父上の部屋へ向かった。
しばらく進むと、前方から女の悲鳴が聞こえた!
この声は…ムラサメの母上!?
兵士も数人気付いたようで、皆声のした方へ走り出した。

 ────────────

ムラサメ「母上っ!」

襖を空けたムラサメの目に飛び込んできたのは、横たわる父親と、それにすがる母親。
刀を持ち、息を荒げる叔父…

ムラサメ「い…いやああぁあぁぁぁ!!!父上えぇぇぇ!!」

その声に反応し、こちらを振り向く叔父。
その目は焦点が定まっておらず、不敵な笑みを浮かべていた。

叔父「ひ、ひひ…」
母「こ、この狼藉者!!」

母は腰の短刀を振りかざし、叔父に向かっていった。
しかし……

母「……あ……ぐっ……」

その胸には、無念にも深々と剣が突き刺さった。
母はムラサメのほうに目をやり、口を開け言葉を発しようとしたが、声にならない。
その目からは涙が流れ落ち、力なくその身体は倒れてしまった。

ムラサメ「は、母上…?あ……あぁぁ……」

ムラサメは混乱していた…夢…これは夢よ…こんなことが…
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 02:05:37 ID:+x1mK+Zi
ムラサメ夢想わっふるわっふる
叔父上ゆるせぬ(# ;Д;)
51ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 02:06:11 ID:iM4Pq6YI
叔父は父の身体を弄り、懐から鍵を取り出した。

叔父「ふ、ふひ…これが蔵の鍵…ひひ…」

そして叔父はこちらを向いた。

ムラサメ「あぁ…あ……」
叔父「き、貴様は、しかるべき所にう、売れば…金になるか…」

へたり込んだムラサメの髪を叔父はグイと掴んだ。

ムラサメ「い、いやぁ!いやだぁ!!あぁ!」
叔父「ぐ…優しくしてやった恩も忘れたか…こ、この糞餓鬼が!!」

叔父はムラサメの横っ面を殴りつけた。

ムラサメ「ぐぇ…うぐ…あぁ…」
叔父「ひ、ひひ…大人しくしていれば…」

その時兵士達がようやく駆けつけた。

兵士1「こ、これは!?あぁ!御館様!!」
兵士2「き、貴様!気でも狂ったか!!」
叔父「……」

しかし、叔父がかなりの手練れであることを知っている皆は、中々近づけないでいる。
そしてオウガイも駆けつけた。

オウガイ「ムラサメ!う、こ、これは…貴様ぁよくも!!!」

飛び掛るオウガイ。しかし、いくらオウガイでもいとも簡単に弾き飛ばされてしまった。

叔父「が、餓鬼の剣が儂に敵うとでも思うたか!」
オウガイ「うぐっ……」
叔父「ひ、ひひ………ごぶ…ぇ?」

叔父の後ろの襖から異様に大きな剣が突き出ており、叔父の腹を貫いている。

叔父「な……け、気配など…なかっ……たぞ…ぐぅぅっ!」

ズボッ!!剣が抜かれ、叔父は倒れこんだ。
そしてその剣は迷うことなく一瞬にしてその首を跳ねた。

襖が破れ姿を現したのは、オウガイの母上であった。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 02:20:53 ID:+x1mK+Zi
( ゚∀゚)o彡°オウガイ!カアチャン!
53ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 02:23:50 ID:iM4Pq6YI
オウガイ母「すまぬ…もう少し早く駆けつけておれば…」
兵士1「い、いえ…この狼藉者の首を跳ねていただき、誠感謝の極み…」
母「オウガイ…怪我はないか」
オウガイ「は、はい…母上……。はっ…ムラサメ…ムラサメ!」

オウガイはムラサメに駆け寄る。

ムラサメ「あぁ…あ…!」
オウガイ「おい!しっかりしろ!」
母「無理も無い…目の前で両親が…このような…くそっ!!」

 ────────────

ムラサメの両親は、夜を徹して治療、蘇生に当たったが、その命は戻ることはなかった…。
ムラサメは大きな外傷はなかったが、精神を病んでしまったようだ。
声も出ず、目の焦点は合わず、完全に塞ぎこんでしまった。

母上「オウガイよ…お前だけはあの子を信頼し、裏切ってはならぬ。わかるな?」
オウガイ「はい、母上…」
母上「いつ立ち直るかはわからぬが…側にいて、力になってあげるのだ…必ずな」
オウガイ「もちろんです…」
母上「他人を信じることは、簡単そうに見えて難しいもの…」

 ────────────

三日後、ムラサメの姿が城から消えた。
辺りを隈なく捜索したが、穿いていた草履だけは見つかった。
周りの判断は、両親の死を苦にしての自殺…という結論に落ち着いた。
軽率に判断する大人たちにオウガイは怒りを覚えた。
しかし、現にムラサメの姿はない…それでもオウガイは信じることを忘れなかった。
俺が信じてやらねば、誰が彼女を信じる…
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 02:27:32 ID:+x1mK+Zi
オウガイもオウガイ母も良い人だ。・゚・(ノД`)・゚・。
わふわふしすぎて眠れない
55ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 02:38:31 ID:iM4Pq6YI
 ───── 数年後

オウガイは国を継ぎ、今まで臨時に当主を立てていた隣国を同時に治めることとなった。
いつムラサメが戻ってきても大丈夫なように、玉座はあけることにした。
無心に鍛えたその身体は、すでに母を越え、逞しく育っていた。

ある日、オウガイは数里離れた港のほうに、今後の貿易に関連しての下見に出向いた。

オウガイ「ここか…いやぁ、海を見るのも久しぶりだな」
従者「そうですね…あ、あちらが今後易を結ぶこととなる船のようです」
オウガイ「おぉ、やはり大きいな。ふむふむなるほど…」

下見を終え、オウガイは港町を見ていくことにした。
初めて見るものも多く、オウガイはとても興味をそそられた。

オウガイ「お、あそこは酒屋か…どれ、少しばかり…」
従者「オウガイ様…ほどほどにお願いしますよ」
オウガイ「わかったわかった。大丈夫だからな、少しだけ…」

中に入り、色々品定めをする。

オウガイ「おい店主、珍しい酒は置いていないのか?」
店主「そうですなぁ…これなんぞいかがでしょう…舶来の洋酒など」
オウガイ「洋酒…ほう初めて見るが…ん?」

オウガイは奥で酒を嗜んでいる一人の女性に目が向いた。
どこかで見たような…あの紫色の髪は…まさか!

オウガイはその女性に近づき、声を掛けた。

オウガイ「…ムラサメ…か?」
56ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 02:54:46 ID:iM4Pq6YI
その女性はゆっくりとこちらを見た。
物凄く美しい容姿と裏腹に、その目は冷たく鋭い眼差しをしている。
そしてゆっくりと口を開いた。

???「…人違いでなくて」
オウガイ「…いや、そんなことはない…面影もある!その声も!やはりお主は…」
???「違うと言っている!」

喉元に、短刀をあてられる。油断していたとはいえ…凄まじく早い…!この我が遅れを取るとは…。

???「ふん…しらけたわ…」

そういうと女性はスタスタ出口へ歩いていった。
オウガイも後を追いかけたが、外を見回しても姿が見当たらなかった。

オウガイ「おい店主!あの女の事、何か知ってるか!」
店主「名前は知らないが、よく来ておるよ。…なにやら良くない噂も聞くがね」
オウガイ「なんだそれは…」
店主「人殺しさ。金で請け負い、誰であろうとその命を奪うという…。関わらないほうが身の為さ」
オウガイ「剣客…ということか?」

まさかあのムラサメがそんなことを…?いや、そんなことをする奴ではないはずだ。
しかし、あの声、そして面影…全てがムラサメであるということを我に告げている…。
どういうことなのだ…

 ────────────

某所にて。

???「…こいつを消してもらいたい…」
???「……」
???「近頃オウガイとかいう奴にうまく取り入って商売し始めた奴らだ…」
???「……」
???「こちとら商売あがったりだ…ついでに船を燃やしてくれるとありがたいのだが…」
???「…それは私がすることではない。ただ、こちらの件に関しては請け負うわ…」
???「ありがたい…」
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 03:16:09 ID:+x1mK+Zi
わ、わっふるわっふる
まさかムラサメがオウガイに牙をむいたことがあるとは(;´Д`)
文庫本なんかで発行されるといいなあ
58ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 11:13:45 ID:5rjY/4EZ
 ───── その夜、船上にて。

貿易商「いやぁ、オウガイ様、この度は我らを御相手に選んでくださり、誠に光栄…」
オウガイ「なに、そう堅くなることではない。他国の事を知るよい契機になる。我が国も変革していかねばな」
貿易商「誠にその通りでございます…」

予定を早め、オウガイは契約を決めることにした。
というのも、ムラサメと思しき女性が気になるため、もう少しこの地に留まりたいと思ったからだ。

オウガイ「しかし船とはなかなか気持ちのいいものだな。海風が心地よい…」

潮風に吹かれ、オウガイは昼間の事を思い出していた。
あの凍りつくような冷たい目…他人を一切信じない目…
もしあの女がムラサメだとすると、やはりあの一件が心に深く根付いているのだろう。
信じていた叔父に両親を殺され、心に深い傷を負ったあの日が…。
ずっとこの地で一人で暮らしてきたのだろうか。悲しみに任せずっと人を斬り続けて来たのだろうか…。

船はしばらくし、港に着いた。

オウガイ「では今後ともよろしく頼む」
貿易商「こちらこそ、よろしくお願いいたします…」
オウガイ「……待たれよ。降りないほうがいい」
貿易商「へ?」

船着場に人の気配がする。そしてこの殺気…もしや!

人影はゆっくりと船へ上がってきた。
得物は両刀の薙刀…舶来の衣装を見に纏うその影は…

オウガイ「ムラサメ…」

女は凍るような目でこちらを一瞥すると、口を開いた。

ムラサメ「人違いと言ったはずよ…あなたに用はないわ。後ろの男に用がある」
貿易商「ひぃっ!」
オウガイ「それは困るな…我が国の発展がかかっておるからな」
ムラサメ「邪魔立てするというのなら…」
オウガイ「…おぬしは船室にでも逃げておくのだな」
貿易商「は、はいぃ!」

向かい合う両者。なんという冷たい目をしておるのだろうか…。そして一切の隙を見せない…。
伊達に人斬りではないということか。
59ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 11:26:48 ID:5rjY/4EZ
オウガイ「ムラサメ…このような形でお主と再会したくはなかったが…」
???「くどいっっ!!」

言葉を遮るように飛んでくる刃。
キィン!!  思わず背筋が凍るほどの速さだ。油断していると…死ぬ…!

オウガイ「ムラサメ!お願いだ!お主と闘いたくは…」
???「はああぁぁっ!!」

ヒュッ!!キィン!ガキィン!!

息をつく間もない連撃。強い…!

オウガイ「ムラサメ!!」
???「…その名はもう捨てた!!」
オウガイ「何故だ!何故こんな…!」
ムラサメ「……何故?分かりきったことを!!」

ガキィィィン!! 膠着する両者。

ムラサメ「この世で信じられるのは自分だけ…それだけよ!」
オウガイ「くっ…!そんなことはない!我は…!」

 ──── 間合いを取るムラサメ。

ムラサメ「オウガイ…あなたには分からないわ…。信じていた者に裏切られるという事が、どんなものか!!」

薙刀がスーッ…とこちらに向けられる。一瞬、未曾有の寒さに襲われた気がした。
そして一気に間合いが詰められ、薙刀が振るわれた。

ズブッ… 肉に刃が突き刺さる鈍い音…
60ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 11:47:18 ID:5rjY/4EZ
静まり返った船上では、波と風の音、そして地の滴り落ちる音だけが響いている…。

ムラサメ「……どうして……どうして避けないのよ…!」

薙刀の先は、オウガイの脇腹を貫通している。

オウガイ「うぐっ…ふ、ふふ……そう言う割には……なぜ急所を打たぬ……?」
ムラサメ「…くっ」
オウガイ「お主の受けた……心の傷み……この痛さより、ずっと……ずっと痛かったのであろうな……」
ムラサメ「……」
オウガイ「それに……ぐっ…我は…お主を信じているから……」
ムラサメ「……っ!!どうして…どうしてあなたはそうなのよ…!」

へたり込むムラサメ。オウガイは薙刀を脇腹から抜き取った。

オウガイ「ぐううぅぅっ!!がっ!がはッ…はぁ…はぁ……」

カランカランッ
オウガイは座り込むムラサメを抱き寄せた。

オウガイ「頼む…全てを信じろとは言わぬ…だが、我だけは信じてくれ…な?」
ムラサメ「…こんなときまで…そんな笑顔…馬鹿…馬鹿ぁっ!」

ムラサメは数年分ためこんでいたかのように、オウガイの胸の中で泣き続けた…。
母上…あなたの云った通り…人を信じるのは難しいものなのですね…
でももう、きっとムラサメは大丈夫…そんな気がする。

 ────────────────

ムラサメ「その頑丈さ…昔から変わらないのね……」
オウガイ「はは…これだけが取り得みたいなもんだ…」

オウガイは町医者の元で治療をし、すっかり回復した。

オウガイ「どうだ…戻ってきてはくれぬか?お主のために、玉座は空けてある」
ムラサメ「少し…考えさせて…」
オウガイ「うむ…いつでも待っておるからな」
ムラサメ「えぇ…全ての穢れを払ってから…きっといつか戻るわ」
オウガイ「…ようやく笑顔を見せたな」
ムラサメ「…え?」
オウガイ「やはりお主には笑顔が似合っておる…」
ムラサメ「…ふふ」
61ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 11:59:47 ID:5rjY/4EZ
数ヶ月が立ち、母上が亡くなった。
いかに勇猛な将といえど、病には勝てぬ…とはいっても煙草が原因では…なんとも…

母上の墓標は、仲の良かったムラサメの母上の横に立てることにした。
数日前から、ムラサメの両親の墓には、新しい花が毎日毎日供えられている。
ようやく…決心がついたのだろう…

───── そしてある日、いつものように墓へ向かうと、見覚えのある女性が墓の前で手を合わせていた。

オウガイ「戻ってきてくれたのか…」

女性は振り向かず、ただ声だけで返した。

???「別に…あなたのためではないわ。母上…父上のため…私はこの国を守ると…」
オウガイ「ふ、ふふ…口の減らないやつめ!」
???「きゃっ!ちょ、ちょっと…!」

オウガイは力いっぱいムラサメを抱きしめた。

ムラサメ「もう…!馬鹿力なんだから、加減しなさい…!うふふ…」
オウガイ「よく…よく帰って来てくれた…うう…」
ムラサメ「泣かないの…あなただって、笑顔が一番似合うんだから…」

───── そう言って、ムラサメは眩しいほどの笑顔を顔に浮かべた。
62ムラサメ夢想:2008/08/07(木) 12:12:24 ID:5rjY/4EZ
───── いつの間に寝ていたのだろう。昔の事に浸っている途中寝てしまったのか…

外を見ると、朝靄がかかっていた。起きるにはまだ早いが、少しばかり散歩をしたくなった。

裏手の花畑のほうへ、足が向いた。なんとなく感傷的になったからだろうか。
だが、こんな時間だというのに、先客がいた。

オウガイ「ムラサメ…」

花畑の中に佇む女性は、こちらを振り向いた。

ムラサメ「あら…早いのね…」
オウガイ「お主こそ…」

ムラサメは手に花の冠を持っていた。

オウガイ「それは…」
ムラサメ「ハルナが…花冠を着けて帰ってきたとき、なんとなく昔の事を思い出したの…」
オウガイ「はは、実は我も先ほど夢で見たのだ…昔の事をな…」
ムラサメ「私…戻ってきた時、嬉しかったわ…。約束どおり花畑が沢山あったんですもの…」

そう言うと、ムラサメはオウガイの方へ歩き出した。

ムラサメ「あなたは約束を守ってくれた…だから私も約束を果たさないと、ね?遅くなったけど…」

ムラサメはオウガイの頭に花冠をすっと載せた。
『天下を獲った暁には、花冠を着ける』それは、遥か昔に交わした小さな約束事…

オウガイ「な、なんだか、恥ずかしいな…」
ムラサメ「お似合い…よ?ふふふ…」


                                              end.
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 12:27:30 ID:+x1mK+Zi
超ъ(゚Д゚)グッジョブ!! ムラサメとオウガイ、何人も裂く事はできない親友ですね
すべての物語がつながる、本当によくできたストーリーです!
毎日毎日わふわふしてました。次はシロがでてくるかな?w
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 14:52:33 ID:KfMIY8iY
ただでさえ、無敵のオウガイ、鉄壁のムラサメなのに
こんなエエ話し聞いたら勝てる気がしない
(´・ω・`)

夢想先生、ムラサメ夢想お疲れ様でした
(*´∀`*)
65シロ夢想?:2008/08/08(金) 20:42:47 ID:jQNpORbl
わがはいはシロである。けらいはまだない。
どこでうまれたかとんとけんとうがつかぬ。
なんでもうすぐらいじめじめしたところでワンワンないていたことだけはきおくしている。
じゆうきままにくらし、もりにたべものをさがしにはいったところで、いのししとからすにおいかけられ
つかれはてていたところをごしゅじんにひろわれた。

ごしゅじんのなはオウガイという。
とてもおおきく、わがはいのからだのすうばいはあろうかといったところだ。
ごしゅじんはこわいかおをしているがとてもやさしい。
ちかごろはこどもができたようで、こどももごしゅじんににてやさしくしてくれる。

わがはいはきょうもゆっくりきままにすごすしだいだ。はやくけらいがほしいものだ。

ヤスヒロ「シロ〜、ごはんだよ」

ヤスヒロだ。ごしゅじんのおっとらしい。ずいぶんまえまですがたをみせないとおもったら
ちかごろまたみかけるようになった。
わがはいがもりのなかでみつけたにんげんで、いまいちばんけらいにちかいかもしれぬ。
わがはいのせわをよくしてくれていて、とてもやさしい。だいすきだ。

コタロウ「シロ〜、元気にしてた〜?あ、ヤスヒロさん、こんにちは!」
ヤスヒロ「コタロウか、久しぶりだね」
コタロウ「シロ〜…ん〜、今日ももふもふしてる〜」

コタロウだ。わがはいはコタロウがだいすきだ。コタロウにだかれるときもちがよい。
いっしょにヤスヒロをみつけたのもコタロウだ。そしてコタロウもしばらくすがたをみせなかったが
ちかごろまたみかける。うれしいかぎりである。

 ───── 夜 ─────

よるのさんぽはおちつく。
みはりのものがてをふる。ワンとこたえておこう。

このしろはたびたびおそわれることもあったが、すべてわがはいがかいけつした。
ちいさいふたりぐみがせめてきたときも、わがはいのけんにてちめいしょうをあたえた。
ヤスヒロがぼうそうしたときも、わがはいのよぶこえにてしょうきをとりもどした。

わがはいがいなければ、いまのこのくにはなかったといえる。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 21:52:49 ID:Tck8XbQ+
シロ夢想キター!(゚∀゚)

しかし…
>ちいさいふたりぐみがせめてきたときも、わがはいのけんにてちめいしょうをあたえた。

ってww
あの時はたしかノビてる所を発見されたはず…ww

続き期待してます、わっふるわっふる(´ω`)
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/09(土) 00:11:35 ID:AA4CGP4a
家来をつくる気、満々のシロ萌えwww
(*´∀`*)
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/10(日) 00:59:33 ID:jk4diebG
シロの強さランキング
猪、カラス〉シロ〉ちいさいふたりぐみ

猪、カラスがヤヴィなw
69シロ夢想?:2008/08/10(日) 02:07:34 ID:1V0t8SmG
しばらくあるいていると、やみよにまぎれてにんげんのけはいがする。
めをこらしてよくよくみると、がんたいをしたしのびがなにやらこそこそしている。
あそこはごしゅじんのへやだ。かべにみみをあてている。

???「わぁ…オウガイ様ってば大胆…えぇ!?コタロウ様まで…!お二人でヤスヒロ殿を…いやん!」
わがはい「わふ?」
???「わぁっ!?あ、シロじゃない…驚かさないでよ、もぅ…」

ごしゅじんのへやのふすまがあいた。ごしゅじんがしのびをにらみつける。

オウガイ「お主、また盗み聞きか…」
???「あ、いえ…その…」
オウガイ「まぁよい。せっかくだからお主も混ざっていけ。ヤスヒロももうすこしで達するところだ」
???「え?いいんですか!?じゃあちょっとだけ!」
コタロウ「ヤスヒロさんってば花札弱いんですよ〜。もうすこしで負けが天井に達しそうなんですよ」
ヤスヒロ「い、いや!ここから俺は巻き返す!」

なんだかたのしそうでなによりだ。わがはいはもうすこしさんぽすることにする。

 ────────────────────

みまわりもかねたさんぽもそろそろおわりにしよう。
かえりぎわに、とおりかかったのはごしゅじんのおきゃくがとまるへやだ。
えんがわにこしかけてほんをよんでいるにんげんがいる。ムラサメだ。

ムラサメ「ん…あら、シロじゃない」
わがはい「わんわん!」

ムラサメのかたわらにはくろいえきたいのはいったとうめいなさかずきがある。
わがはいはあれがにがてだ。まえになめさせてもらったが、にがくてしぶかったのをおぼえている。

ムラサメ「…誰もいないわね。…おいでおいで」
わがはい「わふ?」

ちかづくと、ムラサメはあたりをみまわした。そしてわがはいにてをのばした。

ムラサメ「んふふ、もふもふ〜…」

だきしめられてわるいきはしないものである。
ここのものはみなわがはいにやさしくしてくれる。
なによりおいしいごはんがまいにちたべられる。

しかし、いつまでもここでのんびりしているわけにもいかぬ。
わがはいにはてんかをとういつするというゆめがある。そのためにはけらいがひつようだ。
しかしけらいもなかなかみつからないし、やはりまだまだここでちからをたくわえないといけない。
しかたがないので、しばらくはここでくらしてやるしだいである。

                                                        end.
70:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/10(日) 03:45:43 ID:goUwb4CR
>>42続き。

 愛馬にまたがり、全速力で目的の城を目指す。もうそろそろ、夜が明けそうな気配もする。
目的の城に到着すると、ヒデヨシと敵将のオウガイとやらが戦った後であろう痕跡が、まだ残っていた。
 肝心の城内はところどころ明かりが照らされているのか、少しだけ明るさが見えるが、人がいるのかと疑うくらいの静寂さだった。

   ○○「見張りも無しとはな。自信があるのか、油断してるのか、はてさて。」

 さて、勢いに任せて来ては見たものの、こう静かだとイマイチ拍子抜けだ。
こっそり忍び込んで、オウガイとかいうバケモノじみた奴だけを狙い打つ策も考えたが、まあこう静かだと入ってもすぐばれそうだ。

   ○○「う〜ん。正面から乗り込んでもいいけど、雑兵相手に消費しちゃあオウガイとやりあう前に空っぽになるかもしれんし・・・。ん?なんだ?」

 どこからともなく飛んできた小石が、頭に当たった。誰もいないはずなのに、一体誰が投げ―。

   ○○「・・・・・・無視したいけど、怒られそうだし、ね。」

 辺りを見回すと、森の入り口で余りに不自然すぎる素敵な笑顔を浮かべた女性が手を振っている。

   ○○「・・・何か用ですか?危ない儲け話は間に合っておりますので。」
 ミツヒデ「ふふふ、そうか残念だ。話は変わるが、最近発明した特殊な金属で作ったクナイなのだが、斬れ味を試してみるかい?」
   ○○「ゴ、ゴメンナサイ。・・・で?真面目な話、何だよ。お前まだいたのか?」
 ミツヒデ「おや?それが、大事な妹君の命の恩人に対する態度なのかな?ふむ、まあ貴方のことだ。
       一人でノコノコ来るんじゃないかと思って、一応警戒してたら案の定。・・・全く、妹の事となると相変わらずね。」
   ○○「ほっとけ。用はそれだけか?俺は今忙しいんだ、嫌味なら後で聞いてやるから、今はほっといてくれ。」
 ミツヒデ「まあ、君たちの城がどうなろう構わないのだけどね、占領したのがあの連中となると。少し、話が違ってくるのよ。」
   ○○「なんだそりゃ?お前、連中についてなんか知ってるのか?」
 ミツヒデ「なあに、大したことじゃないさ。それよりも、敵将に用があるみたいね?」
   ○○「また大事なところは、いつもはぐらかすねえ。用があるのは正解だが、どうやってご挨拶しようか考えていたところさ。」

 そう、言うとミツヒデはなにやら満足げな顔をしつつ、うんうんとうなずいて、やたら顔を近づけてきた。彼女の髪からは、何か甘くて不思議な匂いがした。
そしてその顔は、月明かりに照らされ、より一層彼女の美しさを引き立たせる。その顔はとても魅惑的な雰囲気をしていた。
 思わず、俺はその顔に引き寄せられそうになったが、済んでのところで我に返った。

 ミツヒデ「おっと、惜しい。あと少しで、ふふふふふ・・・。」
   ○○「な、何か言った・・・?」
 ミツヒデ「いえ、何も。さて、○○殿?我が策を用いれば、難なく敵将とご対面できるのだが、いかが?」
   ○○「本当か?また人を罠にはめる気じゃあ無いだろうな?」
 ミツヒデ「これは、人聞きの悪い。これまで私が、貴方を罠にはめようとしたことがあるかな?」
   ○○「真面目に言ってるのなら、お前相当ヒドイ奴だぞ・・・。」
 ミツヒデ「ふふふ、古来より世界は悪女まわしてきたという話をしっているかい?・・・で、どうするの?」
   ○○「・・・まあ、他にいい考えも浮かばなかったし、一応聞いておくよ。」
 ミツヒデ「よろしい、これで貸しが一つということで。」
   ○○「・・・成功したらな。で?」
 ミツヒデ「ふむ、まあよいか。まずは、コショコショコショ・・・。」
   ○○「ふんふん・・。ううっ・・・。ああああ・・・・。」

 たまに襲ってくる、ミツヒデの微妙な息遣いに何とか耐えつつ、俺は策の内容を聞き終えた。

   ○○「確かに良い策だな。でも、いいのかお前は?」
 ミツヒデ「言っただろう?あの連中は何かと厄介でね。貴方達ならまだしも、連中が近くにいるのはイヤなのでね。」
   ○○「まあ、助けてくれるなら今はなんでもいいさ。・・・ありがとう。」
 ミツヒデ「う、うむ。まあ、き、気にするな。私と貴方の仲だ。さ、始めようか。」
   ○○「おう。」
71:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/10(日) 04:11:52 ID:goUwb4CR
>>70続き。

   兵士「オ、オウガイ様!敵襲です!」
 オウガイ「落ち着け!また、ヒデヨシ軍か!?」
   兵士「そ、それが旗印はミツヒデのものです!」
 オウガイ「なにぃ?あやつ、まだおったのか。よかろう、そんなに死にたくば望みどおりにしてやる!」

 大刀を手に取ったオウガイは、肩を怒らせ城門へと歩みを進める。既に城門は破られ、城門付近で両軍入り乱れた乱戦が繰り広げられていた。
戦場に現れたオウガイは、静かに息を吸い込むと、大刀を大きくなぎ払い、ミツヒデの兵十数人を、一気に城の外まで吹き飛ばした。
ミツヒデ軍はオウガイの力を目の当たりにして、そのまま一気に退却を始めた。

 オウガイ「逃がすな!二度と刃向かえぬようにしてやれ!」

 オウガイの号令のもと、オウガイ軍の兵もまた、全員城外へと押し出した。

 オウガイ「ふっ、ミツヒデにしては中々まともな戦法だったが。・・・まてよ、手ごたえが無さ過ぎる。
       それに、あやつがこんなまともな手を使うとは―。」
   ○○「いやあ、さすがはミツヒデ。見事な用兵だ。」
 オウガイ「何者じゃ!」
   ○○「俺は○○って言うものです。お初にお目にかかるオウガイ殿。・・・へ〜。」
 オウガイ「何だ?人の顔をジロジロと、無礼なやつめ。何か言いたいことでもあるのか!」
   ○○「いやあ、ヒデヨシがクマみたいなバケモノに襲われたってきいてたけど。結構整った顔してるなあ、と思って。」
 オウガイ「な、何をイキナリ!無礼者め!」
   ○○「あ、ゴメンゴメン。でも嘘じゃないよ。
      (ホントは、想像がちょっと大げさだっただけなんだけど。充分迫力あるぜ、こりゃ。ん?)」
 オウガイ「そ、そのような事を面と向かって言われたのは初めてじゃ・・・。」
   ○○「へ、へ〜・・・。そうなんですかあ・・・。」
 オウガイ「う、うむ。・・・・・・・。お主!嫁はおるのか!」
   ○○「・・・え?」
 オウガイ「ええいっ!おるのか、おらんのか、どっちなのじゃ!」
   ○○「は、はいぃ!い、今はまだ独り身ですっ!」
 オウガイ「そうか・・・、ふむ、ふむ・・・。」

 なにやらオウガイは顔を赤らめ、しきりにうなずいている。たまに、こちらをチラチラ見て来るのが非常に気になるが・・・。
その時、何だか分からないが、急に俺の全身に寒気が走った。

 オウガイ「よし、決めたぞ!お主!我が夫となるが良い!」
   ○○「・・・・・。はあああああ!???!!!!」

 余りに突然のオウガイの発言に、俺は思わず頭の中が真っ白になった。

   ○○「な、なんで・・・。」
 オウガイ「男から、その、容姿を誉められたのは初めてじゃ・・・。おぬしの言葉に、我としたことが、思わず、ときめいてしまった・・・。
       このような気持ちになるのも、今まで無かったことじゃ。お主は、お主こそは、我が運命の御仁に違いない。うむ!きっとそうじゃ!」
   ○○「運命って・・・。」 
 オウガイ「我の背後に、難無く立っていた事からも察するに、お主中々の腕と見た!その実力から見ても、我が夫となるに相応しい!」
   ○○「いやいやいやいやいや!俺はあんたと、戦いにきただけだから!」
 オウガイ「・・・なにぃ?そういえば、先ほどヒデヨシがどうとか。お主、あのチビの仲間か?!」
   ○○「ま、まあ一応アイツの兄貴やってます。」
 オウガイ「なんだと!・・・おのれ、おのれヒデヨシめ!・・・よし、わかった!」
   ○○「な、なにが?」
 オウガイ「なあに。お主は、ヒデヨシのカタキを討ちに来たのであろう?」
   ○○「ああ、そうだ。」
 オウガイ「うむ。そこで、お主が勝ったらこの城をおとなしく返そう。」
   ○○「え?本当に?」
 オウガイ「おお!我に二言はない!・・・だがの。」
   ○○「なんだよ。」
 オウガイ「その、わ、我が勝ったら。お、お主には大人しく我の元にきて、もらうぞ・・・?」
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/10(日) 13:56:34 ID:Uc3ocilE
シロ夢想( ´∀`)bグッ! 
シロめ・・・・知らず知らずのうちに美しい乙女たちに
抱きしめられまくっててずるいぜorz

○○さんъ(゚Д゚)グッジョブ!!
まさかオウガイのツンデレぶりが見れるとは
○○武将とオウガイがくっつきますように( ´∀`)つ≡≡≡愛愛愛)Д`)グシャ
73:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/11(月) 00:37:48 ID:lpluc5Ns
>>71続き。

   ○○「ちっ、仕方ねえな。約束守れよ!(こりゃあ、大変なことになった・・・。)」
 オウガイ「おう!我が名にかけて!いざっ!」

 互いに得物を構え、戦闘態勢に入る。既にオウガイの目は殺気に満ちている。まさに、野獣の目といったところか。
オウガイから放たれる気で、俺の全身はあわ立っている。とてつもない恐怖の他に、ほのかによぎる強敵と出会った喜び。
これほどの力量を持った相手と立ち会えることは、滅多にあることではないだろう。
 そんな俺の心の内を知ってかしら知らずか、オウガイがふいに話しかけてきた。

 オウガイ「お主・・・、何を笑っている?」
   ○○「は・・・?」

 どうやら、俺は感情の高ぶりを抑えきれず、つい笑みがこぼれてしまったようだ。

   ○○「いや、どうやら武者振るいが度を越えちまったらしい。気にしないでくれ。」
 オウガイ「そうか、この状況で笑うとは・・・。益々気に入ったぞっ!」

 その瞬間、両目を大きく開いたオウガイは一切の迷いが無い太刀筋で、一気に俺との間合いをつめにかかった。
だが俺も、最小限の動きでその一撃をかわし、オウガイの無防備なわき腹目掛け、一気に刀を振りぬく。

 オウガイ「ほう、居合いか・・・。中々鋭い太刀筋ではないか。」
   ○○「・・・お褒めにあずかり光栄だ。(なんて反応だ。これを受けるとは・・・。)」

 俺の渾身の一撃を、オウガイは難無く片手で掴んだ大刀の柄で受け止め、空いた片手で岩のような拳を俺の急所に叩き込む。

   ○○「うおっ!」
 オウガイ「かわすかっ!ますます面白い!」

 飛んできたオウガイの拳を、済んでのところで身体をずらし、紙一重でかわす。
しかし、かわしたはずの攻撃だが拳圧とでもいうのか、狙われた所に少し違和感を感じた。

 オウガイ「我が初手だけでなく、二の手もかわしたのは主が初めてじゃ。男にしておくには惜しい逸材よな。」
   ○○「へへへ、昔からよく言われたよ。・・・ック。」

 オウガイの拳が狙ってきた場所から、徐々に痛みを感じ始めた。かわしたのに、この痛み。
どうやら、とんでもないバケモノとやりあうことになってしまったようだ。

 オウガイ「そろそろ夜も明けるころじゃ。我もいつまでも、こんな所にいるほどヒマではないのでな。・・・次で、決めさせてもらうぞ。」
   ○○「・・・。」
74:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/11(月) 00:55:01 ID:lpluc5Ns
>>73続き。

 その言葉に嘘は無いだろう。オウガイの全身から燃える様な熱気を感じると同時に、風も無いのにオウガイの辺りの草木のみが、ザワザワと揺らめき始めた。
次が最後。そんな考えが頭をよぎる。だんだん痛みも激しさを増してくる。正直、この状態で奴の攻撃はかわせない、恐らくは・・・。
 だが、ここで退けばこの場に来た意味が無い。アイツの無念を晴らすためにも、一矢報いなくては。例え倒せないとしても・・・。

 オウガイ「ゆくぞっ!」
   ○○「こい!オウガイ!」

 俺とオウガイは、同時に地面を蹴り相手目掛け突撃した。オウガイの突風のような一撃が俺を襲う。
とっさに刀でオウガイの攻撃を防ぐごうとするも、刀ごと砕かれまともにその一撃をくらい、俺の身体は木の葉のように吹き飛ばされる。
そのまま吹き飛ばされた俺は、城壁を衝き抜け城外の巨木に叩きつけられた。

   ○○「がはっ!」
 オウガイ「安心せい。みね打ちじゃ。・・・その、殺したら、何にもならぬからな。」
   ○○「へへへ・・・。その情けが命取りになっても、しらねえぜ・・・?」
 オウガイ「ほう、まだ減らず口が叩けるか。・・・もう、いいであろう。しばし、眠っていてもらうぞ。」

 俺を見下ろしたオウガイは、俺の意識を刈り取るべく、大刀を振り上げる。
だがその瞬間、オウガイの表情が一瞬苦痛でゆがむ。

 オウガイ「・・・ッ!?」
   ○○「どうよ。俺の攻撃も、中々のもんだろう・・・?」
 オウガイ「確かにな・・・。まさか、我よりも先に一太刀繰り出していたとは。」

 そういったオウガイの片腕から、ゆっくりと血が流れ落ち、肩口からは血が吹き出した。

 オウガイ「ぐうっ!おのれ、まさかここまで我に手傷を負わせられる者が、この世にいようとはな。」
   ○○「へへ・・・。ゴホッゴホッ!」

 もう俺は、オウガイに言葉を返すことすら出来なかった。意識も徐々に遠くなっていくのが分かる。ここまでか・・・。

 オウガイ「しかし、もう立ち上がることも出来まい。・・・今度こそ終わりじゃ。」
 
 遠のく意識の中、何故か俺は今の状況を冷静に分析していた。
 
 ―あ〜あ、このままオウガイにさらわれてコイツの旦那になるのか・・・。
   なんともかっこ悪い結果だな。かっこつけてヒデヨシのカタキを討ちに来たってのに。
    こうも、アッサリやられちゃあな。アイツにあわせる顔がねえや・・・。
     ゴメンなヒデヨシ。ダメな兄貴で。もうちょっと、お前と一緒にいたかったのになあ。
      俺がいなくても、ちゃんとみんなの言うこと聞けよ?―

 思わず諦めの笑みがこぼれる。それを合図にするかのようにオウガイのトドメの一撃が俺に襲い掛かった。
と、その時。紙一重のところで、大刀が止まる。
75:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/11(月) 00:58:59 ID:lpluc5Ns
>>74続き。

   兵士「お、オウガイ様ー!た、大変です!」
 オウガイ「なんじゃ!こんな時に!下らぬことであったら、承知せぬぞ!」
   兵士「そ、それが裏手からヒデヨシ軍が!」
 オウガイ「なんじゃと!」

 オウガイの驚きの声と同時に、裏手からときの声があがる。オウガイが一瞬その方向に目をそらした、その時。
俺の身体は、オウガイの遥か上空を浮いていた。嗅ぎ覚えのある、甘い匂いが鼻をくすぐる。

 ミツヒデ「やれやれ、ご兄妹そろってイノシシ武者だな。」
   ○○「ミツ・・・、ヒデ・・・?なんで・・・?」
 ミツヒデ「まあ、女の感とでも思ってくれ。これで貸しは2つだぞ?でも、決め手は妹君のおかげかしらね。」
   ○○「ヒデ、ヨシの・・・?」
 ミツヒデ「ああ、ほら下を。」

 そう、ミツヒデに促された俺は、地上を見下ろした。するとそこには、
自信満々の笑みを浮かべたヒデヨシが、愛用の巨大なひょうたんを担ぎ、迫り来る敵兵を仁王立ちで迎えた。

   ○○「アイツ・・・!何やってんだあんなところで!オウガイにやられて、寝込んでたはずだぞ!」
 ミツヒデ「ほう、そうなのか?だが、あの様子じゃ元気満々と言ったところだが。」

 城の屋根に下ろされた俺は、ミツヒデの肩を借り、眼下のヒデヨシの様子を見続けた。

  敵兵1「かかれー!」
  敵兵2「おーっ!」

 オウガイ軍の猛者であろう二人の兵が、ヒデヨシ目掛け襲い掛かった。
だが、軽く鼻をこすったヒデヨシは、巨大なひょうたんを振り上げると、天高く飛び上がった。

 ヒデヨシ「てえりゃあああああ!!!!!!!」

 地面に叩きつけられたヒデヨシのひょうたんからは、とてつもない衝撃波が起こり、そのままオウガイ軍の二人を弾き飛ばした。
その衝撃波は、まるで地を走る竜のように、そのまま走り続け、後方に控えていた他の敵兵もまとめて吹き飛ばした。

   ○○「す、すげえ・・・。」
 ミツヒデ「これはこれは、なんという馬鹿じ・・・。おほん、なんという一撃。」

 俺とミツヒデが目の前の状況に思わず呆気に取られていると、こちらに気づいたヒデヨシが大きく手を振り、声をあげた。

 ヒデヨシ「あ!お兄ちゃ〜ん!む、なんでミツヒデが隣にいるのお!?」

 片手をブンブンを千切れんばかりに振り、満面の笑みでこちらを見上げている。

 ミツヒデ「ふふ、まるで主人に尾を振る子犬のようだな。愛されているねえ、○○殿?妬けてしまうよ。」
   ○○「こんな時にからかうなよ・・・。」
 ミツヒデ「ふむ、これは本心なのだが。ま、いいわ、下りるわよ?」
76:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/11(月) 01:02:48 ID:lpluc5Ns
>>75続き。

 ミツヒデは再び俺を抱えると、ヒデヨシのもとへと降り立った。
ヒデヨシは一目散に俺の胸に飛び込み、ぎゅっ、と俺を抱きしめた。
   
   ○○「ヒデヨシ・・・。なんでお前がここに?オウガイにやられて、寝込んでいたはずじゃあ・・・。」
 ヒデヨシ「うん、そうなんだけどね。何だかわかんないんだけど、お兄ちゃんが城を出た後に、急に目が覚めたの!」
   ○○「俺が出た後に?」
 ヒデヨシ「うん!それでね、おばちゃんから話を聞いてね、急いでお兄ちゃんを助けに駆けつけたってわけ!」

 えっへん、と言わんばかりに胸を反らしたヒデヨシの話を聞き終えると、そこに重臣が駆けつけた。

   重臣「○○様!ご無事ですか!?」
   ○○「お前・・・。これは一体、どういう状況なんだ?」
   重臣「はい。それが、○○様が城を出た後私も後を追うべく兵を編成しなおしていたのですが、突然ヒデヨシ様が目をお覚ましになり
       そのまま兵を率いて共に駆けつけたのですが。城が全くの無防備であったのを目の当たりにしていると、ミツヒデ殿の伝令が来て詳細を知らせてくれ、
        それで、一気に城内へ突入した次第です。」
   ○○「そうだったのか・・・。」

 チラリとミツヒデのほうを見ると、ぱちりと片目を閉じ笑った。喰えない奴だ・・・。そんなこんなで皆がほっとした、その時だった。

 オウガイ「貴様ら・・・、よくもやってくれたな!」
   ○○「オ、オウガイ・・・!」

 しまった、そういえばまだコイツがいたんだった。しかも、その表情は怒りに満ちあふれていた。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/11(月) 12:15:30 ID:KsSVC4aM
○○強いよ○○
わっふる!
78名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/12(火) 00:28:36 ID:ctqtbiic
このスレに限っては、オウガイはまさに強カワ系で描かれるな
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/13(水) 02:47:44 ID:aJJ7bC5S
今川ヨシモト邸にて…座敷に集まる乙女武将一同

シンゲン「ヨシモトに呼ばれ、来てみたはいいが…」
ノブナガ「一体なんだというのじゃ」
マサムネ「世界の…ヨシモトしょう?」
ミツヒデ「なにやら余興のようだが…」

ふいに座敷の明かりが消され、部屋が真っ暗になる!

ヒデヨシ「わっ!?なになに?」
ケンシン「一体何が始まるというの…」
イエヤス「あっ…出てきましたよ」

灯篭の明かりが灯り、しずしずとヨシモトが琴の調べに乗り舞台へ現れた。

ヨシモト「みなさま…本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございますですわ…」
シンゲン「めしは出ないのか?」
ノブナガ「酒はどこじゃ」
ミツヒデ「菓子も出んのか」
ヨシモト「そこ、静かになさい!…コホン。え〜では、早速始めさせていただきますわ」
ヒデヨシ「ドキドキ…」

ヨシモト「私は世界のヨシモト…これから、とても面白いこと…つまり、ヨシモー!な芸をさせて頂きますわ。
     四の倍数と四のつく数字の時にうつけになり…さらに八の倍数の時に、敵将のシロになりますわ」
ケンシン「なんだそれは…」

ヨシモト「参ります…。いち、に、さん、よん!!ご、ろく、しち、はちぉ〜ん、きゅう、じゅう、じゅういち…」

ノブナガ「これは…おもしろいのか?」
ミツヒデ「私にはさっぱり…」
イエヤス「…帰りたいです」
ケンシン「これのためにわざわざ足を運んだというのか…」

ヨシモト「にじゅうさん、にじゅし!!わおん!にじゅうご、にじゅうろく、にじゅうしち、にじゅはち!!にじゅうく、さんじゅう…」

ヒデヨシ「つまんな〜い!」
マサムネ「時間の無駄だな」
シンゲン「めしは〜?」

ヨシモト「さんじゅうく、よんじゅわん!!よんじゅいち!よんじゅに!よんじゅさ!よんじゅし!よんじゅご!よんじゅろ!
      よんじゅち!よんじゅわふ!!よんじゅく!…ごじゅう!!へい!よしもー!!」

し〜ん

ヨシモト「あ、あら?誰もいませんわ…」

座敷の外に潜む4つの影…

オウガイ「くっ…不覚…面白いではないか!!」
コタロウ「ぼ、ぼくだって…!あのくらいは!」
ムラサメ「あほらし…」
シロ「くぅ〜ん…」
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/13(水) 10:16:49 ID:oDH3e6Ce
ちょwww
オウガイとコタの笑いのツボとヨシモーの中の人が大真面目にネタやってるのを想像して牛乳吹いたw
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/14(木) 22:44:42 ID:Kge/v08a
〇〇の続きが気になって夜も眠れない…
わっふるわっふる
82If・○○○○夢想:2008/08/15(金) 09:11:39 ID:iWtlpBHy
俺はヤスヒロ。親が海外を旅して回る仕事のため一人暮らしをしているという、エロゲも真っ青な設定の大学生だ。
だけど前髪は長くないし、目もちゃんとある。

今は夏休み中で、今日は昼飯のため原チャで買い物にいくところだ。

俺「今日は何を食べるかな…、昨日はカレーだったし…」

そんなことを考えながら運転していると、前方に戦艦が!いや、トラックが!

俺「うわああああぁぁっぁぁぁぁああ…………あ?」

危機一髪なんとか避けられたようだ。危なかった…事故なんてシャレにならない。
安堵しながらスーパーで買い物をする。そういえばアレが切れてたな、買っておこう。

 ──────────────────

家に着くと、ちょうど宅急便の車がうちの前に止まっていた。

お兄さん「あ、どうも〜。虎旗急便です。お届けものです」
俺「ごくろうさまです」

何やら小包のようだ。差出人は…両親だ。一体何を送ってきたんだろう?
部屋に戻り、空けてみることに。

これは…勾玉?何やら怪しい雰囲気の勾玉だ。手紙も一緒に入っている。

親父『ヤスヒロよ、元気にしているか?私たちは元気にやっている。それはさておき、この前興味深いものを
    手に入れたので、お前にプレゼントだ。古来より伝わる勾玉だそうだ。願い事が叶うと言われているので
    お前も彼女をお願いしてみたらどうだ(笑)ではまた日本に戻る時が来たら連絡する』

俺「余計なお世話だよ…。しかし願い事が叶うとは、親父も随分怪しげなものを…」

そう呟きながら勾玉を手に取る…すると。

俺「う、うわっ!!!」

突然勾玉が光り輝き、部屋が青い光に包まれた!!
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/15(金) 09:55:08 ID:OsvhKkfn
新作キターー(゚∀゚)ーーー!
ワッフル食べながらわふわふしてます。
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/15(金) 15:37:22 ID:lROJPxxi
ふと守護月天を思い出した
85If・○○○○夢想:2008/08/15(金) 17:56:38 ID:iWtlpBHy
???「いったぁ〜い…」

艶のある色っぽい声が部屋に響く。
眩しい光は次第に収まっていく。それにつれて視界がハッキリと…

俺「え?えぇぇぇえ!?!?」

な、なんで女の子がいきなり!?しかもチャイナドレスって…
紫色の綺麗なロングヘア…甘いいい香りが鼻をくすぐる。

???「ぅ…ここは…?」
俺「あ、あのぉ…」
???「っ!!何者だ!!」

彼女はいきなり短剣を俺の首につきつけた。

俺「うわっ!な、何者ってこっちが聞きたいくらいだよ!!」
???「随分と面妖な部屋ね…貴様の名は?」
俺「や、ヤスヒロ…だけど…その、それどけてくれないかな…?」

彼女は辺りを見回し、ようやく短剣を引っ込めてくれた。

???「はぁ…一体何が起こったというのかしら…寝てたと思ったら…」
俺「こっちの台詞だよ…これを持ったら急に君が…」
???「それは…!なぜ貴様がそれを持っている!?」
俺「え?これって…俺もよくわからないんだけど…」
???「ひとつ聞くわ…。ここはどこなの?」
俺「いや、俺の家だけど…」
???「そうじゃなくて地名よ…外の様子を見るに、どうも見慣れない場所だけど」
俺「東京だよ」
???「???」

話すうちに色々わかってきた。彼女の名前はムラサメ。自称戦国武将って…
なぜ女の子が武将をやっているのかはわからないし、しかも戦国時代から来たという。
そんな馬鹿な話があるものか…と思ったが、実際にこうしていきなり現れたのだ。信じがたいことだが…。

ムラサメ「はぁ…とにかくここは未来の平和な日本というわけね…」
俺「まぁ…そういうことになるのかな…」
ムラサメ「舶来の書物にもこんな馬鹿げた空想話は無いわ…でも…」
俺「でも?」
ムラサメ「珍しそうな物が沢山あって、何だか楽しくなってきちゃった…これは?」
俺「それはリモコンで…こうするとテレビが」
ムラサメ「っ!!箱の中に人が!」
俺「随分とベタだなぁ」
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/15(金) 19:35:31 ID:esavplGt
( ^ω^)夢中になってるムラサメカワユイわっふるお
( ^ω^)あんな色っぽいねえちゃんが降ってきたら落下する前にぶーんの軍旗で串刺しおっおっお
87名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/15(金) 20:05:41 ID:aTK4Erw8
なんか、俺だったらむしろ主導権を握られて雑用とかやらされそう…。
88If・ムラサメ夢想:2008/08/16(土) 00:34:56 ID:nrmr/4pt
その後、ムラサメは家中の物について俺に質問をぶつけてきた。
もとから新しい物好きらしく、目を輝かせながら感心していた。
そんな横顔を見て、不覚にも胸がときめいてしまった…。いかんいかん。
こんな素性のわからない不思議娘を…。

ムラサメ「ふぅ〜ん、からくりが発達するとこんな風になるのねぇ…」
俺「ところで、これからどうするのさ?」
ムラサメ「どうって…戻りたくても方法が分からなくてはどうしようもないわ」
俺「まぁそうだよねぇ」
ムラサメ「榛名が反応しないんですもの…しばらくはここに置いて貰えないかしら?」

榛名とは、あの勾玉のことだ。どうやら、ムラサメのいた世界では、覇権を握るための伝説の宝玉だそうで…

俺「う〜ん…」
ムラサメ「右も左もわからない乙女が困ってるというのに…」

今にも泣きそうな切ない顔をする。綺麗過ぎて様になるのが何とも…
確かにこのまま放っておく訳にもいかないし。女の涙には弱い。

俺「い、いや、もちろん!そんな邪険にするわけないじゃないか!」
ムラサメ「そ。ならいいわ。それよりお腹が空いてきたわ…客人なんだからしっかりもてなしなさい」

前言撤回…
なんて高圧的な女だ。でもしゃあない。買ってきた蕎麦でも振舞ってやるとしよう。

 ────────────────

ムラサメ「ん〜♪おいしい…」
俺「喜んでもらえて何よりです…はぁ…」
ムラサメ「それに、さっきの冷気の詰まった箱!あれはすごいわね。生物が長期保存できるなんて夢のようだわ…」
俺「はぁ…」
ムラサメ「火が勝手に起きるからくりもすごかったわ…本当にここは夢のような世界ね」
俺「はぁ…」

一体これから先、どうなっていくのだろうか…
どうにも良い様に使われている気もするが、気のせいということにしておこう。
そのうち戻る方法も見つかって、いつもどおり平穏な日々がくるはずだ。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 02:02:53 ID:jAzs2cvA
続きマダー?
90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 06:07:09 ID:hZYoSPl4
キタァアアア!!!とうとう俺の嫁が!!!
91名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 08:14:04 ID:lcP5B61N
これはアレだな、ムラサメとの生活も慣れてきた頃に、再び榛名が反応したと思ったら
今度はコタロウが現れて、「礼儀正しくて良い子じゃないか」なんて思ってたら
ムラサメがそれにヤキモチ焼いて、あんな事やこんな事やそんな事でドタバタして、
野良犬を拾ったらシロだったり、机の引き出しを開けたらオウガイが出てきたり、
町を歩いていたら、パンを咥えて走るヒデヨシとぶつかり、
コンビニで新米店員のケンシンがレジのトラブルでオタオタしてるのを助けたり、
ある日突然空からイエヤスが降ってきたり、車にはねられそうになったと思ったら、
乗っていたのはヨシモトだったり………。



全員の分を考えるのはメンドイので、後は誰か頼む。
92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 13:49:28 ID:/IIe5Hp8
ちょっと見ない間に2スレ目突入してるしw

マサムネがコタロウをお持ち帰り。

コタロウの名前を片倉コジュウロウに改名

イエヤスがオウガイを手篭めにする

オウガイを筋肉メイド本多タダカツにするw

なんてネタを考えたw
93If・ムラサメ夢想:2008/08/16(土) 17:19:45 ID:0KUdpXH6
その夜、ムラサメが葡萄酒が飲みたいと言い出した。
なんという女王様気質なのだろう。この家の主は俺だぞ…。
でもまぁ、しゃあない。ちょうど料理用の赤ワインが切れてたから昼に買ったのだった。

ムラサメ「ふ〜ん、なかなかね…」
俺「そりゃどうも…」

飲みながら、ムラサメは外を見ながらため息をついた。

ムラサメ「ここでは…夜は星が見えないのね。どこの家でも火を焚いているのか…すごく明るいわ」
俺「そうだね…。君のいたところは、きっと星が綺麗に見えたんだろうね」
ムラサメ「夜は星の明かりと虫の鳴き声…とても落ち着いたわ」
俺「ふぅん…」
ムラサメ「ん…なんだか眠たくなってきちゃった…」

部屋はまぁたくさんあるが、ベッドはひとつだ。
布団くらいはあると思うけど…そして流石に彼女が布団で俺がベッドというわけにもいかないだろう。

 ────────────────

ムラサメ「すご〜い!柔か〜い…布団とは違うのね!」

女の子が俺のベッドではしゃいでるのを見るのは、悪い気はしないものだ。ちょっとドキドキする。

ムラサメ「それと…お風呂に入りたいのだけど…何か着替えるものはあるかしら?」
俺「着替えね…着物があればそれのがいいんだろうけど…」

やはりここは、男のロマン、Yシャツだろう。いや、Tシャツというのも捨てがたい。
しかし、身長に大差はない。シャツ一枚というのは流石に不可能だ。下も用意せねばなるまい…
94If・ムラサメ夢想:2008/08/16(土) 17:39:06 ID:0KUdpXH6
結果、Tシャツ短パンという無難な組み合わせに落ち着いた。
シャワーの使い方など色々教え、出て行こうとすると…

ムラサメ「ふふ…覗いてもいいのよ…?」
俺「だ、誰が覗くか!」

まったく…!今日一日で随分気を使いすぎて疲れ果ててしまった。
ソファーに座ってうとうとしていると、どうやらあがったようだ。

ムラサメ「お先にいただいたわ…ありがとう」

…あんな服でも、美人が着ると何でも似合う。
濡れた髪に、Tシャツの上からでも主張の激しい胸…短パンから伸びるスラリとした足…
男なら誰でも欲情してしまうだろう。俺ももちろんした。

ムラサメ「ふふ…そんな怖い目で見ないで…」
俺「…あ、い、いや、そんなつもりは…」
ムラサメ「そうね…ただ泊めてもらうのも…お礼もしないとね」
俺「…え?」

そういうやいなや、彼女は俺に近づき、ソファーに押し倒した!
なんという力の強さ…振りほどこうにも振りほどけない。

俺「こ、こら!何を…!」
ムラサメ「ふふ…」

妖しい笑みを浮かべ、顔を近づける。シャンプーの良い匂いが鼻をくすぐる。
Tシャツの間から、チラリと谷間が覗く。な、なんという…。
俺にのしかかる心地のよい柔らかい体重。あぁ…神様…なんかわかんないけど、ありがとう…。
目をつぶり、これから起こるであろう情事に身を強張らせる。
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 18:20:02 ID:jAzs2cvA
パンツ脱いで待機中
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 19:34:29 ID:2EQ6hrYy
甘を含む大敗で家に帰って来て何気無く覗いて見たら続きが!?

全裸で正座してわふわふ待機。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 19:43:34 ID:MaimsUDy
>>94
股間が疑似連を繰り返して苦しんでます
早く助けてください
わっふるわっ・・・・・・フゥッ
98名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 23:32:58 ID:MHb4v1ya
>>94
こんな生殺し状態はおやめください'`ァ,、ァ(*´Д`*)'`ァ,、ァ
早く続きがわっふるわっふる
99:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/17(日) 00:00:38 ID:tVVfTXEo
>>81楽しみにしていてくださりありがとうございます。
コミケ終わりには必ず再開したいと思っております。
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/17(日) 00:08:58 ID:X0KnBCEG
>>99
わざわざお返事ありがとうございます
急かすつもりはありませんので気長にわっふるしてます(´ω`*)

If・ムラサメ夢想にもわっふるわっふる(´Д`*)
101If・ムラサメ夢想:2008/08/17(日) 01:58:07 ID:/B24zGgX
ムラサメ「…」
俺「……」
ムラサメ「…くすっ」
俺「???」
ムラサメ「もしかして、何か期待しているのかしら…?」
俺「は、はは、なんのことやら…う、うわっ!」

力強く思い切り引っくり返された。うつぶせの状態になる俺。

ムラサメ「指圧には自信があるのよね」

疲れた身体に、心地よい指圧マッサージ…
うぅ…そりゃそうだよな…エロゲじゃあるまいし、そんな都合のいいことがあるはずがない。
でも気持ちよかばい…

ムラサメ「どうかしら?」
俺「すごく効くよ…ありがとう」
ムラサメ「…期待していた方も、してあげてもよくってよ…?」
俺「ふぇ!?」

ふいに耳元でくすぐるように囁かれる。

ムラサメ「あなたは榛名の持ち主ですもの…そんな方の命令とあらば…」
俺「い、いやしかしね…そういうことは、その…君だってあれだろうし…」
ムラサメ「水臭いわ…ムラサメって呼んで…。これから共に過ごすんだから…」
俺「あぅ…」

沈黙が部屋を支配する。

ムラサメ「っぷ…あはははっ!」
俺「へ?」
ムラサメ「ふふ、やだぁ…真に受けちゃったの?」
俺「な、な、な…!?」
ムラサメ「榛名が重宝されるのは私の世界の話…こちらでは意味を成さないわよ、うふふ」
俺「ひ、人をからかうのもいい加減に…!」
ムラサメ「はい、おしまい」
俺「ぐぇっ!!」
ムラサメ「それじゃあ私は寝るわ…おやすみ〜」

馬鹿力で思いっ切りツボを押された…
くそぅ、完全に遊ばれている…男としてこれは屈辱だ。しかし相手は仮にも戦国武将…力では敵うまい。
とっとと元に戻る方法を見つけ出して、あんな女とはおさらばしてやる!
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/17(日) 03:04:55 ID:rXoeGMtK
>>101
ム、ムラサメ様・・・・僕の天を貫かんばかりの軍旗はどうすればいいのでしょうか
思わせぶりテラヒドス(ノД`)シクシク
けど、そんないけずなムラサメ様最高(´∀`*)

どうかムラサメ嬢に夜這いアタックぶちかましますように
わっふるわっふる〜
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/18(月) 01:17:28 ID:2M4k9rkD
_____
 `∀´
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ハサマレタ
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/18(月) 07:19:14 ID:VldLSeVP
押し潰せー
105:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/19(火) 02:21:55 ID:X5clqJvj
>>76続き。

 オウガイは、表情だけでなく、その巨体全身から憤怒の気を発生させていた。

   ○○「こりゃあ、ヤバイな・・・。」
 ミツヒデ「ふむ。どうやら、オウガイ殿は本気で怒っているようだな。貴殿以外は、生きて帰すつもりはなさそうだ。」
   ○○「おいおい。他人事みたいに軽く言うなよ・・・。」
 ミツヒデ「ま、そうなのだが。さてと、どうしましょうか?」
   ○○「どうしましょうかって・・・。また、何か良い考えない?」
 ミツヒデ「私もそう都合の良い女ではないのだよ?○○殿?」
   ○○「う〜ん・・・。」

 この場を何とか逃れられないかと、あれやこれや考えをめぐらせるが、一向に良い考えが浮かばない。
ミツヒデも今回ばかりはお手上げのようだ。いつもの人をからかう表情は消え、両手にクナイを構え真剣な表情を浮かべている。
 だが、いかなミツヒデとはいえオウガイ相手に勝ち納めるには、かなりの困難となるだろう。いくら彼女が手負いとはいえ。
いやむしろ、手負いである分その狂暴さはいっそう増している雰囲気すらある。当の俺の方も、立っているのがやっとだし・・・。

   ○○「くそっ、万事休すか・・・。」
 ヒデヨシ「お兄ちゃんっ!あたしに任せて!」
   ○○「ん?お前に?」
 ヒデヨシ「うんっ!あたしがアイツをやっつけてくるよ!」

 ヒデヨシは自信満々の笑みを浮かべ、片手でポンっと自分の小さな胸を叩く。
とは言うものの・・・。

   ○○「おいおい・・・。お前はほんの少し前にアイツにコテンパンにやられたのを、忘れた訳じゃあないだろうな?」
 ヒデヨシ「もう負けないもんっ!それにね、お兄ちゃんに会ってから本当に負ける気がしないの。」
   ○○「俺に?」
 ヒデヨシ「うん。目が覚めてお兄ちゃんを助けなきゃって思ってから、何だか力が湧いてきたんだ。
       それにね、ここでお兄ちゃんに会ってから、益々元気が出てきたんだよっ!」
   ○○「ヒデヨシ・・・。」

 えへへ、と笑ったヒデヨシは何だか照れくさそうにしている。そんなヒデヨシを見て、俺も何だか照れてしまった。

 ミツヒデ「オッホン!」
   ○○「ビクッ!ど、どうかしました?ミツヒデさん?」
 ミツヒデ「いえ、別に?で、実際の所どうするの?敵さん、そろそろ痺れを切らしそうよ。」
   ○○「ああ・・・。ヒデヨシ、頼んでいい、のか・・・?」
 ヒデヨシ「うんっ!まっかせといて!」

 そう満面の笑みで返事をしたヒデヨシは、元気よく駆け出していき、オウガイの前に躍り出た。
106:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/19(火) 03:15:38 ID:X5clqJvj
>>105続き。

 ヒデヨシ「我はヒデヨシ!今度こそ覚悟しろっ!」
 オウガイ「ハッ!誰かと思えば、先ほど叩きのめしたチビッ子ではないか!またやられにきたのか?」
 ヒデヨシ「なんだとぉ!あたしチビじゃないもん!それに、もう負けないもんね!」
 オウガイ「再び挑んできた根性は認めるが、今度は見逃す訳にはいかんな!その命、もはや無いものと思え!」
 ヒデヨシ「やれるもんならやってみろ!お兄ちゃんはあたしが守るんだから!」
 オウガイ「おのれ貴様っ・・・!ゆくぞぉ!」

 オウガイはあふれんばかりの殺気をみなぎらせ、ヒデヨシ目掛け大刀を振り下ろす。
その激しい打ち込みをみて、俺は思わずヒデヨシの名を叫んでいた。

   ○○「危ない!逃げろヒデヨシ!!!!」
 オウガイ「ヒデヨシよ、さらばだっ!」

 オウガイの一太刀を目の当たりにして、その場にいる誰もがヒデヨシの最期を確信した。

 オウガイ「フッ、跡形もなく消えうせたか。少々、酷な最期だったか・・・。」
   ○○「う、嘘だろ・・・。嘘、だよな・・・?」
 
 オウガイの大刀は地面に深々と突き刺さり、そこにヒデヨシの姿は見えなかった。
 
   ○○「チクショウ・・・、チクショウ!!!」
 ミツヒデ「○○殿、なぜ目をそらす?あなたが最後まで見届けないでどうする。」
   ○○「何言ってるんだよ・・・、もうヒデヨシは―。」

 ミツヒデに促され再びオウガイの方を見たが、やはりそこにヒデヨシの姿はなかった。アイツは、もう・・・。

 ミツヒデ「どこを見ておられる。もっと上さ、上。」
   ○○「上って、・・・あ!!!」

 再度ミツヒデに促され空を見上げると、はるか高く飛び上がったヒデヨシの姿が目に飛び込んできた。

 ミツヒデ「大したものね。さっきオウガイとやりあった時とは、まるで別人の動きをしている。」
   ○○「あいつ・・・。」
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/19(火) 04:43:45 ID:oy67paT8
〇〇さんが帰ってきた〜わっふるわっふる(´∀`)
ヒデヨシもいいけど、ミツヒデのクールさにも萌え
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/19(火) 13:41:28 ID:C2srHHYv
_____
 `∀´
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ハサマレタ
109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/19(火) 14:02:29 ID:Ekxp7IgE
押し潰せ〜!
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/20(水) 00:25:15 ID:U+fL8FSZ
○○さんキター!
嫁の活躍が楽しみです
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/22(金) 23:36:24 ID:bE8W2cNv
保守
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/23(土) 06:47:40 ID:zXWKGDIH
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/23(土) 12:37:00 ID:OTbmGjn4
>>112
いっただきぃ!
俺の携帯にはちょうどいいサイズだ
114:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/25(月) 19:00:59 ID:ZvmsiExl
>>106続き

 天高く飛び上がったヒデヨシは、オウガイめがけてひょうたんを振り下ろす。
対するオウガイもすばやく体勢を立て直し、大刀でヒデヨシの攻撃を受け止めた。

 ヒデヨシ「ええええいっ!!!!」
 オウガイ「うおおおおお!!!!」

 二人の攻撃がぶつかり合ったその瞬間、まばゆい閃光が発生して、俺は思わず目を閉じた。

   ○○「うわっ!」

 俺はしばらく目を閉じていたが、気づくともう二人の戦闘の音は聞こえなくなっていた。
恐る恐る目をあけ、再び二人のいた場所に視線を戻すと、そこにはヒデヨシが一人倒れているだけだった。

   ○○「ヒデヨシ!」

 俺は急いでヒデヨシのもとへ駆け寄り、ヒデヨシを抱きかかえた。

   ○○「おい、ヒデヨシ!しっかりしろ!大丈夫か!?」
 ヒデヨシ「えへへ、平気だよう。お兄ちゃん、あたし強かったでしょ?」
   ○○「え?ああ、凄かったぞ。そういえば、オウガイは・・・。」

 ふと辺りを見回すも、肝心のオウガイの姿が一向に見えない。そう思ったその時―。

 オウガイ「ここじゃ!」
   ○○「うわっ!オ、オウガイ。生きてたのか・・・!」
 オウガイ「当たり前だ!この程度でやられる我ではないわ!」
   ○○「くっ、ほんとにバケモノだな。」
 オウガイ「だが、今回ばかりはさすがの我も驚いたわ。ここまで手傷を負わされるとはな。面白い兄妹よ。
       この場はこれで引くことにする。だがな!まだ我はお主を諦めた訳ではないぞっ!」
   ○○「・・・・・・え?」
 オウガイ「この傷が癒えたら、また勝負じゃ!その時まで、せいぜい仲良くしているが良い!」
 ヒデヨシ「ふーんだ!お前なんかにお兄ちゃんを渡すもんか!またやっつけてやるもんね!」
 オウガイ「ふっ、それはどうかな。全軍、直ちに引けっ!帰るぞ!」

 そう言い残すと、オウガイは自軍の兵に命令を下し、俺たちの前からあっというまに姿を消した。
今回は何とかなったが、あんなバケモノが敵にいるとなると、これからは他の戦国乙女たちと争っている場合じゃないだろう。
 でもあいつらの目的はなんだったのか、結局何もわからずじまいだ。まあ、なんにしても皆無事でよかった。

   ○○「ふう。さすがに今日のは疲れたな。」
 ヒデヨシ「お兄ちゃん怪我してるよ!痛くない!?」
   ○○「え?ああ、そういえば・・・。怪我してたん・・・、だ、っけ・・・。」
 ヒデヨシ「お兄ちゃん大丈夫!お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

 ホッとして気が抜けた俺は、そのまま急に気を失った。ヒデヨシが泣きそうな声で叫んでいるのが、なんだか昔を思い出して懐かしくなった。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/25(月) 21:30:57 ID:U8Tu7Vvy
続きキターッ!!
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/25(月) 21:50:59 ID:u4HHJgby
キターーーーーー(゚∀゚)ーーーーーーーー!
わっふる!わっふる!
117:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/25(月) 23:05:37 ID:ZvmsiExl
>>114続き。
   ○○「おーい!ヒデヨシ〜どこだ〜?」

 またヒデヨシが政務をほっぽり出して姿を消した。最近はおとなしくしてると思ったら、油断するとすぐこれだ。
まあ、またどうせ森にでも行ってるんだ。そう思い探しにきたものの・・・。

   ○○「いないな。ふう、まあいいか。どうせ腹が減ったらすぐに出てくるだろ。ちょっと一休み、っと。」

 ヒデヨシの姿を求めて森を歩き回ったが、あいつの姿は見えなかった。そう大きい森でもないので、すぐにみつかるかと思ったのだが。 俺は一休みするべく、近くの木に背を預け腰を下ろした。

   ○○「あ〜疲れた。でもいい天気だし、ちょっとした気分転換にはなったかな。」

 空を見上げると、ゆっくりと雲が流れ、青い空がどこまでも広がっている。
周りも、鳥のさえずりや木々が風に揺られている、心地よい音しか聞こえてこない。実に静かだ。 これで世の中は戦国時代っていうんだから、信じられない。

   ○○「うちのおサルさんも、もう少し落ち着いてくれるといいんだがね。ケンシンやミツヒデみたいにさ。」

 まだ君主の座に座っていたころ、上杉ケンシンと顔を合わせことがあった。その時は、アイツの胸に目が行って会見どころじゃなかったことを、ふと思い出した。

   ○○「あの胸を惜しげもなく見せつけてくるんだから、ほんとに困っちゃったよあの時は。しかも、アッチは何も気にしてないし。」
  ???「そんなに大きかったの?」
   ○○「ああ、あれは見事なモンだったぞ?アイツと張り合えるのは、ノブナガぐらいじゃないか?」
  ???「へ〜、そうなんだ。」
   ○○「そうそう・・・、っておい!どこだ!?ヒデヨシィ!」
 ヒデヨシ「へへ〜。ここだよお〜。」
   ○○「ここって・・・。どこにもいないじゃないか?」

 ヒデヨシの声はするが、姿は全く見当たらない。木の後ろにでもいるのかと思ったが、いない。 ぐるりと周囲を見渡すが、いない。一体どこにいるんだ?

   ○○「こら、いい加減出て来い。帰るぞ。皆待ってる。」
 ヒデヨシ「仕方ないな〜。よっ、と。」

 ヒデヨシは諦めた口調でそういうと、俺の前に姿を現した。・・・・・逆さまで。

   ○○「うわ!いきなり目の前に出てくるな!驚くだろうが!」
 ヒデヨシ「なにさ、出て来いって言ったのはお兄ちゃんだよ?」
   ○○「それはそうだが。・・・・・・見えるぞ?」
 ヒデヨシ「え?きゃ!お兄ちゃんのスケベ!」

 ヒデヨシは俺に指摘されると、大慌てで着物のすそを延ばして大事なところを隠す。実際は見えてないんだが、まあいいか。
それでも、ちゃんと木の枝から足を離していないのはさすがと言うべきか。

   ○○「誰が見るかよ。で、なんで木になんか登ってたんだ?」
 ヒデヨシ「木に登るとね、いつもは見えない遠くの所まで見えるんだよ?知ってた?」
   ○○「そりゃあ、高いトコに登ってるんだ、遠くも見えて当然だろう。」
 ヒデヨシ「すごいよね〜!全然違う世界にいるみたい!」

 そう言うとヒデヨシは、遠くを眺めるように手を額に当て、目をキラキラ輝かせた。

   ○○「まったく。そんなに遠くが見たいなら、自分でデカイ城でも建てて、そのテッペンから景色を見ればいいじゃないか。」
 ヒデヨシ「あ、それいいね!よおし、おっきなお城建てちゃうもんね!」
   ○○「はあ〜・・・。あのな?城を建てるって大変なんだぞ?」
 ヒデヨシ「え〜そうなの?」
   ○○「そうなの!人手もいるし、資材に金だっている。しかも、大量にだ。」
 ヒデヨシ「ええ〜、じゃあお城造れないの?」
   ○○「今はな。でも、お前がちゃんと国を治めてしっかり仕事をこなしたら、すぐに建てられるようになるさ。」
 ヒデヨシ「ぶう〜。メンドクサイ〜。」
   ○○「しかた無いだろ。今うちは、あんまり余裕が無いんだから。」
 ヒデヨシ「ううう〜。いいもん!あたしが本気出せば、お城なんかすぐ建てちゃうもん!」
   ○○「ほほう。言うじゃないか。」
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/25(月) 23:15:49 ID:9qSJirgC
続きキター!(゚∀゚)
わっふるわっふる!(*´Д`)
119:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/26(火) 00:12:39 ID:/lCZ4oaO
>>117続き

 ヒデヨシ「へへ〜ん。お兄ちゃんじゃむりだろうけどね〜。」
   ○○「コイツめ・・・。おっと。」

 器用に身体を回転させ、イキナリ木から飛び降りてきたヒデヨシをなんとか受け止め、
そのままヒデヨシを身体の前に抱きかかえ、再び木を背に腰を下ろす。

 ヒデヨシ「お兄ちゃん〜。」
   ○○「なんだ〜?」
 ヒデヨシ「アタシを迎えにきたんじゃないの〜?」
   ○○「そうだったな〜。まあ、もう少しくらいはいいだろ。嫌か?」
 ヒデヨシ「ううん。えへへ〜。」

 木陰に座り、ヒデヨシを抱きかかえながら空を見上げる。お互い無言だが、その沈黙が逆に心地いい。
そう言えば、コイツと二人きりになるのも久しぶりだな。二人とも、入れ替わりで君主になってるから何かと忙しかったからな。

 ヒデヨシ「お兄ちゃ〜ん。」
   ○○「今度は何だ〜?」
 ヒデヨシ「あの、えっとね。お兄ちゃんと二人だけになるの、凄く久しぶりだなあって思って。」
   ○○「ぬ。」
 ヒデヨシ「お兄ちゃん、どうしたの?」
   ○○「いや、今丁度おんなじこと考えてたから、さ。ちょっと驚いた。」
 ヒデヨシ「ホンとに!」
   ○○「ほんとに。」
 ヒデヨシ「んふふふふ〜。」
   ○○「・・・気持ち悪いぞ。」

 顔は見えないが、きっとにんまり笑っているであろう声が聞こえてきた。
そして、一層身体を俺に強く預け、頭を俺の胸にこすり付けてくる。・・・・・・猫か。

 ヒデヨシ「お兄ちゃん〜。」
   ○○「またまた何だ〜。」
 ヒデヨシ「ずっと一緒にいよう、ね?」
   ○○「なんだそりゃ?」
 ヒデヨシ「い、いいの!ずっと一緒にいるの!わかった!?」
   ○○「わかったわかった。どうせ行くとこもないし、一生お前の世話になるよ。」
 ヒデヨシ「うんっ!それでね―。」

   ○○「・・・・んお?夢、か。また、懐かしい夢を見たもんだ。」

 気がつくと俺は、森の中ではなく自分の部屋の蒲団の中にいた。どうやら、オウガイとの戦闘が終わった後に気を失って、そのまま運ばれたようだ。
そんなわけだから、もちろん夢の中にいたヒデヨシも、現実では俺の腕の中には・・・・・・、いた。
120If・ムラサメ夢想:2008/08/26(火) 11:09:38 ID:Epr0OFU5
むむ、そういえば明日はバイトじゃないか…
とはいえ、ムラサメを一人にさせておくのは何かと不安だ。
もう疲れて眠いし、明日の朝考えるか…。

 ───── 朝

なんとなく寝つきが悪かった。
仮にも女の子と一つ屋根の下状態なのだから、気が気でなかったのだろう…。
しかし、朝になっても彼女は起きてこない。やはり低血圧で朝は弱いのだろうか。
とりあえずバイトのこともあるし、話をするため起こさないとな…

コンコン

俺「ムラサメ…?起きてる?」

返事はない。鍵は…かかってない。

俺「…入るよ?」

ドアを開けて中に入ると、寝苦しかったのだろう、乱れた格好で寝ているムラサメがいた。
Tシャツがまくれ、お腹が見えている…うぅ、なんと綺麗な肌か。
そして短パンから覗く柔らかそうな太もも…いかんいかん、目の保養をしている場合ではない。

俺「ムラサメ、朝だよ。ちょっと話があるから起きてよ」
ムラサメ「んん…」

寝ぼけ眼で俺の方を見て、ムクリと起き上がる。
気だるそうな感じが、また彼女の魅力を引き立てる。

ムラサメ「…女性の寝起きを、そう、見つめるものではないわ…」
俺「あ…ごめん。話があるんだ、居間で待ってるから」
ムラサメ「ん…」

部屋を後にし、彼女が来るのを待つ。
洗面所で顔を洗っているのだろうか、水の音がする。
随分と、彼女は飲み込みが早いというか…すでに色々現代のものを使いこなしている。

ムラサメ「おまたせ。話って何かしら?」
121If・ムラサメ夢想:2008/08/26(火) 11:22:58 ID:Epr0OFU5
俺「今日昼からバイト…その、働きに出ないといけないんだけど…」
ムラサメ「えーっ?」

ムラサメが拗ねたような顔をする。

俺「いや、それで、一人で大丈夫かな〜って…」
ムラサメ「いたいけな弱弱しい乙女を家に一人にしておくなんて…」
俺「そっちの世界じゃ逆でしょうが」
ムラサメ「…とにかく!」

ムラサメが顔を近づけてこちらを睨む。

ムラサメ「私は昨晩だって、この格好で寝苦しかったのよ。やっぱり着物でないと…
      それに、外だってまだ出てないのよ。色々この世界の事知りたいし…
      ということで、今日は町に出て買い物がしたいの。もちろん案内役が必要よね?」
俺「あの…」
ムラサメ「そ う よ ね?」
俺「…はい」
ムラサメ「じゃあヤスヒロはどうしてくれるのかしら?」
俺「…案内しますです」
ムラサメ「きゃ〜、嬉しい!そういう優しいところ、好きよ」
俺「え?」
ムラサメ「さ、じゃあ支度してくるから、ヤスヒロも支度なさい」

何だか押し切られてしまった。それになんか気になることを言った様な…
まぁいいや。実際一人にしておくのも気が引けたし、今日はバイトを休もう…
というより、しばらくは振り回されることになりそうだし…

俺「もしもし?えっと、昨晩祖母が亡くなりまして…え?あ、母方のですよ。
  というわけで1週間ほど実家のほうに…えぇ、父方のは先月です、はい。
  あぁ、飛行機の時間が!すいません、お願いします!はい!はい!」

ふぅ…
122If・ムラサメ夢想:2008/08/26(火) 11:50:23 ID:Epr0OFU5
シャワーの音がする。すっかり使いこなしてまぁ…。

さて、どうしたものか。いきなり電車なんて乗れるわけもないし…
やはり原付で回るのが一番だろう。馬みたいなものと考えればそれがベストか。
やれやれ、貴重な夏休みも彼女のお守りでつぶれるか…。
でも、それほど悪い気がしないのは、ナイショだ。彼女との生活は、慌しいが、悪くはない…

ムラサメ「さ、行くわよ」
俺「ん…ってその格好は」

ムラサメが着ているのは初めて会った時のチャイナドレス。
いや、綺麗で似合うんだけど、この時代をあれでうろつくのは人目を引くというか…
それにバイクに乗る時は太もも丸見えになってしまうのではなかろうか。まぁもうどうでもいいや。
気を巡らせるのも疲れる。

 ──────── 玄関

ムラサメ「あまり外は空気がよくないのね…」
俺「昔に比べたらそりゃね」
ムラサメ「町へは馬でいくのかしら?」
俺「今、馬の代わりになるもの用意するから、ちょっと待ってて。
  あ、それと言われる前に言っておくけど、あまり車道に出てると鉄のイノ…」
ムラサメ「む!鉄の猪が!面妖な…」
俺「はぁ…お約束か」

 ────────────────

ムラサメ「これに乗るのかしら?思ったより小さいけれど」
俺「うん。からくりの馬…とでもいうのかな。あと、これを被ってね。危ないから」
ムラサメ「変わった兜ね…よいしょっ…と」

野郎しか乗せてないケツに、女の子が座るなんて初めてじゃなかろうか。
思ったとおり、彼女のおみ足が…気になりすぎて事故らないようにしないとな…
チラチラ見ているとふいに…

ムラサメ「ふふ…ヤスヒロは私の足が好きみたいね?」
俺「へ!?い、いや、決してそういうわけじゃ…!ほ、ほら、出発するよ!ちゃんと掴まってね!」

ムラサメの腕が腰に回る…そして背中に…あぁ…この感触は、良い物です。

ムラサメ「きゃー!意外と早いのね!馬と違ってそんなに揺れないし、面白いわ!」

後ろでムラサメがはしゃぐたびに、足や胸が気になって気になって…
それでもなんとか無事、ショップに着いた。いつか事故ってしまうぞこれは…。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 12:39:26 ID:KMeaahzT
ムラサメキターーーー(゚∀゚)ーーーーーー!わふわふわっふる!
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 14:18:09 ID:GUsunwN1
あげとけよw
125:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/27(水) 00:38:51 ID:AZ8f73fd
>>119

 ヒデヨシは、俺の横で木にしがみつくサルのように、俺の腕にしがみついて眠っている。
その寝顔は何とも安らかで安心しきった寝顔だった。
 そういえば、コイツも一回オウガイにこてんぱんにやられているんだったな。そのあとすぐに、俺を助けに来てくれて、
しばらくはこのままにしておいてやるか、減るもんじゃないしな。
 だが、実際問題俺の身動きが取れないわけだが。もう一度寝ようにも、目はすっかり覚めてしまっている。
少し起きて色々確認したいし・・・。あれこれ考えていた、その時。

   重臣「あ、○○様。お目覚めになられましたか。お体の加減はいかがですか?」
   ○○「ああ、おかげさんでな。やられたとこはさすがに痛むけど、まあ大丈夫かな。」
   重臣「そうですか。医者も、しばらく安静にしていればじきによくなると、言っていました。」
   ○○「そっか、悪いな迷惑かけて。」
   重臣「何をおっしゃいます、当然のことですよ。」
   ○○「ん、そっか・・・。で、こいつのほうはどうなんだ?」

 そう言いながら、俺は傍らで寝ているヒデヨシの方に目をやった。ヒデヨシは、未だにスースーと寝息を立てている。

   重臣「ヒデヨシ様なら大丈夫です。たださすがにお疲れになったのか、お帰りになられてからすぐこのように。ずっと○○様を抱えていらしたので。」
   ○○「まさか、俺があの城で倒れてから、ここまで運んできてくれたのか?」
   重臣「ええ。何度皆が進言しても、『自分がここまで運ぶ!』と言って聞かなかったもので・・・。」
   ○○「そうだったのか・・・。」

 俺は再びヒデヨシの寝顔を覗き込み、寝ているヒデヨシの頭を軽くなでてやった。
ふわふわした髪の毛の感触が心地よい。ヒデヨシもなだられて心地いいのか、気持ちよさそうな寝顔を浮かべた。

   重臣「しかし・・・、どうにもお邪魔でしたね。これは失礼を。」
   ○○「うっ。べ、べつにそんなわけじゃ・・・。そ、そういえばミツヒデは?」
   重臣「ああ、ミツヒデ殿ならあの後すぐ御自分の兵をまとめ、ご帰還なされました。あ、そうそう。」
   ○○「ん?どうした?」
   重臣「ミツヒデ殿からの伝言で、『近いうちに、借りを返して貰いにお伺いするので、どうかそのつもりで。』とのことです。」
   ○○「そ、そうか・・・。(一体、何を要求されるのやら・・・。今から胃が痛いぜ。)」

 ミツヒデの意地悪な笑顔が脳裏に浮かび上がって、俺は少し気が重くなった。

   重臣「○○様、いかがなさいました?顔色が悪いようですが。」
   ○○「え?いやなんでもない!うん、大丈夫!ちょっと急に起きたからね!」
   重臣「そうですか、ならよろしいのですが。」

 ハハハハと笑ってごまかしていると、俺の隣で寝ていたヒデヨシがもぞもぞと動きだした。

 ヒデヨシ「う〜ん・・・。むにゅむにゅ、ん〜?あれえ?」
   ○○「お、悪い起こしちゃったか?」
 ヒデヨシ「ふあ〜。あ、お兄ちゃん。んん〜、おはよう〜。」
   ○○「はい、おはよう。ヒデヨシ、身体の方は何ともないか?」
 ヒデヨシ「うん。だいじょうぶだよお〜。へへへ〜。」

 まだ半分寝ぼけているのか、ヒデヨシは目を閉じたまま、俺の腕にすりすりと顔をこすり付けてくる。

   ○○「どうする、まだ寝てるか?疲れてるんだろう?」
 ヒデヨシ「ん〜、お兄ちゃんわ〜?」
   ○○「ん?俺か?まあ、俺はどっちでもいいが。一応、目は覚めちまったけど。」
 ヒデヨシ「じゃあ、起きる〜。ふみゅふみゅ。」

 そう言いながらも、ヒデヨシは俺の腕にしがみついて未だに起きる様子が無い。 
126If・ムラサメ夢想:2008/08/27(水) 01:32:06 ID:vr9teM3k
ムラサメを連れて中に入る。
ここは俺がよく来るショップだ。結構品揃えもよく、センスもいい。

店員「いらっしゃいませ〜、あ、どうもこんにちは!」

顔馴染みの店員だ。俺じゃ女の服なんてよくわからないし、俺の好みが先行してしまうので
彼女に頼むほか無い。こういうのはやはり女同士がいいだろう。

俺「こんにちは、ちょっと頼みたいことがあるんだけど…」
店員「あ、隣の方…もしかしてカノジョですか!?」
俺「ち、違うよ!その、親戚の子!」
店員「ふ〜ん、そうなんですか〜。で、頼みってなんでしょうか?」
俺「ちょっと彼女の服を見立てて欲しいんだけど…」
店員「いいですよ〜。どうもこんにちは!これチャイナドレスですか?お綺麗ですから似合いますね!」
ムラサメ「あら、ありがとう」
店員「じゃあサイズとか測りますので、こちらにどうぞ!」
ムラサメ「さいず?」
俺「身体の寸法だよ…」
ムラサメ「あらそうなの、それじゃあお願いするわ」

試着室に入っていった…。俺はどうしようかな、とりあえず手近な服を手にとって見てみる。
うっ…やっぱり女の服は値段が高いな…。頼んでなるべく安めなのを選んでもらうようにしよう…。
試着室からは声が漏れてくる。

店員「はぁ…すごく綺麗なお肌ですね…プロポーションもモデルさんみたい…」
ムラサメ「???ありがとう?」

中に入ることはできないので、いちいち近代的な言葉を訂正するのもできない。
聞き耳を立ててみるかぎり、随分話はかみ合ってないけど…
お、終わったようだ。服選びにはいったようだ。

俺「ちょっと…」
店員「はい?なんでしょう」
俺(あの…最近経済的に厳しいから…安めので見繕ってくれないかな…)
店員(わかりました、まかせてください!)

とはいえ、最終的に値段は結構なものになるだろう。そこはなんとか…なるかな…はぁ
127If・ムラサメ夢想:2008/08/27(水) 03:03:43 ID:vr9teM3k
なんだか二人でキャイキャイ騒いで色々選んでいるようだ。
数点選んでレジへ…のわっ、サンダルまで…

ムラサメ「ヤスヒロ〜、支払は御願いねっ」
俺「はいはい…」
店員「\○○○になりま〜す」
俺「…え?」
店員「\○○○ですよ〜、これでもかなり安く纏めたんですからね!」
俺「とほほ…じゃあカードで…」

 ────────────────

店員「ありがとうございました〜!」

俺「はぁ…痛い出費だ…」
ムラサメ「なかなか斬新ね、この時代の服は…。色々あって悩んじゃった、うふふ」

とても嬉しそうなムラサメの顔を見たら、文句の一つも言えなくなってしまった。
まったくもって女っていうのは得する生き物だよ…

ムラサメ「あ、着物も買わないといけないわね」
俺「う、そうだった…」

着物…まぁ浴衣みたいなもんかな。安さ重視だ。きっとユ○クロにあるだろう。
とりあえず、この多めの荷物は一旦家に置いてったほうがいいな。

荷物を持ちながら不安定な走行で家に着いた。
そして荷物を置き、一路ユニ○ロへ。

 ────────────────

俺「お、あったあった」
ムラサメ「へぇ〜、今でもこうして残っているのね…」
俺「日本のいい文化だよ…ん?」

浴衣コーナーの向こうにチラッと視界に入ったのは…下着売り場だ。
下着も買わないといかん気がする。

ムラサメ「ん〜、別に派手なのはいらないし…あ、これなんていいかも」

5分ほど悩み、ムラサメは落ち着いた柄のシンプルなものを選んだ。
部屋着みたいなもんだから特に柄っぽいのはいらないのだろう。

俺「それと…あと下着も買ったほうがいいんじゃないか?」
128If・ムラサメ夢想:2008/08/27(水) 03:31:23 ID:vr9teM3k
ムラサメ「そうそう!忘れるところだったわ…。替えが無いと困るもの…」
俺「俺はあれだから…店員さんに寸法とか測ってもらいなよ」
ムラサメ「あぁ、先刻みたいにね…。ふふ、ヤスヒロが測る?」
俺「だ、誰がっ!」

ショーツだけでなく、ブラも買ったほうがいいだろう。
ここの店員さんもムラサメの身体に驚いていた。むぅ、そんなにすごいのか…。
数点選んでレジへ。さすがユニクロ、そこそこの値段だ。

 ────────────────

家に着くと、ムラサメは買った物を持ち、小走りで俺の部屋に向かった。

ムラサメ「ふふ、今から着て見せてあげる!」

なんとも嬉しそうな…やっぱ女の子だなぁ。あぁいう姿を見ると、本当にドキッとする。
間違いなく俺はムラサメに惹かれている…だが、頭ではそれを押さえつけようとする。
なぜかは分からないが、第六感がそう告げているのか…一歩踏み切れない。
麦茶を飲みながら、ソファでそんなことを考えていると…

ムラサメ「ふふ、ヤスヒロ、ど〜お?」
俺「ん?どれどれ…ぶっ!!!」

思わず麦茶を噴き出すところだった。ムラサメが第一に着てきたのは…下着だ!

ムラサメ「どうして後ろを向くのよ…」
俺「ど、どうしてって…そんな格好を男の前で…!」
ムラサメ「あら…あなたさえよければ、好きなだけ見ていいのよ…?」

横に座り、腕を絡ませてくるムラサメ。あわわ、姉さん…事件です…。
強引に腕を振り解く。

俺「と、とにかく!普通の服を見せなさい!普通の格好を!」
ムラサメ「ふふ…わかりましたっ、と」

その後、買ってきた服を一通り着て見せてくれた。
ショートパンツやらミニやら…ムラサメの美脚が引き立つものばかり。
うむ…中々ツボをついてくる服ばかりだ。しかし本当にモデルかと見間違うほど、オーラがある…。
浴衣に関しては、着こなしもそうだが、雰囲気がやはり出ている。胸元が危なげだが…
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 23:37:19 ID:RR8S8478
ふおおおおお!!!!わっふるわっふる!!
ヒデヨシ嬢もムラサメ姉さんも最高です
モコーリしながらわふわふ続き待ってます((o(´∀`)o))ワクワク
130○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/08/28(木) 22:46:02 ID:SFSqTbD4
>>125続き。

 その後しばらく、猫のように俺の腕の中でゴロゴロしていたヒデヨシだったが、やがて目が覚めたのか大きな伸びをして自分の部屋に戻っていった。
一方俺は、まだ身体の方がしっくり来なかったので、そのまま蒲団に入り、上半身だけおこして庭を眺めていた。

   ○○「う〜む、まるで病人だな・・・。あ、現に病人か。」

 あまりに暇だったので、思わず独り言がポロポロとこぼれ出る。やることが無い。
酒も医者から怪我が治るまでは厳禁と、釘をさされてしまった。町に出ようにも起き上がると痛むので無理だ。
 そんなこんなで暇をもて余していると、不意に廊下の方から声が掛かる。

  家臣1「あ、あの・・・。○○様、今よろしいでしょうか?」
   ○○「ん?どうぞ〜。」
  家臣1「し、失礼します。」

 戸を開けて入ってきたのは、昔からうちに使えている家臣の女の子だった。
しかし、家中のものが俺を尋ねてくるなんて珍しいな・・・。一体なんだろう?

   ○○「んで?何が御用かな?」
  家臣1「は、はい。あの、そのですね・・・。」

 家臣の娘は、なにやらモジモジして言葉も歯切れが悪い。何か言いにくいのだろうか。

   ○○「うん。」
  家臣1「はい。○○様、今まですいませんでした・・・!」
   ○○「は?」

 突然、家臣の娘は畳に手をついて、俺に向かって頭を下げた。

   ○○「ちょ、ちょっと待ってくれ!イキナリどうしたんだよっ!?」

 あまりに予想外の行動に俺は思わず動揺して、家臣の娘に頭を上げるよう促す。
だが、彼女も中々頭を上げずただ謝罪の言葉を重ねている。それからしばらくして、お互い落ち着きを取り戻し、改めて彼女に話を聞く。

   ○○「それで、一体これはどういう事・・・?」
  家臣1「はい・・・。私達が長年、○○様をないがしろにしてきたことに対して、申し訳なかったと思い・・・。」
   ○○「いや、別にそれは・・・。俺が男で、主になったのがそもそも悪かったんだし・・・。」
  家臣1「いえ、それを差し引いても、○○様はご立派な主君であったと思います。ですが、やはり我らの中には男に対する蔑みが抜けず・・・。」
   ○○「でもそれが世間では普通って言うか、俺もそう思うしさ・・・。」
  家臣1「ですが、今回。単身敵に挑んでいったその勇気に、我らもただただ驚嘆しております。我々は、あのオウガイに対して、指先一つ動かせなかったのですから・・・。」
   ○○「まあ、アイツとイキナリ遭遇したら誰でもそうなるよ。俺も精一杯だったしさ。」
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 00:42:27 ID:mVlEE/Tp
ツヅーキ続々(*´Д`)
ヒデヨシもムラサメもイイヨー
わっふるわっふる!
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 03:33:22 ID:ZeDo25wE
わっふるわっふる'`ァ,、ァ(*´Д`*)'`ァ,、ァ
133名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 03:52:24 ID:hCF3PncE
キモいから死んで
134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 04:06:33 ID:QvUKUUCq
俺戦国乙女好きだけどこういう奴もいるのかと思うと微妙な気分になる
135名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 04:11:42 ID:QvUKUUCq
誤爆
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 12:02:31 ID:FdNbp+y+
>>133
キモイならわざわざこのスレくんなよ
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 12:03:28 ID:XxSSNjZ1
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 16:00:48 ID:QvUKUUCq
誤爆を誤爆してたけど、とりあえずこのスレはキモいから死ね
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 18:56:57 ID:hCF3PncE
もう我慢ならねぇキモいから死ね
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 19:19:51 ID:IPkdh4xI
おいおい、それは同属嫌悪ってやつだぜ。
つーか、キモイ奴等が集うキモイスレを、何でお前はいちいち開いては書き込んでるんだ?
それともお前は、街行く人々にも気に入らない奴がいると文句言って回ってんのか。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 20:02:18 ID:hCF3PncE
うるせえ〜♪死ね
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 20:36:01 ID:hCF3PncE
スマンやっぱり暇だからってあんた達スレを荒らしたのは謝る。もう何もしない
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 22:08:01 ID:nFaTub77
○○様 夢想様いつもながらのハイクオリティー感服ですだ

144If・ムラサメ夢想:2008/08/30(土) 10:40:01 ID:ysctIplP
その夜…

俺「はぁ…やっぱり出費がでかかったなぁ…」

ムラサメの後に風呂に入った俺は、髪を洗いながら残りの預金の事を考えていた。
親からも仕送りはきているし、2人でも暮らせるほどはあるのだが…

俺「あの調子で出費が続くと、それはそれでやばいな」

ムラサメはどうにもこちらの世界を楽しんでいるようだ。戻る方法を探している様子もない。
まぁ…ずっとこのままでも…いいかな?

 ───── そんなことを思いながら身体を洗い始めたその時…

洗面所から音がする。振り返ってみると、曇りガラスの向こうに人影が見える。
ムラサメか、歯でも磨くのかな。向き直り、気にせず身体を洗っていると…

ムラサメ「ヤスヒロ〜、入るわよ〜」  ガラッ
俺「え?えええぇぇ!?!?ちょ、ちょっと!!」

なんと俺が入っているというのに入ってきた!びっくりしてムラサメの方を向く。
Tシャツ短パン…ぜ、全裸じゃなかった…残念…い、いや、よかった…

俺「な、な、な、なんで!?」
ムラサメ「うふふ、そう邪険にしないで…。今日は沢山私に着物を買ってくれたでしょう?
      そのお礼…。背中を流してあげるわ」
俺「い、いや、大丈夫!それには及びません!!」
ムラサメ「もう…人の好意を無下にしないでよ。ね?おねがい♪」
俺「う…」
ムラサメ「ふふ、決まりっ。さ、その手ぬぐいを貸してちょうだい」
俺「あ、いや、これは…」

今まで自分が使ってた奴は、ムラサメが入ってきたときにマイサンを隠すために使用中だ。

ムラサメ「ほらぁ…渡してくれないとできないでしょう?」
俺「これはその…とにかくだめだ!洗面所にもう一つあるからそれで!」
ムラサメ「もう、面倒くさいわね…」

しぶしぶムラサメは取りに行ってくれた。はぁ…

145If・ムラサメ夢想:2008/08/30(土) 11:04:42 ID:ysctIplP
女の子に背中を流してもらえる…なんと素晴らしいことだろうか。
素直に嬉しいのだが、なんとも気が気でない。そんな俺の葛藤をよそに、ムラサメは黙々と作業をする。

ムラサメ「腕も出して頂戴。洗ってあげる」

黙って腕を差し出す。なんでだろう…
ムラサメはたまに俺に優しくしてくれる。もちろん置いてもらっているという自覚があってだろうが…
挑発的な行動もしばしばだ。その加減の不明さが俺を葛藤に追い込む。
俺は…多分彼女を好きになり始めている。いや、もう好きなのかもしれない。
だからこそ彼女が挑発的な行動を取るたび、胸がモヤモヤする。

ムラサメ「ふふ…前も洗ってほしい?」

これだ。どう考えてもからかっているようにしか思えない。
くそぅ、負けるわけにはいけない。冷静に返さねば…

俺「…いいよ、自分でやるから大丈夫。ありがとう」
ムラサメ「遠慮しないの」

そういって彼女は俺の前に腕を回してきた!

俺「わっ!?い、いいって!大丈夫だって!」

振りほどこうとしたが、手がシャワーのレバーに当たってしまい…

シャーーーーーー……

俺「うわっ!」
ムラサメ「きゃっ!」

急いでシャワーを止める。

俺「ご、ごめん!だいじょう……」

…振り向いた先には、シャワーで濡れ、Tシャツがピッタリと身体に張り付き…胸の形がクッキリと…
そして俺のその視線に気付き、ムラサメは視線を下のほうに落とす。

ムラサメ「きゃあああぁぁっっ!!!!!」
俺「ご、ごごごごごめんっ!!!!」
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 14:58:02 ID:tU8Bgvd5
(・∀・)キター
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 15:29:33 ID:534PZoNh
超展開キターー(゚∀゚)ーー!
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 19:31:36 ID:nuzIS9bp
(・∀・)キタキターwafflewaffle
俺がヤスヒロだったらその姿見た瞬間野獣になる
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:04:13 ID:E4fOSfwW
パンツ脱いで待機ち…ウッ
ハァ…
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:21:43 ID:3LdcqU7q
>>149
早すぎだろwwwwww
151If・ムラサメ夢想:2008/08/31(日) 02:40:37 ID:zr2SGaQL
ノ、ノーブラだったのか!しかも白いTシャツ…ぎりぎりtkbが見えたような…いや、きのせいか…

ムラサメ「…見たでしょう」
俺「い、いや、見てない…」
ムラサメ「うそ…見てたわ」
俺「ちょ、ちょっとだけ…」
ムラサメ「……」

ムラサメは無言で出て行ってしまった…
まずい…非常にまずい雰囲気だ…
急いで誠心誠意謝らないと…。俺は急いで身体の泡を流し落とし、風呂場を出ようとした。

 ───── が、予想だにしないことが…

視線の先の曇りガラスには、ムラサメが服を脱いでいると思しきシルエットが…
そして、扉に手をかけ…って、ええぇぇぇ!?!?

ガチャ…    ザブンッ!!

俺はどうにも逃げ場がなく、とりあえず湯船に飛び込んだ。

俺「な、な、なんで!?」
ムラサメ「濡れたままでは風邪を引いてしまうでしょう…それともあなたは濡れてしまった女性を
      そのまま放っておくのかしら?」
俺「いや、もちろんそんなことはない!でもせめて俺があがってからでも…!」
ムラサメ「…いいのよ?好きなときにあがって…ふふ…」

俺は今手に何も持っていない…このまま上がるとまずい…というか、それ以前に
ムラサメがいる状況で手探りでここを出るのは不可能だ。
それに、ムラサメのあんな姿、そして意外な反応…あれを見せつけられて、下半身が元気に…
上がるに上がれない!まさかムラサメは知っててこんなことを…!
くそぅ…耐えるしかないのか…。すると、ふいに背後に近づく気配が…

ふいに目の前が暗く…これはタオル…?目隠しをされてしまった。

俺「あの…これは…?」
ムラサメ「念のため…よ」
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 03:14:40 ID:yVuP26Bj
(゚∀゚)ムラサメ!オッパイ!
153If・ムラサメ夢想:2008/08/31(日) 03:34:49 ID:zr2SGaQL
念のためね…。暗闇の中、横ではシャワーの音がする。
少し浴びたらあがるだろう、それまではとりあえず我慢だ。

しかし、こう目隠しをされていると、横で繰り広げられているであろう状景をつい想像してしまう。
いかんいかん…また…。白い入浴剤が入ったお湯で助かった。

お、シャワーの音が止んだ。やっと開放される…。
そんなに怒っていたわけではなさそうだけど、ちゃんと謝っておいたほうがい

チャポン

…ん?

ムラサメ「ちょっと…もう少し詰めなさいよ」
俺「な、なんで入って来るんだよ!」
ムラサメ「あら、せっかく入るんだから湯船につかりたいと思うのは当然でしょう?ほらぁ、早くぅ」
俺「ちょ、ちょっと…まずいって!色々と!」

結局向かい合う状態になった。
目の前には、一糸纏わぬ姿のムラサメがいる…足を延ばせば触れ合う距離に…
そう考えるだけで、下半身は収まりが効かない…。

と、左足に違和感が…触られている…!これは、指?足の指かっ。両足で触られているのか!?

俺「む、ムラサメ…?」
ムラサメ「ふふ…すねの毛がすごぉい…」

絶妙な足技というべきか…徐々に上へ昇って来る。すねを通り越し、ひざ…
つーっとすべるように俺の足を刺激してくる。
ひざを通り越し…まずい…腿に来た…ここから先は…
危険を感じ、俺は手で、ムラサメの足の侵攻を防ぐ。

俺「だ、ダメだって…」
ムラサメ「そう…残念」
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 05:49:19 ID:JW59sm+A
またキター(・∀・)
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 09:51:00 ID:yVuP26Bj
(゚∀゚)ムラサメ!足コキ!
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 14:40:59 ID:VsNN2qx6
イエヤスが弱そうなので強くした

=前線=
イエヤス「本陣!『タダカツ』を射出してください!」
足軽「了解!」

=本陣=
足軽「接続確認!射出準備完了!」
足軽「徳川絶対防衛機動甲冑「タダカツ」発射!」
足軽「イエヤス様に、届けぇ!」



=前線=
足軽「タダカツが射出、到着されました!」
イエヤス「葵絶対防御壁・・・展開!」
そして、イエヤスの周りに防壁が展開される。
イエヤス「徳川家の守り神・・・タダカツ!装着!」
そして、「タダカツ」がイエヤスの体に装着されていく。


イエヤス「徳川イエヤス強化装備「本多タダカツ」・・・起動完了!」
今、この乙女達の戦場に降り立った「戦国最強」を欲しいままにする―
それこそ榛名に匹敵する力を持つ最強の力―
その名は―本多タダカツ!




俺「なーんて事、出来ないかな?」
イエヤス「無理です・・・」

いろいろとごめん
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 05:57:06 ID:K8R7qSVh
ムラサメわっふる!!!!!!!!
超ボッキしたイヤ━━━━(*´∀`)━━━━ン!!!!
ヤスヒロよ・・・・・・目隠しタオルを取って野獣と化せ
今なら抜き身の棍棒握り締めて戦国武将と渡り合えるはず!
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 21:05:44 ID:EsdfcfRB
ムラサメキタ(・∀・)キター
わっふるわっふるパンツ抜いで楽しみ待ってますぅ・・・・・ゥッ
159If・ムラサメ夢想:2008/09/02(火) 01:22:04 ID:BjldfOQ0
まったくスレとは関係ないんだけど、今日ムラサメ様が2回もヒデヨシで倒れてくれた。
我はヤスヒロ!覚悟しろ!って心の中で毎回唱えてる甲斐があるというもの。
オウガイの時もかなり倒れてくれた。愛の力とは偉大なものです。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 03:06:46 ID:6CAIR0og
>>159
貴殿ほどの愛を持つ武士もなかなかおりますまい!
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 08:20:30 ID:9aOPTH5Y
>>159
愛深き故にオウガイもムラサメもやられてくれたんだお( ^ω^)bグッジョブ
162If・ムラサメ夢想:2008/09/02(火) 11:08:04 ID:BjldfOQ0
残念って…どういう意味だ。どういう意味だああぁぁ…
暗闇の中思考を巡らせていると、ふいに手を伸ばされた気配がする。
瞬時に目の前に光が戻ってきた。目隠しが…外れた?

俺「っ……あ……」

目の前には、小悪魔のような笑みを浮かべた、ムラサメが…
胸はぎりぎり見えないくらい湯船につかっているが、その大きさゆえか、かなり浮いている。
雪のように白く美しい肌、濡れた髪、柔らかそうな唇、そして谷間に目が釘付けになる。
いけないことだとわかっていても…全てに触れたい衝動が胸の底から魑魅魍魎のように湧き上がって来る。

ムラサメ「ふふ…」

ムラサメはただ静かに笑みを浮かべ、俺の反応を楽しんでいる様子だ。
目が合ったまま、時間が過ぎていく。心臓が湯船に波紋を起こすかと思うほどにバクバクいっている。
こんなの…我慢できるわけがない…!だけど、ここで手を出しては…!

ムラサメ「あらぁ?ヤスヒロ殿は、これをどうしたいのかしら…?」
俺「え…?あっ…」

気持ちとは裏腹に、俺の右手が勝手に水面に浮かび上がっていた。
ムラサメはその手を両手で優しく包み込み、自分の胸のほうにグイと引っ張った。

ムラサメ「いけない右手…どこかを触りたがっているのかしら…」
俺「そ、そんなつもりは…」
ムラサメ「あら…?血が出ているわ」
俺「え?」

見ると、確かに人差し指の第一関節あたりがうっすらと切れている。
さっきシャワーのレバーに手が当たった時に、切れたのか…。
するとムラサメが手を顔の前まで持ってくると、口をあんと開けた。まさか…まさかっ!!

ムラサメ「ちゅ…んむ…」

姉さん、事件です。ムラサメが血を吸い始めました。
くっ…温かい口の中で、人差し指が、心地よい刺激を…舌が絡まって…
指を咥えている間、ムラサメはこちらをじっと見ている。

もう…もう我慢の限界だ!いたずらにしては限度がある!本気にして…本気になっていいんだな!?
俺はもう迷わないぞ!溜め続けたムラサメへの想い、全て解き放ってやるっ!!
163名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 11:14:56 ID:NGb1WFdw
指ちゅぱ保守
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 12:40:11 ID:gCmWLtb4
まさかの時間帯に(・∀・)キター
165名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 12:45:32 ID:9aOPTH5Y
夢想さんキタキタ(・∀・)キタキターー!!!!!!!!
夢想さん・・・・オレオウガイに惚れたけど・・・・・ムラサメに浮気しそうです・・・・ウッ
オウガイ許しておくれ
ヤスヒロ!!今こそ突撃の時だ!
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:09:57 ID:IZ8IJwyl
(゚∀゚)ムラサメ!指チュパ!





この先はエロパロ板になるのか!?
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 21:40:18 ID:9aOPTH5Y
>>166
エロパロ見てきたがまだなかった
こちらかあちらのどちらにカキコされるかわくわくボッキする
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 00:01:00 ID:1Wj/pFeW
超展開キタ━(゚∀゚)━!
妖しい魅力たっぷりのムラサメ様に弄ばれたい
169If・ムラサメ夢想:2008/09/03(水) 11:14:17 ID:ojaHojFO
ムラサメ「ん…はぁ、これで大丈夫ね」
俺「あ、ありがとう…」

あぁぁぁ!!!とはいえ、いざやってやるとなると、勇気がでないいいいぃぃ……

ムラサメ「…目瞑って…」
俺「…え?」
ムラサメ「いいから…瞑って…」
俺「は、はい!!」

な、何をされるんだろう…弱気な俺を見かねて、まさかあっちから…!
首に腕が回される感覚が…あぁ!やっぱり!かもんかもん!
…あれ?また目隠しされてしまった。

ムラサメ「お先に〜」

ですよね。はぁ…ここまでされて何もできないなんて…情けなさ過ぎる。
ムラサメが吸ってくれた人差し指をじっと見る。…いやいや、ここで舐めたらただの変態だ。
大体まだ彼女と出会って二日目だ。
エロゲじゃあるまいし、そんな早く俺に好意を寄せるわけがあるわけない。
高飛車な彼女の性格ゆえのただのイタズラで、本気にしたらきっと痛い目を見るんだ…。

 ─────────────────────

それからというもの、ムラサメのイタズラ?は毎日のように続いた。
街に出れば、胸に腕が当たるほどに腕を絡ませてみたり、無防備な格好で家をうろついたり、
風呂に飛びこんでくるのもしょっちゅうだ。完全に俺の慌てふためく姿を楽しんでいるといった様子だ。
そしていつもギリギリのところでヒョイとあしらい、俺を欲求不満にさせる。
自慢じゃないが、ムラサメが来てから一回もアレはしていない。オカズにするのもマズイし…。

そんなこんなで10日は経った。ムラサメに付きっきりだったため、友達にも中々会えない。
榛名のほうもウンともスンともいわない。強く念じてみたりだとか、バルスと唱えたりしてみたが、全くダメ。
彼女もこちらの世界にすっかり馴染んできたし、戻るつもりがないのだろうか。
それでもたまに、夜にお酒などを飲んでいるときに、ふっと寂しそうな顔を見せるときはある。

もうすぐ夏休みも終わりに近づく。ここらで今後どうするかちゃんと話し合わないといけない。
170If・ムラサメ夢想:2008/09/03(水) 11:49:20 ID:ojaHojFO
 ─────── 夜

ムラサメは、俺が膝枕をしている状態でソファーに横になってテレビを見ている。

ムラサメ「このシュウゾウって男はどうにも暑苦しいわね」
俺「ムラサメ…これから先どうするんだ?」

ムラサメはテレビに向けていた顔をこちらに向けた。

ムラサメ「どうするも何も…戻る方法がわからないんですもの。このままいるしかないでしょう?」
俺「…いいの?元いた時代の事は…」

ムラサメは起き上がり、俺の顔をじっと見る。

ムラサメ「それは戻れるものなら戻りたいわ…」
俺「じゃあなんで…」
ムラサメ「ん〜、あなたがここにいるから…じゃ駄目?」
俺「またそうやって…俺をからかうにもいい加減にしろ!!」

散々じらされて、鬱憤が溜まっていたのか、つい声を荒げてしまった。
ムラサメはキョトンとした顔をしている。

俺「毎度毎度、そうやってからかって…じらされる俺の身にもなってくれ!!」
ムラサメ「…」
俺「こっちはこんなに好きなのに、何でもそうやって気があるふりを……あ……」
ムラサメ「ふふ、今なんて言ったのかしらぁ?」

や、やばい!つい興奮して…。えぇい、ままよ!どうにでもなれ!

俺「す、好きって言ったんだよ!!頭の中でムラサメの事しか考えられないくらい、好きになっちゃったんだよ!!」

ハァ……ハァ……い、言ってしまった……。やばい……心臓が破裂しそうだ……。
ムラサメは…うっ…キョトンとしてる…ま、まずい…。

俺「ご、ごめん……何でもない……忘れてくれ…と言っても忘れられないだろうけど…はは…」
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 12:38:05 ID:J8TyKk8D
(゚∀゚)バルス!


           w
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 14:20:39 ID:SXuX827n
修造ww
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 14:25:07 ID:X4MUdquX
MURA(・∀・)SAMEキタキター!!!
まさかバルスが出るとは思わなかったw
ムラサメ嬢の反応が気になってしかたがわっふる
さり気なくエロパロに移行も期待中
174If・ムラサメ夢想:2008/09/03(水) 17:37:42 ID:ojaHojFO
ムラサメ「はぁ〜…」

ムラサメが長い溜息をつく。ま、まずい、向こうはそんな気はないのか…
そうなるとこれから先の生活が非常に気まずい…

俺「ほ、本当に何言ってるんだろな、俺…ごめん、気にしないで…」
ムラサメ「…鈍すぎるのよねぇ」
俺「へ?」
ムラサメ「鈍すぎるって言ったの!本当にもう…男色なのかと思ったわ…」
俺「そ、それって…」
ムラサメ「…好きでもない男に、あんなことするわけないでしょう?」

少し頬を染めて横を向くムラサメ。も、もしかして本当に…!?

ムラサメ「もう一度…女はちゃんと口で言ってもらわないと安心できないの」
俺「す、好きだ!大好きだ!俺はムラサメが大好きだ!」

ムラサメは満足そうに頷き、俺の首に腕をかけた。
ムラサメの美しい髪、整った顔、柔らかそうな唇、綺麗な瞳…全てが目の前にある。

ムラサメ「私も好きよ、ヤスヒロ…でもまだまだ足りないわ。今度はしっかりと態度で示して頂戴」

そう言ってムラサメは目を閉じる。ほのかに染まった頬が、俺の興奮をさらに加速させる。
俺は彼女のきゅっと閉じられた唇に、自らの唇を重ねた…。
よかった…本当によかった…俺の早とちりじゃなくて…。
唇を離すと、ムラサメはニッコリ笑って…

ムラサメ「私の初めての接吻をあげたのよ…光栄に思いなさい」
俺「え…?は、初なの?でもあんなに手馴れて、というか経験豊富そうだったのは…」
ムラサメ「そ、それは戦国乙女として、男になめられまいと思って…知識ぐらいあるわよ」

恥ずかしそうに顔を背けるムラサメ。か、かわいい…!可愛すぎる!
想いを遂げられたことで安心しきったためか、もう一つの欲望が首をもたげてきた。
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 17:53:30 ID:5KpmYe9A
+   +
  ∧_∧  +
  (0゚・∀・) ワクワクテカテカ
  (0゚∪ ∪ +
  と__)__)   +
176名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 18:22:25 ID:J8TyKk8D
(゚∀゚)接吻!ベラ噛み!
177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 19:57:06 ID:X4MUdquX
欲望が首をもたげるというより、亀が鎌首もたげていきり立ってるんだろうなぁ・・・・テラ(´・ω・)ウラヤマシス
続きをわっふる! 夢想さんいつもグッジョブ!
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:02:03 ID:toMdnVXq
マサムネ魚を捕るの巻

マサムネ「・・・よし我があの魚を捕ってやる」
ヒデヨシ「マサムネちゃん頑張って!」
マサムネ「とーるーぞぉー」
ケンシン「マサムネ殿すごい気合だ・・・」
マサムネ「どりゃああああああああああ」
ヒデヨシ「うわぁ〜マサムネちゃんが溺れているよ!!!」
ケンシン「早く引き上げないと!」
179If・ムラサメ夢想:2008/09/04(木) 01:51:43 ID:3ajMCVTy
俺「む、ムラサメぇ!!あ、あら?」

我慢できずに押し倒そうとしたものの、さっと身体を入れ替えられ、逆に押し倒される形となった。
さ、さすがは戦国武将…体術はお手の物か。

ムラサメ「ふふ、あまりがっつくと嫌われるわよ…?」
俺「い、いやぁでも…ずっと我慢してたから…」
ムラサメ「もう…しょうがないわねぇ…」

言うや否や、ムラサメは髪をかき上げ、俺ともう一度キスをした。そして耳元で囁いた。

ムラサメ「ヤスヒロ殿は何をお望みかしら…?」

妖艶な笑みの少し下には、今にもこぼれそうな胸の谷間が…顔をうずめたい、揉みしだきたい…
ストレートに言ったら引かれるようなことばかりが脳内を駆け巡る。
というかもう全部だ!ムラサメを味わいたい!

俺「そ、そりゃぁもちろん、一つしかないよ。ムラサメの全てが欲しい」
ムラサメ「もう…欲張りさん。それでここをこんなにしてるのね?」
俺「う、うあぁ…」

膝で股間をグイグイされた。すでに俺の軍旗は擬似3青だ。こうイジられては今にもスピンフラッシュしそうだ。

ムラサメ「いいわ、今はそういう気分ではないけど、特別にしてあげる…」

おもむろに俺の半パンを脱がしにかかる。
あわれ、我が大剣役物はクーラーの効いた涼しい室内へとその姿を晒してしまった。

ムラサメ「これが…本物の…こ、こんな風になってるのね…」

う…、まじまじと観察しないでくれ…思わず顔を手で覆いたくなるような光景だ。
あぁっ!さ、触った!ムラサメが俺のじぇのさいど瓢箪を…!待ち焦がれた瞬間だ。
ムラサメは興味深そうに触ったり眺めたりしている。
そんな風にされるだけで、今にも朱雀剛爆砕してしまいそうだ。

ムラサメ「確か…こう…こういう感じで…」

俺の丸太矢を右手で握り、上下に乙女スベリし始めた。
や、やばいほどに合戦モード!1週間以上我慢してた甲斐があるというものだ。つづく。
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:52:02 ID:spUXIqal
>>179
例えが乙女の演出すぎて腹筋痛いよww
わっふるわっふるw
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 03:30:51 ID:OJ+8srWi
>>179
随所に必殺技やら其の他諸々混じっててワロタwww
それと同時にボッキした(*´Д`)/ヽァ/ヽァ
続きキボン!!
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 06:55:36 ID:h8rVEgE9
何かわざとらしいエロと技とか萎えるわ
無いわ
有り得ないわ
冷めるわ
嫌だわ
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 08:27:11 ID:pAxlIKp9
やばいほどに合戦モードwwwww腹いてぇよwwwwwwww
184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 12:38:57 ID:0P0GYW5S
(゚∀゚)手コキ!暴発!1セット!
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 12:40:08 ID:AwJGkfe8
>朱雀ry
ムラサメ倒す気かwww
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 12:46:02 ID:OJ+8srWi
>>182
(オマエガクウキヨメテネーヨ…)○0o。( ´ー`)♂‖空気‖   ●Д゚,,)<カラケ
(・∀・)カエレ!!(・∀・)カエレ!!(・∀・)カエレ!!
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 15:11:38 ID:pAxlIKp9
↑スルーした方がいいと思うんだ。うん。
188If・ムラサメ夢想:2008/09/04(木) 18:09:38 ID:3ajMCVTy
その後、居間で1発、風呂場で2発乙女アタックしてもらい、俺はムラサメと同じベッドで心地よい眠りについた。

次の日起きると、榛名がお約束どおり光り輝いていたので、触ってみるとなんと二人とも戦国時代へタイムスリップ!
ムラサメはなんとなく喜んでいたけど、俺は落胆。文明レベルが下がると、人間やる気が出ませんね。

でも、なんやかんやでムラサメの側室となり、天下統一へ向けて頑張る毎日です。

俺はようやく昇り始めたばかりだからな、この果てしなく遠い乙女坂をよ…


              _______
         / (::゚:)(::゚:)(::゚:)(::゚:) ?/\
        /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\/
          |  愛媛みかん │ |
          |_______|/
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 18:56:29 ID:0P0GYW5S
乙女アタックの内容をエロパロ板にてkwsk希望
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:02:10 ID:FP7OrrD2
次はアレか、
榛名の聖闘士たる8人の乙女達が繰り広げる戦いを描いた作品だな。
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 21:50:06 ID:0P0GYW5S
エロパロ来てたー!(゚∀゚)
夢想さん、gj!
甘打ってる時に見てニヤニヤ、ムラムラ状態だったw
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 22:48:01 ID:ixBPhafm
エロパロ板ってどこさ('A`)
193コタロウちゃんぷるー:2008/09/05(金) 01:25:52 ID:VM6dcWa1
>>25
オウガイ「ふむ…しかし珍しい拾い物をしたものだな」
コタロウ「行く宛てもないそうですし、どうですか?ここに置いてあげては」
オウガイ「別に構わぬが…

シュッ!!ガシャン!!

巻戻し <l<l

コタロウ「きゅるきゅるきゅるきゅる〜きゅるきゅるきゅるきゅる〜」

カシャン

再生 l>

コタロウ「行く宛てもないそうですし、どうですか?ここに置いてあげては」
オウガイ「ん〜…置いてやりたいのも山々だが、近頃志願兵が多くてな…。
      そやつを置いておく余裕がないのだ。どうだ?コタロウ。お主の所なら余裕もあろう」
コタロウ「えぇ、ボクのところなら確かに…ちょうど人手も欲しいと思っていたところですし…
      ヤスヒロさんも…それでいいですか?」
ヤスヒロ「え?あぁ…うん、置いてくれるなら、まぁどこでも…」
オウガイ「すまんな、コタロウ…では我は仕事が残ってるのでこれで失礼する」

 ─── そんなわけで、ヤスヒロさんはボクのところに居候することになりました。

ヤスヒロ「しかし、馬はどうも乗り心地が…揺れるし」
コタロウ「ふふ、そのうち慣れますよ。もう少し飛ばしますね?しっかりつかまっててください!」
ヤスヒロ「うわっとと…」
コタロウ「きゃあっ!ど、どこ触ってるんですか!」
ヤスヒロ「ど、どこって…男同士なんだし、胸ぐらいなんとも…」
コタロウ「男同士って…ボ、ボクは女です!確かによく間違われますけど…!」
ヤスヒロ「ふぇ?あっ…ご、ごめん!!」
コタロウ「うぅ〜…今に見返すほど成長するんですから!」
ヤスヒロ「ご、ごめんって…」

はぁ…先行き不安です…でも、何だか憎めない人…根がいい人なんでしょうね。
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 02:54:22 ID:qAiaLdOc
ちゃんぷるー吹いたww
しかし続きがあるなら期待したい
わっふるわっふるw
195コタロウちゃんぷるー:2008/09/05(金) 08:44:52 ID:CNsEtFXh
城に着いたボクは、まず家臣たちに彼を紹介した。

コタロウ「みなさん、えっとこの人は、行き倒…」
家臣「きゃー!私たちのコタロウ様に近づきすぎよ!」
ヤスヒロ「うわっ!なんだなんだ?」
コタロウ「怪しい人ではないので…」
家臣「十分妖しいですよ!この奇妙な出で立ち!どこが妖しくないんですか!」
ヤスヒロ「随分ひどい言われ様だな…」
コタロウ「ボクが保証します」
家臣「コタロウ様がそこまで言うんなら…わかりました。客人として丁寧に扱わせて頂きます」

ふぅ…何はともあれ彼女たちの許可もおりたし、一安心かな。
でも彼女たちの言うことも最もだ。確かにこの格好では…あ!そうだ!

コタロウ「ね、ヤスヒロさん。こっち来てください」
ヤスヒロ「ん?」

 ──────────────────────

彼女に連れられ、城内を歩く。
見たところ、街の中には男はいっぱい普通にいたが、城内は女だらけ…
あのオウガイとかいう人の城でもそうだった。何かとこの時代は変な事が多い。

前を歩く小さな背中…コタロウはこんな小さいのに立派に城主を務めているようだ。
俺も見習ってちゃんとしないと!来てしまったものはしょうがない。ここで暮らしていく決意をしなければ…

そんな事を考えていると、とある部屋の前に着いた。

コタロウ「ここがボクの部屋です。い・ち・お・う、女の子の部屋ですから?覗かないで下さいね」
俺「う…そ、そんな根に持たないでよ…」
コタロウ「ふふ、ちょっといたずらしただけです。あ、でも本当に恥ずかしいので見ないで下さいね…」

そう言って中に入り、1分ほどして戻ってきた。手には…これは着物?

コタロウ「その格好では珍しがられると思いますので…これを着てみてください」
俺「これは…?何で男物の着物がコタロウの部屋に…」
コタロウ「…父上の着物です」
俺「父上…そういえば、ご両親は?コタロウに国を任せて隠居でもしてるの?」
コタロウ「父上も母上も、早いうちに亡くなりました」
俺「あ…そ、そうだったのか…ごめん…無神経なこと聞いて…」
コタロウ「ううん、いいんです。さ、着てみてください」
俺「ってことは…これは父上の形見ってこと?…俺みたいのが着るなんて悪い気が…」
コタロウ「そんなことないですよ。ずっとしまっておくままより、使ってくれた方が父上も喜びます」
俺「…そう?じゃあお言葉に甘えて…」
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 15:13:21 ID:WtFh7G68
シフトチェンジ発動!俺とヤスヒロの位置を変えさせてもらうぜ!
197名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 15:56:55 ID:ZNGxA0Wl
巻き戻し音が、コタロウ音声だから確確だwww
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 11:07:20 ID:CgbuEJqa
保守
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:55:13 ID:giTVl2gR
近くの客間で着物に着替える。おぉ、ピッタリだ。
しかし、コタロウはあんなに幼いのに、両親を失っているとは…。戦や病気で亡くなったのだろうか。
まぁ、あまり詮索するのは悪いし、話題にはしないほうがいいだろう。

 ────────────────────

コタロウ「わぁ、大きさも丁度いいですね。ふふ、まるで父上を見ているみたいです」
俺「ま、まだそんな歳じゃないんだけどね…。コタロウからすれば、兄ぐらいのもんか」
コタロウ「兄上ですか…。ボクは一人っ子だったので、年上の兄姉が欲しかったんです」
俺「よし、じゃあ俺のことを兄上と思って…」
コタロウ「気が向いたらそうしますね、ふふっ」

笑顔でやんわりと…さすがは幼いながらも一国の主…手強いぜ。

コタロウ「さて、それではヤスヒロさん…」
俺「ん?」
コタロウ「あなたには実感が薄いでしょうが、今は戦国の世…いつ如何なる時も死と隣り合わせに
      あるということを、心に刻み込んでおいてください。それでもここは安全なほうですが…」
俺「…うん、わかったよ…」
コタロウ「本来ならお城で男性が働くことは稀なのですが…せっかくなのでしっかりと実務についてくださいね。
      臣下を含め、皆さんにはボクのほうから説明をしておきます」
俺「何から何まで悪いね…ありがとう…」
コタロウ「ふふ、きっとこれも何かの縁です。これからよろしく御願いしますね、ヤスヒロさん」
俺「こちらこそ、よろしく。コタロウ…様って呼んだ方がいいのかな?」
コタロウ「コタロウ、で構いませんよ。…特別ですからね?」
俺「そ、そう?じゃあよろしくね、コタロウ」
200コタロウちゃんぷるー:2008/09/08(月) 01:32:20 ID:giTVl2gR
その後、広間でこちらの世界の情勢など色々と教えるというので、家臣やら皆が集まり会議が始まった。

家臣1「今この国では、天下を統一するため、各国の武将達が鎬を削る争いが行われています」
コタロウ「ボクと、先程も会ったオウガイ…そして彼女の親友であるムラサメ…この3人は同盟と
      いう形を取っています。国も近いですし、何より同じ志を持っていますからね」
俺「同じ志というと…?」
コタロウ「平和を望む心です。覇権を握ることより、ボクにとっては重要なことです」
家臣2「ですから、オウガイ様を中心として、力で支配しようとする各勢力に対抗しようというわけです」
コタロウ「その敵勢力ですが、豊臣ヒデヨシ、上杉ケンシン、徳川イエヤス、今川ヨシモト、武田シンゲン
      伊達マサムネ、織田ノブナガ、明智ミツヒデ…の八勢力が主な勢力です」
俺「どっかで聞いたような名前ばっかりだな…」
コタロウ「彼女ら乙女武将達は互いに覇権争いをしているので、それぞれが独立勢力となっています。
      特に上杉と武田などは犬猿の仲ですね」
家臣3「冷静な勢力分析…さすがコタロウ様!可愛いです!」
コタロウ「はわっ!?」

どうも見ている限り、コタロウは家臣たちから絶大な?人気があるようだ。
人望があるというか…マスコット的な人気というか…

コタロウ「コ、コホン…えっと、それでも近頃は状況が変わってきています。ヒデヨシとイエヤスが
      手を組んだり…まぁあそこは元から仲がよかったのですけども…」
家臣1「他にも、明智が織田についただの…こちらは噂の域を出ませんがね」
俺「なるほど…それでも何か起こった場合の対抗策としての同盟か」
コタロウ「まぁ、そういうことです」
家臣2「それでもコタロウ様の軍師の腕なら、負けることはまずありません!」
俺「へぇ…軍師としての才能があるんだ。すごいなぁ」
コタロウ「そ、そうですか…?まだまだ未熟ですけどね…。とりあえずはこんなところでしょうか」
家臣3「コタロウ様…大事な事が一つございますよ!」
コタロウ「あ、そうでした!えっと…もちろん覇権争いの為に何度か戦が起こるのですが、それとは別に
      各武将で争っているものがあります」
俺「それは…?」
コタロウ「『榛名』と呼ばれる伝説の勾玉です。これを手にすると、強大な力を以って、天下を
      我が物とすることができる…と言われています」
家臣1「我が国でも、榛名に関する研究を盛んに行っているのです」
俺「へぇ…そんなものがあるんだ」
コタロウ「もちろん伝説ですので、その存在は定かではない…ですが、歴史上必ずその時代時代に
      現れていると、実しやかに言われています」

ふむふむ…何となくこの時代の事がわかってきた。平和ボケした俺には酷な世界かもしれないが
腹をくくるしかないようだ。
201コタロウちゃんぷるー:2008/09/08(月) 18:53:38 ID:giTVl2gR
1週間ほど城で雑用をしていた俺は、なんとか皆と馴染むことができた。
最初は男だということで不審に思ってか、中々話しかけても答えが鈍かったが
今では和気藹々と仲良くしている。特に大きな事件が起きるでもなく、日々安寧の中を過ごしていた。

ある日、コタロウがオウガイの城に行くのに、付いてこないかと誘われた。
自慢ではないが、俺は1週間のうちに馬を何とか乗りこなせるようになったので、即決した。

コタロウ「まだまだですね!置いていきますよ〜!」
俺「ちょ、ちょっと待ってくれよ〜…」

コタロウは俺にとても優しく接してくれ、ほとんど一緒に過ごしていた。
そんな生活を続ける中で、俺はコタロウに対し、ある種の感情が芽生えようとしていた。
妹としてか、それとも一人の女の子としてか…それは俺の中でもまだわからない。
ただコタロウといるだけで幸せな気持ちになれる…それだけは確かだ。あっちはどう思っているか知らないけども。

馬に乗り、はしゃいで俺をおちょくるその無邪気な笑顔に、自然と笑みがこぼれる。
戦も起こらず、ただ平和にコタロウと暮らせればいいな…そんなことを思いながら馬を進めた。

 ────────────────────

オウガイ「おぉ、お主は…久しぶりだな。すっかり馴染んでいるようだな」
俺「はは、おかげさまで…」
???「あら、この男が例の…?」
俺「ん?」

聞いたことのない声が…なんと艶やかな声だろう。声の主を確認する為に振り向くと
そこには見目麗しい女性が壁に寄りかかってこちらを見ている。

俺「あの…」
???「初めまして…。私はムラサメ。以後よろしくね」
俺「あ、あぁ…お、俺はヤスヒロ…君がムラサメか…よろしく…」
コタロウ「むぅっ」

正直俺は彼女の姿に見とれていた。

ムラサメ「ふふ、そんなに見つめないで。コタロウに怒られてしまうわ…」
俺「へ?」
コタロウ「な、何を言ってるんですか!ボクは別に…怒ってなんか…!」

顔を真っ赤にして反論するコタロウ。
どうしたんだろう?熱でもあるのかな?
202名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 21:42:58 ID:w9le1Nvm
コタロウかわいいなー。
わっふるわふわふ!
203コタロウちゃんぷるー:2008/09/09(火) 09:37:08 ID:/tYfFEeY
俺「そういえば、今日はこっちに何をしに…?」
コタロウ「あっ、そ、そうでしたね…こっちです。行きましょう!」
ムラサメ「あらあら…」

コタロウは俺の手を握り、引っ張っていく。
彼女の暖かい小さい手が触れただけで、ドキッとする。
手を繋いだのなんて初めてじゃないか…?

連れてこられた先は…あ、こいつは確か…初めてコタロウに助けてもらった時に…

コタロウ「シロ〜久しぶり〜!」
シロ「わんわん!!」

なんとも仲睦まじいことで。コタロウがシロを愛しそうに抱いてるのを見ると、ほのぼのした気分になる。
しかし、もしや用事というのは…

コタロウ「さ、お散歩に行きましょう!」
俺「やっぱり…」

 ─── 城の周りを二人で並びながら散歩をする。コタロウの歩幅に合わせるのも一苦労だ。
シロは俺たちの周りを駆け回ったり、蝶を追ったりしてはしゃいでいる。

コタロウ「…こうやって散歩するのもたまにはいいですよね」
俺「シロはそんなに散歩してないのか?」
コタロウ「もう…違いますよ。シロだってオウガイがちゃんと散歩させています」
俺「ふ〜ん、オウガイがねぇ…」
コタロウ「そうではなくて…その…ヤスヒロさんのことです」
俺「おれ?」
コタロウ「最近、働き尽くめだったでしょう?こちらに来て日が浅いというのに…。ですから
      たまにはこうやってノンビリ過ごしてもらいたいな〜って思って…」
俺「コ、コタロウ…優しいんだね、ありがとう」
コタロウ「べ、別に特別扱いしてるんじゃないですよ!部下の健康管理は城主として当然の行いですから!」

再び顔を真っ赤にして反論するコタロウ。
おぉ…この時代にもツンデレという文化があることに感動した。
デレて…くれてるのだろうか?
204コタロウちゃんぷるー:2008/09/09(火) 11:22:18 ID:/tYfFEeY
帰りがけ…

俺「お、昼だというのに満月が…」
コタロウ「あ、本当ですね〜…珍しいです」
シロ「わお〜」

すると見上げた空に蝶が横切り…

カラス「カァ〜!」
コタロウ「うわわっ!?とっとっと…むぎゅっ!」

コタロウはスベッて転んでしまった。カラスの声に驚き、石にでもつまづいたのだろうか。
これは前方不注意にさせてしまった俺が悪い。

コタロウ「いてて…」
シロ「わふ?」
俺「ご、ごめん、俺が空を見上げさせちゃったもんだから…」
コタロウ「だ、大丈夫です…」
俺「む、血が出てるじゃないか!ちょっと水かけるよ…」
コタロウ「んっ…!」

持ち歩いていた水筒の水をかける。ただ、膝をすりむいただけみたいだな。
てぬぐいで巻いて…と。

俺「よし、こんなもんかな。よいしょっ」
コタロウ「はわっ!?ヤ、ヤスヒロさん!?」

俺はコタロウを抱き上げた。いわゆるお姫様抱っこだ。まぁ姫ではなく武将だが…。
やっぱり小さいだけあって軽いもんだな…それに柔らかい…。

コタロウ「は、は、恥ずかしいですよぉ!」
俺「部下として、怪我をなさった主君を歩かせるわけにはいけませんから?当然の行いです…」
コタロウ「は、はうぅ…もう…」
シロ「わんわん!!」

コタロウは耳まで真っ赤にしながら、城に着くまで終始俺の着物にしがみついていた。
時折見せる強気な面と違い、こうやっていれば可愛い妹みたいなものだ。

幸い…というか、当然というか、かすり傷だったので、城で医療兵が簡単に治療してくれた。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 12:40:18 ID:kduZjtqp
( ^ω^)コタロウキュンかわいいわっふるわっふるお
( ^ω^)ただ、乙女アタック中強すぎて十連敗中お
( ^ω^)ツンデレだからブーンに惚れてるおっお?
206コタロウちゃんぷるー:2008/09/10(水) 09:39:56 ID:Fv9RKAVa
コタロウ「もう…!城の人に見られちゃったじゃないですかぁ!」
俺「まぁまぁ…怪我してたんだし、しょうがないじゃないか」
コタロウ「でも…うぅ〜」
ムラサメ「うふふ、お熱いことで…」
オウガイ「はははっ、いいではないか、仲睦まじい兄妹のようだと城内で噂になっておるぞ」
コタロウ「も、もう噂に!?い、いくら主君のためとは言え、軽率な行動は控えてくださいっ!!」
俺「はいはい…わかりましたよ」
コタロウ「むぅ〜…。まぁいいです、さ、帰りますよ。ビシバシ働いてもらいますからね!」
俺「うへ〜」

コタロウ「それと…オウガイ。明智軍が怪しい動きを見せています」
オウガイ「あぁ、こちらでも確認しておる」
コタロウ「国境付近まで2,3隊が配備されているとか…気をつけてくださいね」
オウガイ「忠告感謝する。お主も気を抜かぬようにな」
コタロウ「はい、それではまた来ますね」

 ────────────────────

帰り道、コタロウはずっと無言だった。やっぱりさっきのことを怒っているのだろうか。
ちゃんと謝ったほうがいいかな…迷っていると、ふいに先を行くコタロウの馬が止まる。

コタロウ「…足が痛いです」
俺「へ?」
コタロウ「怪我したところが痛むんです!」
俺「え?いや、たいしたことない傷だって…」
コタロウ「い、痛いって言ったら痛いんです!だから…部下としてちゃんと介抱してください」
俺「あ…」

もしかして…また抱っこされたいのだろうか…?嫌がっていたわけではないのか…?
俺は馬を並べ、コタロウを抱き上げた。

俺「よいしょ…これでいいですか?主殿…」
コタロウ「ふふ、苦しゅうないです」
俺「あ、でもコタロウの馬は…」
コタロウ「ボクの愛馬は聡明です。ちゃんと一人で城まで帰れます。さ、お行き…」
馬「ブルル…」

パッカパッカ。おぉ、ちゃんとしつけてあるのか。流石だ。

コタロウ「さ、行きましょう〜。うふふっ」

…幸せそうな顔をして俺に抱きつくコタロウ。なんだかんだ言って、甘えたい年頃なんだな。
両親は亡くなり、もちろん育ての親がいるだろうが、君主として育てられたため、甘えることが
なかなかできなかったのだろう。周りの兵もあんなだし。
兄のような存在として少しは認められたってことかな…。俺でよければいくらでもこの娘の支えになってあげよう。
207名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 13:05:19 ID:eAVtW/Wt
いいなぁ…デレコタロウいいなぁ…

俺も何か書きたくなってきたぜ…
208名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 14:19:02 ID:OB7dr/jO
コタロウちゃんぷるさんグッジョブ!
いつも「ぼ、僕だって!」って俺の事いじめるから嫌いだったけど







惚れました
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 15:15:11 ID:sUK4PvYq
スレタイがZ武みえた
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 20:56:32 ID:mEqspR7y
>>207
さぁ遠慮せずに全ての思いの丈をこのスレにぶつけたまへ!!
211コタロウちゃんぷるー:2008/09/11(木) 00:37:54 ID:umGcAkAV
俺「コタロウ…?もう城に着くよ?」
コタロウ「スー…スー…」
俺「ね、寝てんのか…どうりで静かなわけだ」

陽は沈みかけているし、眠くなる時間帯ではあるが…まだまだこういうところは子供だな。
それに、腕もいい加減痺れてきた。
このまま城に入れば兵士達のヒンシュクを買うに決まっている。
とりあえず起こさないとな。

俺「コタロウ、コタロウ…もう着くから起きなよ」
コタロウ「むにゃ…ん…父上…?」
俺「……」
コタロウ「…あっ、や、ヤスヒロさん…着きましたか?そ、それじゃあボクは降りますね」
俺「あ、いや、俺は歩いていくからコタロウは乗ってなよ」
コタロウ「でも…」
俺「君主なんだろ?なら、威風堂々としてないとな。部下の俺は歩いていくさ」
コタロウ「そう…ですか?」

コタロウは俺が歩き易いように、馬の歩をさりげなく緩めてくれた。
なかなか出来る娘だ。

 ──── 城の裏手門

兵士「あ、コタロウ様とヤスヒロ殿、おかえりなさいませ」
コタロウ「只今戻りました。城内に変わりは無いですか?」
兵士「はい!ぬかりありません!」
コタロウ「お疲れ様です。さぁ、もうすぐ陽が落ちてきますし…夕食にしましょう」

 ──── 夕食の時間も終わり、俺はやることがなくブラブラしていた。
ふと、広間を覗くと、コタロウが大量の書類と睨めっこをしている。君主としての仕事か…大変なんだろうな。
その手には湯飲みが…中は牛乳だろう。
コタロウは大きくなるためだろうか、毎日朝晩と欠かさず牛乳を飲んでいる。
牛乳は毎日新鮮なものが飲む分だけ届けられ、それは地下の貯蔵庫で保管している。

早く成長したいというのも分からなくは無いが、そう焦ることはないと思うけどな。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 00:52:17 ID:qYTd+P1M
( ^ω^)ノ゛コタロウわっふるわっふるぅおっおっお
213コタロウちゃんぷるー:2008/09/11(木) 00:53:54 ID:umGcAkAV
なんとなく、話しかけるのもためらいを感じるので、俺は足早に去ろうとしたが…

コタロウ「あ、ヤスヒロさん…」
俺「み、見つかったか…特に用事があるわけじゃないし、邪魔しちゃ悪いから俺はいくよ」
コタロウ「大丈夫です、もうすぐ終わりますから…どうぞこちらで腰掛けていてください」

せっかくのお誘いだ。俺はコタロウの働き振りを観察することにした。
…馬に乗っていたとき、コタロウは「父上…」と確かに言った。やはりまだ両親が恋しい年頃なのだろう。
それなのに、こんな政務もこなして…頭が下がる。

コタロウ「ん〜〜……、よし、今日の分は終わりです!」
俺「お疲れさま…いつも一人でやってるの?」
コタロウ「いえ、いつもは臣下達と手分けしてやるのですが、今日は少ない方なので…」
俺「こ、これで少ない方…はぁ〜…すごいな…偉いもんだよ、実際」

俺はつい手を伸ばしてコタロウの頭を撫でた。

コタロウ「あ…」
俺「……」
コタロウ「……」
俺「…良い子良い子…」
コタロウ「ふぁ…」

心地よいのか、顔を赤らめて、うっとりした表情を…可愛いなぁ。

コタロウ「ふにゅ………はっ!だ、だめです!」
俺「へ?」
コタロウ「こ、子供扱いしないでください!」

俺の腕を掴んでプンスカしている。子供扱いねぇ…

俺「俺からすればまだまだ子供だよ、コタロウは」
コタロウ「それでも…それでもダメなんです…いつまでも子供のままでは…」
俺「コタロウ…?」
コタロウ「ボクは国を背負っているんです…子供のままでは務まらないんです!」
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 00:57:48 ID:+NSoqCNa
わっふる、せざるおえない
(*´∀`*)
215コタロウちゃんぷるー:2008/09/11(木) 01:19:40 ID:umGcAkAV
コタロウ「それが…両親との約束なんです…。立派に国を守れるような戦国乙女になるって…」
俺「短い間しか見ていないけど…コタロウは立派にやってるよ」
コタロウ「それでも、まだ…」
俺「だけど、そう気負わなくてもいいんじゃないかな?」
コタロウ「え?」
俺「年齢は年齢で仕方の無いことだし、皆で支え合っていけばいいじゃないか」
コタロウ「でも…!」
俺「それに、今日だって随分と俺に甘えてたみたいだけど?」
コタロウ「あう…そ、それは…」
俺「いいんだよ、それで。いくらでも皆に甘えればいいさ。それがコタロウらしくていいよ」
コタロウ「ボクらしい…?」
俺「真面目で頑張り屋で…強気なところもあるけど、やっぱり甘えんぼな可愛いところとか?」
コタロウ「はうぅ…」
俺「ね?そう焦ることは無いさ。急いては事を仕損じる、だ」
コタロウ「ヤスヒロさん…」
俺「さ、俺は風呂入って寝るかな…それじゃあおやすみ…」

俺は広間を後にしようとした…が、小さな身体が俺の前に躍り出て、ガシっと掴まれてしまった。

俺「コタロウ?」
コタロウ「あの…もう一回だけ…頭撫でてください…」
俺「よしよし…」
コタロウ「ふにゃ…えへへ…」

コタロウは俺の胸に顔を埋め、嬉しそうに笑みをこぼした。
まったく甘えんぼな君主だ。これはずっと俺たちで支えていかなくてはな!
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 01:30:36 ID:lhD7xV0c
今更だけどコタロウちゃんぷるーの筆者って夢想シリーズの人?
それとも新たな新星、なのだろうか
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 02:14:57 ID:/fnavz14
>>215
わっふるわっふる(・∀・)イイ!!
俺がコタロウにうっとりした顔で擦り寄られたら大砲が爆発する
218名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 05:52:06 ID:T7rZfCkS
大砲発令チャンスを引いたのかww
219コタロウちゃんぷるー:2008/09/11(木) 08:30:07 ID:umGcAkAV
>>216
同じダヨ(・ω・`)
220コタロウちゃんぷるー:2008/09/11(木) 08:55:42 ID:umGcAkAV
それから10日ほど過ぎた。
相変わらず牛乳は飲んでいるようだ。まぁ、結果が出てくるまでにはもう何年か経たないとな…
以前に比べ、俺は兄のように彼女に慕われるようになった。
今は兄だが…将来的にはね。

そんな、戦とは無関係にのどかな時間を過ごしていたのだが ────

その知らせは突然やってきた。

兵士「コタロウ様!オウガイ軍と明智軍が衝突いたしました!」
コタロウ「なんですって!?」
兵士「どうやら明智軍が攻め入った様子…明智ミツヒデの姿も確認されています」
コタロウ「規模はどのくらいですか?」
兵士「およそ2000あまり…どうにも府に落ちないのですが…何かの陽動でしょうか?」
コタロウ「2000足らずであの城を落とせるわけがない…何かしらあると見ていいでしょう。
      ボクなら…オウガイをその場に抑え、別働隊でボクかムラサメを…」
俺「でもそれなら、なんでミツヒデがその場に?」
コタロウ「確かに…ミツヒデ以下の人間でボクらを落とせるものでもなし…」
臣下「どうしましょうか?」
コタロウ「とにかく皆さん臨戦態勢には入っておいて下さい。もう少し様子を見てみましょう」

──── 続々と報が届けられるが、周辺には軍が展開している様子もないそうだ。
       だとすると、意図するところは何なのだろうか?

コタロウ「応援を送る必要もないと、オウガイの方から書状も着たし…」
臣下「国境でも異常は見つからないそうですよ」
コタロウ「思い過ごしですかね…明智軍の暴走でしょうか。とにかくみなさん警戒は解いても大丈夫でしょう」

そのうち沈静化するだろう…そう、コタロウは思っていた。

その頃、北の国境では…

兵士「うわああぁっ!!!」
???「ふん、手ごたえのない奴らばかりじゃ」
忍者「御館様…この先いかがなさいますか?」
???「このまま進む。情報の操作はお前らに任せておく」
忍者「はっ!」
???「まさかわしがミツヒデを使っているとは想像できんじゃろうな…はっはっは!!」
221コタロウちゃんぷるー:2008/09/11(木) 09:24:54 ID:umGcAkAV
臣下「依然として、国境の守備も問題なさそーです」
コタロウ「そうですか。それにしてもオウガイにしては、沈静化が遅いですね…
      やっぱりミツヒデがいるから長引くのでしょうか」
俺「そうかもね…ん?なんだか城内が騒がしいね…」

下のほうではざわざわと声がする。鐘の音も…いったい?

コタロウ「鐘の音…まさか!!」
兵士「コタロウ様!侵入者です!」
コタロウ「なんですって!?」
兵士「あちこちに火が回っているため、消化班と戦闘班に分断されてしまい…」
コタロウ「侵入者の詳細は!」
兵士「そ、それが…お…」

???「随分と守りが薄いのぅ。油断大敵という奴じゃ…はっはっは!」

高らかに笑う声が聞こえたと思ったら、入り口から長身のグラマーな女性が堂々と入ってきた。
赤く燃えるような髪と鎧…手にはごつい大剣と、キセルを携えている。

コタロウ「あ、あなたは…!まさか、ミツヒデと組んでいるという噂は!」
???「組んでいるとは聞き捨てならんなぁ。奴はわしが使っているだけじゃ」
コタロウ「くっ…まさかそんなことが!」
???「中々に腕が立つ軍師がいるとミツヒデから聞いてなぁ…欲しゅうなってわざわざ参ったのじゃ。
      丁重に客人として扱ってくれよな…?はっはっは!」
コタロウ「誰があなたなんかを…ノブナガ!」
ノブナガ「貴様がコタロウか…ふふ、ミツヒデめの言っていた通りじゃ」

コタロウは刀を構えた。お、俺でも何かできることがあるはずだ!
とりあえずは腰に差してある刀を持つ。敵わないだろうが…コタロウのために隙を作ることぐらいは!

ノブナガ「さて…それでは貴様を頂戴していくとするかのぅ…」

そういうとノブナガは大剣を構えた。何故かはわからないが、炎が剣に纏わり始めた。
くっ…なんという威圧感だ…入り込む隙がない!コタロウも剣を握る手に力が入る。

ノブナガ「はあああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
コタロウ「やあああぁぁぁぁぁっ!!!」

ガキーーーーン!!!

交差する二人の身体…
222コタロウちゃんぷるー:2008/09/11(木) 09:50:27 ID:umGcAkAV
静まり返る広間…
やがて、一つの身体がグラリと倒れる。

コタロウ「つ、強い…」
ノブナガ「はん、楽勝楽勝」
俺「コタロぉぉぉ!!」

ノブナガはツカツカとコタロウに歩み寄り、片手で首根っこを掴み、宙へ掲げた。

コタロウ「ぐぁああぁっ!!」
ノブナガ「刀の背じゃ…斬れはせぬが、動けぬほどの激痛じゃろう」
コタロウ「ぐうぅっ!」

手に付いた爪の様な甲冑がコタロウの喉に食い込む。

コタロウ「がああぁっ!」
ノブナガ「ふふ…一歩でも動いたら、貴様らの主君は喉が潰れてしまうぞ…?」
臣下「うぅっ、コタロウ様ぁ…」
俺「く、くそぉ…!何も出来ないのか…!」

ノブナガ「くく…わしはなぁ、軍師としての才が欲しいのは事実じゃ…だがのぅ」

ノブナガはもう片方の手の爪で、コタロウの頬へ傷をつけた。

コタロウ「ぐっ…!」
ノブナガ「貴様はわし好みの顔をしている…他の女供と同じように、侍らすのも悪くない。
      徹底的に調教し、わし無しではいられんようにしてやるのも一興か!はっはっは!」

くっ…た、確か武将には、幼い同性の子を愛でる奴らがいるとは聞いていたが…コタロウがその標的になるとは!

コタロウ「だ…だれがあなたなんかに…!あなたに仕えるぐらいなら…死んだほうがマシだ…!」
ノブナガ「おぉ…!その強気な態度…ますます気に入ったわ!ふ、ふふ…身体が疼く…疼きよる!
      貴様のその苦痛に満ちた表情…いいぞ!昂ぶってきた!」

恍惚の表情を浮かべるノブナガ…な、なんて女だ。
くそぉ…助けたいのに、何も出来ないなんて!俺は…俺は!

???「そこまでにすることね…変態武将さん…」

突然広間に響く声。この声は…!

ノブナガ「あ゙ぁ…?」

変態武将呼ばわりされたことに腹を立てたか、般若のような顔になるノブナガ。

ノブナガ「ひ弱な嬢ちゃんが何を抜かすかと思えば…」
???「ふふふ…試してみる?」
223コタロウちゃんぷるー:2008/09/11(木) 10:04:19 ID:umGcAkAV
ひとつの素早い影がノブナガに襲い掛かる。

ノブナガ「ちぃっ!」

床に差してあった剣を掴み、コタロウを無造作に投げ捨てた。

コタロウ「ぐあっ!!!」
俺「コタロウ!!」

キィイイン!!!

ノブナガ「くそ…どう嗅ぎつけたかは知らぬが、邪魔立てしよって!」
ムラサメ「ふふ…臭過ぎるほどによく匂ったわ…変態武将の色香が…」
ノブナガ「ぐぅっ!貴様ぁああぁぁっっ!まだ言うか!」

怒りを顕わにし、猛然とムラサメに襲い掛かるノブナガ。
ムラサメは冷静にそれをかわしていく。

ノブナガ「貴様!貴様あぁ!!」
ムラサメ「ふふ…そう興奮していては剣の筋も滅茶苦茶でしてよ。…それに」
ノブナガ「…む、この匂い…火縄か!」
ムラサメ「既に私の軍で包囲しているわ。その命…貰い受ける!」
ノブナガ「ちいっ!!」

ノブナガは壁際に後退し、剣を前に構えた。

ノブナガ「今回は邪魔が入ったが…次からはそうはいかぬ!心しておくことだな…はあああぁぁぁぁ……」

剣から炎が吹き出たと思うと、ノブナガはそれを地面に突き刺し、爆発を起こした!

ムラサメ「くっ!」
俺「うわっ!」
臣下「きゃあ!」

煙が去った後には…壁に大きな穴があいており、すでにノブナガの姿はなかった。
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 10:05:59 ID:yyd6G3u/
般若……消されるぞ!こんな大事なところでおまえさんを失いたくない!
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 11:31:48 ID:gQMb76xb
俺の般若はちっともコタロウに勝ってくれないぜ…
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 14:04:48 ID:/fnavz14
>>219
神光臨キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!

>>225
俺の大砲はちっともコタロウに当たらないぞ
227コタロウちゃんぷるー:2008/09/12(金) 01:13:18 ID:cpPMus3R
兵士達は城内に回った火の沈静化。そして壊れた箇所の補修に大忙しだ。

俺「コタロウ、大丈夫か…?」
コタロウ「うっ…ごほっ!げほっ!な、なんとか…」
俺「よかった…」
ムラサメ「あまり動かさないほうがいいわ。骨が折れてるかもね…」
俺「ムラサメ、助けてくれてありがとう…本当にありがとう…」
ムラサメ「礼には及ばないわ…でも…」

ムラサメは倒れているコタロウを見下ろし、冷たく言い放った。

ムラサメ「あなたらしくもない。警戒態勢を解いていたなんて、どういうつもり?」
コタロウ「…言葉もないです」
ムラサメ「ミツヒデとノブナガが組んでいるという噂…あなたも知っていたはずよ。
      なのにそれを軽んじて、結果このようなザマよ」
俺「ちょ、ちょっと…いくらなんでも言いすぎじゃないか?」
ムラサメ「ヤスヒロは黙っていなさい。ノブナガの性格から考えれば、あなたを狙うことも考えられた…。
      その考えがあればこそ、私は助けに来ることができたのよ」

…くやしいけど、言い返せない。たしかに軽く考えていたのは事実だ。そしてこの結果も…。
この戦国の世では一瞬の油断が命取りになる。まさにその状況だったということだ。

コタロウ「ボクは…うぅ…」
俺「コタロウ…」

ムラサメは、涙を目に溜めたコタロウの傍らに座り、髪を優しく撫でた。

ムラサメ「コタロウ…あなたはまだ幼いし、体格からいっても敵武将と一騎打ちになったら結果は明白よ。
      それは自分でも認めているはず…。軍師なら軍師の…その才を十二分に活かしなさい。
      軍師はいつでも冷静に、全ての可能性を頭に入れておかなくてはダメよ…」
コタロウ「ぐすっ…はい…」

…ムラサメもただ責めてるんじゃなく、これからのコタロウのために言っているということか。
きっとこれを機にコタロウはもっと強くなる。成長する。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 01:23:54 ID:oL3CZo8G
(゚∀゚)ムラサメ!カコイイ!
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 03:57:01 ID:o8pj/6dW
ムラサメ!わっふる!(゚∀゚)

>>219
お返事ありがとうございます
続きも期待してますね!
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 07:22:00 ID:36FmaB6y
改善すべき所は厳しく指摘し、認めるべき所はしっかり認めてくれるムラサメ姉さん格好いい!
月日が経てばコタロウももっと強く、もっとグラマーになるんですね
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 08:37:13 ID:cpPMus3R
○○さんはどうしたのだろうか。
続きが気になるたい…
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 09:32:53 ID:cpPMus3R
オウガイの報告では、ノブナガの撤退に合わせて、ミツヒデ軍も退却したという。
1000人は吹っ飛ばしたそうだ。わざわざ前線に出る当たり、さすがというか何と言うか…。
自信があっての行動なんだろうな。

でもこれで、ノブナガとミツヒデの繋がりが確かとなった。
敵側も手を組み始めたと言うことか…。これ以上に警戒しないとな。

コタロウはどうやら命に別状があるわけではなかった。ノブナガも、言い方が悪いが
なるべく傷つけずに持ち帰りたかったのだろう。
しかし、本来腹に受けるべき打撃を左腕に受けてしまったため、左腕骨折。
あとは身体全体を打ち付けたため、打ち身。そして喉は、くっきりとノブナガの手の形に内出血している。
全治3週間といったところだ。しばらくは安静にしていないといけない。

北の国境警備隊…そして城内でも何人か命を落としてしまった。
コタロウが気に病まなければいいが…。

コタロウの看病は俺がしてやりたい…と思ったが、そこは彼女だって思春期の女の子だ。
男子禁制とあいなってしまった。とほほ。

 ─── 3週間後

俺はコタロウに一切会えず、悶々としながら3週間を過ごしていた。
ここ最近は敵に動きも見られず、比較的平和だった。
それでも、あの可愛い笑顔が見れないと寂しいよな…。
悶々とした思いを吹っ切るため、近頃釣りにハマっている。
裏手にある川で釣りをするのだが、これがまたなかなかの釣場で、岩魚などがよく釣れる。
釣った魚を、兵士に頼んでコタロウに届けてもらったりもした。「おいしい」との返事が来た時は嬉しかった。

今日も今日とて釣りに勤しむ。水の流れる音…小鳥のさえずり…虫の鳴く声…
こうのどかだと戦国時代にいることさえ忘れそうだ。
ピクッ… ピクピク…

俺「水の流れに身を任せ…」

ザバァッ!

俺「やった〜」
???「中々いいじゃないですか」
俺「ん?」
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 16:24:04 ID:36FmaB6y
わっふらざるおえない!わっふるわっふる!
本気で書籍化してほしい(´・ω・)
毎日このスレ見て応援してます
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 22:57:41 ID:o8pj/6dW
>>232
ちゃんぷるーネタキタw
ぜひまた巻き戻しネタも絡ませてほしいですw
わっふる(´ω`)
235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 17:57:51 ID:PU5UPPqE
あげちゃえ
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 00:42:54 ID:oel+D0Cs
初投下します。
237オムコシわっしょい!:2008/09/15(月) 00:43:43 ID:oel+D0Cs
 それは日本であって日本ではない、戦国時代の物語。
永きに続く戦乱の世のおかげで、大地は荒れ果て、人々の心は荒み、世の中の秩序は崩壊していた。
人々はその日の食料を確保する為に武器を手に取り、他国に攻め入り奪っていく。
そう……戦乱の世は、力なき者には決して微笑むことはないのだ。

 ここにも武器を手に取り、他人から略奪を試みる者が1人いた。
長い黒髪。太ももを露わにするスリットの入った異国の衣服に身を包み、
その見事なプロポーションを見せ付け、妖しくも神秘的な雰囲気をかもし出している。
平和な世であれば、武器を手に取ることもなく、その美貌で一生を楽に暮らせていたことだろう。
この美女こそ、この地域一帯を支配している盗賊団……ムラサメ一味の頭目、ムラサメ嬢その人であった。

 この地域を支配している大名でさえ、手を焼いているムラサメ一味。
幾多の戦いを勝ち残り、このあたりでは敵なしの状態になっていた。
その頭目であるムラサメ自らが武器を手に取り、かまえている。
普段は妖しい笑みを見せているその顔は、驚きと戸惑いの表情を見せている。

『何故こうなってしまったの?こんなはずではなかったのに……』と。

 彼女の足元には、無残にも打ち倒されて、虫の息の部下達が転がっている。
まるで飛んでいるハエを叩き落すかのように、いとも簡単に次々と打ち倒された部下達。
彼女は内心、このまま勢力を伸ばしこの国を支配して、戦国乙女として名乗りを上げようかとも考えていた。
しかし、その考えが甘いものだと思い知らされた。
……彼女の目の前で、笑いながら大剣を振るう化け物を見て。

「いい加減に名前くらい名乗ってはどうなのかしら?それとも貴女の様なゴリラに、言葉は分からないのかしらね?」

 これ以上の犠牲を出す前に撤退をしなければ……ムラサメは不本意ながらも撤退を決意した。
連戦連勝のムラサメ団が、たった一人を相手に不覚を取った。
これが知れ渡れば、今まで力え抑えていた連中がムラサメを狙ってくるだろう。
負けたくない!負けてしまえば奪ってきたものすべてを失うことになる!……けど、相手が悪すぎた。
こんな化け物だと知っていれば、襲うなんてことはしなかったのに……後悔の念がムラサメを襲う。
しかし、いくら後悔してももう遅い。後悔するよりもこの場を逃げ切ることのほうが大事だ。
命さえあれば、いつかまた再起も出来る。みんなの傷が癒えたら、また一緒に頑張ればいい。
だからここは逃げることだけを考えなくてはいけない。
傷ついたみんなを逃がし、生き延びることだけを考えなければいけない。
けど、逃げる為にはこの化け物を相手に時間を稼がなければ。
それが出来るのはおそらくアタシだけ……このムラサメだけにしか出来ないはず。
覚悟を決めたムラサメは、相手を挑発し、隙を作って部下達を撤退させようとした。
このアタシならば少しは時間稼ぎも出来るだろう。
今までアタシを慕ってついてきてくれた仲間だ。こんな化け物相手に命を散らせたくない。
そう考えたムラサメは討ち死に覚悟で相手を挑発する。
さぁ、アタシにかかって来なさい!ただではやられないわよ。きりきざんであげる、と。
238オムコシわっしょい!:2008/09/15(月) 00:44:53 ID:oel+D0Cs
「ふ……はぁ〜っはっはっはぁ!これが悪名高きムラサメ一味か。……ふん!くだらんな」

 大剣についた返り血を振り落とし、鋭い眼光でムラサメを睨みつける。
その目を見た瞬間、ゾクリと背筋を寒気が走り抜ける。 
背筋を寒気が走った瞬間、ムラサメは理解をしてしまった。
今、アタシが抱いているこの感情が何なのか、を。
目の前のゴリラを見てるだけで、体が固まってしまい、声が出なくなってしまう。
一歩一歩近づいてくる相手に、動くことすら出来ない。
そうか……これが恐怖という物なのか。
今まで幾多の戦いに身をおいてきたけれど、一度として恐怖など感じたことはなかった。
けど、このゴリラに睨まれただけで、恐怖に震えてしまうなんて。
アタシもここまでなのかしら?……諦めかけたその瞬間、恐怖とは違う感情が心の奥底から湧き出てくる。
……ふざけないで。このアタシが!このムラサメ様が!何をビビッているの!
せっかく手に入れた力……ムラサメ団という仲間。それをこんな化け物に潰されてたまるもんですか!

「我はムラサメ……名を名乗れ!」

 怒りの感情が恐怖を打ち払い、ムラサメに化け物と戦う決意をさせた。
ここでアタシが無様な戦いを見せたら、あの子に合わせる顔がない、と。

「ほう……やはり噂は本当だったようだな。この私に震えることなく立ち向かうとは」

 ブン!と、その手にした大剣を振るい、ニヤリと笑う。

「我はオウガイ!ムラサメよ、いざ尋常に勝負だ!」
「やっと名乗ったわね。……ゴリラさん、切り刻んであげるわ!」

 先手必勝!あの大剣よりもアタシの攻撃の方が早く届くはず!
このゴリラの首をお土産に持って帰るからね。今日こそは笑ってもらうわよ?
ムラサメは、つい先日からムラサメ団で世話をするようになった、少女の顔を思い出していた。
何故だかは分からない。しかし、その暗い顔をした少女が、自分の妹のように思えてしまう。
そう、あの子の為にも……コタロウの為にも生きて帰らなければ。
このゴリラ……オウガイを打ち倒し、生きて帰るのよ!
生きて帰る……その思いを乗せたムラサメの攻撃は、オウガイに届くことはなかった。
ムラサメが渾身の一撃を振り下ろした瞬間、全身を衝撃が走った。
その衝撃にムラサメは吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
次第に狭く、暗くなっていく視界。
剣を持つその手には力が入ることはなく、ただ、オウガイの笑い声だけが聞こえた。

『あぁ……これが『死』なのね?ゴメンね、コタロウ。アタシがいなくても強く生きるのよ……』

 止めを刺そうとしているのか、オウガイが歩いてくるのが分かる。
オウガイの足音を聞きながら、ムラサメの意識は闇に落ちていった。
239オムコシわっしょい!:2008/09/15(月) 00:45:48 ID:oel+D0Cs
「う……うぁ……ううん……イタ!イタタタ」

 体中を走る痛みがムラサメの意識を取り戻させた。
ゆっくりと目を開けると、そこには見知った顔が。

「大丈夫、ですか?ムラサメさん」
「あ、あら?何故コタロウがここに……い、いたたた」

 そこには妹のように思っているコタロウの顔が。
何故コタロウが?そう思い、周りを見渡してみる。
すると、ここは自分たちのアジトとして使っている、小さな洞窟にあるムラサメの寝室であった。
どうしてアジトに戻ってこれたのかしら?そう思い、コタロウに尋ねようとしたが、コタロウの様子がヘンなことに気がついた。
その目は赤くはれ上がっており、涙を流し続けていたものと思われる。
そうか、アタシが意識を失っていたから心配して泣いてくれたんだ……やっぱりこの子、優しい子なのね。
起き上がり、ギュッと抱きしめて安心させようとしたのだが、身体がいうことを利かずに起き上がれない。
背中に腰、頭にも痛みが走り、腕をあげるのも辛い。全身に痛みが走り、1人では起き上がることも出来ない状態だ。
よくもこんな状態で帰ってこれたものね……ムラサメはこんな状態でもアジトに戻ってきた自分に驚きを隠せない。

「よかった……ムラサメさん、2日も寝たままだったんですよ?ボク、すごく心配で……ヒック、ホントによかったです」

 ムラサメの意識が戻ったことで安心したのか、コタロウの瞳からポロポロと涙が溢れ出す。
 
「2日も?アタシ、そんなに意識を失ってたんだ……完敗、ね」

 立った一撃で2日間も意識を失うほどのダメージを負わされた。
しかし、あのオウガイという化け物に恨みの感情など感じなかった。むしろ清々しい気分になっている。 
何故かしら?手も足も出ずにコテンパンにやられちゃったのに、悔しくないなんて……何故なのかしらね?

「ホントによかったです。気を失ったムラサメさんが担がれて来た時には心臓が止まるかと思いましたよ。
また……ボクの大事な人が死んじゃったのかなって……ひっく、もう悲しい思いはイヤなんです」

 昔を思い出したのか、ポロポロと涙を零すコタロウ。
コタロウには、誰にも言わない暗い過去があるようだ。
この荒れ果てた戦国の時代だ、誰かしら悲しい過去は持っている。
もちろんムラサメにもある。しかし、ムラサメは過去を振り払い、今を懸命に生きると決めた。
そう決めてからは、生きていくのが楽になった。
戦国の世を生きていくには、力が必要だと剣の腕を磨き、生きていく為だと略奪行為をもした。
力なきものは消えていく……それが今の世の中だと身をもって知っているからだ。
しかし、このコタロウにはその覚悟がまだない。
生きていく為だと、何度か剣を教えようとしたのだが、ことごとく断わられた。
普段のムラサメなら、こんな足手まといはいらないと見捨てるのだろうが、
何故かは分からないが、見捨てることが出来ずに養っている。

(ホントに何故なのかしらね?)

 涙を零しているコタロウの頭を撫でながら、その理由を考える。
……罪滅ぼしのつもり、なのかしら?
今までアタシ達がした略奪で、命を落としたであろう人達に対しての罪滅ぼし。
フフフ……そんなガラじゃないくせに、アタシは何をしているのかしらね?

「泣かないで、コタロウ。貴女が泣くと、アタシまで悲しくなるの。だから、泣かないで……」

 痛みの走る腕で、コタロウの頭を撫で続けるムラサメ。
その顔は、優しい微笑を浮かべており、この表情を見て、これがあのムラサメ一味の頭目だとは誰も信じないであろう。
240オムコシわっしょい!:2008/09/15(月) 00:47:14 ID:oel+D0Cs
「ところでシロはどこに行ったの?コタロウといつも一緒だったでしょ?」

 コタロウの頭を撫でつつも、普段ならコタロウに寄り添うように側にいる、人懐っこい白い犬がいないことに気づいた。
コタロウを拾った時に一緒に連れてきた白い子犬。
邪魔だから捨てなさいと何度言っても、コタロウは決して捨てようとはしなかった。
シロをギュッと抱きしめ、『この子はボクの妹なんです。家族なんです』と。
それ以来、シロはコタロウの妹として、ムラサメ一味の仲間となった。
今ではムラサメ自身、可愛い妹分だと思っている。そのシロがいない。

(アタシがこんなヒドイ目に遭ったというのに、側にいてくれないなんて……冷たいんじゃないの?)

 ムラサメは少しムッとしてしまい、ついコタロウを撫でる手を荒々しくしてしまった。

「シロは今、お風呂に入ってます。オウガイさんがお風呂に入れたいと言ってきたんですよ。
あの人怖そうに見えて、結構可愛いところありますよね」

 コタロウの頭を撫でていた手が止まる。今、なんて言ったの?オウガイと言わなかった?

「オウガイさん、シロの肉球触るのが大好きみたいで、ずっと触ってましたよ?『や、柔らかい』とか言いながら」

 オウガイがシロの小さな前足を掴み、プニプニと肉球を触る姿を思い出したのか、クスクスと笑い出したコタロウ。
今までふさぎ込んでいて笑うことのなかったコタロウが笑っている!
普段のムラサメなら驚きと戸惑いの表情を見せているであろう。
しかし今のムラサメは、自分を打ち倒した相手、オウガイの名前を聞き殺気立ち、それどころではなくなっている。

「……今、オウガイと言わなかった?何故コタロウがその名前を知っているの?」
「え?だって気を失ってたムラサメさんを連れてきてくれたのってオウガイさんですよ?
ムラサメさんの友達だって言ってましたけど……どうかしたんですか?」

 なんですって?オウガイがアタシを連れてきたですって?それも……友達?あんなゴリラが友達なんてありえないわ! 

「コタロウ……アタシの剣を持ってきて。オウガイはお風呂にいるのね?」

 いくら化け物でも、武器を持っていない状態ではアタシには勝てないはず。
何を思ってアタシを助けたかは知らないけど、アイツを倒すチャンスは今しかないわ。
ムラサメはそう考え、お風呂場でオウガイを討とうと布団から起き上がる。
まだダメージが抜けてはいないが、どうにか立ち上がることは出来た。
こんな状態で、いくら相手が素手でも、あの化け物に勝てるのかしらね?
でも、勝てなければ終わり。今度こそ終わりになるはず。
勝てなければアタシだけでなく、コタロウやシロまで……相打ちでもいい、必ず倒してみせるわ!

「わ!わわ!ムラサメさん、まだ寝てなきゃダメですよ!……え?なんで剣を持ってこなきゃいけないんですか?」
「いいから持ってきなさい!早く持ってくるのよ!」

 今しかチャンスはないと焦るムラサメ。
訳も分からずにどやされて、渋々ムラサメの愛刀を取りに行こうとするコタロウであったが、その必要はなかった。

「はぁ〜っはっはっは!さすがはムラサメだな!その身体でもう私に戦いを挑んでこようとは!」

 大きな笑い声と共に、寝室のドアが開く。聞き覚えがある声に焦るムラサメ。
いや、聞き覚えがあるなどというものではない。
ムラサメを打ち倒し、何故かは分からないがアジトへと連れてきた張本人。
たった今、不意をついて打ち倒そうとしていたムラサメの敵。
ドアが開いたそこには、風呂上りでずぶ濡れのシロをギュッと抱きしめたまま笑うオウガイがいた。
241オムコシわっしょい!:2008/09/15(月) 00:48:38 ID:oel+D0Cs
「そう殺気立つな。お前では私に勝てない。身に沁みて分かっているだろう?」

 シロを抱きしめたまま部屋に入ってくるオウガイ。
抱きしめられたシロは、ク〜ンと泣き声を上げ、悲しげな眼差しでムラサメを見つめている。

「……アタシを倒しておきながら、助けるなんていったい何を考えているのかしら?」
「え?ええええ〜!オ、オウガイさんがムラサメさんを倒した?ど、どういうことですか!」

 オウガイはムラサメの友達。オウガイが吐いたウソを真に受け、信じていたコタロウは驚きを隠せない。
オウガイはそんなコタロウを無視してムラサメに話しかける。

「何を考えている?お前を気に入った!ただそれだけだ」
「気に入った?それだけでアタシを助けたというの?誰がそんな上手い話を信じられるものですか!」

 言い争う2人を見て、オドオドとするコタロウ。
その足元には、オウガイの手からどうにか逃げ出したシロが寄り添い、心配そうにコタロウを見上げている。

「はぁ〜っはっはっは!いいぞ!その強気なところがますます気に入った!
私はキサマのような女を探していた。……共に戦える武士を」
「……共に戦う、ですって?」

 2人の雰囲気に声を出すことも出来ないコタロウ。
そのコタロウの足をペロペロと舐め続けるシロ。どうやらお腹が空いた様だ。

「そうだ、私と戦う武士を探していた。共に戦い……共に戦国の世を奪い取る仲間を」
「う、奪う?戦国の世を奪うですって?」
「そう、奪い取り、戦乱の世を終わらせる。この戦乱の世の中を終わらせる為に、私について来い、ムラサメ!」

 動揺するムラサメの問い掛けにコクリと頷き、ついて来いと強く誘うオウガイ。
オウガイの言葉にコタロウも動揺し、ツバを飲み込んでしまう。
それもそのはず、今の戦国の世は、各地で争いが起こり、戦争が絶えることはない。
つい最近になって、その戦いを終わらせようとする戦国乙女達が現れたぐらいだ。
そう簡単にこの戦国時代が終わるなんて考えられない。否、考えもしなかった。
それはコタロウだけではなく、ムラサメもそうだった。
ムラサメ自身、戦国乙女と呼ばれる存在となり、広大な領土を手に入れることが夢だった。
しかし、戦国時代を終わらせるなど、考えたこともなかった。否、考えられなかったのだ。
それほどまでに今の世の中は荒れ荒み、戦いが終わるなどと考えるヒマもなかったのだ。
しかし……ムラサメはオウガイの考えをバカにすることも、否定することも出来なかった。
何故なら、オウガイの戦国の世を奪い取るという言葉を聞いた瞬間、胸の奥が高揚し、
体中の血液が沸き上がるのを感じてしまったからだ。
242オムコシわっしょい!:2008/09/15(月) 00:50:02 ID:oel+D0Cs
「この戦乱の世の中を奪い取る?……そうね、いい仕事になりそうね。そこらで略奪するよりもよっぽどいい仕事ね」

 にやりと笑い、手を差し出すムラサメ。差し出された手をギュッと握り締め、強く握手を交わすオウガイ。

「ああ、やりがいはあると思うぞ。我等3人でこの戦国の世を奪ってみせようぞ!」

 片手でムラサメと握手を交わし、もう片方の手で、呆然としているコタロウを引き寄せる。

「え?ええ?ボ、ボクも入っているんですか?」
「当たり前だ。キサマもムラサメ一味の一員であろう?」
「あら?一員だったら、このシロもそうよ?」

 シロを抱き上げ頬をすり寄せるムラサメ。
その頬をペロペロと舐めるシロ。どうやらお腹はペコペコのようだ。

「はぁ〜っはっはっは!これは頼もしい味方だな!」

 大きな声で豪快に笑うオウガイ。つられてムラサメも笑い出す。
何故だかコタロウも笑みがこぼれ、シロはワンワンと吠え出した。

「よし!では、我等3人と一匹、力を合わせ……この戦国の世を奪い取る!」

 オウガイの力強い宣言に、ムラサメ、コタロウ共に頷き声をあげる。
シロもワンワンと鳴き声をあげ、ここに戦国最強軍団の一つ、オウガイ一味が誕生した。


 なお、オウガイ達が戦国の世を騒がせるのはこれから数年の後の話である。
 
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 00:51:10 ID:oel+D0Cs
以上です。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 01:53:22 ID:NZuZjezI
わっしょいさんグッジョブ(´・ω・)b
ここに現れる巨匠さんたちに脱帽です
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 03:19:01 ID:MLR34AaP
わっしょいさん(゚∀゚)イイ!
ここに作品を出してくれる皆様に感謝です〜(´∀`)
246:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/09/15(月) 06:02:09 ID:mRPEwtYi
>>231続きを楽しみにしてくださってありがとうございます。
ちょっと今ゴタゴタしてまして、落ち着いたらまた書きたいと思っておりやす。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 13:58:41 ID:NZuZjezI
>>246
○○さんお疲れ様です
お体に気をつけて余裕ができたらまた作品書いてくださいね(´・ω・)ノ
いつも楽しみにしてます
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 17:42:17 ID:MLR34AaP
>>246
〇〇さんお疲れ様です
のんびり気長に待ってますのでいつでもよろしいですよ(`・ω・´)b
楽しみに待ってますね〜
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 11:52:03 ID:3MJxs0BM
コタきゅんが倒れてくれて、33連したよ!ありがとうコタきゅん!
250コタロウちゃんぷるー:2008/09/16(火) 12:13:00 ID:3MJxs0BM
俺「コタロウ…もう動いても大丈夫なの?」

話しかけてきた、声の主はコタロウ。
久しぶりにこの声を聞いて嬉しくなったが、表に出して喜ぶのも恥ずかしいし
静かに心の中でお祭り騒ぎをしておこう。

コタロウ「はい、なんとかお医者様のお許しが出ました」

よく見ると、まだ左腕には包帯が巻かれたままだ。多少は痛むのだろう。
コタロウは俺の隣にチョコンと座る。

コタロウ「岩魚、とてもおいしかったです…。ボクのためにありがとうございます」
俺「いや、俺になんかできることないかなって思って…おいしかったのならよかったよ」

俺は釣れたばかりの岩魚を魚籠に入れ、エサをつけてまた針を水面に投げ入れる。
と、コタロウが俺の左腕に寄りかかってきた。甘えんぼ健在といったところか。

しばらくその状態が続き、辺りでは自然の奏でる音が静かに響き渡る。
突然、コタロウが口を開いた。

コタロウ「ボク…寝ながら沢山泣いたんです。自分の弱さ…甘さ…全てに」
俺「……」
コタロウ「沢山泣いて落ち着いたら、ある人の言葉が思い浮かんだんです」
俺「……ある人?」
コタロウ「はい、ある人です。その人はボクに、皆に頼っていいんだ、って言ってくれたんです」
俺「……」
コタロウ「その人の言葉があったから…頑張って怪我を治すこともできました。
      怪我も治った今、これからはそうしていくつもりです。ボクだけでは無力ですから…」
俺「そっか…」

左腕にかかる力が強くなる。気恥ずかしくなって釣竿をあげる。
エサはついていない。針を手に取り、エサをつける。再び投げ入れようとすると…

コタロウ「あ、ボクもやってみていいですか?釣りってしたことないんですよ」
俺「ん…」
コタロウ「どうすればいいんですか?」
俺「えっとね、これをこう…そして…」
コタロウ「こ、こうですか?えいっ!」

無事釣り針は水面に着地した。コタロウはこちらを向いて元気な笑顔を見せる。
よかった…立ち直れたんだな。
251コタロウちゃんぷるー:2008/09/16(火) 12:32:15 ID:3MJxs0BM
コタロウ「わわっ!?な、なんか引いてますよ!」
俺「お、魚がかかったんだな。落ち着いてゆっくり引いていくんだ…そう…ゆっくり…」
コタロウ「むむむ……うぅ〜…」

静かな熱戦を繰り広げるコタロウ。
真剣に竿を引いているコタロウを横目で見る。ほほえましくなるな、こういうの見てると。

ふと視線を落としてみると、力が入ったためか着物の懐が緩まっており、ほどよく膨らんだ胸と
可愛いさくらんぼが…!コタロウは魚との戦いで全く気付いていない。

ぐはぁっ!なんという破壊力。しかし、見てはいけない!コタロウをそんな目で見ては!
し、しかし…!つい目がいってしまう…!胸チラなんて反則だ!

コタロウ「わぁっ!やった〜!!」
俺「…はっ!?お、おぉ!すごいじゃないか!」

中々の大物が連れた。コタロウは全く邪気のない笑顔で喜ぶ。
むぅ…こんな純真な娘をいやらしい目で見たことを反省しなければ…

コタロウ「えへへ〜、もっと褒めてください」
俺「うむ、流石は君主殿…褒めて使わすぞ〜」
コタロウ「あっ…んふふ…」

コタロウの頭を撫でてやる。コタロウはこうされるのが好きだからな。
頬を染めて俺に抱きついてくる。柔らかい衝撃が心地よい。

コタロウ「さ、次はヤスヒロさんの番です。ボクのより大物が釣れますかねぇ?」
俺「む、負けるもんか…見てろぉ、コタロウぐらいの大きさの物凄いのを釣ってや…うぉっ?」

コタロウが俺の胡坐の上に座り込んだ。すっぽりと俺の胸の中に納まるコタロウ。

コタロウ「ふふ、特等席で見ちゃおっかなぁ〜」
俺「まったく…甘えんぼっぷりは相変わらずだなぁ…」
252コタロウちゃんぷるー:2008/09/16(火) 12:59:42 ID:3MJxs0BM
コタロウを完璧に抱きかかえた格好で、釣りを続ける。
柔らかな感触と、少女の甘い香り…もう一つの竿のほうが心配ではある。
そんな下世話なことを考えつつも、必死に抑えながら釣りを続ける。

俺「こ、こうしてると、本当の兄妹に見えるかもなぁ」
コタロウ「ん…そうですか…」

なんだか会話が止まってしまったぞ。コタロウのテンションが下がったような感じが…。
気まずい空気で、しばらく沈黙が続く。

コタロウ「…ボクってやっぱり、妹みたいですか?」
俺「え?ま、まぁ…可愛い妹みたいだなぁ〜とは思うことはあるけど…」
コタロウ「妹以外には…見れませんか?」
俺「…え?」

コタロウがスッと立ち上がり、ふくれた顔でこちらを向き直った。

コタロウ「…目瞑ってください」
俺「へ?な、なんで…」
コタロウ「いいから瞑ってください!」

迫力に押され、目を瞑る。すると、顔に何かが近づいたような気配がしたと思ったら
唇に何か触れたか触れないかの感触が…。

俺「え!?」

思わず目を開けると、顔を真っ赤にしたコタロウが目の前に座りこんでいた。
ま、まさか今のは…!?

コタロウ「そ、その…臥せてる間にムラサメから聞いたんです…。好きな人に想いを伝える方法を…」
俺「そ、それって…」
コタロウ「は、はしたない子だなんて思わないで下さいね!せ、せ…接吻だなんて恥ずかしいこと…」
俺「コタロウ…」

キスだけでこんな恥ずかしがるとは、なんと初々しく純真なんだ…。
きっとその先のことなんて想像さえできないんだろうな。俺は思い切りコタロウを抱き寄せた。

コタロウ「わわっ!むぎゅぅ」
俺「…ごめん」
コタロウ「え…ご、ごめんって…そんな…」
俺「いや…妹みたいだなんて言って、ごめんね」
コタロウ「……あっ」
俺「俺もコタロウのこと、大好きだよ。妹じゃなく…一人の女の子として…大好きだ」
コタロウ「や、ヤスヒロさん…ひっ、えぐっ…」
俺「な、何も泣かなくても…ほら、今度は俺からしてあげるから…」
コタロウ「んっ…」

竿が引っ張られている。魚がかかってるようだけど、こっちのほうが大事だ。
なんせ、愛おしい娘の釣り針に、俺は引っかかってしまったのだから。
253コタロウちゃんぷるー:2008/09/16(火) 13:33:51 ID:3MJxs0BM
コタロウ「ん…えへへ」

コタロウは嬉しそうに、幸せを噛み締めるように俺に抱きついている。
俺も可愛くてたまらないので、ぎゅっと抱きしめてやる。

俺「…ちょっと太った?」
コタロウ「ふ、ふとっ…!?なんでそういうこと言うんですかぁ!女の子に対して失礼です!
      そ、そりゃ、ずっと寝てばっかりで動けなかったから…仕方がないけど…」
俺「ふふ、でも柔らかくて気持ちいいかな〜」
コタロウ「も、もう…!」

きっとコタロウに尻尾が付いていたら、凄い勢いでバタバタやっているんだろうなぁ、と思ってみたり。
この調子では、甘えんぼに拍車がかかりそうだ。

 ──── その頃、後ろの草むらでは…

家臣3「うぅ〜、私たちのコタロウ様がぁ〜」
家臣1「仕方がないです…コタロウ様の決めたことです」
家臣2「ヤスヒロ殿なら安心して任せられます。さ、覗きはこれくらいにして、城へ戻りましょう」
家臣3「あうぅ〜、コタロウ様ぁ〜〜……」

家臣達は、約一名をずるずると引きずり、城へ戻っていった…

 ────────────────

グゥ〜……

コタロウ「あ…」

コタロウは恥ずかしそうに胸に顔を埋めた。

俺「はは、そういえば俺もお腹がすいたな…コタロウの釣った魚でも食べよっか」
コタロウ「は、はい!じゃぁ、お城へ戻りましょうか…」

名残惜しそうに俺から離れ、立ち上がる。俺も釣り道具を片付ける。
そして俺は、差し出されたその小さな手を握り、城への帰途へついたのであった…。
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 14:44:09 ID:N4HbJM14
ちゃんぷるさんグッジョブ(´・ω・)b
コタちゃんかわいいなぁ
さり気なくパンツ脱いでコタちゃんの濡れ場を期待中
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 20:15:24 ID:bQE4ALkp
(゚∀゚)コタロウ!胸チラ!





 素直にカワイイな。コタロウはw
256コタロウちゃんぷるー:2008/09/18(木) 09:33:45 ID:mLkq7UCH
城へ戻ると、なんとすでに皆食事を始めているではないか。
確かにちょっと遅くはなったけど、随分冷たいような…

「あ、コタロウ様にヤスヒロ殿…お二人で何をしていらしたかは知りませんけどぉ?
 待ちきれなかったので私たちは先に食べさせてもらってま〜す」

家臣の一人がニヤニヤしながらそんなことを言い出した。
も、もしや知っているのか!?い、いや、バレてないはずだ…

「え、あ、いや…まぁ…でも、用意してないってそれはまた随分な…」
「用意していないとは言っておりませんよ。お二人の分はこちらに用意してあります…。
 あとはそちらの魚を調理するだけです」

また別の家臣が横から割って入る。なんだ…用意してあるのか、驚いた。
俺はともかくコタロウに用意してないはずがないもんな。
早速魚を渡して席に着き、運ばれてくるのを待つが…

「はい、お待たせいたしました」
「な…!?こ、これって…」

俺とコタロウの膳には、他とは違うものが…せ、赤飯!?

「お赤飯…?」
「せ、赤飯って…特にめでたい事なんかあったっけかなぁ…!?」
「さぁ〜?どうなんでしょうねぇ〜?」

またニヤニヤしているところを見ると、完璧にこれはバレている!?
コタロウのほうを見てみると、顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。

「ささっ、どうぞお召し上がり下さい〜。もうすぐ魚も焼けますからね〜」
「むむむ…」

バレているなら仕方ない…。それにこうやって赤飯を出されてからかわれるってことは
一応みんな認めてくれているってことでいいのかな…。
まもなく魚が運ばれてくる。

「うん、うまい!さすがはコタロウが釣った魚だなぁ」
「えへへ…そんなことないですよ〜。釣れたのはヤスヒロさんのおかげですから…」

コタロウは、はにかんだ笑顔をこちらに向けてくる。な、なんだか急に女性って感じの表情になったなぁ。
そんなコタロウを見てドキドキしていると、ふいに家臣の娘から耳打ちされた。

(ヤスヒロ殿…ちなみにコタロウ様はあっちのお赤飯はまだですから…大事にしてあげてくださいね)
(な、なんだって!?)
257名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 12:14:52 ID:/pSXebVI
な、なんだってーーーーーーーーーーーーーーーーw
258名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 12:44:31 ID:MfOz823f
(゚∀゚)コタロウ!………………


          ///
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 20:53:28 ID:pxN2ExMm
何という家臣www
主の秘密を密告するとは・・・・・・・でかした!!!!





さあ、男なら食わずにはいられないなw
260名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 23:45:35 ID:1hH8sDEe
もうフラグがビンビンではないかw

待ちきれん、早々と全裸で正座してお待ちしておりまする〜
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 00:44:56 ID:v0FB2SSG
なんだこのキモスレ








コタキュンが初めて女の子なんだと痛感したぜ、裸にはならんがガンバ!
262コタロウちゃんぷるー:2008/09/19(金) 12:59:04 ID:q3OwdiLB
むむぅ…でもコタロウの年齢を考えればそんなもんか。
大事にしろっていう真意は…。戦国時代は幼くても結婚したりするからそういうことを言っているのか?
はは、まさか。俺はそこまでロリコンでもないしな。純真なコタロウに手を出すはずがない。
当のコタロウは嬉しそうな顔で魚をパクついている。
そうだ、焦ることはないんだ。彼女がもっと成長するまでの我慢だ。

 ─────────────────────

「はぁ…やってられぬ…マサムネめ…このわしに汗をかかせよって…」
「どうにも近頃小競り合いが続くようですね…何かと不利な情報が流れているようです」
「ふん、察しは付いておる。中々一筋縄ではいかぬ相手だったようだ」

薄暗い廊下を、外套を羽織った長身の美女がイライラした足取りで歩く。
その後ろを眼鏡をかけたこれまた美女が、無表情で歩いている。

広間に辿り着くと、玉座の代わりに鎮座している大きな西洋のベッド…
赤髪の美女、ノブナガはおもむろにそのベッドに腰掛けると、鎧を外し、下着も全て脱ぎ一子纏わぬ姿となった。
ほどよく引き締まった身体に豊満な胸が揺れる。そしてベッドに横たわると、咥えていたキセルをコン、と鳴らす。
途端にどこからか幼い風体の美少女が数人現れ、ノブナガの身体についた汗を舌で舐め取り始めた。

(ふん、いつ見ても下卑た趣味だ…)

柱に寄りかかり、眼鏡の下から軽蔑の視線を送るミツヒデ。
広間にはピチャピチャという音が響き渡る。

「…ミツヒデよ」
「はっ」
「近いうちにまた奴の所へいく。それまでにうるさい蠅どもを黙らせておくのじゃ」
(人使いの荒い奴だ。まぁいい、それも榛名を手に入れるまでの辛抱か…)
「御意に」

 ─────────────────────

夜になり、俺は寝るための準備をしていた。
コタロウが元気になってよかったな…しかも…お互いの気持ちが通じ合ったわけだ。
昼間の状景を思い出し、つい顔がにやけてしまう。可愛かったなぁ、コタロウ…
それに柔らかくて…おっと、こんなことを考えていたら…いかんいかん。

トントン

「ん?誰だこんな時間に……どちらさまで…」

スーッと襖を開けると、そこには…
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 13:30:01 ID:Sn55BLI+
そ、そこには・・・・・!?
これはパンツ脱いで待機せざるおえぬ状況・・・・・(; ^ω^)
コタロウちゃんが一糸纏わぬ姿で頬を赤らめながら立ってるんですね。わかりますウッ
早く続きが読みたいわっふる
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 21:23:01 ID:5JkETXOU
誰か当たり中の『戦国乙女』のテーマくれないですか?(´Д`)探してもないんです(泣)お願いしますauですm(__)m
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 22:01:41 ID:oBsIEalA
>>264
なぜ、このスレに願い出たか知らないが
他のスレに頼みなはれ
(´・ω・`)
266名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 23:37:35 ID:ZUhvsIec
そうだぞ
こんなダメ人間のすくつに何を期待しているんだ
267名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 23:56:21 ID:bJq+0CVP
>>266
すくつwwwwたしかにダメ人間かもなぁwww
268名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 00:00:01 ID:hUmwNbJX
>>264
本スレ行きなされ
戦国紳士は皆優しいよ
269コタロウちゃんぷるー:2008/09/21(日) 00:03:37 ID:lWJTYvja
紳士だけに真摯にってやかましいわ!
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 01:10:11 ID:PJYUTFuG
ちゃんぷるー氏はノリ突っ込みまで標準装備とわ
さすが我らの希望の星www
271コタロウちゃんぷるー:2008/09/22(月) 00:23:50 ID:GKDY+7q7
そこには意外なことにあのノブナガが…

「な、なんでお前がここに!!」
「実は…コタロウよりお主の方を好きになってしまったのじゃ…」
「なんと奇遇な!実は俺も前からノブナガの事…」

シュッ! ガシャン!

巻戻し <l<l

コタロウ「きゅるきゅる〜」

再生 l>


そこにはコタロウが…

「コタロウ…どうしたの?こんな夜更けに…」
「あの…ヨバイ?をしにきました…」
「えっ!?ええぇ!?」

な、なにを言い出すんだ!?ヨバイって…やっぱり夜這いのことだよな…
そ、そうか…こっちの世界じゃ女が男を夜這いしに来るのか…ってそういう問題じゃない!

「よ、夜這いって…わかってて言ってるのか!?いきなりすぎるよ!」
「あの…そのことなんですけど…ボク、そのヨバイって何か知らないんです…」
「へ?」
「ムラサメが、『気持ちを伝えた日の夜には、ヨバイをしなさい』って…」
「一体何を教えてるんだ、ムラサメは…」
「意味が分からないので聞いたのですが、ヤスヒロさんが知っているから行けば分かるって…」
「むむ…まぁ知らないかって言われたら、まぁ知ってるけど…その…」
「お、教えてください!」

真剣な目をして俺の手を取る。すごく真剣な目だ。
コタロウが純真なのをいいことに、やりたい放題だなムラサメは…。

「そ、その…なんだ…」

なんと伝えればいいか返答に困る…。
272コタロウちゃんぷるー:2008/09/22(月) 00:47:37 ID:GKDY+7q7
「あ〜…この前、怪我で寝ている時に色々勉強したんだろう?女の子の事をっていうか…」
「あ…は、はい…」

恥ずかしかったのか、ちょっと頬が染まる。
女の子の事を勉強したなら、きっとあっちのほうももちろん教わったのだろう。

「その時に習ったとは思うけど…夜這いっていうのは、夜になって好きな相手のところに行って…
 んー…子作り…?をすることなんだよ」
「え…あっ…!」

みるみるうちに茹ダコの如く真っ赤になるコタロウ。
まさかそんな意味だとは思ってなかったんだろうなぁ…。

「ごっごごご、ご、ごめんなさいっ!!ボ、ボク、そんなことだって知らなくて…!」
「い、いや、別に謝らなくてもいいよ…」
「あっ、あぅ…うぅ〜」
「ほら、落ち着いて…」

コタロウの身体をギュッと抱きしめてやる。
落ち着いたのだろうか、俺の腕の中で深呼吸をしている。

「その…本当にごめんなさい…本当に知らなかったんです…」
「だから謝らなくてもいいって…。でもあれだな、俺はちょっと嬉しかったかな…」
「え…あ…はうぅ〜……でも…ボクは…」
「ん?」
「その…ボクは、ヤスヒロさんの子供…欲しいです…」
「えっ…?コ、コタロウ…」

衝撃的な発言だ!照れた顔で上目遣いで言われたら、どんな男でもこれは堕ちる!
俺ももちろん堕ち…るわけにはいかない!まだコタロウは…!

「気持ちは嬉しいよ…でもほら、コタロウはまだ身体がそのための準備が出来ていないんだから…」
「あっ…そ、そうですよね…」
「ちゃんと準備が出来たら…もういっかい夜這いしにきてくれるかな?」
「あ、あうぅ〜」

恥ずかしがって完全に俺の胸に顔を埋めてしまった。
そうだ…今はまだだめだ。もっと大人になってからじゃないと。

「せっかく来たんだし、一緒に寝よっか?」
「あっ、は、はい!いいんですか…?」
「コタロウなら大歓迎だよ」

 ─── コタロウは俺に抱きつく格好で床についた。腕…しびれなきゃいいけど…。
    幸せそうなコタロウの寝顔を見ながら、俺も深い眠りに落ちていった。
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 01:08:55 ID:c2OCMdod
続きキター!起きてて良かった。
相変わらずのgjです!
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 01:24:05 ID:kn3JkTxY
続きキタキタ!!!!!
( ^ω^)夜更かししてよかったお
オレがヤスヒロなら・・・・・・間違いなくコタロウのお赤飯頂きます。
待てません!
275名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 01:44:11 ID:EzR8hJV3
巻き戻しネタキターw
リクエスト答えてくれてありがとうございますw
必死に我慢するヤスヒロの態度にある意味萌えw
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 23:20:44 ID:ZWN6qKHK
やっぱコタロウがきゅるきゅる〜言ってるのを想像すると萌え死にそうになるw
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 20:15:14 ID:1BTwvMXo
続きが気になって股間の大剣役物が何度も振り下ろされてます
278コタロウちゃんぷるー:2008/09/24(水) 22:55:49 ID:BDAWNXLu
後先考えずに書いてるので何も出てこないのです。
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 23:28:28 ID:/btERFE/
ちゃんぷるーさん、時間かかっても気長に待ってますので焦らないで下さいな。(^^)
280コタロウちゃんぷるー:2008/09/25(木) 01:10:28 ID:mhhPdbuQ
…はずだったが。パッと目が覚めてしまった。まだ寝始めて10分ぐらいだろうか。
案の定腕が痺れたのだ。コタロウは寝息を立てているし…
どうにかしてコタロウの頭の下に入っている腕を外さないことには、俺に安眠は音ズレない。

もう片方の手で頭を浮かして抜くか…?テーブルクロスの要領で…いや、無理だ。あほか。
やはり最初の案しかあるまい。コタロウの頭に手を添える。

少し浮かして…起きるなよ…よし、今だ………おっけー。後はコタロウの頭を布団に…
ん…やっぱ枕があったほうがいいよな。仕方ない、俺の枕を…
ゆっくり…ゆっくりしないと…起きてしまうぞ…

「ん……ん〜?」
「あ…起こしちゃった…?」

細心の注意を払ったが、努力の甲斐なくコタロウは寝ぼけ眼を俺に向けた。

「どうしたんですか…?」
「あ、いや、ちょっと腕が痺れちゃったから…」
「…あ…ごめんなさい、気が付かなくて…」
「いや、いいんだ。ほら、俺の枕使っていいから…」
「あ、そしたら、ボク自分の持ってきますっ」

そういってモソッと起き上がろうとしたコタロウだが…

「きゃっ!」   ドテッ!

自分で着物の裾を踏んずけてしまい、転倒した。

「だ、大丈夫?暗いから気をつ…」
「あいてて…ん?ひゃ、ひゃぁっ!」

コタロウは転んだ拍子に着物が乱れ、下着が顕わになってしまっていた。
慌てて裾を押さえるコタロウ。
あれは…紐パン的なものか…?また、着物がずれたため、肩口の白い肌も顕わになっている。
まだ幼い身体とはいえ、はだけた着物を押さえて座り込む姿には扇情的な趣…色気が見て取れた。

俺はその姿を見て、押さえきれないほどの興奮を覚えた。
赤飯前だろうと関係ない!コタロウの夜這い、見事成就させてやる!
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 01:53:28 ID:JAzrCRDd
ちゃんぷる巨匠キタ(・∀・)キター!
コタロウちゃんがいよいよヤスヒロの触れてはいけない理性を断ち切ってしまったのですね!
わっふるわっふる〜
朝5時に起きて会社行く気力沸いてきた
282コタロウちゃんぷるー:2008/09/25(木) 17:47:23 ID:mhhPdbuQ
「うぅ…はしたない格好をお見せしてしまって…」
「……」
「や、ヤスヒロさん…なんだか目が怖いですよ…?」
「こ…」
「こ?」
「コタロオオオ!!!!」
「ひゃぁっ!?」

俺は座り込んだコタロウを持ち上げ、布団へ押し倒した。

「きゃっ!や、ヤスヒロさん!?」
「コタロウ…やっぱり戦国乙女たるもの、一度決めたことはやりとげるべきだと思うんだなぁ」
「ふぇ…?それって…」
「俺も手伝ってあげるから…夜這いを見事成功させるんだ!」
「え、ええぇぇっ!?…んむっ!」

俺は動揺しているコタロウの


シュッ! ガシャン!

早送り l>l>

コタロウ「きゅるきゅるきゅる〜」

再生 l>


起きるとすでにコタロウの姿はなかった。
やっぱりあんなことをした後では、恥ずかしくて顔を合わせられないのかもな。
そんなことを思いながら、朝食のため俺は広間へ向かった。

思ったとおり、コタロウは広間でも俺の顔を見るなり、真っ赤になり顔を合わせようとしない。
そんな態度をとってたらバレバレだぞコタロウ…。

「おはよう、コタロウ」
「お、おは、おはようございます…」
「その…昨日の夜は勢いであんな…怖かったよな、ごめんね」
「い、いえ!…ボクも望んだことですから…」

嬉しいことを言ってくれる。今夜も頑張ろうかな。
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 22:32:11 ID:BFQo4Bfw
ちょっwそこで早送りww
きゅるきゅるきゅる〜の間に何があったのか気になりまくりんぐw
284名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 23:55:51 ID:5/syUkXS
巻き戻しを要求するっ!!
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 14:26:37 ID:+UDUP44b
きゅるきゅる〜行った所の内容をエロパロ板にでも詳しく書いてほしい(´・∀・)
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 22:36:24 ID:7mj0P2Cm
戦国モード突入!

コタロウ「ボクはコタロウ、よろしくお願いします」
赤【旗】ぶぉ〜ん【旗】炎
コタロウ「今日は、どこへ行きましょうか?」
赤【旗】【旗】ぶぉ〜ん【旗】【旗】炎
コタロウ「えっ、そうなんですか? それでは早く行きましょう!」
コタロウ「今日は、誘ってくれてありがとうございます」
4川4

告白タイム!
大好きです付き合ってください!
コタロウ「えっ? そんなこと急に言われましても・・・」

ドキドキ ドキドキ

>>290
287:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/09/28(日) 00:54:48 ID:qRKEXRil
>>130今さら続きなんぞを・・・。

 その後、何度も頭を下げる彼女に困惑しながらも、何とか彼女に理解してもらいこの場は引き取ってもらった。
なのだが・・・。

   家臣2「あの、○○様・・・。」
   家臣3「○○様お体の具合の方は?」
   家臣4「これ、身体にイイ薬草です。よろしければ。」
   家臣5「あの、○○様になら、あたし・・・。ポッ。」

 引っ切り無しに城中の女の子が俺の部屋に見舞いにやってきた。この反応の変わりっぷりは一体どうしたものか・・・。
気味が悪いくらいの、もてはやされっぷりにかなりまいっていた俺は、合間をぬって重臣のおば・・・、お姉さんに聞いてみた。

   ○○「で、このもてはやされっぷりはなんなんだ?」
   重臣「ああ、そのことですか。なあに、皆が素直に○○様の実力を認め、同時に男としての魅力に気づいたのでしょう。」
   ○○「え?そ、そうなの?」
   重臣「ええ、そうですとも。あの難敵にお一人で立ち向かったのです。認められるのは当然でしょう。」
   ○○「ふ〜ん、あんなものでねえ。」
   重臣「本人からは大したことでなくとも、他人からすれば大変なこともあるのですよ。」
   ○○「んっ、わかった。どうもご教授感謝いたします。」
   重臣「いえいえ。あ、わたくしをお求めになっても駄目ですよ?夫子ある身ですから。」
   ○○「・・・・・・・ない。」

 数日後、ようやく外出の許可も出、俺は気晴らしに城下町に出た。
隣には、嬉しそうに俺と手をつないで歩くヒデヨシがいる。 

   ○○「・・・おい、ヒデヨシ?恥ずかしいから、手は放さないか?」
 ヒデヨシ「へへ〜ん。ダメだよ?お兄ちゃんは病み上がりなんだから、倒れたら大変だもん!」
   ○○「いや、さすがにそこまでじゃ。それに誰かと違って、子供じゃないんだから。」
 ヒデヨシ「むっ!子供って誰のこと!!!!」
   ○○「あっ!見てみろ、今日は市が立ってるぞ!ほらほら!」
 ヒデヨシ「あっ!お兄ちゃん!そんなに引っ張んないでよお!」

 文句を言われる前に、ヒデヨシの手を引き市の中へと足を進める。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:02:08 ID:xTtN7EUw
>>287
○○さんキター!!
ヒデヨシかわいいよヒデヨシ
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:49:25 ID:SljK845N
>>287
〇〇さん続きキター(゚∀゚)
ちょっぴり漢を感じる主人公も(゚∀゚)イイ!
よかったら続き期待してます!
290:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/09/28(日) 02:52:40 ID:qRKEXRil
>>287
 ヒデヨシ「もぐもぐ。はむはむ。ふぁ、おふぃはん、こんろはあとこのおみしぇに―。」
   ○○「まてまてまてまて!何言ってるのか全然ワカラン!ちゃんと飲み込んでから喋れ!」
 ヒデヨシ「ふぁーい、んぐっ。っと、今度はあそこのお店のお饅頭食べに行こうよ!」
   ○○「なっ・・・!まだ食べるのかっ!?」
 ヒデヨシ「だって約束したもん!戦が終わったら遊んでくれるって!」
   ○○「まあ、言ったけども。ここまで奢るとは・・・。っておい!」
 ヒデヨシ「おじちゃーん!お饅頭ちょうだーい。」

 ヒデヨシは嬉しそうに茶屋の店先にかけていくと、店主のオヤジに饅頭を注文した。
そういえば、ヒデヨシと城下を回っていて、ふと気づいたことがあった。

 ヒデヨシ「はい!お兄ちゃんの分!」
   ○○「んっ。」
 ヒデヨシ「えへへ〜。ここのお饅頭は甘くておいしいんだよ!」
   ○○「そうか・・・。」
 ヒデヨシ「お兄ちゃんどうしたの?」
   ○○「ん?いや、別に。ちょっと考え事。」

 ヒデヨシの疑問の声で我に返った俺は、ごまかすように饅頭を口に含んだ。うむ、甘い。なるほど、これは中々のものだな。
そうして茶屋の店先に腰掛け、二人並んで饅頭を頬張ったのだが、急にヒデヨシが静かになっていた。

   ○○「どうした、ヒデヨシ?急に黙り込んじゃって。」
 ヒデヨシ「もしかして・・・、あたしといるの楽しくない?」
   ○○「へ?そんなこと無いぞ。なんだ?いきなり。」
 ヒデヨシ「だって、お兄ちゃん、さっきからずっと考え事してるんだもん・・・。」

 少し寂しそうな顔をしたヒデヨシは、両足をブラブラさせて饅頭を両手で持ち、足元を見つめている。

   ○○「ははは、いや悪かった。ちょっとお前のことについて考えてたんだよ。」
 ヒデヨシ「あたしの、こと?」
   ○○「ああ、そうだ。」

 子犬のような顔で、不思議そうに首をかしげたヒデヨシがこちらを見上げる。
その愛くるしい表情を見て、思わず俺はヒデヨシの頭にポンと手を置いた。

 ヒデヨシ「ふぇ?」
   ○○「いやな、この城下町、よく治まってるなと思ってさ。」
 ヒデヨシ「?」
   ○○「人は多いし、色んな店もある。それでいて治安はしっかりしているし、何より活気がある。」
 ヒデヨシ「そうなの?」
   ○○「おお、そうだとも。ここまで立派に治まった所はそうそうないぞ。・・・よくやったな。」

 そういって俺は再びヒデヨシの頭に手を置き、優しくヒデヨシの頭をなでた。
291コタロウちゃんぷるー:2008/09/29(月) 12:21:51 ID:0QJKYm4y
「ミツヒデ…いつになったら奴のところへ攻め込むのじゃ!?」
「そう声を荒げないで頂きたい。コタロウ陣営も二重三重の罠を仕掛け、張っていますゆえ…」

度重なる戦に辟易しているノブナガは、ベッドのカーテンを挟んで向こうにいる、ミツヒデにつっかかった。
ミツヒデは影でしか確認できないノブナガに向かって、淡々と返す。
実際に、コタロウは先の反省を踏まえ、かなりの策をめぐらしていた。それにはさすがのノブナガたちも
ただ手を焼くばかりであった。

「ですが、面白い情報がひとつ…」
「ほう…!申してみよ」
「あっ…!」

ベッドの向こうから少女のか細い声が聞こえる。またか、とミツヒデは思ったが報告を続ける。

「ノブナガ様がコタロウと対峙した日、コタロウの側に男が一人いたとおっしゃいましたね」
「あぁ、確かにおった。何故あのような場所に男がおったのか…」
「奴はどうも、コタロウと相当深い仲にあると…そういった情報です」
「ふん…男、か。わしにはどうも理解できぬな。あんな下卑た者供より、こちらのが数倍よいわ」
「ひぁっ…!ノブナガ様ぁ…!」

カーテンの向こうの影が激しく揺れ、同時に漏れる声も激しさを増す。
ミツヒデはため息をつき、さっさと出て行こうとしたが、思いもかけず声がかかる。

「…隙在らば、そ奴を捕らえよ。多少壊れようが構わぬ」
「…御意」

…忍と供に小隊で目立たぬ行動を取れば、街中ぐらいには辿り着けよう。
後はそいつが単独行動をとりさえすれば…。
それを材料にノブナガをうまく騙しぬくも一興か…ふふ。

 ────────────────────

コタロウが、昼間の政務も終わったようなので、俺の部屋に来た。
疲れた様子なのか、コタロウは俺の腕の中で寝息を立てている。
可愛い寝顔だ…昨日のあぁいうのも可愛いが…
今度街に行ったときにプレゼントでも買ってあげようかな。
コタロウの喜ぶ顔が頭に浮かんで、ついニヤニヤしてしまう。もう俺はコタロウ病だな。
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:15:08 ID:jZe4yJrk
保守でwktk
293コタロウちゃんぷるー:2008/10/03(金) 09:13:11 ID:TPozKK70
頭を撫でてやると、小さくのどを鳴らしてより俺にくっついてくる。まるで猫みたいだ。
ほっぺたをみょ〜んと伸ばしてみる。おぉ、意外と伸びるもんだな。
それでも起きない…と思ったら、さすがに目が開いた。

「…にゃにしてうんへふは〜」
「あはは…ごめんごめん、気持ちよさそうに眠ってたから、つい…」
「もう…つっ!」
「ん?どうした?」
「ちょっとお腹が痛くなって…」
「何か悪いものでも食べたかな?あ、もしかして拾い喰いでもしたんだろ」
「そ、そんなわけないじゃないですか………あぁっ!?」

いきなり何かに気付いたようにバッと立ち上がり、一目散へどこかへ行ってしまった…。
なんだなんだ?急なことでわけがわからなくなる。

 ────────────────────

コタロウは廊下を走り、ある場所を目指していた。

(はぁっ…はぁっ…この感触…うぅ…なんでいきなり…?)

厠に駆け込み、コタロウは自らの股間を覆っている布を外す。
しかしそこには、予想していたのとは違う事態が起こっていた…。

「え…?なにこれ…漏らしたんじゃない…血?これってまさか…この前教わった…!?」

突然のことで気が動転する。
ど、ど、どうしよう!?こんなに血が!?こういうものなのかな…と、とりあえず誰か呼ばないと…!
すると、ちょうど外に人の気配がする。

「すみません!誰かいるんですか?」
「え?コ、コタロウ様ですか?どうなさいました!?」
「あ、よかった…あ、あの、先生を呼んで来てくれませんか…?」

先生とは、この城に常駐している医者である。先日、女性の身体の仕組みを教えてくれたのも先生だ。
外にいた兵士は、急いで先生を探しに行ってくれた。そして…

「ふむふむ…」
「あの…やっぱりこれって…」
「コタロウ様…おめでとうございます。これはお赤飯炊かないといけませんね〜」
「あぅ…その…炊かなきゃだめですか…?なんだか恥ずかしくて…」
「何をおっしゃるんですか。これはれっきとした風習、慣わしなのですよ」
「むぅ〜…」

 ──────────────────

あの後、コタロウが戻ってこないので心配したが、その理由は夕食の時にわかった。
城総出で祝うものだから、これは恥ずかしいだろうな…。
しかしそうか…ついに始まったのか…しみじみ。
なんとなく娘を持つ父親みたいな心境になってしまった。俺まだ若いのに…。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 12:47:25 ID:Y/JB1PUw
( ;∀;)コタキュンオメデトー
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 14:05:22 ID:7S4l7kJl
いよいよコタキュンが女の子から女に変わるんですね。わかります。
と、いうことは毎晩ヤスヒロと心起きなくにゃんにゃんできるわけですね(・∀・)
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 00:43:47 ID:ibK12352
(´Д`)
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 00:52:21 ID:3VcTumAQ
(;*´Д`)コタキュン…
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 01:29:20 ID:cXkaI/UK
コタ(*゚∀゚*)ノキュンキュン!!
299コタロウちゃんぷるー:2008/10/04(土) 01:48:14 ID:Aj1sUzhF
コタロウもある意味一人前になったわけだ。これはお祝いしてあげないといけないな。
昨日は恥ずかしがって俺のところにはこなかったけど…。

というわけで、次の日の昼、俺は街に出てきて、何かプレゼントを買うことにした。
ここは治安もよく、コタロウの手腕が伺える活気のある街だ。
さて、何を買ったもんかな…やっぱり大人っぽいものがいいかな…。

ふと、ある露店に目が行く。きれいな髪飾りが並んでいる。
髪飾りか…いいかもしれない。大人っぽい上品な物でも売ってないかな?

「…贈り物かな?」
「え?ま、まぁそんなとこです」

急に話し掛けられたものだから少し驚いた。店主は…声からすると女性だろうか。
被り物を深く被っているため、顔はよく見えないが…眼鏡?を掛けているようだ。
訝しく思っている俺を横目に、店主はお構い無しに話しかけてくる。

「君は中々に目が利いているようだ。ここに並んでいるものはすべて上物なのだよ」
「へぇ…そうなんですか…。いや、たまたま目に入っただけで…」
「ふふ…上物には上物が寄るという事かな」
「え?」
「いやなに、こちらの話だ。気にしないでくれたまえ」

何だか怪しいなぁ…。でも確かに並んでいるものはどれもすごく上物のようだ。
値段もその割には手ごろだし…。
さて、コタロウに似合うものはどれだろうか。この銀色の上品な…白いのもいいなぁ。

「随分と大人びた物を選ぶみたいだね…」
「まぁ…そうですね…。色々とわけがあって…」
「ふふ…まだまだ幼い気がするのだが」
「…え?」

幼いって…この店主、俺がコタロウに贈るのを知って…?街にも俺の顔は知れ渡っているのか?

「おっと、変な顔をしないでくれ…君の事を城下で知らないものはいないよ」
「そ、そうなんですか?いや、お恥ずかしい…」
「随分と深い仲だそうじゃないか」
「ま、まぁ…それなりに…」

なんだろう…?小さな違和感が心に残る。この店主…やっぱり怪しいぞ…?
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 01:50:39 ID:fwyRI+iI
(゚д゚)
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 01:51:47 ID:iEI5SZd1
ミツヒデww
どんな企みをしてるのか今から楽しみだw
302コタロウちゃんぷるー:2008/10/05(日) 21:23:49 ID:PnEpVvHQ
 「じゃあ…俺はそろそろ…」

直感だけで警戒するのも申し訳ないとは思うけど…それでも拭いきれない違和感がこびりついている。
ここは一旦、引いたほうがいい。

 「ん?なんだ、買うのではなかったのか?」
 「一応、他の店も見てみようかな〜なんて…いや、ここの品揃えも素晴らしいんですが」
 「そうか…それは残念だ。また来てくれることを願っているよ」

…やけにあっさりと…考えすぎだったかな?
そう思いながら俺はこの露店を離れようとした ───── のだが。

 「そうそう…先刻から気になっていたのだが…」

背中越しに声がする。

 「あの建物の影…まったく物騒な世の中だとは思わないかね?ん?」
 「え…?」

振り向き、彼女の指が指す方向を見る。通りからは見えにくい、少し離れたところに建っている家。
その影には…。

 「なっ…!?」
 「ふふ…本当に物騒な世の中だ…本当に…」

妖しく響く含み笑いを背中に受けながら、俺はただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
通りを行きかう人々の間から覗く、その光景に…。

二つの人影…一人は黒装束を身に纏った女性…そしてもう一人は、鎧を纏った兵士。
あの娘は…よく城内で出会う娘だ。何度か話したこともある。
口には猿轡をされ、喉にはキラリと光る刃が当てられている。
なぜここに…?いや、それよりもなんでこんなことに…?
彼女は目に涙を浮かべ、ただただ申し訳なさそうな顔をするばかりだ。

 「さて…と」

後ろでは、立ち上がり、衣服をパンパンと叩く音がする。

 「君がどんなにうつけであろうと、聡明であろうと…状況は飲み込めるだろう?」
 「あ…」

後ろを振り返る。立ち上がって顔の位置が高くなったため、視線が交わる。
この店主は…いや、こいつは…!
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:47:41 ID:RLiHcxQB
ドキドキ(;゚Д゚)ドキドキ
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 00:46:28 ID:AxFzCpFE
わっふるわっふるキタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 07:44:37 ID:UT5mte3V
越後のちりめん問屋のご隠居様、どうか助けてあげて。
306コタロウちゃんぷるー:2008/10/07(火) 20:51:00 ID:OTAfpPzG
 「彼女の命が惜しかったら…というのは多少典型的かな?なるべくなら私も血は見たくないのでね」
 「目的はなんだ…ミツヒデ」

きっと彼女はコタロウか誰かの命令で俺を隠れて護衛していたのだろう。
まさか、あの包囲網を潜り抜け、既にミツヒデが潜伏していたとは…。
流石は戦国乙女といったところか…。しかし、その可能性を考えずに勝手に行動した俺も悪い。
どうにかしてあの娘だけでも助けないことには…。

 「ほう、名前を知っていてくれたのか、嬉しいことだ」
 「ふざけるな、さっさと目的を教えろ!事によっては俺だって覚悟はできている…!」

と、虚勢を張ってはみたものの…うぅ、やっぱり怖いよ。誰でもいいから颯爽と現れて助けてくれ〜!

 「ふふ、勇ましいことだ。だが、そう肩肘張るようなことではない」
 「…どういうことだ」
 「君の命とコタロウを引き換えにする…ノブナガからも言われていることだ」

随分とあっさり一番恐れている事を口にするんだな…。やっぱり逃れられない運命なのか。

 「しかし、私はそうではない」
 「…え?」
 「君たちは私とノブナガが組んでいると思っているようだが…真実は意外とそうでもないのだよ」
 「ちょっと待ってくれよ…意味が分からない」
 「私もあの女は好かんのだよ。とりあえず組んだふりをして、機を伺っているといったところかな」
 「じゃあ、俺たちはなんで…」

ミツヒデの話によると、コタロウと組んでノブナガを倒そうと企んでいるらしい。
どうにもうさんくさい…コタロウだってそう思うだろうし、簡単には従わないだろう。
しかし、それでも強制的にそうせざるをえない為の俺たち、ということのようだ。

 「というわけで…城主様のところまでご案内願おうかな?彼女の命は私達が預かっておく」
 「選択の余地はないってことか…はぁ…」

ミツヒデと一緒に城内に入っていったら、みんな驚くだろうなぁ。
ごめんよ、コタロウ…
307コタロウちゃんぷるー:2008/10/07(火) 21:23:37 ID:OTAfpPzG
 ──── 一方その頃 ────

はぁ…いきなりこんなことになるなんて。
お腹も痛いし、気分は優れないし…。これが毎月だなんて…気が重くなるなぁ。
でも…これで大人の女性の仲間入りなんだよね。
ヤスヒロさんも見る目を変えてくれるかな…ボク、もう子供じゃないんだよ…。

そんな物思いにふけりつつ、昼の暖かい日差しの中まどろんでいると、ふいに襖を叩く音で眼が覚めた。

 「ふぁ、ふぁい!」
 「コタロウ様…お加減は大丈夫でしょうか?」
 「あ、はい…大丈夫です」
 「初めての事で色々と大変でしょうし、どうぞ皆をお頼り下さいね」
 「ありがとうございます…」
 「これでついにヤスヒロ殿のお子を授かることもできますねぇ」
 「ま、まだ早いですよ!やだなぁ、もう…」

そういえば、さっきヤスヒロさん出かけていったけど…帰りが遅いな…少し心配だな。
一応護衛の子もつけておいたし平気だとは思うけど…まさか何か大変なことに巻き込まれてたりしないよね…。
でも、包囲網は完璧なんだから、自信持たないと!

 ────────────────────

 「ヤ、ヤスヒロ殿!?なぜ明智ミツヒデと一緒にいられるのですか!?」

さっそく門番から突っ込まれた。そりゃそうだ。敵と一緒に城に入ろうだなんてのは…。

 「あの…これには色々事情があって…」
 「さぁどいたどいた。ヤスヒロ殿の命が惜しければな。君たちだって主の悲痛な顔を見たくはなかろう?」
 「うっ…し、仕方ない!」

ついに城内に…俺がミツヒデに喉にクナイを突きつけられているのを見て、皆一様に驚いている。
あぁ…情けなさすぎる。死にたい。でもコタロウの身がノブナガに渡らないだけでも儲け物か。

ついに広間まで到着してしまった。コタロウは…いない。自室だろうか。

 「さっ、城主様を呼んできてもらえないだろうか。早くしないと…」
 「は、はいっ!」

兵士達は急いでコタロウの部屋へ向かったようだ。俺は申し訳なくて合わせる顔がないよ…。

 「いやぁ、中々にうまく事が運ぶじゃないか。君のおかげだよ」
 「はぁ…そりゃどうも…」
 「そう浮かない顔をしなくてもいいだろう?君もコタロウも命を取られるわけではないのだから」
 「そりゃそうだけど…」
308名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:24:49 ID:A/b7dDpt
(゚∀゚) ミツヒデ!悪役!


だが、そ れ が い い
309名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 22:26:40 ID:D9TqHZkD
やっぱりミツヒデ、腹の中が見えないww
面白くなってきた〜わっふるわっふる!(`・ω・´)
310名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 23:09:20 ID:kp2WlIiK
「コタロウを引き渡すくらいなら自ら命を絶つ方がマシだ!ごめんよ…コタロウ…」
オウガイ登場
311名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 23:33:32 ID:FWOTrs3A
オウガイ「み、見事な一撃だった・・・
これからは・・・お前が・・・南斗鳳凰拳継承者だ・・・


サウザー「お師さーーーーーん!!
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 00:21:59 ID:2TFxtNkN
ムラサメ「私だ」
サウザー「お前だったのか。全く気付かなかった」
313コタロウちゃんぷるー:2008/10/09(木) 00:54:18 ID:yz6qOzz+
しばらくし、パタパタと足音がする。
あー、どんな顔してればいいんだよ…

扉が開き、コタロウが現れた。走ってきたようで、少し息が上がっている。
二人の姿を確認すると、ハッと息を飲み、表情を曇らせた。

 「…ヤスヒロさん」
 「ごめん、コタロウ…」

そんな俺たちのやりとりを、にやつきながらミツヒデは見ていた。
そしてメガネをクイッとあげ、話を切り出した。

 「お初にお目に掛かる…私は明智ミツヒデだ。急な事ゆえ、軽装で失礼する」
 「…ボクはコタロウです。急なのでしたらなおの事、目的を手短にお願いします」
 「ふふ、そう邪険にすることもないだろう。ふむ…実際会ってみると、これまた…」
 「目的をお願いします」

コタロウは毅然とした態度で対応する。ミツヒデには独特な雰囲気があるからな。
彼女のペースに巻き込まれないために、俺が捕まってる状況でも動揺したそぶりを見せないのだろう。

 「ん〜、そうだな…とりあえず…」

ミツヒデは一考した様子を見せたと思うと、クナイを持つ手に力を込めた。
コタロウはピクッと動く。

 「まずは、今しがた下で準備している馬を止めてもらおうか。それと天井裏の子鼠もだ」
 「……」

コタロウは隣にいる臣下に目配せし、ひとつため息を吐いた。

 「…お願いします」
 「わかりました…今そのように」
 「そうそう、話し合いは穏便に、そして秘密裏に行わねばな。わかってもらえたかな?」
314コタロウちゃんぷるー:2008/10/09(木) 01:24:44 ID:yz6qOzz+
 「国境の警備も中々に厳重で、手こずったよ。それでも私と数人の忍が入り込むぐらいなら
  多少の隙があるな。街も活気があって良い所だ、気に入ったよ。主の手腕が伺えるな」
 「…そんな話をしにきたわけではないでしょう」
 「まぁ少し話しをさせてくれたまえ。私もノブナガの相手ばかりで疲れているのだよ」

本当に掴めない女だ。笑顔で話してはいるが、目が笑っていない。
そして、一時も俺を捕まえる手、クナイを持つ手を緩めたりしない。

 「先の戦では、オウガイと戦ったが、あれは強いな。まるで鬼神の類かと思ったほどだ。
  兵士もよく訓練されているし、私に抑えられるかどうか不安だったよ」
 「……」
 「おっと、そうそう話してばかりもいられないな。では用件を言おう」

コタロウだって、さっきの俺と同じ心境だろう。ただ、一国の主としてどう判断するかは…。

 「この男と…もうひとり護衛の兵士がいたのだが、その二人の命と天秤にかけられるのは何だと思うかね?
  私の命か、君の命か、はたまた別のものか…」
 「……」
 「二つの命で国を救おうというのも、一国の主としては間違いのない行動ではあるな」
 「…それはボクが決めることです。あなたの憶測は必要ない。まずは明確な目的をお願いします」

コタロウはいくら一国の主とはいえ、幼い身で人の生き死に、国の行く末を案じなければならない。
俺がこの歳だったら何も考えられなくなるだろうな。

 「いいだろう。では単刀直入に…」

コタロウとしては不本意だろうが、ノブナガを倒せるのならそれはそれで悪いことではないのかな?
ただ、倒せたとして、その後ミツヒデはどうする気なのだろうか。やはり戦いは避けられないのか…

 「君の身柄と引き換えだ。ノブナガのもとへ行ってもらう」
 「……」
 「…え!?」
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 01:37:54 ID:B0nPGw84
なっw結局はそうなるのかww

でもミツヒデのことだ、コタロウに…おっと、夢想さんの邪魔をしてはいけないのでこれ以上は黙ってますw
何よりわっふるわっふる(`・ω・´)
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 00:51:34 ID:94jHU516
わっふるage
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 15:01:22 ID:cbDhoIru
緊張の待ちの間にお楽しみ下さい
戦国乙女の演出写メ
http://www.tvshow.jp/hp/?u=sengoku-otome
318コタロウちゃんぷるー:2008/10/12(日) 15:07:59 ID:NUgmEwO/
 「な…!おい!さっきは…」
 「君は黙っていろ。私は彼女に問うているのだよ」

クナイの刃が喉にピタリと張り付き、ヒヤリと冷たい感触を受けた。
命を握られているのを忘れるな…そういう意思をひしひしと感じた。やはり喰えない…。

 「さぁ、どうする…愛する者の命と、己が身、どちらを取るか…」
 「……」
 「コタロウ!俺は…」
 「黙っていろといったはずだ」
 「ぐっ…」
 「乙女心とは複雑なもの…さぁ、返答は如何に…」

一瞬の静寂。コタロウは、膝の上で握っていた拳に僅かに力を込め、ミツヒデをしっかりと見据えた。
固く閉じられた唇がゆっくりと開き、芯の強い声が発せられた。

 「わかりました。ボクはノブナガの下へ行きます。彼と、兵を今すぐ離してあげてください」
 「コタロウッ!」
 「ふふ…それがコタロウ…君の答えか」

なんてこった!俺のせいで…俺のせいでコタロウが…!



 「では、交渉成立だ…と言いたい所だが…」
 「え…?」

ミツヒデはちらりと広間の入り口を睨んだ。

 「面倒な奴に感づかれたものだ。これではせっかくのいたずら心も泡沫と消えてしまう恐れがある」
 「どういうことだ…?」
 「出てくるがいい。これはほんのいたずらだよ。私の本心をお教えしよう」

そうミツヒデが言い放つと、ギィ…と広間の扉が開き、ひとつの影が現れた。

 「くぅ〜ん…」

シ、シロぉ!?
319名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 16:39:41 ID:D8ujbyjE
(゚∀゚)o彡゜オウガイ!登場!…

    …えっ? シロ!? w
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 18:26:42 ID:06/wpE51
ミツヒデ「シロにもふもふしていいのはのは私だけだ。お前たちは手を引け、さもないと…」
 シロ 「だが断る!」
321LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/12(日) 23:49:36 ID:/2ujBHHQ
保守
322LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/13(月) 11:14:09 ID:AdfczDG+
シロ「なぁらばぁ、ミツヒデ。貴様の本心を聞かせてもらおうかぁ」
(CV若本)
323コタロウちゃんぷるー:2008/10/13(月) 13:04:26 ID:/McmR9xw
 「ぬうぅ…このシロ、誠に不覚でぇござったぁぁ」
 「シ、シロがしゃべった!しかも強力な声!」
 「見つかってしまってはぁ仕方がのぅござるぅ。なぁらばぁ、ミツヒデ。貴様の本心を聞かせてもらおうかぁぁ。
 それともぉ?このわしを恐れて、声も出ぬかぁ?んぅ〜ん」
 「う、うるさいうるさいうるさい!」

シュッ! ガシャン!

巻戻し <l<l

若本「きゅるきゅるぅ〜」

再生 l>


 「くぅ〜ん…」
 「ふん、我としたことが、貴様に気取られるとは…お主のせいだぞ、まったく」
 「ぎゃわん?」
 「お、オウガイ!」

シロの後ろから現れたオウガイ、なぜこのタイミングでここに!?知らせは行ってないはずなのに…。

 「オウガイ!どうしてボクの城に…?」
 「シロが散歩中に何かしらを察知したかのごとく走り出してな…付いていってみればここに辿り着いた
  というわけだ。しかしまぁ、随分と歩かされたものだ。」
 
そ、そうだったのか…しかし、オウガイに気付いたミツヒデが言った言葉が気になる。
いたずら…?本心…?もしかして…。

 「コホン、では話を元に戻そう。今言った通り、コレは私のいたずらだ」
 「いたずらとは…どういうことですか?」
 「君をノブナガの下へ行かせるような事はしない…ということさ。もしあの単細胞が本気に取って
  事を荒立てられると、私の計画も狂ってしまうからな」

ミツヒデはちらりとオウガイの方を見つめる。オウガイは柱によりかかり、腕を組んだままだ。

 「単細胞とはご挨拶な事だ。貴様の様に、腹の底が何重にもあるような女よりかは幾分かマシというものだ」
 「わんわん!」
 「ふっ…なんとでも言うがいい。君にも働いてもらうかもしれないのだからな」
 「…なんだと?」

ミツヒデはコタロウの方へ視線を戻した。

 「そうそう、また話が逸れてしまったな。では…」
 「本心のほうですね?お聞かせ願えますか」
 「その冷静な態度…全て分かっていたようだね?ふふ、君の事を少しみくびっていたようだ。
  すると、あの返答は一体どういう意味を持つのかな…?」
 「オウガイのことは予想外でしたが…ボクの腹の内などどうでもよいでしょう。本心をお聞かせ願います」
324LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/13(月) 13:09:28 ID:/McmR9xw
  
325LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/13(月) 13:51:10 ID:kZrI2kTr
>>323
キタ――(゚∀゚)――!!わっふるわっふる!!!
326LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/13(月) 16:14:37 ID:QJNDIlv7
(゚∀゚)o彡゜若本!きゅるきゅる!
           w
327LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/13(月) 19:18:39 ID:AdfczDG+
たまたま書いたネタを極上ネタにする
コタロウちゃんぷるー!
そこに痺れる!憧れる!

コタロウ以外の巻き戻し音が、まさかの若本で爆笑したwww
シロの声で、ミツヒデの中の人も混乱してるしw
わっふるわっふる
(*´∀`*)
328LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/13(月) 21:45:02 ID:rZ6Ut//2
俺も若本きゅるきゅる吹いたw
しかも、若本シロのセリフがバッチリ若本ボイスで脳内再生されるから困るww
329LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/14(火) 00:07:00 ID:pd54WNLg
しかも中の人つながりでシャナまで出て来たから困るwwクソワロタww
330LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/14(火) 01:38:04 ID:L9WhFw/8
 「外見に合わぬ、その目の奥の光…ノブナガが欲しがるというのもうなずける話ではあるな。
  では、本題を。ノブナガを討ち取るため、協力してもらおう」

協力してもらおう…その言葉からは、決して嘆願ではなく、強制といった意思が感じ取れる。

 「……」
 「ふん、ノブナガを討つだと…?どんな策があるかは知らぬが、それが人にモノを頼む態度か」
 「頼んでいるのではない。そうしろと言っているのだよ」
 「そのための人質…ということですか?」
 「なにぶん、腹の底が何重にもある身ゆえ…こうでもしないと協力が取り付けられぬだろう?」

ミツヒデの言うことも最もである。敵と協力するなど、まず対等な関係ではありえないことだ。
そして、俺達はその材料とされたわけだ。

 「わかりました。詳しい作戦などの内容は、今聞かせてもらえるのでしょうか」
 「お、おい、コタロウ…お主それで…」
 「いいんです。ボクが決めたことですから…」
 「それでは、交渉成立だな。詳しい内容はおって知らせよう。二、三日中には書状が着くだろう」
 「念書の類は必要ないのですか?」
 「そんな紙切れより、価値のあるものだろう?ヤスヒロ殿の命は…ふふ」

さっきからコタロウは決して俺と目を合わせようとはしない。
そして俺も何も言えなかった。自分が招いた結果がこれだからだ。

 「それでは私たちはこれで退散するとしよう。おっと、見送りは不要だよ」

私たち…やっぱり俺もということか。コタロウとせめて話をしたかったが…コタロウの暗い表情を
見ると、何も口から出てこなかった。そうこう考えているうちに、ミツヒデは俺を抱えて出口へと向かう。
扉を出る際にオウガイの鋭い目と目が合った。…何も言えなかった。
すれ違いざまに、ミツヒデは決して振り向かず、オウガイへと言葉を投げつける。

 「君に知られるのは不本意ではあったが…迂闊に動かないことだ。コタロウのことを思うなら尚更…な」
 「…心に留めておこう」

 ─────────────────

ミツヒデとヤスヒロが出て行き、広間には静寂が残った。
家臣たちも何も言おうとはしない。座しているコタロウの雰囲気がそうさせるのだ。
うつむいているコタロウに、オウガイは歩み寄った。すると、コタロウは重々しく口を開いた。

 「…ボクは、武将失格ですよね」
 「武将には、国を守るためなら、時に部下を切り捨てるほどの非情さを求められる場面がある…。
  例え、それが肉親であろうと、想い人であろうと…」
 「……」
 「愛ゆえに、人は苦しまねばならぬ…愛ゆえに、人は哀しまねばならぬ…」
 「…え?」
 「昔の偉い武将の言葉だそうだ。結局その武将は愛を捨てたがために命を絶たれたそうだ。
  苦しく哀しいなら愛などいらぬ…と言ってな」
 「ボクは…」

オウガイはコタロウをその胸に抱え込んだ。

 「間違ってはいないさ。お主の選択は…」
 「ボクは…うっ…ぐすっ…」
331コタロウちゃんぷるー:2008/10/14(火) 01:38:52 ID:L9WhFw/8
名前ワスレタ
332LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/14(火) 01:45:14 ID:MlV1tzVB
続きキター

我が人生に、一片の悔い無し!
333LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/14(火) 01:55:20 ID:nQVTRDdi
お師さん…もう一度ぬくもりを…ってやっぱオウガイの先祖がお師さんだったのかw
334LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/14(火) 11:00:43 ID:kVnJDs9T
サウザー「愛などいらぬ!」
335コタロウちゃんぷるー:2008/10/18(土) 00:10:58 ID:wwFcqsr4
せまい。揺れる。暗い。

まだ日は落ちていないというのに ────


ミツヒデは城を出た後、待機していた手下と合流し、本拠地へと向かった。
その際俺は、荷車に縛られたまま乗せられ、運ばれることとなった。
なぜか上にかけられた風呂敷は、虎柄だ。
後で聞いたことだが、他陣営にミツヒデの策略がバレないための配慮で、こちらだけがわかるように
目印として虎柄にしてあるそうだ。
関所の兵士にはもちろん俺が人質になっていることは伝わっているので、全て滞りなく事が運んだ。

長い間揺られて気持ち悪さを感じ始めたところで、ゆっくりと荷車が停止する。
どうやら目的地へ着いたようだ。ミツヒデらが潜伏し、本拠地としているその場所は ────

 「…お寺?」

ずいぶんと小綺麗な寺だ。外観や柱などは古めかしさが感じられるが、本堂の中などは
手入れも行き届いているようで、障子の紙なども真新しい…

 「これでもかれこれ百五十年以上は経っているのだよ」

俺の疑問を見透かすかのように、ミツヒデが喋りだす。

 「ノブナガもよくここを使っていてね。だから常に泊まれたり使える状態にしていろということなのさ」
 「ここって…」
 「ん?知らぬのか。法華経本門流の寺…本能寺だ」
 「本能寺…本能寺!?」

この世界は俺の知っている戦国時代と全く違うものだとはいえ、ノブナガ、ミツヒデ、本能寺といえば…
やはりそういうことなのか?

 「しばらくはここで過ごすこととなる。まぁ君のことだ、逃げようなどという考えは起こるまい?」
 「む…」
 「私は計画をより完全なものに高めねばならん。それまでの間、気楽に過ごしていてくれ」
 「気楽にってもなぁ…」

コタロウ…もう一度ちゃんと会いたい。会って謝りたい。
夕陽が山の向こうへと沈んでいく。コタロウもこの落日を見ているのだろうか。

首尾よくノブナガを倒せたとして、その後ミツヒデは俺を盾にコタロウやオウガイたちに降伏をせまるだろう。
そうなった時、俺が取るべき行動は…
336LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/18(土) 00:38:24 ID:9D9/pa6h
>>335
虎柄風呂敷w
熱いww

しかし、かなりシリアスな展開になってきた〜わっふるわっふる!
337LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/18(土) 09:32:12 ID:sHb8akfc
毎度毎度、設定をうまく活かしてるよなぁ。
パチ打ってるだけだったらミツヒデにはそこまで惹かれなかっただろうけど、
SS読んでくうちに好きになってきてしまったw

わっふるわっふる!
338コタロウちゃんぷるー:2008/10/18(土) 09:33:02 ID:wwFcqsr4
俺は人質生活を送っている間、一体ミツヒデがどのようにノブナガを討つのか考えを巡らせていた。
もう一人人質となっている兵士の娘とも話し合ったが、一向に結論は出ない。

世界は違えど、正史通りに事が運ぶならば、ノブナガが本能寺に泊まったのを見計らって
明智軍で包囲、その後火を放ち自害…。これが本能寺の変と言われるものだ。

楽観的に見れば、ここでノブナガが討たれるのは必然的と見るか?
それとも、やはりここは全く違う世界だから、そううまくはいかないのか?

そうこうしているうちに、二夜が明けた。
人質生活は特に縛られるでもなく、普通に過ごしていた。飯も三食、皆と同じものを食べた。
そういう待遇を受けていると、ミツヒデは実はいい奴なのではないか?という思いに駆られるが
そこは自制しなければ。これも策略のうちなのだ、気を許してはならない。

──── 本堂

 「ふむ、まぁこんなものだろう。おいお前、書状を届けに行け」
 「はっ」
 「そうだなぁ、虎柄ののぼり旗を掲げて行け。薬売りを装ってな」

ミツヒデは思っていた。この作戦ならいけるだろう。それに…ふふ、己の技である炎の中で討たれるのなら
さぞ本望であろう…と。

まもなく、コタロウのところへ一通の書状が届いた。
そこには作戦内容、決行日、全てが記されてあった。
コタロウはその書状を、目の前の蝋燭で燃やし、かねてから待機させてあった選りすぐりの兵百名程を
連れて、一路本能寺へ。

──── 本能寺

 「ヤスヒロ、明朝決行だ。私はノブナガの元へ行って来る」
 「…わかった」

すでにミツヒデは色々と手を回しており、軍勢も待機させている様子だった。

俺はある事に気が付き、一つの結論を出していた。ノブナガを是が非でも討ち果たしたい。
正史通り…そう、キーワードは正史通り、だ。

正史通りに…

全て事が運べば…

その三日後にはきっと俺はコタロウの元へ戻っているだろう ────
339LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/18(土) 16:05:50 ID:NV/DS9Yv
三日天下ですかw
実際は10日だか11日だったらしいけど。
340コタロウちゃんぷるー:2008/10/18(土) 20:56:31 ID:wwFcqsr4
そうでしたか。
勉強不足でスミマセン
341コタロウちゃんぷるー:2008/10/18(土) 21:37:59 ID:wwFcqsr4
シュッ! ガシャン!

巻戻し <l<l

ヤスヒロ「きゅるきゅる〜」

再生 l>


全て事が運べば…

その10日後あたりにはきっと俺はコタロウの元へ戻っているだろう。
いわゆる三日天下というやつだ。
俺はそれを待っていさえすれば…きっと。

 ──────────────────────

ミツヒデは急ぎ戻り、ノブナガの元へと向かった。
暗い廊下をコツコツと歩き、やがて広間へと辿り着いた。
そこには、同盟を交わしたはずの ─── 今や討つべき相手となった猛将が座っていた。

 「…ミツヒデ、只今戻りました」
 「ん、ご苦労じゃ。で…成功したのか?」
 「はっ、滞りなく」
 「想定していた期間内に仕事を終えるとは流石だな。肝心の獲物はどこへ?」
 「以外と抵抗が強く、連れてくるには骨が折れるゆえ…途中の本能寺にて縛り捕らえている次第で」
 「ふふ…そうか。ならばこちらから出向いてやろう」
 「え?」
 「なんじゃ…何か不服でもあるのか?」
 「い、いえ、何でもありませぬ」

わざわざ奴が来るように仕向けずとも、自ら進んで出向くと言葉を発するとは…
運命はすでに終焉へと向かって進んでいるようだな…ふふ。

 ──────────────────────

明朝か…すでに日は落ちかけている。
そして俺たちの運命の日まで…あと数時間というところか。

 「ヤスヒロ殿…いよいよですね」
 「うん…」
 「私たちが発端とはいえ…ノブナガ討伐だけは成功して欲しいと願っています」
 「俺もだよ。後の事は…その後考えればいいさ」

ふと、外で馬の嘶く声が聞こえた。
ミツヒデが来るにはまだ早いと思われる。ということは…まさか…
342コタロウちゃんぷるー:2008/10/18(土) 21:56:45 ID:wwFcqsr4
本堂を出て、門のところへ向かうと、そこには…

 「あ、ヤスヒロさん…」
 「コタロ…うわっ」
 「自重して頂こう。貴殿は捕らわれの身という事をお忘れなく」

駆け寄ろうとすると、行く先を黒装束に止められてしまった。
来客の正体はコタロウであった。
コタロウは何か言いたげに口を開いたが、すぐに別の黒装束に連れられ、本堂へと行ってしまった。

コタロウが来た…?一体ミツヒデはどういう作戦を立てたのだろうか。

──── 本堂の一室

 「こちらです」
 「はい…」

コタロウは言われたとおりに、一室の隅の柱へと座らされた。
そして後ろ手にされ、縄が巻かれていく。

 「……」
 「ご心配なく。ミツヒデ様の作戦にもありましたとおり、この縄は一見きつく巻かれているようですが」

ハラリ

 「あっ」
 「ご覧の通り、ここを引っ張るだけですぐほどける仕組みになっています。
  コタロウ様のその態勢からでもご自分で引っ張ることができるようになっています」
 「わかりました」
 「では再度巻かせていただきます。…そろそろミツヒデ様、そしてノブナガも到着する頃です」

ついに来るのか…さっきヤスヒロさんを見たけど、元気そうで良かった…
なんとかノブナガを討ち果たし…隙を見て二人を助け出さなくては。
オウガイも異変があり次第、駆けつけてくれるように手はずは整っている。
あとは神のみぞ知る…というところだろうか。

 「板張りゆえ、座り心地も悪いことでしょうが…我慢なさってください。それでは」

黒装束が出て行った頃、夕闇に沈む街道を二頭の馬が本能寺へ向けて駆けて行った。
343LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/18(土) 22:23:43 ID:9D9/pa6h
>>341
ナイスリカバリーっすw
続きに期待〜、わっふるわっふる(`・ω・´)
344コタロウちゃんぷるー:2008/10/18(土) 22:32:43 ID:wwFcqsr4
辺りがすっかり暗くなり、灯篭の明かりだけでようやく道がわかるようになった頃 ───
二つの影が本能寺の門へと現れた。

 「ここに来るのも久しぶりじゃのう」
 「なにぶん、城を離れられなかったものですからね…私は馬を繋いで参ります」
 「おう。確か奴は本堂の一室に縛っておるといったな」
 「はっ。それと別室に人質として二人ほど…コタロウを釣るためのエサと申しましょうか。
  もう用はありませぬが、そちらの方は私に任せていただきましょう」
 「わかった。わしの寝床は用意出来ていような」
 「ぬかりなく…」

ノブナガは軽い足取りで本堂へと向かっていった。
ふふ…のんきなものだ。この智将ミツヒデの策にて死ぬること、誇りに思え。

 ────────────────────

縛られてから何時間か経ったことだろう。
お尻痛くなってきた…。ん、足音…?この足取り…ミツヒデではない。ついに来たか!

スーッと扉が開き、そこには赤髪の長身の女がこちらを見下ろすように立っていた。

 「ふん、無様なものだな」
 「ノブナガ…!」
 「今度は貧弱嬢ちゃんも筋肉女も助けにはこまい…ただ、わしだけの繰り人形と化すがよい」
 「誰がお前なんかに!」
 「威勢の良いのもいいが、その元気は後々まで取っておくことだな…はっはっは!」
 「くっ…!」

ふふ…活きの良いのを捕らえたものだ。ミツヒデめ、たまには役立つことをしよる。
今宵、あやつの顔がどんな表情に変わるか…今から楽しみで身体が疼くわ…。

 ────── 遠く離れた深い森の中、うごめく無数の影…
今まさに、合図の鳥は放たれた。無数の影たちはその足取りを本能寺へと向けて進んでいった。
その数およそ数百人…中にはコタロウの兵も混じっている。
長きに渡る戦国時代。その一つの節目を今まさに迎えようとしていた。
345コタロウちゃんぷるー:2008/10/18(土) 22:51:24 ID:wwFcqsr4
ノブナガはコタロウの存在を確認した後、すぐに寝室に篭り寝てしまった。
普通ならミツヒデらはここで動くべきであろう。
だが、そこは百戦錬磨の猛将ノブナガ。寝込みを襲うにもいささか危険が伴う。
少しの気配でも目覚めるのが武将の性。ミツヒデは自身もそうであることを考え、寝込みを襲うのは止めた。

では、討つべく時はいつなのか?
ミツヒデは、彼女だけが知り得る、ノブナガのある癖を知っていた。

そう、それは明け方間近とも言える時間 ────
その時間になると、ノブナガはおもむろに目覚め、少女らを嗜むのだ。
少女らは、目も開けきらぬうちにその身体を弄られ、見事ノブナガの手中へと陥落してしまうのだ。
そんな下卑た癖をミツヒデは知っており…コタロウ相手にもするであろうことは当然予測できていた。
ましてや、陥落せしめたい相手なら尚更の事。

討つべく時は、欲望に身を任せている時也…

ノブナガが床に就く前に、ヤスヒロたちは黒装束からその事を聞かされていた。
だが、内容は「明け方前に討つ」その一言だけだ。
黒装束たちがその時に外へ誘導するという。
一抹の不安を抱きながら、ヤスヒロたちも眠りの中へと落ちていった。

そして刻々と時間は過ぎ、運命の時を迎える。
346LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/19(日) 00:34:43 ID:RkP53obo
その時、歴史が動いた並みに緊迫しきた…(ゴクリ…
どーなるか分からなく、わっふるしているが
どうか最後はコタロウと幸せになってくれ

泣かせたりしたら強制的に巻き戻しだ
あと、何げにヤスヒロも巻き戻し音やりおってワロタwww
347LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/19(日) 01:50:50 ID:njR0//r6
実家で飼ってるマメ柴も小太郎って名前なので、コタきゅんにはどことなく親近感を感じる。
ヤスヒロとコタロウの幸せを祈るばかりだが、しかし、ノブ様好きの俺はちょっぴり心中穏やかじゃないのだぜ!wwww
348コタロウちゃんぷるー:2008/10/19(日) 12:36:55 ID:1DwG1J7w
時間にして午前4時くらいだろうか。
ある一室に、ほのかに蝋燭が灯る。
そしてその部屋の主は、着物に着替え、部屋を出て行った。

その一連の事態を遠くの部屋から見つめる、闇の如く冷たい目をした女 ────


コタロウは眠っていた。ミツヒデからは、朝の起き抜けを狙うと伝えられていたのだ。
なぜミツヒデは、コタロウに対し、虚の時刻を伝えたのか…

真の作戦開始時刻を知らされぬまま、その身体を座ったまま休めていたコタロウは、ふと違和感を覚え
寝ぼけ眼を空ける。

…気のせいだろうか?心が昂ぶりすぎたため、目が覚めたのだろうか。
外はまだ暗いままだ。また目を閉じ、束の間の休息を貪ろうとしたその瞬間 ──── 

 「がっ!!」

ふいに何者かの手がコタロウの喉に喰らいついた。
苦しみのうめきを上げようと空いた口に、丸め込まれた布が突っ込まれる。

 「ふぐっ!」
 「ふふ…草木も眠る時刻に、無粋な声など立てる必要はないぞ」

ノ、ノブナガ…!?なんでこんな時間に!考える間もなく、コタロウの懐に大きな手が滑り込む。
その手は未発達な身体を執拗に弄り始める。

 「ふーっ!うーっ!」
 「想像以上じゃ…この時を待っていた甲斐があるというもの」

や、やだ…!ヤスヒロさん以外の人にこんな…!早く縄を解いてどうにか抵抗しないと…!
グイと、手探りで解ける部分を引っ張ったが、縄はビクともしない。

え、何で ─── そう考えると同時にコタロウは理解してしまった。自分はミツヒデに嵌められたのだ、と。
完全に自分はノブナガを釣るためのエサ…そして、その後もノブナガと共に始末される運命だろう。

ノブナガは茫然自失とするコタロウを尻目に、次第に熱くなっていく肌に舌を這わせる。

 「んふーっ、ふぐっ…」

コタロウのうめき声と、一匹の獣のような息遣いは、暗闇の中に溶け合い混ざっていく ────
349コタロウちゃんぷるー:2008/10/19(日) 12:57:25 ID:1DwG1J7w
執拗な愛撫によって、コタロウはぐったりとしてしまった。
ノブナガはそんなコタロウを見るや、口に詰まっている布を取り出し、今度はその口内を貪り始めた。

自分の口内がヤスヒロ以外の人に侵されている…しかも相手は誰あろうノブナガだ。
そんな嫌悪感と裏腹に、ノブナガの妙技により、心の芯に快楽という感覚が芽生えていることに
コタロウは気付き、ひどく自己嫌悪に陥った。
このまま奴の舌を噛み切ってやろうか…そんな考えも浮かんだが、身体が言うことを聞かない。

自然と涙がこぼれるコタロウの顔を見て、ノブナガはひどく満足した。
この表情だ…これこそわしが求めていたもの。貞操が奪われるという絶望の淵に立たされる顔…

ノブナガは満を持して、今まで上半身を弄っていた手を、下へとシフトさせた。

 「っ!!いやぁ…」

固く閉じる腿を強引にこじ開け、下着を剥ぎ取る。

 「んぁっ!!」
 「ほう…これはこれは…」

ノブナガは舌なめずりをし、手をあてがい指を侵入させた。

 「いやぁ!」

こんな…こんな屈辱…!ミツヒデに謀られ、ノブナガに手篭めにされ…
しかし身体はヤスヒロとの行為により、その味を覚えてしまっている。
涙が止まらなかった。

 「む?この感触…くくっ…すでにそうであったか。可愛い顔をして中々やるではないか。
  あの男め、わしの愉しみを…。まぁよい、それならそれでやることはいくらでもあるというもの」

さらなる行為に励もうと、コタロウの縄を解かんとしていた時 ────
ノブナガは昂揚感に邪魔され、寺を囲む無数の兵達に気付くことはなかった。
350コタロウちゃんぷるー:2008/10/19(日) 13:21:46 ID:1DwG1J7w
──── 本能寺外周

 「ふふ…今頃は愉しんでいることであろうな、己の運命も知らずに…」

ミツヒデは指でクイと眼鏡を上げた。その眼鏡は月明かりを反射し、妖しい光を放っていた。
その傍らには沈んだ顔をしているヤスヒロ…
そう、たった今状況を、作戦の概容を聞かされたのだ。
今更反対したところで、すでに状況は変わらない。だからといって、コタロウをそんな目にあわせてしまった
自分を嘆いた。

 「早く…早く突入してくれよ!」
 「急いては事を仕損じる…君だってコタロウを救いたいならこの私の作戦に乗るしかないのだよ」
 「くっ…」
 「しかし、もう頃合だ」

ミツヒデは兵達に向き直り、静かな低い声で、しかし皆に聞き渡るように声を発した。

 「時は来たれり。討つべき者の其の名は織田ノブナガ。諸君らは、我が明智の桔梗紋を天下に轟き渡せる為の
  重要な局面に立っていることを誇りに思うがいい。──── 敵は本能寺にあり」

おおおぉぉぉーーー!!!
うおおおぉーーーー!!!

 「ちょw!しーっ!静かに!」


シュッ! ガシャン!

巻戻し <l<l

ミツヒデ「きゅるきゅる〜」

再生 l>


 「──── 敵は本能寺にあり」

兵達は小さくうなずき、その言葉を合図に本能寺の本堂、かの一室へ向けて散らばって行った。
ミツヒデは満足そうにそれを見届けた後、静かにクナイを携え、ヤスヒロらと共に歩き出した。
351LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/19(日) 15:03:27 ID:RkP53obo
ちょwww
空気嫁よ兵士www
352LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/19(日) 15:23:05 ID:8xFiliS2
兵士気合い入りすぎwwww
自重しる(ノ・ω)ノ〃☆
353LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/19(日) 19:25:59 ID:SP3uZQVJ
あれ?ここ機種板だよね
同人板じゃないよね??・

この機種気になったから調べようと思ったら・
354コタロウちゃんぷるー:2008/10/21(火) 09:44:46 ID:q0chmnCa
ノブナガはコタロウを縛っている縄に手をかけ、解き始めた。
しかし、解きながらノブナガはある違和感を覚えた。

この縛り方…?ここがこう、こうで…あっ…これは…しまっ ────

ノブナガはバッと飛びのき、部屋を見渡した。顔には焦りの色が見える。
くっ…使えそうな得物は何もない…!剣を部屋においてきたのが仇となったか!
あるのは、小柄のみ…

ここで初めて、ノブナガは周囲の気配を探り始めた。
わしとしたことが…油断しておった。かすかに気配が…あるな。
あのミツヒデ考案の縛法…あれから察すると、コタロウも謀られおったか?
見下ろす先にいるコタロウは、ノブナガの様子に目もくれず、ただすすり泣いている。

 「…お主も、途中で気付いたということか」


──── と、その瞬間。

扉の障子張りの部分から、ブッという音が聞こえたので、ノブナガは一瞬身を反らした。

 「うおっ!?」

胸の辺りをかすめて飛んでいく細長いものを、ノブナガはスローモーションを見るかのように
その黄金色の瞳で捕らえた。奥の壁に突き刺さる矢。

 「やはりか!」

扉のほうを振り向いたと同時に、続いて同じような矢が連続でヒュン、ヒュンヒュンヒュンと何本も何本も飛び込んでくる。
ノブナガは身を低くし、やり過ごすのが精一杯だ。
一旦間をおいて、扉に空いた大きくなった穴から、先ほどまでとは違う一本が飛んで、壁に刺さった。

火矢か…!ノブナガがその物体に気付いたときにはもう遅い。
火はあっというまに部屋に燃え広がった。

 「くっ…油を染み込ませてあったか!」

炎に包まれる部屋の中で、コタロウはただうなだれているばかりだ。
そんなコタロウを尻目に、ノブナガは意を決し、扉を蹴破った。


──── 冷や汗と同時に思わず笑いがこぼれる。

本堂の周りを囲む無数の兵。彼女らが掲げる桔梗紋の旗。見間違うことがあるだろうか。

 「…是非には及ばぬ」

ただ、目の前に広がる光景が全てだ。やっと本性を現したか、女狐め!
子飼いには出来ぬと踏んでいたが、まさかここまでとは!次第に笑みがノブナガの顔から消えていく。

 「ミツヒデェェッ!!!!!!」
355コタロウちゃんぷるー:2008/10/21(火) 16:09:58 ID:q0chmnCa
ノブナガの咆哮が本堂に響くと同時に、前列の兵の火縄が一斉に火を吹いた。
闇を明るく照らす炎のゴウゴウと燃える音が、銃声の余韻と共に聞こえるのみ。
かろうじて天性の勘で躰を捻らせ、着弾には至らなかったものの、着物は破れ、皮膚は裂けて血を噴き出した。

 「ぐっ…うぅ…」

血を流し、弱々しく立っているかつての盟君を見て、ミツヒデはひどく満足そうな笑みを浮かべた。
いかにノブナガであろうと、火縄の一斉射撃の前では所詮はただの人。

 「これだけの弾を浴びて、致命傷にならぬとは流石はノブナガ様…このミツヒデ、感服する次第で」
 「おのれ…ミツヒデェッッ!!」

すでに第弐陣の火縄隊が準備を完了している。また、逃げ道を防ぐ為に左右に槍隊が回り込んだ。
まさに万事休す ────

 「織田ノブナガ…討ち取ったり! 放て ────」

ミツヒデが第弐陣の斉射の合図を放たんと腕をあげたその瞬間。
天の気まぐれか、はたまた第六天魔王として持つ悪運か…


部屋の火回りが予想以上に激しかったため、本堂中心部へと向かう通路側の壁が轟音を立てて崩れたのだ。
当然、そこに待機していた槍隊の隊列が乱れる。
更に、崩れた際の轟音により、ミツヒデの号令が届く兵、届かぬ兵と分かれ、射撃も乱れる結果となった。

ノブナガはそれらを一切見逃さなかった。

隊列を乱した槍隊に、小柄一本で果敢に切り込んだのだ。
火縄から放たれた弾は、ノブナガの着物の端を掠めるだけに留まった。
風のように切り込んだノブナガは、一瞬のうちに一人斬り、また一人斬り伏せた。
混乱した槍隊の中央に、1本の道ができる。そこを見逃さず、穂先による切り傷を作りながらも駆け抜けた。

 「ちっ!何をしている!追え!決して逃すなぁ!!」

ミツヒデは、ノブナガを追いかけようとしたが、一瞬目の端にヤスヒロが部屋へ向かって走り出したのを捕らえた。
未だ場に残る弓兵に大声で指示を出し、すぐさま身を翻してノブナガの元へ。
356コタロウちゃんぷるー:2008/10/21(火) 16:33:32 ID:q0chmnCa
燃えさかる部屋へと駆け出したのは、考えがあってのことではなかった。
ただ、あの中にまだコタロウが残っている ──── その一念のみによって躰が動いたのだ。

走り出した背後から、喧騒にまみれてミツヒデの声がはっきりと耳に届いた…「逃すな」と。
それでもただ走り続けるしかなかった。

ふいに耳元に風を切る嫌な音が聴こえた。
続いて行く末の地面に次々刺さる矢。完全に自分は今狙われている。
そうそう当たるものか…!人間一人の小さな的に当たるものではない!そう自分に言い聞かせつつ
恐怖を背に受けながら、通路を駆け上った瞬間、右足に熱いものが込み上げた。

 「あ゙あ゙あぁっっつぅぅ!!!!!」

その痛みに耐え切れず転倒したが、その拍子に部屋の中へと転がり込んだ。

中はすでに高温となっており、息をするのもやっとの状態だ。
煙と炎が視界を遮る中、顔を上げたその視線の先には、柱に括りつけられたままうなだれたコタロウがいた。

 「うっ…ごほっ!コ、コタロウッ!!」

立ち上がったが、まるで右足に感覚がない。思わずよろけたが、なんとか腕で身体を支えた。
見ると、腿に深々と矢が刺さっている。
愕然としたが、すぐに前を向き、コタロウの方へとつんのめりながらも、辿り着いた。

 「コタロウッ!聴こえるか!コタロウ!」
 「ゔぅ…」

喉に爪あとがついている。さらに、煙を吸ったのか、声が出ない。それでも意識はあるようだ。
はだけた着物、食い込んだ縄を見て、自責の念にかられたが、今はまず助けることだ…!

括りつけられた柱の上のほうはすでに音を立てて燃え上がっている。早くしないと下まで火が来てしまう!
途中まで解かれていたため、すぐ解けるだろうと思っていたが、何とも複雑怪奇な絡み方をしていて、一向に解けない。
迫り来る炎に、焦りが増大する。何か刃物を…何か切る物でもあれば…!
357LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/21(火) 16:43:31 ID:D9/HvjDE
わっふるわっふる
358コタロウちゃんぷるー:2008/10/21(火) 16:56:18 ID:q0chmnCa
切る物…鋭利なもの…あった…背に腹は変えられない!

ヤスヒロは自分の右腿に刺さった矢に手をかけ、一気に引き抜いた!──── つもりだったが
少し動いた程度で、さらに激痛が身体を支配した。

 「あ゙あ゙あぁっっ!くそぉ!!!くそぉぉ!!!」

もう一度引き抜こうとすると、弱々しい声が、炎に混じって聴こえた。

 「もう…いいで…げほっ!ボ、ボクのことはいいですから…」
 「何言ってんだよ!絶対助ける!俺のせいで…だから!」
 「耐えられない…です…そんな姿見たら…」
 「俺のことなんか…!こんなもの!こんなものっ!!うああぁぁっっ!」

今度は何とか引き抜けた。右足の感覚はすでに無くなっている。
血まみれの矢先に、気が遠くなりそうになりながら、縄を断ち切り始めた。

柱に火が回る前に縄はついに解かれた。
コタロウも煙を吸いすぎたため、身体が言うことを聞かず、立てないでいた。
コタロウの腕を肩に回し、ひきずりながらも外に出ようとしたその時 ────

音を立てて、入り口に瓦礫が落ち始め、完全に塞がれてしまった。


 「そ、そんな…」

絶望から、ヤスヒロは座り込んだ。

 「ごめん、コタロウ…ここまできて…ごめん…」

何も出来なかった…ただコタロウを抱きしめるしか…
コタロウの手がふらふらとヤスヒロの背に回る。

 「ありがとう…ございます…最期にボクの側に…いてくれ…て」

そう答えたコタロウの顔は安らかな笑顔だった。
抱き合った二人の姿は、燃え落ちる瓦礫の中へと紛れていった…。
359LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/21(火) 19:02:38 ID:eVLCCfWc
超展開!!!!!!
わっふるわっふる・・・・・・(´;ω;`)ブワッ
2人共無事でいてくれ・・・・・
360LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/21(火) 19:45:56 ID:G1K2OzBt
まだ・・あいつがいる!
361LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/21(火) 21:48:58 ID:UEKQEN9h
渡辺正行「またせたな!」
シュッ! ガシャン!

巻戻し <l<l

停止 ||
362コタロウちゃんぷるー:2008/10/22(水) 02:14:49 ID:dMtEiSDR
エンディングテーマ
 「見果てぬ夢」

作詞  中原涼
作曲  清水永之
編曲  清水永之
歌    ノブナガ役 CV 田村ゆかり



日本であって日本でない戦国時代の物語。
この世界では女性が中心となって戦う戦国の世。
そんな世界に迷い込んだ一人の男と一人の戦国乙女の出会った物語であった ────


その後、織田ノブナガは逃走を謀るも、明智ミツヒデにより瀕死の傷を負い
燃えさかる本能寺本堂内にて、手にした小柄で自害。
天下の覇権を目指した猛将織田ノブナガ、その夢は彼女の人生と共に終焉を向かえ、見果てぬ夢となった。

この明智ミツヒデによる、織田ノブナガ謀殺は「本能寺の変」と呼ばれ
以後、天下を揺るがした事件として語り継がれた。

しかし、一時天下へと近づいた明智ミツヒデであったが、変後間も無くして
事件を知った武将らとの度重なる戦の末、最期は豊臣ヒデヨシ軍と交戦、破れて山中へ敗走した際に
落ち武者狩りの民に討たれた。
彼女もまた、見果てぬ夢を抱いた戦国乙女であった。


記録には載っていないが、本能寺の変の際に、ノブナガ・ミツヒデの他にもう一人、戦国乙女の存在が囁かれている。
その戦国乙女は、ミツヒデに捕らわれた後、本能寺本堂の一室にて
突如この世界に現れたという異人と共に、炎の中非業の死を遂げたと云われている。
彼女とその男は、恋仲にあったという…。


彼女が描いた夢は、見果てぬ夢であったのだろうか ────


                                              fin?
363LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/22(水) 02:23:43 ID:m6vT6b9v
まだ…終わらない…ですよね?





非情な体験
364LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/22(水) 07:13:21 ID:OK3M0UBx
それでもオウガイなら…
オウガイならなんとかしてくれる。
365LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/22(水) 08:21:00 ID:EiKsiNAo
>>362
誰よりも強く、仲間への優しさを持ったオウガイがこっそり助け出してくれてますよね?
そうだよね?そうであって欲しい・・・・・・(´;ω;`)ブワッ
366LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/22(水) 09:17:39 ID:Ea8FPNPa
うぅ、ノブ様…

わ、わっふるわっふる……
367コタロウちゃんぷるー:2008/10/22(水) 16:55:50 ID:dMtEiSDR
キキーッ!


チャラ〜ン

 「ぃょぅ!ボクですかぁ?ボクはコタロウ!いい事を教えてあげますね。
  これはですねぇ…動けば激アツな代物なんですよ!れぇっつ、ちゃんぷるうぅっ!!」


……


 「んぅ…?ちゃんぷるうぅっ!!」


…………


 「…?」


シュッ!  ガシャン!!


 「す、すべて計算!!」


再生 l>


 「はっぴーえんどもーど、突入ぅ〜」
368LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/22(水) 17:40:36 ID:R6m4QL3F
コタロウ可愛いよコタロウ
369LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/22(水) 19:56:56 ID:EiKsiNAo
>>367
ハッピーエンドモードわっふるわっふる(ノ・ω)ノ〃☆
オウガイ様2人を助け出して下さい
370コタロウちゃんぷるー:2008/10/24(金) 01:55:45 ID:aXuyu1Te
ノブナガは走った。
望みは薄いが…馬さえ手にはいれば…
しかし、後ろからは兵達の喊声、どうやら本能寺全てが囲まれており、蟻も這い出る隙間もなさそうだ。

先ほどの交戦の折の傷により、血を流しすぎたようだ。どうにも目がくらむ。
物陰に一旦避難する。

 「はぁ…はぁ…このわしが…」

息をするのも辛い。意識も朦朧としてきた。
それでも、天下を獲るためにも、ここで昇天するわけにはいかない。

震える身体に鞭打ち、立ち上がり移動しようとすると…

 「ふふ、見ぃつけた…かくれんぼとは、ノブナガ様にも可愛い所があるようですねぇ」

突然現れた、見知った顔。今まで敵を恐れず下がったことの無いノブナガが、初めて後ずさった。
それほどまでに、このタイミングで現れた不敵な笑顔に、恐怖を感じたのだ…。

 「ふん…ならば次は貴様が隠れる番じゃ…さっさと隠れてくるがいい」
 「この状況でもその減らず口…そういうところは尊敬していたよ。…だが、ここまでだ」

…もう、終わりか…。人間50年…下天のうちをくらぶれば…夢幻の…如くなり…とは、よく言ったものだ。

ミツヒデはニヤリと笑い、特殊クナイを指で弄んだ。
どこを刺して殺してやろうか。一思いに心の臓か…全身に針ねずみの如く刺し、血を流しつくしてやろうか…。

 ────────────────────────────

右足の感覚は無いが、この両腕の感覚は、しっかりと健気な細い身体の鼓動を捉えている。
すぐそばに、先ほどの柱が燃え尽きたのか、ドドーーと倒れてきた。
不思議と、何も感じなかった。危ないとも、逃げようとも、そんな感情は一切湧いてこなかった。
死ぬとは…こういうことなのか?死を覚悟すると、人間はこうも安らかになるのだろうか。
ただ、残り僅かな時間をコタロウと共に過ごせることに、少しの喜びを感じてさえいる。

もう…眠くなってきた…。最期にコタロウをギュっと抱き寄せ、俺は死を待った。
意識が真っ白に溶け合っていく。なんだか…綺麗だ……。

………




 「……た……!」

 「……やく……そっちを……」
371LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/24(金) 08:28:25 ID:uXN00LeS
「くっ…この足さえ動けば………動け、動け動け動け動け動け!今動かなきゃなんにもならないんだよぉ!!」



「グオオオオオオオオォォォ…」

雄叫びと共に現れるオウガイ


と言う展開を考えてみた。
372LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/24(金) 10:25:25 ID:bbpHUBC6
颯爽とオウガイ登場!
ヤスヒロとコタロウに一撃!ヴェーアーハッハーですね、わかります。
373LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/24(金) 12:40:44 ID:URiYnqwK
>>371-372
おまえら餅つけwww
374LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/24(金) 13:31:42 ID:kOQ+gWcR
オウガイ!オウガイ!どうか2人をお救い下さい(-人-)
375LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/24(金) 14:48:37 ID:+tI7JPb2
いや、ここは嗅覚を活かしてシロの登場と見た!
376LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/24(金) 17:31:31 ID:bbpHUBC6
颯爽とシロ登場!
ヤスヒロとコタロウを見つけた刹那!放たれる強烈な一撃!ヴェーアーハッハー!ですね、わかります。
377コタロウちゃんぷるー:2008/10/25(土) 14:06:41 ID:fC7IKurR
青く、どこまでも青く広がる海。
青く、どこまでも青く広がる空。
夏の焼け付くような陽射しが足元の砂浜に反射し、目を開いていられないほどだ。

 「ヤスヒロさぁ〜ん」

ふいに俺の名前が呼ばれる。振り向くと、小走りで近寄ってくる女の子。
小刻みに息をつく小さな身体。その笑顔は陽射しよりも眩しいほどで…。

 「はぁ…はぁ…お待たせしました」
 「そんなに急がなくても俺は逃げないよ…でもその格好って…」
 「ぁ…やっぱり…変ですか…?」

彼女は、少しばかり膨らんだ胸に手を置き、うつむいた。
紺色の水着。その胸の白い部分には、平仮名で「こたろう」と書かれている。
そう、いわゆるスクール水着…

 「いや…変じゃない…というよりむしろ良い!最高!」
 「も、もう!なんでそんな嘗め回すように見るんですか!また変なこと考えてるんじゃないですか?」
 「変ではない!健全な思考だ!では、いっただっきま〜〜〜す!!」
 「きゃぁ〜〜」


 ────────────────────────────


 「え、えへへ…コタロウ…」
 「何へらへら笑ってるんですか!起きてください!」
 「ん…?あ…あれ…?」

なんか変な夢を見ていた気がするけど…
起きようとしても身体が思うように動かない。右足もそこに無いかのような感覚を受ける。

あぁそうだ…俺は確かコタロウと…ん?生きて…る?
俺は先程声を掛けた主の顔を見たが、まるっきり俺の知らない人物だった。
誰だ…?左目に大きな眼帯をつけた、活発そうな小さな女の子だ。

 「あの…」

聞こうと思ったが、横から聞こえた声に意識が向いた。

 「ごほっ!ごほっ!うぅ…」
 「コタロウ様!よかった…。ねぇ、意識が戻ったよ!」
 「うん、今そっちに行く!」

そうだ、コタロウは!?
首を声のする方向へと向けると、ずいぶん丸い身体をした子と、もう一人、逆に背が高く細い身体の子が
寝かされているコタロウの回りにいた。そしてさっき俺に声をかけた子もそちらへ。
三人とも青い服を着ており、まるで忍者のような…いったい彼女たちは…?
俺たちを助けてくれたのだろうか?
378コタロウちゃんぷるー:2008/10/25(土) 14:34:58 ID:fC7IKurR
俺はコタロウのところへなんとか這い寄ろうとしたが、それに気付いた眼帯の子が

 「あーっ!まだ動かないで!足治したかったら、もう少し寝ててくださいね!」
 「え?あ…」

見ると、右足には包帯が巻かれている。
そして足元には小さな壺…すごい匂いだ。そして右足からもその匂いが漂ってくる。

 「血が少なくて今は一時的に麻痺してるだけですから…その薬を塗りましたから、そのうち感覚も
  戻ってくると思いますよ」

ということは…やっぱりこの子達が助けてくれたということか。
コタロウも身体を起こされ、何やら怪しげなものを飲まされている。

 「ねぇ…君たちは一体…?」

すると、背の高い細身の子が振り向き、答えた。

 「私たちは、オウガイ様直属の密命部隊です。コタロウ様とヤスヒロ様、そしてもう一人の人質を
  助ける為に派遣されました。先程までは明智軍の兵に成りすまし、潜伏していたのですが…」
 「ノブナガが逃げて、せっかくコタロウ様を助ける好機だったのに、誰かさんが勝手に飛び込むから…」

眼帯の子が口を挟む。

 「う、面目ないです…」
 「それに、いざ助けに入ったら、二人で抱き合ってるんですもの。アツアツすぎて部屋が燃えたんじゃないんですか〜?」
 「お恥ずかしい限りで…。あ、そういえば、あの子は…まだ捕まってるの?」
 「とっくに助けてますよ。この混乱に乗じて、そりゃ楽なもんです。明智軍もたいしたことないですね〜」

そうか、ということは全員無事に助かったのか…。
安堵していると、コタロウの様子が。

 「コタロウ様、わかりますか〜?意識はありますか?」
 「あ、あなたたちは…確かオウガイの…」

コタロウの目が開いた。

 「や、ヤスヒロさんは!?」
 「ご心配なく。あそこで寝転がってます」

俺とコタロウの目が合う。
と、その瞬間コタロウは、目から大粒の涙を流し始めた。

 「ひっ、よ、よかった…無事で…ひぐっ」
 「コタロウ様…本当によかったです。お二人ともご無事で」
379コタロウちゃんぷるー:2008/10/25(土) 15:03:47 ID:fC7IKurR
コタロウは寝転がってる俺に、這うように駆け寄り抱きついた。
ただ泣きじゃくるコタロウを俺は力いっぱい抱きしめた。

 「コタロウ…ごめんね、つらい思いさせちゃって…」
 「ぐすっ…いいんですっ、生きて…また会えたなら…!」

そんな俺たち二人の様子を見ながら、眼帯の子は独り言のように呟いた。

 「さぁって…と。後はもう少ししたら、ここを逃げ出しますかね」

助かって安堵したものの、今はまだ本能寺内、つまり敵地だ。
それに、俺は満足には動けないし、コタロウだって本調子ではない。
いったいどのように逃げようというのか?

 ────── 数分後

 「いいですか?今いるここは、本能寺の裏手…一番警備が薄い場所です。
  ノブナガを追って大半の兵が動きましたから、特に今は警戒は必要ないです」
 「そして問題はここから…コタロウ様。オウガイ様が今こちらに来ています」
 「え?来てくれたんですか…。では…作戦『甲』ができるということですね?」
 「その通りです。『乙』をやる必要はなくなりました」
 「???」

俺だけ蚊帳の外だ。よくわからないけど、どうやら有事に備え、いくつかの作戦を用意していたらしい。
さすが抜かりないというか…俺だけダメダメだなぁ…。

 「あの、その作戦はよくわからないんだけど、ほとんど動けない俺はどうすれば…」
 「ヤスヒロ様は私たちで運びますので…まぁ成り行きに任せてれば大丈夫です」
 「そ、そうなの?」
 「大丈夫ですよ、ヤスヒロさん」

コタロウが笑顔で答えてくれる。この笑顔が俺は見たかったんだ…。

 「じゃあ…本来ならボクがやるんですが、今はうまくできないと思うのでお願いできますか?」
 「わっかりました!それじゃあ皆さん準備はいいですか?いきますよぉ〜」

そう言うと眼帯の子は、そろそろと部屋を出て行き、サッと身軽な感じで屋根の上へと登った。
そして、おもむろに指を口にあて…

ピュゥイッッッ!
380LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/25(土) 15:05:40 ID:o1lmdcKa
+   +
  ∧_∧  +
  (0゚・∀・) ワクワクテカテカ
  (0゚∪ ∪ +
  と__)__)   +
381コタロウちゃんぷるー:2008/10/25(土) 15:21:45 ID:fC7IKurR
ミツヒデは、今や立つこともままならないノブナガを見下ろし、クナイを指で弄んでいた。
そうこうしているうちに、兵士達がこの場を見つけ、集まってきた。
その様子をみたミツヒデは、ふと思いついた。

 「そうだな…。これだけ皆が集まってくれたのだ。自害したまえ」
 「自害…だと?」
 「私も鬼や般若の類ではない。武人として、潔く散らせてやろうというのだ」
 「……」

ノブナガは自らの持っている小柄を見つめた。
謀反者の手にかけられるよりは、自ら命を絶ったほうがマシというものか。

 「貴様の介錯などいらんぞ。わしの血が汚れるだけじゃ」
 「ふふ…まぁいいだろう。介錯の必要も無い程の腕をお持ちであるからな…」

周囲の兵達がざわつく。ついにあの織田ノブナガが堕ちる…。
そんな期待や好奇心が入り混じり、場は異様な雰囲気が漂う。

そしてノブナガがおもむろに、小柄を握り直したその瞬間 ─────


 ピュゥイッッッ!


甲高い指笛の音が、今だ火が燻る本能寺に響き渡った。

 「っ!?何の音だ!」

ミツヒデが声を張り上げた瞬間、周りの兵達の中の数十人が一斉に兜を投げ捨てた。

あっけにとられるミツヒデ。ノブナガも驚いた様子でそれを見ていた。
何の真似だ…?一瞬の空白の後、その兜を投げ捨てた兵の中に、自分の兵がいないことに気付いた。
しまった!まさか ──────

気付いた時にはもう遅い。
異様な気配に背筋が震えた。
一つの大きな影が、本堂の屋根から音を立て飛び降りたのだ。
382LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/25(土) 17:48:14 ID:Dw8s3C/0
キタ(・∀・)キター!キタ(・∀・)キター!キタ(・∀・)キター!
オウガイ様がやってキタ(・∀・)キター!
ちょうわっふるわっふる! 文庫本にして売って下さい
383LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/25(土) 18:33:40 ID:NjLpMBYk
おぉ、ノブ様危機一髪!ヤター!
ミツヒデは果たして…!?

わっふぉーわっふぉー
384コタロウちゃんぷるー:2008/10/27(月) 01:57:40 ID:op5riEHA
ミツヒデはかつて、ノブナガの命によってある場所へ攻め込んだ事を思い出していた。
足止めという形での戦であったため、波のように引き、攻め、うまく相手軍を翻弄していた。
だが、途中から様相が変わったのだ。うまく隊が機能しない。
その原因となったのは、馬に乗り嵐の如く戦場を駆け回る赤髪の武将…。
剣を振るえば兵は崩れ落ち、突き進めば兵は蹴散らされる。
まさに鬼神の如く強さ。

再びその武将と出会ったのは、コタロウの元へと侵入した時。
犬のおかげでその所在が知れたものの、実際は冷汗モノであった。
そして此度の作戦…奴を動かさぬように人質を盾にしたというのに!

そのはずなのに…この目の前の光景は何だというのだ?
兵は飛ばされ、反撃する間も与えずに嵐の如く動き回るオウガイ。

数日前に見た光景をそっくりそのまま写したようなこの惨状は…。
なぜ完璧なはずの私の作戦が、こうも乱される…?
だが、気持ちはすぐに切り替わった。このままで終わらせるわけにはいかない。

 「待て、オウガイ!お前の行動、人質がどうなろうと構わんと汲んでいいんだな!」

兜を被った兵の大半が地に伏せられた本能寺の敷地内に、月明かりに照らされた大きな影が映る。
その影はニヤリと笑い、ミツヒデのほうへと歩を進めた。

 「人質も何も…お主の作戦は、ノブナガを討つことであろう?他に何を危惧することがある。
  さっさと討てばよかろう。それでこの作戦は終了、違うか?」
 「…ぐっ」

こやつ…いや、コタロウがすでに、私の真意に気付いていたというのか…?
仕方ない、どのみちあの炎だ。コタロウも男も、生きているはずもない。結果は同じだ。
それならさっさとノブナガを討ち、終わらせることだ…。

 「…どちらにせよ、我が兵を傷つける様な真似は止めたまえ。それこそ不必要なことだ」
 「あぁ、それはすまなかった。こちらも身を守るので精一杯なものでな、考えが回らなかった」

…どの口が言うのだ。まぁよい。
コタロウの兵も始末する予定だったが、これではな。私が満足に本能寺を出るためには…。
385LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/27(月) 12:03:10 ID:J1SKfuUo
オウガイカッコいい(・∀・)!
鬼神のごとく強さと、智将明智を上回る知恵、大切な家臣を守ために完璧な強さを持った将軍!
オウガイ最高!!!!
386LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/27(月) 17:17:58 ID:BeeSYL1D
つづきまだ〜?

 ☆ チン マチクタビレタ〜
     マチクタビレタ〜
☆ チン  〃 ∧_∧
 ヽ___\(\・∀・)
  \_/ ⊂ ⊂_)
  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
 | 愛媛みかん |/
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
387LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/30(木) 00:53:31 ID:GiyAUc6Z
続き待ってます〜、わっふるわっふる!(`・ω・´)
388コタロウちゃんぷるー:2008/10/30(木) 01:31:15 ID:G8jjk7uU
ミツヒデは、既に目がうつろになり柱に寄りかかって座り込んでいるノブナガの方へ向き直った。

多少計画に狂いは生じたが、武将を二人も始末できるのだ。これでよしとする他無い。
問題はその後のオウガイの行動だが…今はまず、逃げ切ること。役立たずの兵どもは捨て置こう。

ミツヒデはクナイを取り出し、ノブナガの心臓へ照準を合わせる。
一撃にて屠り、素早く離脱。それがミツヒデの脳内に思い描いた作戦であった。

だが…、背中に感じる殺気に思わず身震いする。
振り向き、クナイを構える。

 「どうした、やはり討つのを止めたとでも言うのか?」
 「…いや、なんでもない」

不敵な笑みを浮かべ、オウガイはそんなことを言い出す。
こいつ…何を企んでいる?
ミツヒデが怪訝そうな顔を浮かべたと同時に、再びあの音が耳に届く ─────

…ピュゥィ〜〜〜

ミツヒデには、先刻聞いた音より、遠くに感じられた。
いや、彼女だけではなく、この場にいた全ての人間にそう聞こえたことだろう。
それを証明するが如く、オウガイが再び口を開く。

 「どうやら、終わった様だな」
 「終わった……だと?きさ ───」

ミツヒデが言い終わらないうちに、オウガイの姿が一瞬にして目の前へと現れた。
完全に虚を突かれる形となったが、繰り出された拳へ向けてかろうじてクナイを一閃。
それでも拳は容赦なく自身の身体へとめり込んだ。だが、的をずらすことは出来たようだ。
ミシミシと嫌な音が身体に響く。

 「がぁぅっ!!ぎ、ぎざま…!」

瞬時に飛び去り、オウガイを睨む。
口から鮮血が滴り落ちる。不覚!他へと気を取りすぎた…!骨がやられたか…。

 「ふん、避けなければ簡単に気絶できたというのにな」

同じく血が流れ落ちる拳を見つめながらオウガイは呟いた。
389LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/30(木) 01:49:13 ID:AyJC7k4W
キター!
(*´∀`*)
俺の中では、オウガイの強さは、
オーガこと勇次郎、
男塾長・江田島平八に並びました
390コタロウちゃんぷるー:2008/10/30(木) 02:04:58 ID:G8jjk7uU
 「気絶…だと?…何を企んで…うっ…」

足がガクッとなり、態勢が崩れる。オウガイの拳は想像以上にミツヒデの行動を不能にする威力があったのだ。
それを見逃さず、オウガイは突進を図る。
突っ込みざまに先ほど斬られた手を振り、鮮血を飛び散らせた。

 「しまっ…うぁっ」

メガネに鮮血が付着し、視界が一瞬奪われる。
ミツヒデは繰り出されるであろう攻撃に身を固くし、腕を防御の形にとり、歯を食いしばり耐える準備をした。

くる…!耐えろ…!耐え…?こな…い…?どこ…あ……………

一瞬にしてミツヒデの身体がゴトリと地面へ倒れた。
まったく無防備な後ろへと回りこまれ、当身をくらったのだ。

 「ふぅ…手間をかけさせる…しかし…血出すぎだなこれ…」

流石はミツヒデ、といったところか。コタロウの言ったとおりに誰も殺さずに事は運んだが…。
未だ立っているミツヒデの兵達を一瞥する…が、彼女らは将を倒されたことですっかり士気を失っていた。
ま、これなら問題ないだろう。後は…

 「おいノブナガ、お主…意識はあるか?」
 「…助けた…つもり…か…?」
 「助ける…かどうかは分からぬがな。コタロウからはお主の命も獲るなと言われている」
 「……」
 「どちらにせよ、我もお主の命を獲る気はないがな…ういしょ」

そういうと、オウガイはノブナガを抱え、歩き出した。

 「…ぐっ…!何を…する気じゃ…離さぬ…か」
 「動けぬ者の指図は受けん。おぉい、お主らはそいつに縄でもかけてこっちに運んでくれぬか」
 「は、はい!」

血を流しすぎ、満足に動けないノブナガ。気を失ったミツヒデ。
両名は果たして、オウガイはじめ兵達に連れられ、朝もやのかかる森の中へと消えていった。

本能寺は一部燃え崩れたものの、日の出と共に、その荘厳な姿を暗闇から現し始めた。
長い長い夜は終わったのだ。
391LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/30(木) 03:39:11 ID:ISF5fmtY
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
オウガイには本当に惚れ惚れする
強さと知恵も備えた文句なしの天下人です
392LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/30(木) 03:47:07 ID:DN3lLPjD
わしのヒデヨシはいつ活躍するのかのぅ
393LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/30(木) 09:16:53 ID:UGAoxPHQ
活躍するのを待つんじゃない、お前の手で活躍させるんだ。

俺の脳内では、嫁でもないミツヒデの物語が日々紡がれている。
何故だ…ツンデレだからか?
394LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/30(木) 21:55:39 ID:GlaYCz6S
今回もイイ仕事してますなぁ(´ω`)
俺は今、ノブ様がもたれかかっていた柱に猛烈になりたい!
ニコレットでおなじみの吸いたくなるマンみたいな感じで。
395LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/10/30(木) 22:38:42 ID:GiyAUc6Z
やっぱりオウガイ最強!
さすがアタックの乙女側勝率0.5%の武将、不意打ちとはいえ無手で相手を封じるとは凄まじいw
自らの血を目潰しに使うあたりも武将ならでは&文章のリアリティを増してる…脱帽です
(その昔日本刀で人を斬る際には、返り血で目が潰されないよう避けるのが大事だったらしい)
396コタロウちゃんぷるー:2008/11/01(土) 00:04:33 ID:57BAzrq3
>>392
誰もいなくなった本能寺には、所々に未だ燻る火の音と鳥の囀りだけが響いていた。
しかし…

 「本当だもん!そういう情報掴んだんだもん!」
 「信用していないわけではないですよ。ただこれだけの人数で乗り込むのは如何なものかと」
 「アタシの力は知ってるでしょ。ノブナガもミツヒデもまとめてペチャンコにしてやるんだから!」
 「しーっ!声が大きいですよ!」

そんな本能寺近くの森から元気な高い声が聞こえてくる。
その声の主は、部下数人を引き連れて本能寺へと向かっているようだ。
先頭を行く小柄で活発そうな少女は、本能寺を視認すると今まで我慢していたのだろうか
ギリギリに引かれた弓から放たれた矢のように走りだし、森を飛び抜けた。

 「あぁっ、ヒデヨシ様!」

彼女は風の如く身軽に本能寺の正面にバッと飛び出すと、小さな胸を精一杯に張り、居丈高に叫んだ。

 「我はヒデヨシッ!!覚悟しろぉっ!!」


          し〜ん

 ガシャン
 「い…いっなぁ〜い…」
 「ヒデヨシ様…」

 ――――――――――――――――――――――――


ノブナガはゆっくりと目を開いた。まだ頭はボーッとし、意識がふらついている。
…ここは…布団?見知らぬ部屋じゃ…奴に担がれ、しばし揺られておったのは覚えているが…
ゆっくりと身体を起こし、頭を振り自らの状況を探る。
っつぅ…傷が思うたより深い…そうじゃ、ミツヒデめ…このわしを謀りおって…。

ふらつきながらも立ち上がって障子へと向かい、外に気配が無いのを確認してから、スッと空けた。
視線の先には、晴れ渡った空。廊下を挟んだ向かいの眼下には、朝の市場で活気付いた街が広がっていた。
ここは…見覚えがある。確かコタロウの城じゃな。
しばらく朝の冷たい風を頬に受けて、城下の喧騒を眺めていると、ふいに人の気配を感じ、首を横へ向けた。

「あら、火繩の斉射を浴びたって聞いたけど、随分お早い回復ね」

欄干に寄りかかって腕を組み、笑みを浮かべてこちらを見ている、紫色のロングヘアー。

「ムラサメ…?なぜお主がここにおるのじゃ」
「そうね…二人の無様な武将を見に…ってとこかしらね?」
「あぁ…?」

ムラサメの冷たい瞳と、ノブナガの瞳が交差する。
ムラサメは、彼女の瞳の奥にある底知れない深い憎悪を感じた。
しかし、そこには迷い、戸惑いといったものも感じられる。
この状況では無理からぬ事かしらね…。
397LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/01(土) 00:12:24 ID:H2t3QgKc
待ってました!!!
わっふ〜わっふ〜る(・∀・)
398LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/01(土) 00:41:28 ID:zP19Pvpm
ヒデヨシキタキタキタキタ━━(((゚∀゚)))━━!!!!

この世界ではノブナガは敵かw
しかも、いかにもヒデヨシらしい言動ww
明日は朝から打ちに行くかな。コタチャンありがとね!
399LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/01(土) 01:44:14 ID:BO1nP+mc
>ガシャン
>「い…いっなぁ〜い…」

の敵不在で敗北に吹いたw
一度本スレでネタになって、スレタイにまでなったの思い出したよw
400コタロウちゃんぷるー:2008/11/02(日) 00:25:15 ID:8SgeH19V
 「ふん、お主などに構っている暇などない…それより」
 「なぜ、自分がここにこうしているのか…でしょう?」

ノブナガが言うより早く、ムラサメが答える。

 「…そうじゃ。どういうつもりかは知らぬが、何故わしを助けるような真似をするのじゃ?」
 「さぁ…?それは自分でコタロウに聞いてみることね」
 「……」
 「それじゃあ私は行くわ。とりあえず逃げようと思わないことね…まぁ、その様子じゃ無理でしょうけど」

ムラサメは長い綺麗な髪をかきあげ、踵を返して去っていこうとした。
その後姿を、ノブナガは呼び止めた。

 「待て。奴は…ミツヒデはどこにおる?」

ムラサメは立ち止まり、一瞬考えるような素振りをみせ、振り返った。

 「知ってどうするつもりかは知らないけど…ここはあなたにとって敵地よ。軽々と要求が通ると思わないことね」
 「…ちっ」

そうしてそのままムラサメは去っていってしまった。

…何かと鼻に付く女じゃ。
だが、この城に奴も捕らえられているに違いない。何せコタロウを罠にかけた張本人だからな。
確かにこの傷では逃げようにも逃げられぬじゃろうが…それ以前に何故か逃げようという気が起きぬ。
何故助けられたか…真意を知りたい。まずはコタロウを探すとするか…きっとこの前の広間におるじゃろう。


───── 地下牢 ─────

 「…はっ!?」

白く霞がかっていた意識がハッキリするにつれて、見える世界が直角に傾いていることに気付く。
私は横になっていたのか…そしてズキズキと横腹が痛む。それ自体は構わぬ、だが…ここは…?
う、動けぬ…縄…縛られて…冷たい石の床…牢…か、参ったな…。

 「ふっ…ふふっ…はは…」

思わず笑いがこぼれてしまった。
情けないものだ。この私が策に溺れ…あまつさえ捕らわれの身となるとは…。
二兎を追うものは一兎をも得ず…とは、まさにこの事か。
401LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/02(日) 00:38:30 ID:PTpCu9Zz
ミツヒデ、石牢の上に縛られてるってことは
コタロウをいじめた罪で

シロによる舐め回しの計に…
402LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/02(日) 00:54:48 ID:PTpCu9Zz
妄想超特急で文章がおかしかった…

ミツヒデ、石牢(or地下牢)に
閉じ込められた上に縛られてるってことは
コタロウをいじめた罪で

シロによる舐め回しの刑
403LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/02(日) 01:02:03 ID:pS7Lu0j/
>>401-402
誤字以外何も変わってないってw
さては、バター犬を想像したな?w
404コタロウちゃんぷるー:2008/11/02(日) 10:13:37 ID:8SgeH19V
だが、まだ諦めるわけにもいかない。ミツヒデは自分の状況を改めて確認する。
腕は後ろ手に縛られ、足も足首から脛にかけて縄が巻かれている。
もちろん、腿に隠してあるクナイは取り払われている。
周りを見る限り、ここは地下牢…他にもいくつか同じような牢があるが、中には誰もいない。
格子に顔を近づけ、鍵を確認する。まぁ…通常あるような鍵だ。

…大したことではないな。

ミツヒデは目を閉じ、精神を落ち着ける。
次第に彼女の背後に淡い光がボゥッと現れた。暗い地下牢ゆえにハッキリと見て取られる。
数秒たってその光が消えたときには、既に彼女の手にはクナイが握られていた。

戦国乙女は皆、特殊な力を持っている。
ほとんどは、各々の得物を通じてその力を引き出すため、主に戦場で威力が発揮される。
彼女もまた、クナイを媒体として無数の特殊クナイを作り出す…そう思われていた。
だが、それは少し違っていた。彼女はクナイがなくとも、自在にその手に召喚することが出来たのだ。
これを悟られないため、ミツヒデは常にクナイを携帯していたのだった。

手にしたクナイで、巻かれた縄を断ち切り始めるミツヒデ。 ──── だが、中々縄は解けない。

おかしい…こんなに切れ味が悪いはずがないのだが…。
ミツヒデは、足に巻かれた縄をまじまじと観察する。
暗くてよくは見えないが、何かが違う…黒い影が所々に…?

……っ!!鋼線が編みこんであるだと…!?くそぉっ!!
どういうことだ…。私の能力が知られているわけがない…。念には念を…ということか…?

壁にドッと寄りかかり、舌打ちをする。
ちょうどそのとき、コツ…コツ…と足音が聞こえてきた。誰かが来るようだ。
足音は自分の牢の前で止まった。

 「…やはりか」

ミツヒデは呟いた。そこには、緑髪の少女がこちらを見下ろして立っていたのだ。

 「オウガイの態度でなんとなく察したよ。君が恐らくあの炎の中から生還したことを…」

コタロウは何も答えなかった。代わりに、独り言のように呟いた。

 「…ここは一応形だけ作った所で…今まで一度も使ったことが無かったんです。できればこれからもそうしたかった…」
 「それでは私が最初ということか。光栄だよ、涙が出そうなほどにな」
405LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/02(日) 22:58:14 ID:Y+1DsOiL
続きキターー!
でもって、武器召喚能力もキターーーーー!! (゚∀゚)
406LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/03(月) 01:23:18 ID:odFZ4L53
コタロウちゃんぷるー様の続きをワクワクしながら待ちつつ…空気も読まずに投下(1/3)
この手のお話が苦手な方はごめんなさい


 突然騒がしくなった屋外に眉をひそめる。敵襲というわけではないだろうが、どこかの使者でもやって来たのか。
 襖の向こうに気配を感じ、ミツヒデは書の上に目を置いたまま、苦無を手元に引き寄せた。
 落ち着きのない足音と共に襖が開き、ノブナガが現われた。
「おう、元気にしておったか」
「…誰も通すなと、見張りの者たちに言っておいたはずだが」
「あいつらは警護には向いておらんぞ。別の兵士を使え」
恐らくノブナガが無理に通ったか殴り飛ばされたのだろう。さすがに斬り捨てたなどとは思わないが、
やった本人があっけらかんと笑いながら言うことではないだろう。
「それで、一体何の用だ。私は誰にも会いたくない」
「まぁ、そう言うな」
そう言って大口を開けて笑う。ミツヒデは苦無をそっとしまった。
 ノブナガは苦手だ。いつも自信に満ち溢れ、強い眼差しに身を焼かれる。まぶしすぎる太陽は、直視してはならないのだ。
目は焼かれ、その太陽の光を受けて自分自身の作り出す深くて暗い影を否応なしに見つめる羽目になる。
「茶の一杯も出んのか。何なら酒でも良いぞ」
「こんな昼間から酒を食らうつもりか」
呆れつつも近習の者を呼んで茶と菓子を用意させる。ここに至って仕方なく、読み掛けの書を閉じた。
「それで、何の用だ」
勧めもしないのに勝手に座布団を見つけて座り込み、茶をすすっているノブナガにもう一度尋ねる。
「いや、な。儂以上に不機嫌になっているであろうおぬしの顔を拝みに来たのだ」
「ほう」
思い切り低い声で凄んだつもりだが、効果はなかったらしい。口の端に最中の皮をつけながら笑っている。
「この間の戦で、儂はムラサメに負けただろう。思い出すだに悔しくてな。そこで、あのコタロウに負けたおぬしのことを思い出したのじゃ」
わずかにコメカミが痙攣するのが分かる。何を言い出すのだ、この女は。
「おう、どうじゃ。あのコタロウに負けた気分は」
「勝負は…」
殴り倒してやりたい気持ちを抑え、できるだけ冷静な声で答える。悔しくないわけがない。
「勝負は時の運。次は負けん。それだけだ」
「それだけか?」
「そう、それだけだ」
「なんじゃ、つまらん」
そう言ってキセルをくわえてそっぽを向いたノブナガにふと、彼女はひょっとして、自分を慰めに来たのではないかと思った。いや、気のせいか。
「それで、貴様は未だにそれほど悔しいのか」
「悔しいに決まっておろう。悔しいと感じねば、二度と勝てんようになってしまう」
407LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/03(月) 01:29:14 ID:df65/HCN
わっふるわふる

ミツヒデ×ノブナガ大人気w
408406:2008/11/03(月) 01:35:21 ID:odFZ4L53
続き(2/3)


「それは確かにそうだ」
うなずきながら、茶碗に手を伸ばす。
「…っ…!」
瞬間的に走る激痛に茶碗を取り落としかけて、慌てて戻す。
「どうした?」
「…なんでもない…」
「なんでもないわけはないだろう」
そう言ってノブナガは、ミツヒデが反射的に引っ込めた左腕を掴んだ。
「…やめ…っ…!」
衣服の袖で隠していた二の腕に白く巻かれた包帯が血で滲んでいた。
「おぬし、怪我をしておったのか」
「大したことはない」
ノブナガの手を振り払い、努めて平気な表情で、右腕を伸ばして茶碗を掴み、何事もないように一口飲んだ。
「…まぁ、ナンだ。負傷していたのでは、一対一の勝負に負けるのは仕方がないことだな」
ごにょごにょと言いながらノブナガは1人でうなずいている。先ほどの直感は正しかったのかもしれない。それにしても。
「何故私に構う」
「構ってはいかんのか」
「いや…そうではなく」
ミツヒデはノブナガに、いささかの負い目を持っている。ミツヒデ自身ではなく、ノブナガ自身に対してでもなく、それは遠い祖先の間のできごとだ。
「…貴様は…私を恨んでいるのではないか」
以前から、一度聞いてみたかった。かつて、ノブナガの祖先を死に追いやったのは他ならぬミツヒデの祖先だ。
彼女はきっと、ミツヒデの顔を見るたびに、声を聞くたびにそれを思い出して静かな怒りを感じているのではないのか。
「恨む?何をじゃ?」
「…私の祖先が、貴様の祖先にしたことだ」
「あぁ、そんなことか」
ノブナガは何でもないことだ、という表情で答える。
「あれは遠い先祖の話。儂らとは関係ないじゃろう」
「関係ないわけはないだろう。現にこうして私たちはここにいる。かつて私たちの祖先たちがそこにいたように、今ここに私たちはいるのだ」
「それで、どうしろと言うのじゃ。遠い祖先たちのように剣を取って戦おうというのか」
すっと、ノブナガの瞳がすぼめられる。
「貴様が望むなら、正々堂々相手をするが」
ノブナガはわずかに笑う。
「いや、別にそんなことは望んではおらん。どうでもいいことだ」
「どうでも?本当にどうでも良いことなのか?私たちは…」
「どうしたのじゃ。さっきから言うておろう。祖先たちの話だ。儂には関係ないしおぬしにも関係ない。
それに、ケンシンとシンゲンもあれだけ仲が良いではないか。今日も連れ立って、飯を食いに行っておるぞ。祖先がどうこうと言うなら、あいつらも…」
「あの2人の祖先はじゃれ合っていただけだ」
「おいおい…」
苦笑するノブナガは、本当に何もわだかまりもないようだ。あまりに無頓着というか、豪快というか。
 これまで自分が散々気に病んでいたというのに、全く考えもしなかったらしい。何だか腹が立ってきた。八つ当たり…と、言えなくもない。
409LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/03(月) 01:37:41 ID:+EjikFlK
>「悔しいに決まっておろう。悔しいと感じねば、二度と勝てんようになってしまう」
いい言葉だ…俺はいつも、そう思いながらパチを打ってる。
今日は負けたが、次は負けないぜ。

続き期待わっふるわっふる(`・ω・´)
410406:2008/11/03(月) 01:48:27 ID:odFZ4L53
続き(3/3)

 左腕に力を入れないように気をつけて立てひざを付き、ノブナガの元に歩み寄る。
 きょとん、とした表情でこちらを見ているノブナガの襟先をやや強引に掴んでこちらに引き寄せ、くわえているキセルをそっと取り上げる。
「…?何を…!」
全てを言わせぬうちに、その唇を唇で塞いだ。ノブナガの舌を絡めとり、ゆっくりと口腔内を味わう。
 驚いて見開かれたノブナガの目が徐々に潤い始め、やがて閉じられる。
 赤みを増すノブナガの頬の熱をそっと感じて満足げにうなずき、長い時間が経ってから、ようやくその唇を開放する。
「キセル、少しは控えろ」
そう言って未だ呆然としているノブナガに、先ほど奪ったキセルを再びくわえさせた。
 真っ赤な顔で、わずかに肩で息をしている彼女を見ていると何だか気分が良くなり、軽口の一つも叩きたくなる。
「どうした。生娘でもあるまいし、何をそんなに…」
そう言いさして、腰が砕けたようになっているノブナガの表情が生娘そのものであることに、このときになって初めて気付いた。
「え…いや…本当に…?」
ミツヒデから視線を逸らし、耳まで真っ赤にして黙り込んでいる。くわえさせたキセルも再び口から落ちそうだ。
「すまん!まさか…その…本当にすまん!」
両手を合わせて拝み倒すが、ノブナガは一言も発しない。
 ゆっくりと顔を上げ…その眦にうっすら涙が浮かんでいるのを見て、ミツヒデは動転する。
「ミツヒデ…おぬしとは一度じっくりやりあわねばならんと思っておったところじゃ」
ゆらり、と立ち上がったノブナガの背から何かが立ち上った気がする。さっきとは話が違うではないか。
「選べ。拳でやりあうか、刀でやりあうか」
そう言いつつ、口元にわずかに笑みを浮かべる。
「それとも…」
一瞬のうちに間を詰めたノブナガは、荒々しくミツヒデの襟口を掴んだ。
 これではさっきのミツヒデと同じではないかと思う間もなく、ノブナガは乱暴に唇を合わせて、貪るように吸い付いてきた。
 先ほどよりもやや長い間唇を重ね合わせていたが、やがて唇を開放し、ノブナガは口元をぬぐいながら斜に見下ろして宣言する。
「ふん、どうだ」
ついさっきまで泣きそうな顔を…むしろ、泣いていたというのにすぐにこれか。まさかこうくるとは。なんて強い女だ。ただ負けることがそんなに悔しいか。
 が。
「下手糞」
長ければ良いというものではない。
 一瞬にしてノブナガの口元に張り付いた笑みが凍りつく。
「バカヤロー!」
一言叫ぶとノブナガは転がった茶碗を蹴飛ばしつつ走り去って行った。運良く割れずに済んだ茶碗を拾い上げてミツヒデは独り言ちた。
「騒々しい奴だ」
だが、さほど悪い気はしない。そうか、ノブナガとは、ああいう女だったのか。

 2日後。
 誰も通すなと言っていた警備の兵達を蹴散らして荒々しく入って来たノブナガが、まっすぐ近づいてミツヒデの襟先を掴み上げ、唇を重ね合わせた。
「たった…2日で…」
そのあまりの絶技に腰が砕け、ミツヒデは立ち上がることすらできない。たかだか口付け一つで、この私が?この2日間、ノブナガはどこで誰を相手にしてこのような技を手に入れたのだ?
 荒い息を吐きながら、ミツヒデはノブナガの恐ろしさをつくづく思い知った。
「ふん、楽勝楽勝」
そう言ってノブナガは、気持ち良さそうにキセルの煙を吐き出した。



本当、マジでお目汚し失礼しました。苦手な方、本当にごめんなさい(謝りっぱなし)
少しでも楽しんでくださった方がいらしたら幸いです
411LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/03(月) 01:54:05 ID:rOWh1+BG
エロパロという板が有ってだな…
412406:2008/11/03(月) 02:11:07 ID:I8EOSBKJ
>>411
すみません
勢いで書いたものの、迷ったんですが…まぁ、この程度ならいいかな、と…
不快な思いをさせてしまったようで、すみませんでした
413LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/03(月) 02:29:05 ID:rOWh1+BG
>>412
NO!!そちらで続きをという意味だお!!!
414LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/03(月) 02:30:46 ID:+EjikFlK
>>412
まぁお気になさらずw
今度からこういう内容はエロパロで書くといい、基本的にここは非エロだからね。

それでも楽しませてもらったよ、ありがとうw
415LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/03(月) 20:12:10 ID:BCAsi0kM
キス位ならココでも良いと思いますよ。(^^)
何にしてもGJです!
ノブ様カワユスなぁ〜w
416:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/11/03(月) 23:25:36 ID:yfYn34m/
>>290続き。 もう、全然乙女打ちに行けなくて禁断症状が・・・。

 その後、してたかしてないのか、うまく思い出せない約束を盾にされ、ヒデヨシの手を引き城下をぶらぶら見て回った。

 かんざし屋「いやこれは、なんともお似合いでございます。ヒデヨシ様の可愛らしさがより一層引き立っております。」
  ヒデヨシ「ほんとに!?」
 かんざし屋「はい、もちろんですとも。」
  ヒデヨシ「えっへへ〜。じゃあ、これ頂戴!」
 かんざし屋「どうもありがとうございます。またどうぞご贔屓に。で、お代は・・・、このくらいで。」
    ○○「・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジデ?」
 かんざし屋「はい、第一級の匠の手による至高の品ですので、このくらいは。」
    ○○「お、おいヒデヨシ!こっちの列の方がお前に似合うんじゃないか!?」
  ヒデヨシ「え〜、何か子供っぽいからヤダッ!これにする!」
    ○○「あ、ちょ!」
 かんざし屋「あのう、○○様・・・。お代のほうを。」
    ○○「・・・城の方にまわしてくれる?俺宛でいいから、さ・・・。」
 かんざし屋「はい、それはもう問題ございません。またお願いします〜。」




  着物屋「どうですヒデヨシ様?こちらは京の都より取り寄せた、上質の生地を用いた一品でございます。」
 ヒデヨシ「うわあ〜、かっわい〜。ねえねえお兄ちゃん!どう、似合う?」 
   ○○「あ、ああ・・・。スゴク、ニアイマス・・・。」
 ヒデヨシ「わあーい。じゃあこれ頂戴っ!」
  着物屋「はい、毎度ありがとうございます。ええっと、そちらの品は・・・、このようになります。」
   ○○「☆○■※△!!!!!!」
 ヒデヨシ「あ、そうだ次はあのお店に行こうよ!先行ってるね、お兄ちゃん!」
  着物屋「○○様、どうかされましたか?○○様?」
   ○○「い、いや別に・・・。ご、極上の着物だモンな!これぐらいはするよな!」
  着物屋「はいまさに。しかし、それを目に留めるとは、さすがお目が高うございます。」
   ○○「まあ、一応この国の城主とその兄だからね!それくらいは当然だよっ!アハ、アハハハハハハ!」




  瓢箪屋「おう!らっしゃい!お、今日はいい男とそろってご来店かい!」
 ヒデヨシ「うん!今日はお兄ちゃんと一緒なの!」
  瓢箪屋「ガハハハ!そうかい、そうかい!で、頼まれてたもんだな?出来てるぜ!」
 ヒデヨシ「うわ〜、すっごお〜い。」
  瓢箪屋「あたぼうよ!この最新式の『じぇのさいどびょうたん』があれば、ちょっとした小城ぐらい一発だぜ!」
 ヒデヨシ「楽しみ〜。ありがとね!」
  瓢箪屋「おう!またこいよ!」
   ○○「・・・・・・あ、ここも店なの?つか、瓢箪屋てなんだよ!」
  瓢箪屋「おう、兄ちゃん!今のひょうたん代はこれな!」
   ○○「ウッ・・・!ええい、こうなりゃヤケだ!幾らでも!ってアレ・・・?これだけ?」
  瓢箪屋「まあ、言っても瓢箪だからな。ほい、お釣り。またこいよ!」
   ○○「うちの兵士の武器も瓢箪でそろえようかな・・・。」
417LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/03(月) 23:46:31 ID:df65/HCN
○○さんキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
瓢箪揃いのヒデヨシ軍テラツヨス
418:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/11/03(月) 23:53:35 ID:yfYn34m/
>>416続き。

 その後、ありとあらゆる店へと連れ回され、欲しいものを色々と手に入れたヒデヨシはようやく満足したのか、城へと足を向けた。

 ヒデヨシ「あ〜、楽しかった!お兄ちゃんいっぱい買ってくれてありがとう!」
   ○○「あー・・・キニスルナヨー。約束ダモン・・・。」

 ほくほく顔のヒデヨシと、目が点になり放心状態の俺が仲良く(?)帰城した時には、もうすっかり夕焼けが空を染めていた。カラスの鳴き声が涙を誘う・・・。
その後ヒデヨシと分かれた俺は部屋に戻り、服を着替え少し早い食事を取り、軽く酒を呑みながら部屋でくつろいでいた。
 空には見事な満月が上がり、ふいに猫が目の前の庭先の塀をつたってトコトコと通り過ぎる。

   ○○「ふむ、この組み合わせ、なにかいいことでも起きそうな。・・・んなわけないか。」

 何てどうでもいいことをつぶやきながら、杯の酒をあおる。うむ、少し酔いがまわってきたかな。
いい具合にほろ酔い気分になってきた所で、俺はそのまま蒲団の中へと入っていった。今日は何だかいい夢が見れそうだ・・・。


  しばらくして―。

   ○○「すーすー。ん?」

 蒲団に入ってからどれくらいの時が経っただろうか、まだ満月は空に上り、城の中も静まり返っている。
何故か目が覚めてしまった俺は、蒲団からムクリと上半身だけ起き上がり、しばしボーっと庭を眺めていたが、

   ○○「むう、ちょっと呑みすぎたかな・・・。厠いこ。」

 ブルっと一瞬寒気を感じ、俺は厠へと向かった。
城内はしんと静まり返り、俺が廊下を歩くギシギシとした音しか聞こえない。
 俺は早々に用事を済ますと、自室へと戻り再び蒲団の中へ体を潜り込ませた。
しかし、一度目が覚めてしまったせいか、酒を呑んで体が高ぶっているのか、イマイチ眠りにつけない。

   ○○「んー・・・。まあ、いいか。そのうち眠くなるだろう。」

 そう思いながら寝返りをうっていると、寝返った瞬間に背中に何者かの気配を感じた。

   ○○「(・・・!まさか、曲者か!)」

 先日出会った、あのオウガイの迫力ある顔が即座に頭に思い浮かぶ。よもや、あの時の恨みを・・・!?
あるいは、他国の忍びが入り込んだのか?
 謎の侵入者に対し、様々な憶測が俺の頭の中を駆け巡る。一瞬でもスキを見せれば、即座に俺の首は胴体から離れることだろう。
419LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/04(火) 01:52:10 ID:AwoOZTNh
〇〇さん久しぶりにキター(゚∀゚)
楽しみにしてますよ〜わっふるわっふる(`・ω・´)
420LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/05(水) 13:56:39 ID:R92BTbrT
皮肉めいたことを言っても、コタロウは一切反応しない。
なんだ…つまらん。

 「そういえば、ノブナガはどうした?あのままくたばってくれていたら、私としても気が休まるのだがね」
 「…ノブナガは生きています。そして彼女もまた、この城に運ばれています」

伏目がちに答えるコタロウ。先ほどからミツヒデとは目を合わせないようにしているようだ。
やはり生きていたか。つくづく悪運の強い女だ。

 「ここにいないという事は、今頃は柔らかい布団の上か?同じ敵とはいえ、随分と扱いに差が出るものだな」
 「…あなたは!」

コタロウはガッと格子を掴み、ミツヒデを睨み見据えた。
突然の事でミツヒデも驚いたようだ。目を丸くしてコタロウを見る。

 「ボクをあんな目に合わせておいて、よくもそんな事を…!本当は殺したいほど憎い…!だけど…うっ…」

な…みだ…?泣いているのか…?

 「ぐすっ…。しばらくそこで…反省しててください…。生かされているってことを理解してください」

そう言うと、コタロウは涙を袖で拭きながら、去っていってしまった。
反省…だと?生かされているだと?私を殺さないというのか…?くそっ、わけがわからぬ。

────────────────────────

足が痛い。
眼帯娘の薬が効いているのだろうか。右足の感覚が戻ったのはいいが、それゆえに傷が痛む。
これじゃ動きたくても動けないなぁ。
でも、話によるとノブナガもここに運ばれているらしいし…また攫われちゃ話にならない。

色々な思いをめぐらせていると、ふいに、障子の向こうに影が現れた。
見張りの子じゃないな…背が高いし。
スッと障子が開かれ、その人物は笑顔で手を振ってくれた。

 「ヤスヒロ、具合はいかが?」
 「あ、ムラサメ…」
421コタロウちゃんぷるー:2008/11/05(水) 14:17:35 ID:R92BTbrT
ムラサメは俺の寝ている布団の横に座った。
スリットから伸びる艶かしい足にドキドキする。
コタロウも可愛いけど、ムラサメの様な色気はないものなぁ…っといけないいけない。
こういうことは比べることではない。それぞれの魅力ってものがあるのだ。うん。

 「見舞いにきてくれたのかな?」
 「そうね。暇ついでってとこかしら」
 「そ、そう…ありがとう」

いい匂いがする…香だろうか。あまりムラサメとは接する機会がなかったから、二人きりなんて初めてかもしれない。
なんだか…すごく緊張する。あの綺麗な目で見られると、俺の全てを見透かされている様で…。

 「あ、そういえば昨日…城を防衛してくれたんだよね…ごめんね、ありがとう」

実は、俺たちが本能寺にいる間、今川ヨシモトが攻めてきたという。
いくら情報を隠匿していても、どこからかは漏れるようで、どうやらヨシモトはその留守を狙っていたようだ。

 「そう感謝するほどでもないわ。あのうつけ姫が相手じゃ、張り合いがないもの…」
 「いや、でも俺のせいだし…本当にごめんね」
 「いいのよ。過ぎたことには、そうこだわらないの」

そういって俺の額に指をツンと当てられる。

ドキ…

いかんよいかんよ。うん、いけない。ダメだぞ、俺。

 「そういえば話に聞いたけど、あなたコタロウを助ける為に炎の中に飛び込んでいったらしいわね?」
 「あ、あぁ…そうだね。無我夢中だったから、そんな格好の良い物ではなかったけど…」
 「ふ〜ん…」

ムラサメはおもむろに枕の横に手を突き、俺の顔をマジマジと見始めた。
こ、この体勢は…胸の谷間が…チラチラ目が行ってしまうぅ〜。

 「あ、あのぉ〜?」
 「いつも呆けた男だと思ってたけど、意外とそういう所もあるのね…。少しだけ見直しちゃったかな」
 「え…」
 「コタロウにはちょっと勿体無いかなぁ…?」
 「いや、あの…ムラサメ…さん?」
422LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/05(水) 19:30:09 ID:KrAGLjBy
うつけ姫w
やっぱりこの世界でもヨシモトはうつけなのか、オウガイ夢想の時も…w
423LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/05(水) 20:23:11 ID:S4VS+ejS
わっふるわっふる
424LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/05(水) 21:05:44 ID:fG9sbU4k
続きキターー!
コタロウはカワイイ、うん、カワイイな…だがやっぱムラサメ姉様の思わせ振りな仕草にドキドキする…(*´Д`)ハァハァ
425LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/05(水) 21:36:06 ID:yVIdBueC
「続きが楽しみですね、亀山くん。わっふるわっふるです。」
426LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/06(木) 00:07:28 ID:5JxvAPjX
右京さんもわっふるするんですかw
427:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/11/06(木) 02:31:44 ID:a7ULzFe8
>>418続き。
 どうやら曲者は庭側のふすまの後ろに隠れて、そこからこちらの様子を伺っているようだ。
少し風通しをよくする為に、開けっ放しにしておいたのだが、参ったな。
 うかつに動けば即座に飛び掛ってくるだろう。とはいうものの、こちらは丸腰、まずいことに刀との距離は少しばかり離れている。
・・・さっき厠に行く時、寝ぼけて蹴っ飛ばしたままにしとかなきゃよかった。
 そうこうしてるうちに、向こうも痺れをきらしたのか、じょじょに呼吸が乱れてきたようだ。
このまま、向こうが諦めていなくなってくれるとありがたいんだが・・・、そうはいかないだろうな。

   ○○「(ぬう、こんなあっさり人生を終わらせるわけには・・・。)」

 ピンと張り詰めた弓のような空気が、俺と曲者の間にただよう。
まずは初手。それさえかわせば、充分こちらにも勝機はある。
 何よりここは城の中。異変を察知すれば、すぐにでも警備の兵が来るはずだ。
そうすれば、いかに手錬れの忍とはいえ引くしかないだろう。

何とか覚悟を決めた、その時―。

              ザーッ

 不意に吹いた夜風が庭の木々を揺らし、それまでの静寂をほんの一瞬かき乱した。

   ○○「(!!!。なんだ、風か―。しまった!)」

 思わずほっとしたその瞬間。曲者はその機を逃さず、俺との間合いを一気につめてきた。
完全に隙をつかれた俺は、まったく反応することができない。
 迫りくる黒い影は、あっという間に俺の足元から、蒲団に潜り込んできた!
そして、そのまま勢いよくソイツの頭が、俺の目の前に飛び出てきた。

   ○○「うわあ!って。んん?何かおかしくないか?」
428:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/11/06(木) 03:17:03 ID:a7ULzFe8
>>427続き。

  ???「え〜?なにがあ〜?」
   ○○「いや、曲者って普通息の根を止めるために、首とかをさ。」
  ???「そうなの?」
   ○○「まあ、『寝首をかく』て言うくらいだし・・・。って、おいこら。」

 だんだん曲者の顔が月明かりに照らされ鮮明になってきた途端に、一気に全身を疲労が襲う。

   ○○「なんで?」
 ヒデヨシ「ん〜?べっつにぃ〜。」
   ○○「べっつにぃ〜。で済ますな!まったく、曲者だとおもっただろ。」
 ヒデヨシ「うぅぅ、ごめんなさい。」
   ○○「ん?」

 予想に反した素直な反応に思わず肩透かしをくらう。何だか調子狂うな。
いつもなら、ここでほっぺたを膨らませたり、鼻で笑ったりして、反発してくるんだが・・・。

   ○○「で、本当にどうした?何かあったか?」
 ヒデヨシ「えっとね、その、続き。そう、昼間に続き!」
   ○○「はあ〜?それでわざわざ忍び込んできたのか?」
 ヒデヨシ「うん。」
   ○○「なんとまあ・・・。」

 あきれてため息を漏らす俺などお構いなしに、ヒデヨシはもぞもぞと蒲団の中で体勢を整える。

 ヒデヨシ「それに、お兄ちゃん怖くて一人じゃ寝られないと思って。」
   ○○「何じゃそら!」
 ヒデヨシ「だから、アタシがお兄ちゃんのそばで寝てあげるよ〜。どお〜?嬉しいでしょ〜?」
   ○○「いや、間に合ってますから。だからとっとと自分の部屋帰りなさい。」

 そう言ってヒデヨシに背を向けるが、ヒデヨシからは何の返事もなかった。

   ○○「(何だ?ほんとにどうしたんだ、ヒデヨシのやつ。)」

 そんな風に思案していると、背中ごしに感じるヒデヨシの体が小刻みに震えているのに気づいた。

 ヒデヨシ「・・・・・・すん。」
   ○○「おい、ヒデヨシ?一体どうしたって―。」

 ヒデヨシのほうに体を戻し、問いかけようとしたが、その顔を見た途端思わず途中で言葉が止まってしまった。

 ヒデヨシ「・・・ぐすん、ぐすん。」
   ○○「お、おいおい。何で泣いてるんだ?」
 ヒデヨシ「だ、だって・・・。」
429LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/06(木) 13:39:03 ID:223nEMbD
支援
430コタロウちゃんぷるー:2008/11/06(木) 19:22:54 ID:LUuZ241v
コタロウは地下牢から戻り、一人廊下をトボトボと歩いていた。

もう…あのことでは泣かないって決めたのに…
思い出したら、つい涙が出ちゃった…。もっと心を強く持たないといけないな。
ノブナガにされた事は忘れよう。今は理想に向けてただ進むだけ…。

…ヤスヒロさんに会いに行こう。なんだか急に会いたくなっちゃった…。

────────────────────────

 「戦国乙女の優秀な血は、後の世代に遺していかなければならない…そうは思わなくて?」
 「え、まぁ、そうなんだろうけど…その…」

しどろもどろになっている間に、ムラサメは無言で寝ているヤスヒロの上に跨った。
その衝撃で足が少し痛んだが、それどころではない。

 「ちょ、ちょっと!何を…」

ムラサメは、両手を枕の端につき、顔をズイと近づけた。
冷たい光を放つ瞳が目の前に…そして艶かしい唇も、あと5センチという距離にある。
甘い女の香り…芳しい石鹸の香り…そして彼女の息遣いも全て、望まずとも五感でフルに感じ取ることが出来る。
この状態は、俺の意識を激しく歪ませるのに数秒と掛からなかった。

 「うぅ…」
 「もし、あなたさえよければ…私の家来にしてあげてもよくってよ…。そして、私の優秀な血を…遺して欲しいの。
  私があなたを全てから守ってあげる…。ずっと…未来永劫…守り続けてあげる…」
 「ムラサ…メ…俺は…」

『俺にはコタロウがいる』…その言葉が中々喉を通って出てこない。

───────────────────────────────
きっと、足をケガしてるから、動けなくて退屈してるよね…
───────────────────────────────

俺の全てを吸い込もうかというその瞳は、次第に輝きを増していく。
ゴクン、と唾を飲み込む音が、とても大きく聴こえた。
自分の心臓の鼓動が、部屋中に響いているような感覚…。

 「んぅ…」

気付かないうちに、俺の首は意識から切り離され、持ち上がっていた。
身体が勝手に動く…まさにその表現がピッタリであった。
そして、首が持ち上がった結果、俺の唇は彼女の唇へと吸い寄せられていた。

───────────────────────────────────────────
何を話そうかなぁ…。まだ本能寺の事気にしてたみたいだから、いっぱい優しくしてあげようかな…
───────────────────────────────────────────

彼女の唇の感触によって飛びそうな意識が、頬に落ちた水滴によって引き戻される。
名残惜しいように唇を離し、彼女の顔を見据える。

 「泣い…てるの?」
 「ごめん…なさい…嬉しくて…私、不器用だからこんな…」
 「え?」
 「私、いつも強がってばかりいるから…皆私から離れていく…。だけど、あなたは真っ直ぐ受け入れてくれた…」
 「ム、ムラサメ…」

──────────────────────────────────────
そうだ、また一緒に釣りもしたいなぁ…。二人で出かけて…お弁当も持って…ふふっ
──────────────────────────────────────
431コタロウちゃんぷるー:2008/11/06(木) 19:24:04 ID:LUuZ241v
 「ごめんなさいね…変なところ見せちゃった」
 「いや…そんなことないよ…」

ムラサメはグッとヤスヒロの手を掴み、自らの胸に押し当てた。
柔らかい感触に、またも脳がとろけそうになる。

 「ね、分かる…?こんなに心臓が高鳴るなんて初めて…戦でもこんな風にはならないわ…」
 「あ、あぁ…すごい…脈打ってる…」

手の平を通して、彼女の鼓動が自分の鼓動と混ざり合う。
耳の奥で五月蠅い位に響き、意識を拡散させる。
思わず手に力が入る。それに反応し、彼女の口から甘い鳴き声が漏れた時には、もう遅い。
理性は途切れ、勢いよく起き上がり、彼女の胸に顔を思い切り埋めた。

 ──────────────────────

コタロウはヤスヒロの部屋の前に到着した。
見張りに軽く笑顔で挨拶を済ませると、いたずら心からか、いきなり入って驚かせようと考えた。
コタロウが障子に手をかけた瞬間、見張りは先客が来ているのを思い出したが、
声を出しかけた瞬間には、もうコタロウは障子を大きく開けていた。


────── ナニ…コレ…

────── ドウシテ…?


目の前の光景に、足がふら付くのを感じた。
心臓が痛いほどに激しく動く。酷い吐き気が腹の奥に蠢き始める。

ドスンと尻餅をつく音に気付いたのか、目の前の二人は、同時にこちらを向く。
だが、コタロウの目には二人の表情は映らない。既に視界はボヤけている。

見張りが何事かと、尻餅をついたコタロウに手をかけようとしたが、肩に手が触れた瞬間
バッと強い力でその手を跳ねのき、コタロウは足がもつれながらも走り出した。


 「今、入ってきたの…コタロウよ…」
 「コタ…ロウ…?」
 「これじゃあ説明する暇も無いわ…でも大丈夫…。あの子はまだ幼いけど、時が経てば分かってくれるわ…」
 「そうだよね…きっと分かってくれる…」

上半身がはだけた状態のムラサメの胸に顔を埋め、ヤスヒロはうつろに答える。

ごめんな、コタロウ…。でも皆がコタロウの事を支えてくれるから、もう大丈夫だよな…。
今まで俺がいなくても、元気にやっていたんだ…。コタロウは強いもんな…。

俺はこれからは、目の前のこの孤独な女性を支えてあげるんだ…。
ムラサメ…ずっと側にいてあげるからな。
432LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/06(木) 19:38:22 ID:223nEMbD
つC
433LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/06(木) 19:43:36 ID:SvWqazeE
コタロウが か わ い い そ う すぐる(´;ω;`)

巻き戻すんだよな!!!!!!111111????

巻き戻さないんだったらコタロウを俺の嫁に認定する
434LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/06(木) 19:54:25 ID:7Fj636RJ
ムラサメ嬢派の俺歓喜!
コタロウには悪いがこのままイって欲しい!
435LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/06(木) 21:59:33 ID:LYmOqXly
俺もムラサメ嬢派だが今、この物語はコタローちゃんぷるー…是非コタロウには幸せになって欲しいぜ!

でも素直なムラサメ嬢えぇなぁ… 俺も顔を埋めてみたい…(;´Д`)ハァハァ
436LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/06(木) 23:20:59 ID:mpPLDiWQ
断固巻き戻しを要求するっ!
ていうか、このままじゃヤスヒロ最低人間じゃんw

〇〇さんもお待ちしてましたよ〜
続き期待してます(`・ω・´)
437LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/06(木) 23:59:29 ID:Eqq1Mqj3
コタロウかわいそすぐる…。なんか胸がキュウって締め付けられます。

ということで、、、
まっき戻し〜まっき戻し〜(`・ω・´)
438LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/07(金) 00:01:37 ID:O5o7IwaO
コタロウが不幸になるなんて許せん
ヤスヒロはどうなってもいいが、コタきゅん幸せになって


439コタロウちゃんぷるー:2008/11/07(金) 01:39:38 ID:pthZFTpZ
当ても無くただ走る。
臣下の呼びとめにも応じずに、足をもつれさせながらもただ走る。
頭がどうにかなりそうだった。
愛している人…信じている人…その両方に同時に裏切られた。
あの光景だけは目に焼きついて離れない。目を瞑っても浮かんでくる。

胸が痛い。吐き気がする。

近くの厠へと駆け込み、うずくまる。

 「うっ…おぇ…ゔえ゙ぇぇ……ごほっ!げほっ!うぇっ…」

朝に食べたものを全て出し切るのではないかというほどの、激しい嘔吐。
どうして…こんなことに…。
涙と鼻水と吐瀉物で、可愛らしい顔は今やグチャグチャだ。

ボクの知らないところで…あの二人は…それなのにボクにあんな優しく…?
優しいふり…?影で笑ってた…?

フラフラと厠を出る。涙で前が見えない。もう…何もかも嫌になった。人を信じて傷ついて…。

 ドンッ

 「うぉっ…」

 ──────────────────────

 「とは言ったものの…広間はどこじゃったかのぅ」

ノブナガはあてずっぽうに歩いていた。
途中出会う兵士達には、怪訝そうな顔や、怯えた顔を向けられた。中には鞘に手を当てる者も。
いくらノブナガといえど、今の手負いの状態では雑兵にも遅れを取るのは必至である。
それでも行く手を咎められないのは、コタロウが言い含めてあるからであろう。

 「思ったよりも広いな…こっちか?」

角を曲がった途端、柔らかい衝撃がノブナガを襲った。

 ドンッ

 「うぉっ…」

くっ…しまった…まるで気配を感じなかった!刺客か…!
そう思ったのも束の間、痛みなどは一切無い。
よくよく見てみると、衝撃の原因は小さな少女…。

 「お主…コタロウ…」
440コタロウちゃんぷるー:2008/11/07(金) 02:02:12 ID:pthZFTpZ
その名を呼ぶも、コタロウは返事もせずに、その場にへたり込んだ。
なんじゃぁ…?一体どうしたというのじゃ。

 「ちょうどいいところで出会うた。コタロウ、お主に話があるのじゃ…って…おい?」
 「あぁ…ボクは…ボクは…」

ノブナガの声は聞こえていないようで、まるで廃人の如くうわ言を繰り返すだけのコタロウ。

 「あぁん…?おい、一体お主どうしたというのじゃ。えぇい、面を上げぬか!」

いらついた様子でコタロウの顎をグイとこちらへあげると、ノブナガは驚愕した。
こやつ…泣いておるのか!?よく見れば吐瀉の後が…いや、それよりも…なんという表情をするのじゃ。
これはまるで…全てに絶望した表情…。わしに会うたからではなかろう、それ以前から…。

 「お、おい…聴こえるか?コタロウよ。コタロウ!」
 「うぁ…あ……」

駄目じゃなぁ…。何にせよ、これでは埒があかん。
ノブナガは着物の裾でコタロウの顔面をグイと拭い、汚くまみれたコタロウの顔を拭く。
ある程度綺麗になったところで、ノブナガは平手を一発叩きいれた。

 「おい、正気に戻らぬか。それが戦国乙女の…一国の主のする顔か!コタロウ!」
 「あ…ノブナ…ガ…?」
 「そうじゃ、わしじゃ。ふん、何があったのかは知らぬが…短期間でよくも腑抜けたものじゃ」
 「あなたには…わからない…こんな苦しい…ゔっ…」
 「う、ま、待て、吐くな!ったく…とりあえず落ち着け!着物も汚れておる…風呂で洗い流せ!」
 「……」

またダンマリか。仕方が無いのぅ。
ノブナガは、黙ったままのコタロウを強引に背負った。
抵抗する力も無いのか、楽々と背中に載せることができた。

そのまま来た道を戻る。いくら軽いとはいえ、今の傷ではちと辛いな…くそっ、面倒をかける…。
もちろん、兵士達もこれをそのまま見逃すわけにもいかないが…

 「お、織田ノブナガっ!貴様、コタロウ様に何をしたぁ!」
 「わしが聞きたいくらいじゃ!!おい、風呂はどこじゃ。こやつを連れて行く!」
 「コ、コタロウ様!?泣いて…?いかがなされたのですか!?」
 「わからん!!わからんが汚れておるから、洗い流す!風呂へ案内せい!」

慌てふためく兵士達に連れられ、ノブナガはコタロウを風呂場へと運んだ。
441LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/07(金) 02:06:15 ID:wb0boUYf
支援わっふる
442コタロウちゃんぷるー:2008/11/07(金) 02:19:46 ID:pthZFTpZ
 「こ、ここから先は私たちが!コタロウ様は貴様が容易く触れてなるものではないぞ!」
 「わかったわかった、どちらにせよこの傷じゃわしは入れん、さっさと洗うてこい」

ノブナガは風呂場の外に座り込み、中の様子に聞き耳を立てていた。
何度か兵士達も呼びかけてはいるが、コタロウは何も喋らない。ただ嗚咽を漏らすだけだ。
一体、あやつの身に何が起きたというのじゃ…?この城で何かあったのか…?

ノブナガは再度、風呂場へと入った。こうまでコタロウが壊れる程の事…それだけが気になった。

 「あ!は、入っちゃ駄目だって言って…!」
 「おい。一体何があったというのじゃ。泣いてばかりいないで話せ。話して楽になることもあろう」
 「……」
 「ちっ…。相も変わらずか…。こういう時の為にあの男がいるというに…ヤスヒロと言ったか?確か…」
 「うああっあああぁぁ!!!!」
 「な、なんじゃ!?」
 「コ、コタロウ様っ!?」

コタロウは頭を抱え叫び、激しく髪を掻き毟るように縮こまる。
まるで、全てを拒絶する幼子のように…。

 「むぅ…?急にどうしたというのじゃ…」

あの男の名に反応した…?奴に会えば何か分かるか…?

 「おい、あの男はどこにいる。案内いたせ。会うて何か知っておるか聞いてくる」
 「え、あ、はい…ヤスヒロ殿は…」
 「いやあぁっ!!!やあああぁぁっっ!!!」
 「っ!!!なんじゃ!放さぬか!」

いきなりノブナガの足にしがみつくコタロウ。
懇願するような目…嫌、嫌とただ叫び続け、ノブナガの足を引っ張る。
行くなとでも言っておるのか…?やはり奴に何かあるようじゃな。


シュッ! ガシャン!

巻戻し <l<l

ノブナガ「きゅるきゅる〜」

再生 l>
443コタロウちゃんぷるー:2008/11/07(金) 02:20:42 ID:pthZFTpZ
書いてて自分でも辛くなってきたので、巻き戻し!
444右京:2008/11/07(金) 02:29:53 ID:v03/9SUY
「一時はどうなることかと思いましたが、大丈夫のようですね。
一安心です、わっふるわっふる。」
445LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/07(金) 02:30:05 ID:wb0boUYf
ちょwww

正直この続きも読みたいわっふるわっふる
446LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/07(金) 02:31:28 ID:az4osP5j
>>443
コタロウ&自分を追い込み過ぎだってw
447LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/07(金) 03:48:00 ID:IpDLiqbt
おまいたち、危なかったな。もし巻き戻しがなかったら、コタロウがヤンデレ……そう言葉さm……ん?こんな時間に来客か。
448コタロウちゃんぷるー:2008/11/07(金) 09:31:25 ID:pthZFTpZ
 「そういえば話に聞いたけど、あなたコタロウを助ける為に炎の中に飛び込んでいったらしいわね?」
 「あ、あぁ…そうだね。無我夢中だったから、そんな格好の良い物ではなかったけど…」
 「ふ〜ん…」

ムラサメはおもむろに枕の横に手を突き、俺の顔をマジマジと見始めた。
こ、この体勢は…胸の谷間が…チラチラ目が行ってしまうぅ〜。

 「あ、あのぉ〜?」
 「いつも呆けた男だと思ってたけど、意外とそういう所もあるのね…」
 「いやぁ…まぁ…」

褒められてる…のかな?少し浮かれていると

 「それにしても、計画性が無さすぎね。そんな無鉄砲だからこういう目に合うのよ」
 「はい…反省しておりますです」

だよな。そりゃそうだ。

 「でも…それだけの危険を冒してまで助けたい相手なんでしょう?コタロウは」
 「……うん。ずっと側にいてあげたいと思ってる」
 「ふふっ、よろしい」

ムラサメは満足そうに頷くと、立ち上がり踵を返した。

 「あっ…もう行くの?」
 「別に特に用事があったわけでもないし、元気ならそれでいいわ」
 「はぁ…あ、ありがとうね、見舞いに来てくれて」

ムラサメは返事の代わりに後ろを向いたまま小さく手を振って出て行った。
なんだか緊張したな。コタロウも大きくなったらあぁいう風に大人の雰囲気を持つようになるのだろうか。

────────────────────────

 「あら、コタロウ」
 「あれ?ムラサメ…どうしてここに?」
 「ん?ちょっとヤスヒロの見舞いにね…」
 「そうなんですか。わざわざありがとうございます…って、わぁ!?」

コタロウが喋り終えるまもなく、ムラサメは彼女を強く抱きしめた。

 「ど、どうしたんですか!?は、恥ずかしいですよぅ…」
 「よかったわね、コタロウ…大事な人なんでしょう?」
 「…はい」
 「あなたが守ってあげるのよ。これから先、ずっと…」

返事の代わりに、ムラサメの胸の中でコクンと頷くコタロウ。

 「もし悲しませられる様な事をされたら、私に言いなさい。すぐにあいつの首を切り離してあげるわ」
 「はい…その時はお願いしますね」

二人は顔を見合わせ、笑い合った。
449コタロウちゃんぷるー:2008/11/07(金) 09:47:00 ID:pthZFTpZ
天井を見上げながら、先ほどのムラサメの事を思い出していた。
コタロウはコタロウで可愛いくて魅力的だけど…あの大人の雰囲気はすごいよな。
胸も…っていうか、敵将含め、みんな胸大きいよなぁ…その点コタロウは…。
そこはあれだな…俺が大きくしてやらねばなるまい…ふふふ…。

 「ヤスヒロさ〜ん!」
 「うわぁっ!?」

ドキーン

急にコタロウが部屋に入ってきた。
邪な考えをしていた俺は、心臓が口から飛び出るほど驚いた。

 「な、なんだ…コタロウか…」
 「なんだ、なんて酷いですよ…」
 「あ、いや、そういう意味で言ったんじゃなくて…」
 「ふふ、わかってます。…驚きました?」
 「あぁ…もう心臓が止まるかと思ったよ」

エヘヘ、と嬉しそうな顔をして枕の横にチョコンと座る。

 「お怪我の具合…どうですか?」
 「うん、あの眼帯の娘のくれた薬で、なんとかなるみたい…」
 「そうですか…よかったです。きっと退屈してるだろうな〜って思って、お話しにきました」
 「それも嬉しいんだけど…」
 「ふぇ…?きゃっ!」

コタロウの身体に腕を伸ばし、布団に引きずり込む。
やっぱりコタロウが隣にいると落ち着くな。細い身体を抱きしめる。

 「も、もう…っ!」
 「ごめんごめん、でもやっぱりこうやってコタロウと抱き合ってると落ち着くんだ…」

さっきムラサメに邪な感情を抱いたことを反省する意味でも…いっぱい優しくしてあげよう。

 「そ、それはそうですけど…」

頬を染め、もじもじと身体をよじらせる。上目遣いがたまらない。
思わず可愛らしいおでこに口づけをする。それに反応し小さく鳴き漏らすコタロウが愛しくてたまらない。

やがてコタロウもおずおずとヤスヒロの背中に手を回す。
もう…お話しにきたのに…でもいっか…温もりをいっぱい感じられるから…。
450コタロウちゃんぷるー:2008/11/07(金) 10:16:12 ID:pthZFTpZ
 「とは言ったものの…広間はどこじゃったかのぅ」

部屋を出たノブナガは、あてずっぽうに歩いていた。
途中出会う兵士達には、怪訝そうな顔や、怯えた顔を向けられた。中には鞘に手を当てる者も。
いくらノブナガといえど、今の手負いの状態では雑兵にも遅れを取るのは必至である。
それでも行く手を咎められないのは、コタロウが言い含めてあるからであろう。

 「思ったよりも広いな…こっちか?」

角を曲がると、一角に見張りつきの部屋があるのに気付いた。
見張りを立てているということは…誰か上のものがおるということか?

訝しく眺めているノブナガに、見張りが気付く。

 「ノ、ノブナガ!?なんでこんなところに…!こ、こ、ここには誰もいないぞ!本当だぞ!」
 「はぁ〜?」

コタロウよ…兵士の教育がなっとらんな…。
ノブナガは凄みをきかせて、兵士を睨む。その気迫は、手負いの獣から発せられるそれと同等だ。

 「ひっ!」

見張りがひるんだ隙に、障子に手をかけ勢いよく開け放つ。

 「きゃっ!!」「のわっ!?!」
 「おっと、お邪魔だったようじゃのぅ…」

珍客の到来に、慌てて乱れた服を直す二人を見て、ニヤリと一笑い。

 「ノ、ノノノノブナガ!何でわざわざここに…!ずいぶん距離があるじゃないですか!!」
 「いやぁ、お主に会いに広間に行こうと思ったのじゃが、迷うてなぁ。運が良いのか悪いのか
  辿り着いたのがここというわけじゃ。それにしても…」

ジロリとヤスヒロを見る。バツが悪そうな顔をして、ノブナガの視線から目を逸らす。
そして視線を、はだけた着物を直すコタロウへ戻す。

 「昼間から情事に勤しんでいるとは思わなんだな。流石のわしも驚いたぞ」
 「うっ…その…今回はたまたまです!それより!何の用があってきたんですか!」

歩き回る捕虜に向かって、何の用があるかじゃと…随分混乱しておるなぁ。まぁ無理も無いか。

 「わしとミツヒデを生かしておいたことについて、聞きたいことがあったのじゃが…そういう気も失せた」
 「あぅ…」
 「後ほど改めて返答を待とう。わしは捕虜らしく部屋で待っておる」

そう言いノブナガは障子を閉めて去っていった。
後に残された二人は…

 「……もう!ばかばかぁ!ヤスヒロさんのせいですよぉ!」
 「お、俺のせい!?コタロウだって乗り気で…」
 「ボクはそんな、はしたなくないです!」
 「えぇ〜…」
451LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/07(金) 12:24:45 ID:mluwNWVI
支援
452LR&名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/07(金) 21:16:32 ID:YH4Oo9AP
一度でいいからしてみたい。ノブ様とムラサメ嬢と三人四脚。歌丸です。わっふるわっふる!

巻き戻し前の展開も正直あれはあれでかなり惹かれtあ誰か来t
453名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/08(土) 09:25:49 ID:oCT5FDDB
コタロウ大好きな俺だがまき戻す前もハッピーエンドになるなら見てみたいなw

もちろん巻き戻し後も超絶wktkしてるんだぜえええええええええええ支援
454名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/08(土) 19:09:17 ID:DGqbIG4e
wktk
455コタロウちゃんぷるー:2008/11/10(月) 12:28:21 ID:pLsyeonJ
コタロウは平静を装いつつ、ノブナガの待つ部屋へと向かっていた。
あんな場面を見られるなんて…不覚、気が抜けてる証拠だ。引き締めていかないと。

程なくして、部屋の障子の前に立つ。
とはいえ…多少気が滅入る。彼女を目の前にするのも本当は嫌だ。
縛られている間にされた事は忘れることはできない。

だが…今では違う。先刻彼に思いの丈を話し、その手でこの身体に触れられた時に
霧散していくようにその苦悩が薄れていった。もう大丈夫…。
彼の…ヤスヒロさんのおかげで、ボクはまた立ち向かう勇気を持つことができた。

 「…入ります」
 「おう」

芯の入った力強い返事が返ってくる。怪我をして弱っているとはいえ、相手は猛将ノブナガ。
第六天魔王とも言われるその堂々たる気概は、健在だ。

障子を開けると、彼女は布団の上に胡坐をかいて座っていた。
鎧や剣を着けていなくとも、燃えるような赤髪が、見る者を畏怖させる気迫を損なわせなかった。

 「待ちくたびれたぞ」
 「そうですか。それは失礼しました」

コタロウは冷静に答えながら、彼女の前に正座で座った。後に続き、兵士がお茶を持って入ってくる。

 「お、かたじけない。キセルがない故どうにも落ち着かなくてなぁ…。頼んでみたものの、断られてしまった」
 「…当然です。それくらいは自重してください」

兵士は出て行き、ノブナガは茶をすすりながらコタロウをしっかりと見据えた。

 「奴との情事は終わったか?足りぬなら、またわしがしてやってもよいぞ?今度こそ、その身体が覚えこむまで…」
 「……ハァ」
 「…?」

顔を真っ赤にして反論する…と思っていたノブナガは、予想外の反応に言葉が詰まった。
よりにもよってため息だと…?

 「あなたのは、違う」
 「…どういう意味だ?」
 「彼と違ってあなたのそれには愛情や優しさが感じられない。それではボクを縛ることなどできません」

コタロウの真っ直ぐな光を放つ目に、ノブナガはピクピクと眉を震わせた。
ふん…あの男はそれほどの影響を持つということか。ミツヒデめが奴を囮に使うたのも、うなずける話じゃ。

 「…まぁよい。今はそんな話をしたいがためにここにいるのではないからのぅ」

ノブナガは茶を一気にグイと飲み干し、湯呑みを盆に乱雑に置いた。

 「答えてもらうぞ。何故わしを…そしてミツヒデもじゃろうが、生かしておいたわけを…」
456コタロウちゃんぷるー:2008/11/10(月) 13:39:45 ID:pLsyeonJ
コタロウは湯飲みを取り、少しお茶を啜った。
湯面に揺れながら浮かびあがる自分の顔を見ながら、コタロウは口を開いた。

 「あなたは…何のために天下を目指しているのですか?」

沈黙が部屋を支配する。
ノブナガが口を開かないのにも理由があった。
なぜこやつは当たり前の質問を投げかけるのじゃ…?と。
コタロウが顔をあげこちらを見たので、我に返りごく当たり前のことを口にした。

 「当然、天下を獲りわしの力を全国へ示さんがためじゃ…。
  この戦国の世に生まれ出で、世を支配せんと思わぬ者がおるはずもなかろう」

言い終わった後も、コタロウはこちらを見たままだ。
感情も何もないような視線を向けられ、ノブナガはイラッときた。

 「他の奴らも同じじゃ!あのミツヒデであろうと同じ思いには違いあるまい」
 「ボクらは…違います」
 「違うじゃと?はっ、寝言は寝てからぬかせ。ムラサメも、あのオウガイでさえそうじゃというのか!?」
 「はい」

ノブナガは布団を殴りつけ、怒鳴った。

 「ならば何の為に力を持ち、軍を率い、各々一国を築き上げたのじゃ!?覇権を目指す以外にあるまい!!」
 「そういう考えを持つあなたたちに抵抗するためです!現にボクらから仕掛けたことは一切ありません」
 「ふん、よくもぬかせるものじゃ。では逆に問おう。お主らは何を目指しておるのじゃ?」
 「…ボクらが目指すのは平和な世です」
 「平和…じゃと?ふん、遠い昔にそんなものはあったかも知れん。しかし、現実を見ろ!
  もはや力以外では収められん所まできておる」

ノブナガは自分の拳を眺めた。今まで自分もそうやって生き抜いてきたのだ。
そしてそれこそが、この世の理だと…そう思い生きてきたのだ。

 「今更平和を願ったとて、何になる…」
 「まだ…榛名があります」
 「…榛名じゃと?あれは手にすれば覇権を握れると云われている代物じゃ、平和とは程遠いものであろう」
 「ボクらの考えは違います。きっと榛名はそういう類の物ではないはずなんです!」
 「…どちらにせよ、あれも伝説上の話に違いない。現実に存在するかどうかも…」
 「古い書物が存在する以上、きっとあるはずです…」

コタロウの真剣な眼差し。ノブナガは元からコタロウに好意を持ってたからか、心が揺れる。
こうまで言い切る程の、自信があるのじゃろう。そしてムラサメ・オウガイも同じ腹積もりということか。
にわかには信じられぬことじゃが、本当に平和を実現しようというのか。
ふん…青いのぅ…

 「…つまり、わしらを生かしてあるのは、平和の実現のため殺生はせぬ、という志あってのことか」
 「それもあります。だけど実際は…榛名を見つけるために、手を貸して欲しいんです」
 「手を貸せじゃと…?敵に情けをかけておいて、あげく従えと言っているようなものではないか」
 「それは…」
 「…残念じゃが、そうするくらいなら自害した方がマシじゃ」
 「………」
 「とはいえ…救われた命、無駄にするのも不義理というものじゃ。手は、貸さぬ。貸さぬが…邪魔もせん」
 「…えっ」
 「せめてもの義理立てじゃ。お主らに手を出さねばよいじゃろう。だからといって己の信ずるものを
  曲げるわけではない。傍観がわしに出来る最低限のことじゃ」
 「ノブナガ…」
457名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/10(月) 21:45:19 ID:5lwupxYM
(゚∀゚)o彡゜ノブ様! カコイイ!
458名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/11(火) 00:19:27 ID:50HuBXlJ
さすがノブナガ様、渋い…カッコいい(`・ω・´)
果たして、それに対しミツヒデは…?
わっふるわっふる。
459名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/11(火) 19:27:11 ID:Gn5nI4sI
支援ッッッッ
460名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/13(木) 20:55:46 ID:KGFdH4AB
あげるけどなにか?
461名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/13(木) 23:24:42 ID:Adh/wXah
はさまれ
462名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/16(日) 02:11:51 ID:ScdKsn1g
保守
463名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/16(日) 18:05:03 ID:TXuVcWgH
しええええん
464コタロウちゃんぷるー:2008/11/16(日) 21:52:10 ID:vSNIVWm9
これで少しは動きやすくなったかなぁ…。
とある場所へ向かいながら、コタロウは考えをめぐらせていた。

ノブナガはしばらくした後、迎えに来た家臣たちとともに国へと戻っていった。
コタロウがあらかじめ書状を出しておいたのだった。

あのノブナガから、協力は得られなかったものの、手を出さないと言う約束を取り付けられたのは
大きな収穫であった。その分、榛名探索への時間が割けるというものだ。
だが、まだ問題が一つ残っている…。

その問題の元へ再びコタロウは訪れんと、城の裏手へと向かっていたのだ。

 ────────────────────────

見張りの兵に重い鉄の扉を開けてもらい、先程と同じように階段を降りていった。

薄暗い地下牢の一番奥、鉄の柵を隔てたその向こうで、壁にもたれる一人の乙女。
コタロウの存在に気付き、ミツヒデは視線をこちらへ送る。その目つきから、あきらかに不機嫌であることが分かる。
地下牢という慣れない特殊な空間に捕らえられ、そのうえ死の宣告もされていない。
その不可解な状況には、彼女の機嫌が良くなるような要素など一切存在しなかった。

 「…今度は何の用だ。やはり気が変わって私を殺しに来たか」
 「いいえ、考えは変わっていません」
 「では何をしに来た…。そう何度も見に来るほど、私が物珍しいかね?」
 「先刻、ノブナガと話し合いの末…彼女から、ボクやオウガイ達に手を出さないとの誓約を取り付けました」
 「……な、に…?どういうことだ!?」

ミツヒデは壁にもたれかけていた身体を起こし、こちらを凝視する。

 「彼女はボクらのことを少しだけでも理解してくれた…そういうことです」
 「はっ…本当のところはお主が身体を売ったのではないのか?それなら納得もいくがな」
 「……」

きっと、ボクはこの人と理解り合うことはできない。
人をまったく信用しない、馬鹿にする、自分だけが全て…。
何が彼女をそうさせるのかはボクには分からない。けれども、これが明智ミツヒデなんだ。

 「そのような戯言を私に話して、何になる?何が目的だ?」
 「あなたにそんな嘘を吐いたところで、何にもならないことは分かるでしょう。嘘ではありません」
 「…先刻言っていたな、私を生かすことに理由があると…、そしてそれを理解しろと」
 「えぇ、言いました」

ミツヒデは、イライラした様子で声を張り上げる。

 「お主を謀ろうとした私を生かしておく理由は何だ!もしお主の下に付けというなら、お断りだ。
  喜んで私は自害する道を選ぼう。さっさとこの首を跳ねるか、私に小刀を持たせるかしてもらおう。
  それともなにか?この私を無罪放免で、国へ籠つきで帰らせてもらえるとでも言うのかね?」

コタロウはそんなミツヒデを見下ろし、何かを考えるかのように一度眼を閉じ、また開いた。
そして何も言わず、入り口のほうへと歩き出した。

 「コタロォォォッッ!!貴様っ!いい加減にしろぉ!殺すなら殺せぇぇぇ!」

後ろのほうで鉄柵がガシガシ揺れる音が響く。
それでもコタロウは振り向かず、叫び声に耳を向けたくないためか、足早にその場を後にした。
465名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/16(日) 23:55:22 ID:UdqrNYeZ
かなりのシリアス展開にドキドキしっぱなしですわ

でもミツヒデが哀れスグル・・・
466名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/17(月) 01:30:35 ID:qJLGVAIT
まぁそれだけのことをしてるからな
結果オーライだったとはいえ、あれは二人とも死んでおかしくない状況だったのだから
467名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/17(月) 03:07:55 ID:eLtrqLrT
ミツヒデ…この世界でも三日天下(を取ったつもり?)なのかw
468コタロウちゃんぷるー:2008/11/18(火) 14:59:48 ID:qvgUPPfV
扉が閉められ、鉄柵を揺らした残響も消え、静寂が辺りに戻った。
ミツヒデは人の気配が無くなったのを確認し呟いた。

 「……行ったか」

奥の壁によりかかり、ミツヒデは小さく笑いを漏らした。

ふふ、殺せとは我ながら陳腐な演技ではあるが…。
能にも現実味を帯びた演技を加えるのも悪くないな。ただ踊るだけでは芸が無い。
天下統一を成し遂げた暁には、ひとつ能の発展に尽力してみるか。

全くもって奴の真意は理解できぬが…殺さぬというならそれはありがたいことだ。
…だが、あの発言は聞き捨てならぬ。ノブナガが不戦の誓いを立てたなどと…。
どういう心変わりだ?あの向こう見ずな女が…。まぁいい、全ては私が無事ここを出てからだ。
この私を生かしておくこと…後悔するがいい。

 ────────────────────────

あれからコタロウは戻ってこず、すっかり辺りは暗くなり、夜が訪れた。
俺はというと、結局歩くこともままならないため、部屋で夕食をとることとなった。
さっき家臣が来て、そろそろ夕食が運ばれてくると言っていたが…お、誰か来たようだ。

 「夕餉をお持ちいたしました…な〜んて…ふふ」
 「コタロウ!?そんなわざわざコタロウが持ってこなくても…」
 「ボクが持っていくって言ったんです。一緒に食べようと思って…一人じゃ寂しいでしょう?」
 「まぁね…ありがとう」
 「今そっちに…うわぁ!」

膳を持っていて足元がよく見えなかったせいか、敷居に足が引っかかり、コタロウがつまづいた!

 「あっ、とっ、とっ…ぶっ!」

……奇跡的に膳は俺が無事受け取ったが、コタロウは布団に顔面からつっこんだ。

 「だ、大丈夫…?」
 「ゔぅ〜鼻がぁ〜、すみません…そそっかしくて…」
 「いや、夕餉もコタロウも無事なら何よりだよ…はは」
 「こんなんじゃ…ヤスヒロさんのお嫁さんには…」
 「ん?何か言った?」
 「い、いえ!こっちの話です!!」
469名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/18(火) 15:21:12 ID:ex9o/O2V
続きキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
Gaufre!Gaufre!
470コタロウちゃんぷるー:2008/11/19(水) 21:55:57 ID:/W0cTJZt
部屋の外に控えていた家臣に苦笑されながらも、コタロウは自分の膳を受け取り、俺の側に座った。

 「「いただきますっ」」

まずは味噌汁に手をつける…ん?なんかいつもと違うような…。
薄い…?というか、ダシの量が少ないのか。あまりうまくは…
ふと、横から視線が刺さりまくっている感覚がした。
目だけでチラリとそちらを見ると、コタロウが目をキラキラさせながら、こちらを見ている。
真っ直ぐな瞳に、何か言いたげにポカンと開いた口。

まさか…

味噌汁を置き、続いて魚に手をつける。う…ちょっとベショベショになっているような…。
パクリ。う〜ん、塩が濃い…焼きが足りない…。

 「ど、どうですか…?」

我慢できなかったのか、コタロウがおずおずと聞いてきた。
やっぱりコタロウが作ったのか。嬉しい反面、どう答えればいいのか迷うな。

 「…いつもとちょっと違うかな〜。でも、おいしいよ、うん」
 「よかったぁ〜!」

胸の前で手を合わせ、途端にパァッと笑顔になるコタロウ。
姿を見せなかったのは、俺のために料理を作っていたからなのか。
その心遣いに、とても胸が締め付けられるほどの愛おしさを感じた。
ただ、問題は…その腕だ…。

 「えへへ、ヤスヒロさんのためにちょっと頑張ってみたんです。初めてですけど、失敗はないはずです!」
 「そ、そう…嬉しいよ」

と、俺の濁った返事にコタロウが反応し、俺の顔を覗き込んできた。

 「ん〜?」
 「……」
 「むぅ〜〜〜……」
 「あの…」
 「やっぱり、おいしくなかったんですね…」
 「え?あ、いやぁ…」

途端にションボリとし、あからさまに凹んでいる様子だ。

 「いいんです…お心遣いは感謝します…」
 「あ、でも、ほら…初めてにしてはうまいほうだよ…全然食べられるんだからさ!」
 「そうですかぁ〜?」

拗ねちゃったよ…まだまだ子供っぽいなぁ。
471コタロウちゃんぷるー:2008/11/19(水) 22:11:01 ID:/W0cTJZt
 「一生懸命作ってくれたんだから、すごく嬉しいよ。味のほうは…まぁあれだけど、これからもっと頑張ればいいじゃないか」

そういって頭を撫でてやる。

 「も、もう!また子供扱いしてる〜!」

そう言いながらも顔は嬉しそうだ。

 「ほら!早く食べないと冷めちゃいますよ!」
 「そうだな、食べよう食べよう」

黙々と食べ続ける二人。会話が無い。
拗ねているからとかではない。ただ、なんとなく気まずいのだ…。
コタロウの頭を撫でたことによって、昼間の事を思い出したのだ。
ノブナガの乱入で、最後までできなかったというか…。
コタロウもそれを思い出しているのかは分からないが、少し頬を染めている。

 「「ごちそうさまでした」」

食べ終わったはいいが、どうにも言葉が出てこない。意識しだすと尚更だ。

 「あ、あの…」
 「うん?」
 「あ、やっぱりなんでもないです…」
 「そ、そう…」
 「……」
 「……」
 「あ、ボク片付けてきますねっ」

いそいそとコタロウは膳を持って部屋を出て行ってしまった。
はぁ…なんだか不完全燃焼だ。
すでに主従関係などは通り越してるとはいえ、どうにも…。
コタロウの抱えている問題が多いのも理由の一つだが、中々ふたりで共に過ごすことが少ないというか。
あまり求めるのも、申し訳ない気分だ。
472名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/20(木) 00:22:02 ID:6zWZYzCz
コタキュン、カワユスなぁ〜
(*´Д`)
473名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/20(木) 10:27:52 ID:ZkJy3y1X
○○さんのヒデヨシも可愛いし、コタチャンさんのコタロウも可愛い。
(*´Д`*)
474コタロウちゃんぷるー:2008/11/21(金) 20:48:26 ID:RyQNaxDG
30分くらい経っただろうか。
書物はちょうど読み終えたし、やることもなくうつらうつらしていると、ふいに夜風が頬に当たる。

 「ん…?」

見ると、空いた襖にコタロウの姿が。しかし、その格好は今まで見たことも無く…
淡い蒼色をした、絹だろうか?薄い生地の着物…。髪は少し濡れた感じが残っている。
髪と、赤みがかった肌から察すると、ちょうど風呂からあがったところだろうか。

 「…どうした?コタロウ」
 「……」

無言で中に入り、襖を閉じる。風に煽られた蝋燭の炎が揺れ、コタロウと俺を照らす。
その姿はいつもより綺麗…というより艶かしい。何事にも喩えられない色気がそこにはあった。
俺の側へこれまた無言で近づいて、先ほどと同じように俺の横へ。
よくよく見れば、生地が薄いため下の肌が透けて見える。ここにきて、少し俺はある考えが頭によぎる。
その考えをを裏付けるように、コタロウの言葉が俺の耳に響く。

 「人払いを…しておきました」

思わず、ゴクリと喉がなる。心臓が高鳴り始める。

 「それと…その…み、身も…清めてきました…」
 「ぁ……」

うまく言葉が出ず、代わりに変な声が出た。
ピンク色に染まった頬は、風呂上りだからというだけではないだろう。
そうだ、昼間の続きに相違ない。

ミツヒデに捕まる前…つい3,4日前だろう。その時に初めて、初潮も迎えていない彼女の純潔を奪った。
今日の昼間、最後までとはいかなかったが、彼女の身体を愉しんだ。
そして既に彼女は一人前の女となった。今夜、その彼女がこうして俺の部屋へ、身を清めたと言い訪れた。
つまり…そういうことだ。世継ぎを…早い気もするが、作っても構わないということだ。
惜しむらくは、俺が自由に動けないことだが。

 「ヤスヒロさんは満足に動けないでしょうから…全てボクに任せてください」
 「…無理は…するなよ?」
 「はい…」

そういうと彼女は俺の頬へ手を伸ばし、チョンと触れるような軽いキス。

 「し、失礼します……っ」

威勢の良い声で布団をめくり、俺の下腹部へと突入を図ったようだが…
そのまま固まってしまった。それもそのはず、既に俺は臨戦態勢。着物を突き破らんとしている。
今まで意識していなかった場所だけに、ちゃんと見るのは初めてのようだ。
ふふふ、甘いぞコタロウ。戦とは常に闘えるよう準備しておくものだ。

475コタロウちゃんぷるー:2008/11/21(金) 20:59:10 ID:RyQNaxDG
シュッ! ガシャン!

早送り l>l>

コタロウ「きゅるきゅる〜」

再生 l>



 コタロウは息を荒げたまま、俺の横で放心状態で寝転んでいる。
俺もすっかり疲れ果てた。足の痛みも戻ってきたし、やっぱり安静にしておかないと。

 「ふぅ…大丈夫?コタロウ。ちょっとやりすぎたかも…」
 「だ、だいじょうぶ…でふ…はぁ…はぁ…」

あ〜もう可愛いなぁ。俺はコタロウを抱き寄せ、頭を優しく撫でてやる。
「はふぅ〜」と小さく息をつきながら、コタロウはただそれに甘んじている。
至福の時…。

─── だが、そういう時間は得てして短いものだ。
ふいにコタロウがうめき声を上げ始める。

 「う……ぁ…はぁ、はぁ…うっ…」
 「コ、コタロウ!?どうした、大丈夫か!?」
 「あ、頭が…い、いた…うぅ〜…っ!」
 「コタロウ!コタロウ!」

一体何が起こった!?何か俺やっちゃったか!?
急に苦しむコタロウを目の前に、ただ呼びかけるしかできない自分がとても情けない。
こういうことして頭が痛くなるものなのか?いや、それ以外の事が理由?
分からない。どうすればいいんだ!
476名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/22(土) 10:03:55 ID:RC2ftCUs
ドッキドキの展開!?Σ(゚Д゚)
477名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/22(土) 17:07:59 ID:30Ot6Aqe
まさかコナン君みたいに大人に戻るとか?
ロリ→妖艶な女性か、きゅるきゅる〜かw
478コタロウちゃんぷるー:2008/11/22(土) 21:05:53 ID:671wzPtO
───── 山崎近くの宿

 「結局、全てが終わった後でしたね。ミツヒデはノブナガを討ち取ったのでしょうか?」
 「ん〜?モグモグ、ん〜、わかんな〜い」
 「まんぜうを食べながらお話になりませぬよう…」
 「ん、んぐっ。はぁ、でもさ〜、あのノブナガがそう簡単にやられないでしょう?」

寝転び、足をパタパタさせながら、家臣の問いにヒデヨシが答える。
彼女はノブナガの強さを知っているし、なにより憧れに近いものも持っている。
とはいっても、その憧れの対象は胸が主ではあるが…

 「そうですねぇ…桔梗紋の旗が無惨に散乱していたところを見ると、明智側に被害があったと見れるでしょう。
  ですが、あの足跡の多さから考えると、中々の規模の人数を明智は使ったと思われます。
  それでも負けるものですかね?」
 「むぅ〜〜…」

頭の上に沢山の「?」を浮かべながら、ヒデヨシはもうひとつ饅頭を取ろうと手を伸ばした。

 「ヒデヨシ様、お行儀が…あれ?」
 「ん〜?」

家臣がある一点を見て言葉に詰まっているのを逆さまに見ながら、ヒデヨシもそちらを振り向いた。
そこには、自分がいつも愛用している先祖代々に伝わる百貫瓢箪が置いてあるはずだった。
だが、それはかつてみたことのない状態へと変貌していた。

 「あたしの瓢箪が蒼い光に包まれてる…?なにこれ?ねぇ、なにこれ!?」
 「え、あ、わわわ、わかりません、これは一体…?」

その疑問に答えられる者など、この場にいるはずもない。
だが、瓢箪はそれに答えるかの如く、ただ不気味に蒼い光を煌々と放つだけであった。


───── 越後、春日山城近くの森

森の中は、昼でも薄暗く、夜となれば月明かりさえも寄せ付けぬ、暗闇が支配する場所だ。
そんな森の中の一角、小さな滝が流れる場所に小屋が一軒建っている。
その周辺には樹がほとんどなく、月明かりが滝から飛び散る水飛沫を照らし出し、幻想的な雰囲気を醸し出している。
 パチャ…パシャ…
滝の音とは違う、水の音色が当たりに響く。
ゆっくりと滝の方向から一人の女性が歩いてくる。その姿はまるで修験者のようで、長い髪からは水滴が滴り落ちている。

 「ふぅ…」

彼女は、戦国乙女上杉ケンシン。この滝は、彼女がいつも滝行で精神統一を図る場所である。
月明かりの下に映し出される彼女の姿は、もし見る者がいたならば、言葉を失うほど荘厳で、気高いものに感じるだろう。
だが、誰もいるはずもないこの森の中において、彼女はふと尋常ではない気配を感じた。

 「……っ!?誰だっ!」

叫んではみたものの、滝の音しか耳には入ってこない。気のせいか…?いや、しかしあの気配は只者ではない…。
更なる用心のため、小屋に立てかけてある自分の得物を取りに向かう。
しかし彼女は、駆け出した足をハタと止めた。何だコレは…?
月明かりのせいではない。槍自身が蒼く光を放っているのだ。
479名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/22(土) 23:13:14 ID:YZLFcNr5
まさかの超展開!?
わっふるわっふる!(`・ω・´)
480コタロウちゃんぷるー:2008/11/23(日) 00:39:52 ID:RoOIbonD
───── 駿府城内、一室

 「ひぃ…ふぅ…みぃ…ふふ、みっつもあります…」

和紙の上にある三つの金平糖。それを眺めながら、一人の美少女が笑みを浮かべている。
彼女は徳川イエヤス。無類の和菓子好きで、毎晩寝る前におやつとして金平糖を食べるのを愉しみにしているのだ。
まずは、ひとつを摘んで口に放る。途端に幸せそうに頬を染め、うっとりとした表情を見せる。

 「…甘くて…とろけそう…最高です…」

続いて、二つ目。これもまた絶品の味。三河一とうたわれる和菓子職人の渾身の作だから、当然だ。
最後の一つに、名残惜しそうに手を伸ばし、摘む……が、つい掴み損ねてしまい、金平糖は彼女の後ろへ。

 「あ…」

転がる金平糖を目で追う。追った先には、まぶしい光。
イエヤスは口をポカンと開け、その光に目を奪われていた。光を放つものの正体は、自らの家紋を象った杖。
彼女が手にすれば絶大な魔力が引き出されるという、彼女の生命線といってもいい代物だ。
それがなぜか、触れてもいないのに蒼い光をまばゆく放っている。
彼女は金平糖の事などすっかり忘れ、ただただその光に目を奪われていた。



───── 岡崎城、一室

ポロン…ペペペン…ペペン…

琴の音が流れる一室。弾いているのは戦国乙女今川ヨシモト。
目を瞑り琴を弾くその姿は、優雅であり、非常に奥ゆかしいお嬢様といった感じだ。

ペン…ポピンッ

一瞬指がずれ、的外れな音が鳴る。演奏を止めたヨシモトは肩をワナワナ震わせ…

 「キィーーーっ!!むかっ腹立ちますわ!!!」

と、琴をバンとぶっ叩いた。指に嵌めていた琴爪の数本が壁に吹っ飛び、畳の上にポトポトと落ちる。
先ほどの奥ゆかしさはどこへやら、ただのヒステリックな女にしか見えない。これが部下達の悩みの種でもある。

 「あのアマ…ムラサメだけは許せませんわ!よりによってこの私をうつけ呼ばわりだなんて…!!」

先の本能寺での一件を、密偵からの情報で知ったヨシモトは、その留守を狙いコタロウたちの城を落とそうと出陣したのだ。
しかしそこには防衛の為にムラサメが残っており、彼女の指揮する軍勢にあっけなく返り討ちにされたのだ。
原因は兵力の差。下調べが足りなかったヨシモトの過失ではあるが、そんなことはもうどうでもよいのだ。

ただヨシモトが憤慨しているのは、その戦の最中に本陣へ矢文が届き、その文に
「うつけ姫へ。私の下へ下るというなら、同盟してあげてもよくってよ」と、概ねそのような事が書かれてあったことだ。
戦況は確かにこれ以上覆らない、と悟ったヨシモトは泣く泣く撤退を決意したのであった。

怒りで、ヨシモトは床の間に立てかけてある弓が蒼く光っていることに気が付く事は無かった。
481名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/23(日) 00:59:11 ID:mYjQl1sD
ヨwシwモwトw

やっぱりどっかうつけw
482名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/23(日) 03:24:07 ID:9R8Z4ZeU
だがそれがいいw
483名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/23(日) 15:40:50 ID:jOrbjLUb
順繰りに書いてるけど、きっとヨシモトだけ気付かないんだろうなw
484コタロウちゃんぷるー:2008/11/23(日) 21:36:57 ID:RoOIbonD
───── 躑躅ヶ崎館

 「むくちゃもぐちゃ」
 「御館様、お味はいかがでしょうか?」
 「うめぇ!もっと持って来い!」

長く綺麗な銀髪を振りかぶり、そう大声を張り上げる彼女は武田シンゲン。
彼女の後ろには、すでに皿が山のように積まれ、おひつも3杯目に突入しようというところだ。

 「しっかし長引くなぁ、ケンシンとの戦は。もう四回目だぞ」
 「そうですねぇ、上杉軍も中々に手ごわいようで…」
 「だけどなんていうか、ずっと戦っていたいくらい楽しいんだよなぁ…」
 「ふふ、御館様は本当にケンシンがお好きなようですね」
 「ば、ばか言うな!オレは戦いがいがあるって言ってるんだ!」

立ち上がり、米粒を飛ばしながら怒るシンゲンだが、動揺して顔が真っ赤になっているため説得力の欠片も無い。
実際に彼女は、好敵手以上の感情をケンシンに抱きつつあったのだ。

 「ったく!変なことを言うんじゃない!」

ふてくされた様子でドカッと座ったその拍子に、後ろの皿の山がグラグラと傾き始めた。

 「あぁ!御館様っ!皿が崩れます!」
 「ん?うわっ、あぶねぇ!」

間一髪立ち上がり、皿の山の崩壊を食い止める。
家臣もシンゲンも、冷や汗と同時にため息が出る。

 「ふぅ…この前見たく全部割れると、掃除するのが面倒だかんな」
 「そういって掃除しているのは私たちなんですけどね…」
 「はは、まぁそういうなって…ん?あれは…」

抱きとめた山の向こうに、武田家に伝わる由緒ある軍配がたてかけてある。
山に隠れて見えなかったが、何やら妖しく光っている。

 「あぁ?なんでオレの軍配が光ってるんだよ?」
 「さぁ〜?ご先祖様が、御館様のお行儀を嗜めているのでは…」
 「んなわけあるか!どれどれ…」

さしたる疑問も持たず、軍配に手を伸ばす。
すると、シンゲンが軍配を手にした瞬間、更に蒼い光は輝きを増し、彼女の身体を包み込んだ。

 「うおっ!?」

なんだこれは…!オレの身体にみなぎるこれは…!
いや…わかる!これは、この感覚は…!

 「腹減った!」
485名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/23(日) 22:48:11 ID:9R8Z4ZeU
ああっ、最後の一行は…orz
486名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/24(月) 01:18:44 ID:Z+raVaga
最後の一行は要らないだろっw
シンゲンらしくて俺は好きだがw

そういや、今日武田信玄の寺を俳優の金子貴俊が取材に行ってた番組を見たんだが。
信玄、信玄と聞く度にシンゲンの姿が頭に浮かんで困ったw
487:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/11/24(月) 23:57:05 ID:OJMprsif
>>428続き

   ○○「ど、どうした?」
 ヒデヨシ「お兄ちゃんが・・・、お兄ちゃんがミツヒデのお嫁さんに行く夢見ちゃったんだもん・・・!」
   ○○「はぁっ!?しかも嫁かよ!色々おかしいだろ!」
 ヒデヨシ「なんか急にウチの城にミツヒデが来てね、『○○殿が気に入ったので、是非とも我が嫁にいただきたい』って言ってきたんだよ。」
   ○○「また妙に現実味がある話だな、おい・・・。」
 ヒデヨシ「そしたら城の皆も『明智家との同盟がより強固になるなら是非に!』ってなってさ。」
   ○○「そ、それで?」
 ヒデヨシ「お兄ちゃんもお兄ちゃんで、『いやあ〜眼鏡っ娘でお姉さんって、もろ俺の好みなんだよね〜。この話ありがたく受けさせてもらうよ!』って・・・。」
   ○○「何っ!お前・・・、実は凄い特殊な力持ってんじゃないか?」
 ヒデヨシ「え?何で?」
   ○○「ん?いやなんとなく!アハハハハ!(おのれ、いつ俺の好みがばれたのか一瞬あせったぜ!まあ眼鏡は別にあってもなくても・・・。)」

 ヒデヨシの、色々とドキっとする夢の内容を聞いて、思わず冷汗を全身にかいた。

 ヒデヨシ「・・・ちゃん。お兄ちゃん!」
   ○○「わっ!な、何だ?」
 ヒデヨシ「何ずっと黙ってるの?もう眠いの?」
   ○○「い、いやそういうわけじゃ。で?まだなんかあるのか?」
 ヒデヨシ「うん、あのね。んと、その・・・。」

 話の先を促すものの、ヒデヨシの歯切れがどうにも悪い。いつもの元気はどこへやら。
目もこちらとあわせずに、下を向いてモジモジしている。
488名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/25(火) 00:01:05 ID:HZMOk8PS
○○の人キター!わっふるわっふる!
489名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/25(火) 00:39:58 ID:s8ME89mq
久しぶりに〇〇さんキター!(゚∀゚)
楽しみにしてますよ〜、わっふるわっふる!(`・ω・´)
490コタロウちゃんぷるー:2008/11/25(火) 01:33:42 ID:DLWZjs9k
───── 青葉城内、道場

 「……」

薄暗い道場の中に、小柄な美女が目を瞑り鎮座している。
その右目は黒い眼帯で覆われてはいるが、彼女の美しさを決して損なうものではなかった。
ゆっくりと目が開く。人は彼女の残った左目を「人の心を見る目」と呼ぶ。
実際、美しいその瞳に見つめられるだけで全てを見透かされるような思いに駆られる。

とはいえ、彼女はそのような能力を持っているわけでもなかった。
自身の目に、特別な力などないと思っていた。
だが、近頃無いはずの右目が疼く。今夜は特に酷い。
精神統一を図ってみても、変わりがない。何か特別な薬でも必要なのだろうか…?

諦めかけ、立ち上がった瞬間、ふいに疼きが止まる。
その代わりに、背筋にただならぬ気配を感じる。
先ほどまで修練していた木刀を掴み、向き直る。

誰もいない。
だが、異変は起こっていた。道場の隅に飾ってある二つの愛刀。
みたこともない蒼い光が、彼女の残った左目に映っていた。



───── 本能寺

今はもう煙さえも立っていない、大半が焼け跡となった本能寺。
火の手が回らなかった堂は、今でも使おうと思えば使えるが、この状態では使おうと思う者はまずいないであろう。
もはや廃墟となるのを待つだけであった本能寺だが、闇夜の中に一室だけ、ボウッと明かりの灯る部屋がある。
少しだけ開けられた窓からは、火事やその類とは違った煙が立ち昇っていた。

数時間前のことだ。この本能寺へ、とある一行が到着した。

 「何も、わざわざここにお泊りになることも…」
 「ミツヒデごときに遅れを取った己を戒めるためじゃ。ここで一夜を何事も無く過ごさんと気が済まぬ」
 「ですが、安土までもうあと幾ばくか馬を走らせれば…」
 「くどい、口答えする気か?」
 「め、滅相もございません!」
 「ふん、分かればよいのじゃ。使える部屋を探しておけ!」

─── 窓から出る煙はノブナガのキセルから立ち昇っていた。
明るく光る月を見ながら、ノブナガは昼の事を思い出していた。
果たして榛名は本当にあるのだろうか?彼女自身も何度か調べ、調査隊も出してはみたものの
まったく手がかりが無く、まるで雲を掴むが如くであった。
結論としては、ただの伝承…絵空事。それ以来、実力による支配以外無いと考えたのだ。

 「わしも甘くなったものじゃ」

虚ろげに煙をフゥ…と吐き出し、灰を落とすためにキセルを煙草盆の縁へコンとやる。
その時、ふいに雁首に反射して何かの光が目に入る。
491名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/25(火) 01:48:55 ID:XbXyMzbs
マサムネ「1000ハマリが見える!」

○○さんもキター
両方まとめてわっふるわっふる!
492:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/11/25(火) 01:57:01 ID:nlcNCHlJ
>>487続き。

 たまに意を決したように、こちらを見上げるも、金魚のように口をパクパクして顔を赤らめながら、
少し頬をふくらませてまたうつむいてしまう。そんな行動を2・3度しただろうか、ついにヒデヨシが口を開いた。

 ヒデヨシ「あ、あのねお兄ちゃんっ!!!!」
   ○○「お、おお。」
 ヒデヨシ「えっと、その・・・。ず、ずっとあたひと、いっひょにいひぇくらひゃい!」
   ○○「・・・・・・・・・・・・・・・・なんだって?」
 ヒデヨシ「あ、ううう。肝心なところ噛んじゃったよぅ・・・。ぐすん。」
   ○○「おわ!な、泣くな!ちゃんと聞いてるから、もう1回言ってみよう。な?」
 ヒデヨシ「うん、ありがと・・・。」

 勇気を振り絞って何かを伝えようとしたヒデヨシだったが、神がかり的な噛みっぷりにより、何を言おうとしたのか全く分からなかった。
自分の余りの情けなさに思わず悲しくなったのか、またもや泣き始めたヒデヨシをなだめもう一度なだめ、大事であろう部分を言い直させる。

 ヒデヨシ「すぅーはぁー。ふー、よし・・・!」
   ○○「(ゴクリ・・・!)」

 ヒデヨシは今度こそと思ったのか、自分の胸に手を当て大きく深呼吸をして、気持ちを落ち着ける。 
俺もただならぬヒデヨシの気配を感じ、全身に緊張が走る。こんなヒデヨシは初めてだ・・・。

 ヒデヨシ「お兄ちゃん!えっと、ずっと一緒にいてね!」
   ○○「え?」
 ヒデヨシ「はあ〜、言っちゃったよ〜。どうしよお〜。。」

 ヒデヨシは、自身のした発言の達成感と余韻に悶えながら、蒲団の中でモゾモゾと動きまくる。しかし―。

   ○○「・・・・・。」
 ヒデヨシ「あの、お兄ちゃん。ダメ、かな・・・?」
   ○○「あ、いやスマン。ちょっとビックリしちゃって、うん・・・。」

 俺は、ヒデヨシの思わぬ告白に不意をつかれ頭が真っ白になったが、ヒデヨシの真剣な行動に、俺も相応のもので答えなくてはいけない。
俺はゆっくり蒲団から起き上がり、しっかりと身なりを整え、正座しヒデヨシの方を向く。
 こちらの真面目な空気につられて、ヒデヨシも慌てて座りなおす。
そして、しばしの沈黙の後、俺はゆっくりと口を開いた。

   ○○「豊臣ヒデヨシ殿。」
 ヒデヨシ「あ、は、はいっ!」

 いつもの俺とは明らかに違う口調で呼ばれはヒデヨシは、おもわず体をビクっとさせ、背筋をピン伸ばした。
493コタロウちゃんぷるー:2008/11/25(火) 02:07:38 ID:DLWZjs9k
 「何じゃ今のは………お…?」

振り向いたノブナガの手から、キセルが畳へ落ち、多少残っていた灰がこぼれる。

 「ふぅ…落ち着くのじゃ、織田ノブナガ」

自分に言い聞かせるように独り言を呟き、キセルを拾い、煙草を詰めなおす。
しかし、その手はおぼつかない。
ようやく詰め終わり、改めて向き直る。

ノブナガの大剣は、怪しげな業者から購入したものだ。
彫られている文字、何よりその重厚な見た目が気に入り、即決であった。
切れ味も申し分ないし、己の力を引き出しても耐えうる頑丈さ。いい買い物をした。
そう思っていたが…今や見たことの無い様相を呈している。
蒼く光るなどと…今までに無かったことだ。我が炎の力を引き出す時に赤くはなるが…。

ノブナガはつかつかと大剣へと歩み寄る。
落ち着いているように見えるが、キセルには肝心の火が点いていない。
おそるおそる、柄を握る。するとその瞬間─────

 「う、うおおおおぉぉ!?!?!」

握った手から全身へと駆け巡るこの力…!まるで五臓六腑へと流れ込むような熱い炎…!!
大剣の蒼い光は、更に輝きを増し、ついには念じてもいないというのに炎を噴出し始めた。
その炎は今までの炎とは比べようも無いほどに、熱く激しく唸るように燃え盛る。
いつしか蒼い光は輝くような赤に変化し、部屋中に炎を撒き散らした。

 「むぅ!?ええぃ!」

所々火が点き始めた部屋を、扉を蹴破って飛び出した。
疼く…!震える…!この力を試してみたい…!!

ノブナガは大剣を目の前へ構える。
そしてあろうことか本能寺へと向け、気合をいれ炎を纏った大剣を振りかざした!!

 「どおおりゃあぁぁっっ!!!!」

噴出した炎は渦を巻き、ゴウゴウと音を立てお堂を飲み込んでいった。
家臣たちが何事かと慌しく飛び出してきた。それに目もくれず、炎に包まれた本能寺に目を奪われているノブナガ。
さらに、大剣を頭上へ振りかざし、己の大技を繰り出す。

 「うおおぉぉっっ!!非情のぉぉ大けえぇぇぇぇんっっ!!!」

家臣たちは、かつて戦場で見た自分達の将が放った技より、倍…いや、数倍もの炎を纏う圧倒的な破壊力を
目の当たりにし、恐れと同時に、武者震いをも感じた。この人は…必ず天下を獲ると。

本能寺は、その全てが炎に包まれてしまった。
炎を放った本人は大剣を地面に刺し、飛び散る炎で火が点いたキセルから口を離し、煙をうまそうに吐き出した。

 「くくっ…!!この力!コタロウには悪いが、気が変わってしまうやも知れぬ!!ハッハッハァ!!」
494:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/11/25(火) 02:33:00 ID:nlcNCHlJ
>>492続き。

   ○○「ヒデヨシ殿。貴女の想いとても嬉しく思います、ありがとう。」
 ヒデヨシ「い、いえ!どういたしましてです!」
   ○○「ははは、さて・・・。ふう。」

 ヒデヨシの反応に思わず笑みがこぼれるが、あまり茶を濁すのもヒデヨシに失礼だ。
今度はこちらが呼吸を整える番となった。一度目を閉じ、ヒデヨシとの様々な思い出が頭の中を駆け巡る。
 そんな思い出に再び笑みがこぼれる。そして、俺は意を決してヒデヨシの目をまっすぐ見つめた。

   ○○「では、先ほどの願いに対するお答えですが・・・。」
 ヒデヨシ「は、はい・・・!(ゴクッ。)」

 次に俺が口を開くまでほんの少しの間しかなかったはずだが、二人の間に流れる時間は。時が止まったように永遠に感じられた。
495コタロウちゃんぷるー:2008/11/25(火) 14:42:51 ID:DLWZjs9k
───── オウガイの城、訓練場

 「ふっ!はっ!」

闇夜の中、静まり返った訓練場に、荒い息遣いが響く。
オウガイは毎晩己を鍛えるために訓練を欠かさない。
敵を想定し、自慢の斬馬刀を振るう。もし松明を持たずに近づいたら、目で追えないほどの軌跡を描く
斬馬刀によって、首が飛ぶことであろう。

 「ふぅ…こんなところか」

オウガイは斬馬刀を地面に突き刺し、手ぬぐいで汗を拭いた。
ふと横を見ると、毎度付いてくるシロが骨を持ち素振りをしている。

 「何だその振り方は…まるで振り子のようだな」

兜をコツンと叩き、笑顔でちょっかいを出す。
すると、シロは驚いたようにオウガイに向かって骨を振り上げる。

 「わんわん!」
 「お?なんだなんだ。それしきでは我は倒せんぞ〜?」
 「わふわふ!」
 「あん?どうした、そんなに興奮して…」

どうやらシロが驚いているのは、自分ではなく後ろのほうに向かっての様だ。
こんな時間に無粋な来客か…?だが気配を感じさせないとは…中々の強者か。

振り返ると、一切頭の中に無い光景がそこにあった。
斬馬刀が蒼く激しく光っている。徐々に光は強さを増していき、訓練場に松明以上の明るさをもたらした。

 「なんだあれは…!何かの魔術か…!?」
 「ぎゃわん?」

シロは自分の手に握られた骨を見つめた。少しだけ光ったような、そんな気がした。


───── コタロウの城、風呂

ムラサメは、自国へ帰らずにこの地へ留まった。
捕らえてあるミツヒデに何か不測の事態が起こった際に、コタロウだけでは危険かもしれない…。
そういう思いで留まることを決めたのだった。

ザバァッ

風呂からあがり、脱衣所へ。コタロウの兵が、気を利かせて着替えなどを用意してくれた。
ただ、ムラサメを前に兵は緊張している。
美しく細い肢体、濡れた髪、ツンと張った美しい胸、湯上りでほんのり染まった白い肌。
それら全てを隠すことなく堂々と見せ付けるムラサメに、同性とはいえ目のやり場に困っているのだ。
兵の中にもムラサメのファンは多いのだ。それこそ恋愛感情を持つものが多数だ。

 「ど、ど、ど、どうぞっ…!」
 「あら、ありがとう…」
 「い、い、いえ!どういたしまして…!」
 「ふふ…緊張しちゃって可愛いのね…食べちゃいたいくらい…」
 「ぁ…」

兵の頬に手をやり、舌なめずりをする。それを、兵はウットリと潤んだ瞳で力なく見つめ…。
そんなわけでムラサメも、双刃刀を部屋においてあるので全く気が付かなかった。
496コタロウちゃんぷるー:2008/11/25(火) 15:18:39 ID:DLWZjs9k
───── 地下牢

ミツヒデは壁に寄りかかりウトウトしていた。
いつもの鋭い表情とは違い、兵達の中でも寝ているときの顔は可愛いと評判だ。

ふいに、ミツヒデは目を覚ます。覚ましたとはいえ、まだ寝ぼけ眼だが…。
ん…あ……熱い……身体が……うぅ……
急に身体中が熱くなっていくのを感じた。胸の辺りが締め付けられるように疼く。
うぐ…何だコレは…あぁっ……くぅっ……うぅぅぅ!!苦しいっ……!!
息をするのも苦しくなる。何かの病か…!?うああぁっ!!
縛られているので、楽な体勢をとる事も出来ずただ石畳の上をもがき続ける。
はぁっ…はぁっ……!!ぐぅぅっ!何かが…何かが私の身体を…内部から食い破ろうとしている…っ!!
心臓がキリキリと軋み、石のうえに染みを作るほどに脂汗が止まらない。

 キィンッ……カンカララン……

はっ……!?痛みが……止まっ……た……。息が……できる……。
痛みが止まる直前の、耳に入った先程の音…。背中のほうから聞こえたその音にミツヒデは反応した。
あの音は聞き覚えがある。そう…ずっと私と共にある、あの音…。
寝転がったまま、体勢を入れ替えて後ろを向く。
やはりか…。

そこにはクナイが一本転がっていた。なぜ勝手にクナイが生成されたのか…いや、それよりも…。
なぜこのクナイは蒼く光っている…?

身体を起こし、後ろ手のまま手探りでクナイを掴む。
掴むと同時に、激しい衝撃が彼女の身体を電撃のように走った。
水田に水が激しく流れ込むように…頭の中へ何かが流れ込んでくる。
頭と身体が全てを理解した瞬間、すでに彼女は鋼線交じりの縄を断ち切り立ち上がっていた。

久しぶりに二本の足で立った感覚に眩暈を覚えながらも、まずは固くなった身体をほぐす。
十分に動けるようになったのを確認し、扉へ近づき鍵に先程のクナイをあてがう。

 「ふんっ…!」

バキィン!!キンッ!キイイィン……

鉄の鍵はあっけなく捻じり切れ、破片が遠くへと転がっていった。
ギイイイィィ……
鉄格子が開き、ついに彼女は格子の向こう側へと足を踏み出した。

くくく……このような力を持つのは予想外であったが…さて、どうしたものか。
今は…夜か、おあつらえむきだ。この明智ミツヒデ、礼を尽くして奴の寝首を頂くとするか。
497名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/25(火) 17:10:40 ID:xpLIxX8f
【力】に気付いたのはこの2人だけか…
流石はノブミツw

正座したヒデヨシに膝枕させて欲しい。
498名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/25(火) 19:16:23 ID:JIct3yBU
(゚∀゚)o彡゚ ムラサメ!エロイ!
499コタロウちゃんぷるー:2008/11/25(火) 23:25:47 ID:DLWZjs9k
その時、音に気付いて見張りの兵が階段を降りて様子を見に来た。

 「なっ…明智っ!?出あ…!」

言い終わるよりも早くミツヒデは兵士の背後に回りこみ、口を押さえ背中にクナイを突き立てた!

 「ごぶっ…」
 「ふふ、大声を立てる君がいけない…」

ドサリと崩れ落ちた兵士を見下ろし、手についた兵士の吐いた血をペロリと舐め、不敵に微笑むミツヒデ。
だが、流石に激しく動くと横腹がまだ痛むな…気をつけねばならん。

外の様子を伺いつつ階段を昇ると、外に数人の気配がする。
ちっ…複数で見張っていたか。だが所詮は雑兵、この私を止めるには及ばぬ。

バッと扉を飛び出すと、目の前には弓を構えた兵士。
数本の矢がミツヒデを目掛けて向かってくる。それをヒラリと躱して飛び上がり、一瞬にしてクナイを数十本投げつける。

 「うわぁっ!」「きゃぁぁ!!」「くうっ…!逃すな〜!」

身体中にクナイが刺さり、致命傷とはならないが満足に動くことはできない。
その間にミツヒデは城壁を飛び越え、屋根伝いに城内へと侵入を開始した。

 ────────────────────

 「はぁ…はぁ……」
 「コタロウ…!コタロウ!」
 「だ…大丈夫です…治まりました…」
 「そっか…よかった…一体何事かと思ったよ…」

とりあえず身体を拭き、彼女に着物を着せてやる。

 「何か薬でも飲んだほうがいいんじゃないか?」
 「いえ…大丈夫です…」

少し気になるのが、さっきから彼女が俺を見る目に恐怖・怯えといった感情が含まれている気がしてならない。

 「ごめん、無理矢理すぎたかな…というか…怒ってる…?」
 「え…?い、いえ、怒ってないです!」
 「でもなんか、俺を見る目がその…」
 「あ…それは…その…」

目を伏せ黙ってしまった。何か隠してるのか?
と思ったら、俺にバッと抱きついてきた。

 「何でもないです…。ヤスヒロさんはヤスヒロさんだから…」
 「おかしな事言うなぁ、俺は元から俺だよ」
 「くすっ、そうですよね…ボクおかしい事言ってますね。ふふ、大好きです…」

ま、いっか…。俺もコタロウのこと信用してやらないとな。
それより、このグショグショの布団をどうにかせねばなるまい。
500名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/25(火) 23:57:44 ID:7E0yyvln
ちなみにミツヒデおトイレは・・・・
501:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/11/26(水) 00:35:00 ID:L0Azex8Y
>>494続き。

   ○○「ふつつか者ですが、どうぞ末永くよろしくお願いします。ってこれじゃあ、ほんとにどっちが嫁さんかワカランなあ、ハハハ。」

 大事な言葉をまっすぐ伝えたものの、やはり面と向かって言うとどうにも恥ずかしく、照れ隠しの笑いが出てしまう。
だが、肝心のヒデヨシはというと、両手の拳を固く握り、膝の上にそれをおいて、下を向いて少し震えている。

   ○○「おい、ヒデヨシ?だいじょう―。」

           ドンッ!
    
 心配した俺がヒデヨシの顔を覗き込もうと少し腰を上げたその瞬間、ヒデヨシがはじける様に顔を上げ、俺の胸に飛び込んできた。
飛び込んできたヒデヨシを何とか受け止め、かろうじて踏みとどまる。だが、ヒデヨシの頭突きを胸にモロに受け、少し痛い。

   ○○「イテテテ、おいヒデヨシ、危ないじゃ―。」

 再び俺の言葉が途中でさえぎられる。だが今度は、ヒデヨシの小さな唇が俺の口に重ねられていた。
いわゆる接吻というものだ。

 ヒデヨシ「んっ・・・。えへへ、初めての“きす”あげちゃった。」
   ○○「・・・“きす”?接吻じゃないのか?」
 ヒデヨシ「知らないのお〜、よその国じゃあ好きな人同士でする接吻を“きす”って言うんだよお〜。」

 なんとも嬉しそうな表情を浮かべ、得意げな顔で解説するヒデヨシ。
だが、その表情はどうにも落ち着かない様子だった。自分のした行動ながら、心臓は爆発寸前と言ったところか。

   ○○「へえ〜“きす”、ねえ・・・。」
 ヒデヨシ「うん、そう―。」

 今度はこちらからヒデヨシを抱き寄せ、唇を重ねる。一瞬大きく目を開け、驚きの表情を浮かべて体をこわばらせたヒデヨシだったが、
ゆっくり目を閉じこちらに体を預けてきた。

  ヒデヨシ「ぷはっ、イキナリはズルイよお・・・。もうっ。」
    ○○「はっはっは、お返しだ。やられてばっかじゃ男が廃るからな。」

 抗議の言葉を発するも、ヒデヨシは目を潤ませ少しハニカミながら唇を人差し指でなぞっている。
その顔は、心なしか嬉しそうな顔をしていた。その後、余韻に浸っていたヒデヨシだが、なんともバツが悪そうにモジモジしながらこちらを上目遣いで見ている。

   ○○「どうした?ヒデヨシ。なんか、嫌、だったか・・・?」
 ヒデヨシ「ううん・・・。そうじゃなくて、その、あの、ね・・・。」
   ○○「こーら、また歯切れが悪いぞ。言いたいことがあるならハッキリ言いなさい、な?」
 ヒデヨシ「う、うん。あの、もう一回、お願いしてもいい、かな・・・?」
   ○○「ん?“きす”をか?」
 ヒデヨシ「うん、ダメ・・・?」

 相変わらずの上目使いでこちらを見ながら、恥ずかしそうに“きす”のおねだりをヒデヨシ。
・・・・・かわいいヤツめ。そんな顔してお願いされたら、断れるわけなかろうに。

   ○○「ああ、いいよ。おいで。」

 その言葉を聞いて、ヒデヨシはパッといつものヒマワリのような笑顔を浮かべ再び抱きついてきた。
502コタロウちゃんぷるー:2008/11/26(水) 00:39:25 ID:cCtP3Zg7
>>500
二日程度ならしないかも!
503名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/26(水) 00:50:03 ID:Reog4gpC
>>502
えぇぇぇっっっっっ???
504名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/26(水) 00:51:35 ID:SwyR6ldV
乙女ですから。
505コタロウちゃんぷるー:2008/11/26(水) 01:01:19 ID:cCtP3Zg7
じゃあ、城内に忍び込んだときに我慢してたので厠借りて…ということでお願いします。
506名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/26(水) 01:04:54 ID:v4pA+jh/
乙女はモノを召喚する能力とそれとは逆の能力が…
体内に溜ったモノは外に出さずとも、どこかへ逆召喚。

とか?w
507名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/26(水) 14:25:47 ID:hAZYIBZ4
>>500
垂れ流しに決まってるだろおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
はぁはぁ(*´Д`)
508コタロウちゃんぷるー:2008/11/26(水) 19:32:58 ID:cCtP3Zg7
>>506
乙女はトイレいくよ!う○こもすれば屁もこくよ!
それがマイジャスティス
509コタロウちゃんぷるー:2008/11/26(水) 19:33:32 ID:cCtP3Zg7
ミツヒデは天守の一角に身を潜め、ある一室を遠巻きに見張っていた。
やがてその一室から、布団を持った少女が出てくるのを確認した。
…コタロウだ。何故布団なぞ持って出てきたのかは知らぬが、当たりをつけて見張っていた甲斐があった。

コタロウは布団を持ったまま、ミツヒデのいる方向と反対へ歩き出した。
身を潜めたままそれを眺めていると、ふいにコタロウがこちらを向いた。

「っ…!?」

思わず更に身を屈め、完全に姿を隠す。
バレたか…!?いや、この距離で分かるはずなどない…偶然か…。
しかし、まるで目が合ったかのような感覚…。気の迷いであればいいのだが。
再び顔を覗かせ、確認する。

…行ったか。

奴が天守にいなかったため、探すのに時間を喰いすぎた。流石に私の脱獄は奴の知るところであろう。
しかし、あんな隅の部屋からコタロウが出てきたということは…。
まだ部屋に明かりは点いている。誰かがいるという証拠だ。
さてはあいつか…?コタロウが生きているならあいつも生きているだろう。

…今の身体では、この『力』を手に入れた状態でも、コタロウ相手に万に一つ遅れをとるやもしれぬ。
あれでも一介の戦国乙女だ。奴がどういう力を持っているか分からない状態ではな。
ならば今度こそあの男を完全に殺し、コタロウの絶望に歪む顔を見るのも一興か。

ミツヒデは気配を殺し、部屋へ向かって屋根伝いに近づいていく。
見えた…!あの男だ。ほう、足を怪我しただけで済んだとは、悪運の強いやつ。
一瞬に4本のクナイを手に持ち、力を溜める。
クナイは蒼い光を静かに湛え始めた。せめて苦しまずに一撃にて屠ろう。

 ブルッ…

一瞬感じる酷い寒気。これは!!────

ミツヒデはバッと飛び、ヤスヒロの部屋の前に着地した。

 「うわっ!ミツヒデ…!本当に来た…」
 「……なに?」

本当に来た…?来るのがまるでわかっていたような言い草だな…。
いや、私が脱獄しているのが既に伝わっていたのだろう。余計なことを考えるな。

ミツヒデはヤスヒロから目を離し、自分が先程までいた場所を睨む。
そこには双刃刀が突き刺さり、瓦には白く、霜が付着している。

 「貴様がこの城にいたとは…コタロウのお守りか?」
 「あら…あの娘は一人でも十分に戦えるわ。私がここにいるのはアナタの無様な姿を見に来ただけ…」
 「ふん、減らず口を…。まぁよい、このミツヒデの姿を捉えたことは褒めてやろう」
 「気付いてないの?殺気が漏れてるのよ。何の自信があるのかは知らないけど…うふふ」
 「戯言をっ!」
510名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/26(水) 20:07:00 ID:hAZYIBZ4
ムラサメ姉さん色っぽくてクールで最高だな(*´Д`)=з
わっふるわっふる!!!
こんなお姉さまに手込めにされたい
511コタロウちゃんぷるー:2008/11/26(水) 22:03:40 ID:cCtP3Zg7
ミツヒデは廊下を走りながら、片手に四本、両手で合わせて八本のクナイを投げつけた。
それは彼女自身も内心驚くほどの速度・威力でムラサメの元へと飛んでいった。
だが、当たると思ったクナイは、全てムラサメの双刃刀に弾かれた。

ちっ、まだ身体が慣れていないのか…?
さらに宙へ飛び出し、数十本に及ぶクナイを発射する。
これもまた今までの比ではなかった。

だが ────

 「ハァッ!」

ムラサメは大きく跳躍してその全てを交わし、双刃刀を振りかざしミツヒデへ向かってくる。

 「くぅっ…」

ガキン!
着地際を狙われ、不安定な体勢でかろうじてクナイで刃を受ける。
ガチガチガチ…
火花が散ろうかという程の、クナイと双刃刀の激しい鍔迫り合い…

こしゃくなっ…!ミツヒデは力を込める。クナイはそれに応えるように蒼く光りだす。
一瞬ミツヒデが押し返す。思わず笑みがこぼれる。いける…!この『力』さえあれば…!!
だが、そう思ったのも束の間。

ミツヒデの目に、ムラサメの口の端がニヤリと上がったのが見えた。
気付いた時にはもう遅い。彼女の双刃刀も同じような光を帯び、更にミツヒデを押し返してきた。
そして、手元に這い上がってくる冷気…クナイの先端が凍り始めたのだ。

 「なっ…なんだと…!?」
 「その『力』…使いこなすにはまだ体調が良くないようね…ふふ」
 「なにっ!?」
 「『力』を手にしたのはあなただけではないということよ!!」
 「くっ…!」

耐え切れず、後ろへ飛びのいた ──── はずだったが、ムラサメに完璧に動きを読まれ、間合いを詰められた。
そして抵抗する間もなく、廊下へたたき伏せられた。

 「ぐぁっ!!」

うつぶせに倒れたミツヒデの怪我をしている横腹に、容赦なくムラサメの膝が入る。

 「〜〜〜〜〜っっっ!!!!!」

声が出ないほどの激痛。かすれた音が喉から搾り出される。
更に右手を足で踏みつけられ、左腕は後ろ手に決められ、動くことが出来なくなった。

 「うっふふ…ざぁんねん。そのまま逃げていればよかったものを…」
 「あが…ぐぅっ……!」
512名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/26(水) 23:35:28 ID:hAZYIBZ4
さすがムラサメ姉さん。乙女アタック突破率が10%以下に抑えられるだけある!!!
俺もシバき倒されたい(*´Д`)=з
513名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/27(木) 01:41:20 ID:52cDay+Y
流石ムラサメ、TUEEEE!
奥義連発されちゃ、手負いのミツヒデじゃかなわんだろうて
514乙女武将との間に子供出来た保守:2008/11/29(土) 23:10:48 ID:nwJJUABh
オギャアオギャア

ヤスヒロ「おお、生まれたか!」
マサムネ「ヤスヒロ…」
ヤスヒロ「可愛い女の子だな…よく頑張った、マサムネ!」
マサムネ「そう言ってくれると嬉しいよ…///」
ヤスヒロ「早速名前を考えないとな」
マサムネ「…実は名前はもう考えてあるんだ」
ヤスヒロ「え、マジで」
マサムネ「ああ、これだ」つ『五六八』
ヤスヒロ「(いろは、か)うん、いいんじゃないか?」
マサムネ「よかった…反対されたらどうしようかと思ってたよ」
ヤスヒロ「反対なんかしないさ…ホラ、名前呼んでやってくれ」
マサムネ「うん…」



マサムネ「 ご ろ は ち 」
ヤスヒロ「ごろはち!?」
515名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/30(日) 00:03:16 ID:/TEBJNOb
>>514
ベタベタなオチ過ぎて逆にわらたw
516名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/30(日) 00:13:03 ID:0fcZDLNe
ヤスヒロとマサムネの絡みを見て、初代ヤスヒロを懐かしく思った今日この頃
517名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/30(日) 00:19:22 ID:QCpfDwip
第一章の過去ログ?ってありますか?
518名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/30(日) 02:02:46 ID:/TEBJNOb
前スレに初期の分ある程度まとめたのがあったはず
519名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/30(日) 04:57:41 ID:0tboubMT
第一章の話が前スレにって…本スレ(第二章)の前スレは第一章だろ?
その前スレ=第一章を読みたいって事なんじゃないの?
まさかスレ立て時のタイトルのミスとかで、これ3スレ目?
520名無し変更議論中@自治スレにて:2008/11/30(日) 12:39:15 ID:QCpfDwip
言い方悪くて申し訳ないです。
つまりは前スレのログです。
521名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/01(月) 00:21:48 ID:MzxjOrGY
あぁなるほど。>>1に前スレあるけど、●持ってないなら携帯のべっかんこってとこを使うといいよ…少々使い勝手悪いけどね
●に近い機能があってそれで見れる
522名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/01(月) 17:19:18 ID:9bCwjtEt
なんとか見れました!ありがとうございます。
523コタロウちゃんぷるー:2008/12/02(火) 09:16:55 ID:b4IG+uCI
 「ムラサメ!大丈夫でしたか?」

タタタ…と廊下の向こうからコタロウが駆けてくる。
ムラサメはミツヒデの左腕を更に深く極めながら答えた。

 「えぇ、見ての通りよ。そして、あなたの言っていた通り…」
 「そうですか…よかった」

言っていた…通り…だと?ぐっ…どういうこと…だ…。
このままでは…逃げねば…このミツヒデが逃げるだけというのは癪に障るが…
せめてムラサメに一撃でも入れて、この戒めを解かねば…!
この身体、せめて城を出るまでは動いてくれ…!

激痛が響く横腹に歯を喰いしばりながら、手に力を込める。だが…

 「ムラサメ、彼女を放してあげてください…」
 「な……に……?」
 「…わかったわ」

ムラサメはコタロウの目を見て、その瞳に宿った確かなるものを確認し、ミツヒデの上からどいた。
だが、ムラサメはどくと同時に更に横腹に膝をめり込ませ、ゴキリと嫌な音を立てた。

 「がぁっ………………!!!!!」
 「もう…!ムラサメ、そういうことは!」
 「ごめんなさぁい、でも念のため、ね」

この女…!殺してやるっ……!殺してやるっ!!
息が出来ない苦しみから、涙目で口から涎を垂らしながらも、ミツヒデは這いずる様に落ちているクナイを
取ろうと手を伸ばす。
だが手が届く前に、ムラサメが蹴飛ばしクナイは城下へと落ちていった。

 「…ぐぅっ!」
 「ごめんなさい、足が滑っちゃったわ。でも大丈夫でしょう?」

そう言うと、ムラサメはミツヒデの髪を掴み、耳元で甘い声で囁いた。

 「…クナイが無くとも、作り出せるのでしょう?」
 「っ!?」

背筋が凍る思いがした。何故自分の能力が…誰にも知られていないはずの力がバレているのだ!?
しかも、この言い方…カマをかけている様子も無い、確信があっての言葉だ。

 「こちらを甘く見ないことね。あなただけじゃない、他の武将も…」
 「ムラサメ…」
 「ん、そうね…喋りすぎかしら。そういうわけで、あなたの手の内は全て掌握している、ということは
  理解してもらえた?理解したなら、さっさと自国へ戻って引き篭もっていることね」

廊下の欄干にしがみつくようにやっと立ち上がったミツヒデは、ブルブルと身体を震わせ、焦り・動揺といった
負の感情の詰まった目でこちらを一瞥し、脇腹を押さえよろけるように廊下を歩いていった。
524名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/02(火) 11:04:35 ID:BQcI5sYC
ミツヒデが道化過ぎる……('・ω・`)

あっ、ちゃんぷるーさんいつもご苦労様です!
525コタロウちゃんぷるー:2008/12/02(火) 13:06:44 ID:b4IG+uCI
欄干に頬杖をつきながら、ムラサメは城門を出て行くミツヒデを確認し、ヤスヒロの部屋へと入っていった。

 「『力』っていうのは…?」
 「お風呂からあがったら、双刃刀が光っていることに気が付いたの。で、手にしてみたら全て理解したわ」
 「理解って…何か分かったってこと?」
 「えぇ、色々とね。…あなたもそうよね?」
 「…はい」

コタロウが小さな声で答える。何だかさっきまでの元気が無いように思えるが…。

 「持った瞬間何かが私の身体に流れ込んできたわ。これは…そう、榛名の力」
 「榛名って…あの榛名!?」
 「この双刃刀…どうやら榛名によって生み出されたものらしいの。先程のミツヒデの…いえ、全ての武将の
  武器を、榛名が作り出したようね」

榛名が作り出した武器…なるほど、ミツヒデのクナイやノブナガのあの大剣…

 「どうりであんなおかしな破壊力があるわけだ」
 「もちろん、これが無くても自分の技は扱える。でも威力はやはりこちらを使ったほうが圧倒的よ。
  ミツヒデと…ヨシモトもそうだったかしら、彼女たちは特殊ね」

武器を召喚できる…つまり、内なる力を秘めていると…
ヨシモトは会ってないから、よくわかんないや。話に聞くと弓だったか。

 「今や全ての武将が等しくこの『力』を体験したと思っていいわ。もしかすると、皆がその『力』に魅入られ、
  戦況が著しく激化するかもしれない…」
 「でも、つまりは榛名が存在するということもわかったってことだよね。それなら先に手に入れちゃえば…」
 「そうね、そしてその在処も分かっているわ」
 「えぇっ!?どこに!?」
 「富士の樹海よ。武田シンゲンにとってはこれ幸いといったところかしら?」

なんと、榛名の場所までわかってるとは!一気に平和への道が開いたって感じだ。

 「じゃあすぐ行こうよ!」
 「慌てないの。私が知ったいうことは、皆も知ったということよ」
 「あ…そっか…」

コタロウがさっきから喋らない。ちらっとコタロウを見る。
うつむいているが…表情が暗い…他の武将に榛名が奪われるのを懸念しているのだろうか。

 「それに、榛名を手に入れるためには、ある『鍵』が必要となるのよ」
 「鍵…?何か扉にでも守られてるの?皆の技ならぶち壊せそうだけど…」
 「『鍵』が何を示しているかまでは分からない…。でも、必要だということは分かっているわ」
 「ふぅん…」
526コタロウちゃんぷるー:2008/12/02(火) 13:36:55 ID:b4IG+uCI
 「ていうか、まず何で急にそんな『力』が発現したんだ?」
 「さぁ…?あなたなら知ってるんじゃなくて?コタロウ」
 「……いえ、ボクにもわかりません」
 「…そう。何はともあれ、これから起こるであろう戦に備えたほうがいいかもね。
  私は一旦城に戻るわ。じき、オウガイから書状も届くでしょう」
 「あ…送ります」
 「ありがと。ヤスヒロも早く怪我が治るといいわね」
 「うん、ありがとう…」

ムラサメとコタロウが部屋から出て行った。なんか急に寂しくなったな。
しかし、榛名か…本当に存在したとは。無事こっちが先に手に入れられればいいけど…

 ───────────────────────────

廊下の先を歩いていたムラサメがピタッと立ち止まり、振り返る。
後ろを歩いていたコタロウは、思わず彼女の視線から目を逸らしてしまった。
ハァ…とムラサメはため息をつき、コタロウに近づいた。

 「あなた…何か隠してない?」
 「…ボクは…何も」
 「なら、私の目を見なさい。私を真っ直ぐ見れる?」
 「……」
 「はぁ……いいわ、言いたくないなら言わなくて。今は言えないことなのね…?」
 「…ごめんなさい」
 「あなたの能力で何が見えたかは聞かないわ。もし一人で背負いきれなくなったら…ちゃんと言いなさい」
 「ありがとう…ムラサメ…」

ムラサメを城門で見送り、コタロウは家臣たちに防御の徹底、それに並行していつでも出陣できるよう
準備をしておくように伝えた。
そして、ヤスヒロの部屋へと戻った。

 「いっしょに寝て…いいですか?」
 「ん、いいよ」

新しく持ってきたヤスヒロの布団へ潜り、抱きつく格好になる。

 「ん?さっきまで何か思いつめてたみたいだけど、もう甘えん坊になるのか、はは…」
 「はい…いっぱい甘えたいんです…」

まるで束の間の幸せを噛み締めるように、彼女は眠りについた。
527名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/02(火) 14:30:11 ID:m/rwsyE6
コタきゅんが見たものとは果たして……( ´・ω・)
528名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/02(火) 20:22:13 ID:Cw/P5tZ3
ムラサメ姉さんにビシバシいたぶられたい(*´Д`)=з
コタキュンにスリスリ甘えられたい(*´Д`)=з
弱ってるミツヒデたんを襲いたいぃぃぃ・・・・・・・フウッ
529名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/04(木) 16:33:48 ID:ZBs3rnXp
やばい、前スレのオウガイ夢想とダブる。
巻き戻すなら今の内だw
530コタロウちゃんぷるー:2008/12/05(金) 09:34:23 ID:koqdVtAT
翌朝、起きると足の痛みがだいぶ楽になっていた。
なんと、痛みを我慢しつつ歩けるところまで回復したのである。
これには医者も俺も驚きだった。

 「どうしたんだろな?急に…」
 「わかりませんが…まぁ悪化したわけではないので、素直に喜びましょう」
 「ですよね」

やっぱ自分の足で動けるのはいいことだ!
だが、医者のところまで付いてきてくれたコタロウがどうにも浮かない顔をしている。
昨日は沈んだり甘えたり…そして起きればまた沈んでいる。
やっぱり何か悩みを抱えてるんだろう。俺に出来ることであれば、どうにかしてあげたい。

 「なぁ、コタロウ。せっかく歩けるようになったし、一緒に釣りでもいかないか?…気分転換に」
 「釣り…ですか?うん…そうですね、行きましょう」

 ───────────────────────────

 「よっ」

ポチャン。釣り針を水面に投げ入れる。
コタロウも自分の釣竿を持ってくれば、と言ったが、見てるだけでいいとのこと。

訪れる二人だけの静かな時間。
川はそんな二人のゆるやかな時間を体現するかのごとく流れ続ける。

 「コタロウ…覚えてる?」

隣に腰掛けるコタロウに声を掛ける。こちらに顔を向け、目だけで返事をするコタロウ。
そんな彼女の顔を見ずに、俺は話し続ける。

 「前に釣りをした時…俺に甘えるって…俺を好きって言ってくれたこと」
 「あ…はい…」

顔を少し赤らめる。そうそう、その時はあっちからキスまでしてきたのだから。

 「今でもその気持ち…変わらない?」
 「も、もちろん!ずっと…変わらないです」
 「そっか…」

糸の周りに魚影がゆらめく。近くに存在はしているが、核心には中々触れてこない…。
人もそう、魚もそう。

 「今のコタロウは、何か違うな」
 「……え」
 「何か俺に隠してる。何か俺に遠慮してる」
531コタロウちゃんぷるー:2008/12/05(金) 10:15:45 ID:koqdVtAT
 「俺が原因で何か悩んでる…何ていうか…雰囲気でそう感じる」

昨晩からだ。頭痛を訴え、治まった後の俺を見たあの目…。
俺はあれを忘れられない。目に焼きついている。何か異質なものを見たような、あの目…。

 「俺が…怖い?」

 ───────────────────

ムラサメは、自分の部屋で昨日の事を考えていた。
ゆらめく炎が作り出す影が横顔に映り、彼女の憂いさを際立たせる。

風呂からあがり、光っている双刃刀を手にしたら、流れ込んできたあの『力』。
ミツヒデも得ていたあの『力』。傍から見れば圧倒していたのは私。
なぜなら、オウガイとの一戦で傷を負ったため、彼女は満足に『力』を発揮することができていなかったから。
だが、それでも彼女は強かった。あのクナイの速さ・強さは到底楽観視することはできない。
あそこまで私が振舞えたのは、あの娘のおかげ…。

『力』に気付いた私の部屋に、急に彼女は飛び込んできて、力を貸して欲しいと言った。
ヤスヒロの元へ向かいながら、彼女は事細かにミツヒデの動きや技を私に伝えた。
対峙してもいないのに詳しく、鮮明に。それどころか、彼女はこれから起こるであろうことを伝えているのだ。
普通の人間なら、何を言っているのか理解できないし混乱するが、私は違う。受け入れる。

─── 彼女の力を知っているから。

事前にミツヒデがどう動くか解かっていれば、圧倒するのも容易いこと。
現にその通りになった。
だが、今までよりもっと詳しく一挙手一投足を彼女は伝えた。
つまり、彼女もまた『力』を手に入れたであろう…ということは推測できる。
現に彼女はそう答えた。

そして終わった後のあの態度。
『誰』に『何』を『視』たのかしら…?

私…?ヤスヒロ…?ミツヒデ…?

それとも『何か』を『感じた』?

類稀なる危険察知と直感、人を視ることによって感じられる一種の予知…
榛名の力によって強化された幼い瞳に、未来がどう映ったのか…
532名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/05(金) 21:52:46 ID:VFW248/A
コタキュン…、もしかしてものすごい力持ってるのか?
超展開に期待わっふるわっふる!(`・ω・´)
533名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/05(金) 23:37:26 ID:oT/P//gG
>>515
なんでベタなんだろうと思ったら、実在してたんだね。<五六八
534コタロウちゃんぷるー:2008/12/06(土) 16:57:02 ID:ecuPHXAm
 「違います!ボクは…ボクは…!」

目に涙を浮かべながら、コタロウは俺に抱きついた。
俺の胸に顔を埋めて小さく震えるコタロウを、思い切り抱きしめ返す。
そうだよな、俺が信用してやらないでどうするんだ。
きっと頭の痛みで俺を何かに見間違えたんだろう。
それに怖がっているというのなら、今でも俺の側にいないはずだ。

 「ごめん、なんか俺…最低だな」

フルフルと頭が振られる。
その頭を軽く撫でてやると、更に強く抱きついてきた。
ちょっとしたいたずら心で、和ませるためにお尻を軽く撫でる。
ビクッと反応はしたが、特に抵抗はしないようだ。スリスリ、スリスリ。
胸板が熱くなってくる。コタロウの吐く息が激しく当たっているんだろう。

こうなったら…!着物の裾に手を入れ


シュッ! ガシャン!

巻戻し <l<l

コタロウ「きゅるきゅる〜」

再生 l>


 「前言撤回…やっぱり最低です…。外であんなこと…!」
 「いや、コタロウもまんざらでも…」
 「むぅ〜…」

ふくれっ面になるコタロウ。
だが、確かに嫌がりはしなかった。それどころか…
う〜む。愛されてるな。まいったな〜。
さっきまで感じていた疑念もすっかりどこ吹く風で飛んでいってしまった。
535コタロウちゃんぷるー:2008/12/06(土) 16:57:39 ID:ecuPHXAm
あぁ、早送りだった。まぁどうでもいいか。
536コタロウちゃんぷるー:2008/12/06(土) 17:34:38 ID:ecuPHXAm
翌日、オウガイとムラサメが来城した。
どうやら本格的に封印の塔攻略へ向けて動くみたいだ。
俺はなぜか作戦会議の場から外されてしまった。
まぁ元からただの雇われ雑用だし、今まで居たほうが不自然ちゃ不自然だ。

─────────────────

 「どうやら物見の報告によれば、どの国も軍を動かしていないそうだ」
 「これだけの『力』ですもの、一人で十分っていうのはあるわね」
 「うむ。まぁ、確かにこれなら万の大軍相手でも負ける気はせんな」

オウガイは椅子を傾けて座りながら、斬馬刀を眺めて答えた。

 「しかし、これが榛名が生み出したものだったとは…。あの鍛冶屋め、自分で打ったなどと…」
 「ブツクサ言わないの。まずこの状況から見て、敵は全員単騎で塔へ来ると考えられるわ」
 「出す必要のない犠牲は出したくないものな。とはいえ、榛名をどうしようともできない現状では、一人で行ったとて…」
 「ま、行ってみなければ鍵云々のこともわからないでしょうし…」
 「うぅむ…コタロウ、お主はどう考える?」
 「…え?あ、はい…そうですね…」

どう見ても、上の空であることがわかる返事だ。
ムラサメはそんなコタロウの態度に、ため息をつく。

 「おいおい…聞いていたのか?」
 「ごめんなさい…少し考え事を…」
 「大方、ヤスヒロのことであろう?我のところに置かないで正解だったようだなぁ」

ワッハッハと豪快に笑うオウガイ。
気楽なものね…とムラサメは思ったが、気を張り詰めていても物事は良い方向へ転ぶとは限らない。
これくらいがちょうどいいのかも…。

 「あ、あの…!お願いが…あるのですが」

ふいにコタロウが場の雰囲気を切り裂くような声で、二人を見つめた。

 「なんだ…急に大声などあげて」
 「あなたの馬鹿笑いの方が大きかったわよ…。で、どうしたの?」

コタロウは喉を鳴らして唾を飲み込み、切り出した。

 「…敵が全員集まるのなら…全て………討ち取りましょう」
537名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/06(土) 21:04:25 ID:pjwi5av0
>>535
>どうでもいいか
ちょいと吹いたw
538名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/07(日) 15:00:41 ID:oMfMc5er
>>535
どうせならスロー再生していただきたい(´・∀・)
コタキュンの乱れる姿がみたい!
539コタロウちゃんぷるー:2008/12/08(月) 09:34:59 ID:mTvvySUm
 「なっ…!?おわっ!!」

ドシ〜ン!
椅子を傾けていたため、オウガイは予期せぬ言葉に驚き、ひっくり返った。

 「いてて…お、おい、コタロウ…今なんと…」
 「冗談にしては趣味が悪すぎね、笑えないわ」

二人の刺す様な視線を一身に受けながら、それでも言葉を続ける。

 「八人全てを討ち取りましょう…と言ったんです。今のボク達ならきっと可能です」
 「討ち取るって…あちらも『力』を手に入れてるのだから、そう簡単にいくわけが…というか、それ以前の問題だろう。
  我らの理念をここにきて曲げるつもりか!」
 「…そうよ。ノブナガみたいに『天下布武』を掲げるようでは、この先何百年と争いが耐えなくなるわ。
  それはあなただってわかっているはず」
 「そ、それでも…きっと何とかなります!」
 「話にならぬな。確かに力なら天下は取れるだろう。だが、そこから先が無い。泰平の世を築くには、
  それ以外の方法…榛名を手に入れるのが今のところの最有力候補だ。それを目前にしてお主は…!」

コタロウとて、実際にそう思っているわけではない。
だが、彼女の中に突如として湧きあがった黒い雲…焦り、疑念、恐怖…それらがこの言葉を出させた。
二人を説き伏せられるとは思えない。それは分かっている。
だが、幼くして知ってしまったある特殊な感情のため…少しでも可能性があるならば…

 「お願いです…討ち取らずとも、榛名を使わない他の方法を何か…!」
 「今の状況を分かって言っているのか?榛名の力を得た奴らを、理で従わせようとは無理な話だ!
  我らには、榛名に懸けるしか道はないのだ!…見損なったぞ!」
 「ねぇコタロウ…あなた、この前何か隠していたわね。何が視えたの?もう待てないわ、話しなさい」
 「視た…って、なんだ、何か視えたのか?」
 「……」
 「こんなことを急に言い出すなんておかしいわ。何か理由があるのでしょう?」
 「…え……かった…」

コタロウの頬に光る一筋の涙。
ツゥッ── っと流れたそれをきっかけに、止め処なく瞳から涙が溢れ出してくる。

 「…お、おい…何も泣くことは…」
 「…みえ…なかった……。何……も……視えなかったんです……!」
 「視えなかった…?視えなかったって……っ!!まさか!?」

ムラサメは気付いた。
彼女が視ることが出来るのは、人間だけ…。動物や「物」は視る事が出来ない。
ある人物が脳裏に浮かんだ。この世界にたった一人いる、異質な人物が。
540コタロウちゃんぷるー:2008/12/08(月) 10:08:02 ID:mTvvySUm
 「彼を視ても…何も視えなかったの…?」

啜り泣きながら、コタロウは確かにコクンと首を縦に振った。
何てこと…彼はどう見たって動物でも、「物」でもない。だが、人間でもない…。
つまり………つまり?

 「つまり、どういう事だ…?あいつが人で無いと言うならば、何だというのだ?まさか神でもあるまい…」
 「一つ、辻褄の合う説があるけど…、残酷な話だわ」

ムラサメだって、妹のように思ってきたコタロウが初めて知った恋心を無惨に引き裂きたくは無い。
できれば、神であるほうがまだマシというものだ。

 「まいったわね…」
 「う…む……。そういうことか…」

オウガイも気付いたようで、テーブルに突っ伏してしまった。

 「だ、だがわからんぞ!もしかすると本当に神かも知れぬ!何とも覇気の無い神ではあるが…は、はは…」

無理矢理笑っては見たものの、泣き続けるコタロウを見て、彼女に確信があることを悟った。
再び突っ伏して唸ってしまった。
ムラサメも天井を仰ぎ、神を呪った。もし本当にいるのなら…なんという残酷なことをするのだ…と。
彼女も、人と人の繋がりが如何に大切なものであるかは、身をもって知っている。
それだけに、この現実は受け入れ難く、痛いほどに心が締め付けられる。

 「むぅ…だ、だが…ここは我も一国の主として、あえて…あえて言わせてもらうと…。
  これからのこの国の未来…そして我らを信じる民の為に、決断はせねばなるまい…。
  一人の男と…大勢の民…どちらを選ぶか…だ」

本音ではもちろんどちらを選ぶとかはしたくない。だが、この差し迫った状況では、そうするしかない。

 「うっ…ぐす…ごめんな…さい…。ひぐっ…誰かに聞いて欲しかった…この気持ちを…
 知ってもらえただけで、十分です…」

涙を袖で拭い、コタロウは無理矢理笑顔を作り…

 「ありがとう、二人とも…無理言って…すみません…」

ムラサメはすぐに駆け寄って思い切り抱きしめてやりたかった。
だが、彼女は自分の中で強くなろうとしている…。辛いだろうに…苦しいだろうに…。
自分がこの娘ぐらいの時は、こんなに強くなかった。私は全てから逃げ出してしまった。
なんという娘だろう…。
あの日から胸に仕舞っておいた涙が、ムラサメの頬にも現れた。

 「くそおおぉっっ!!!!!」

バキィッ!と椅子を踏みつけ、血が出るほどきつく拳を握りながら、オウガイは叫んだ。

 「……出陣だ!!」
541名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/08(月) 13:02:12 ID:F+3WCLId
こ、コタキュン・・・・・(´・ω・`)
オウガイもムラサメもコタキュンの傍にずっと居て支えてあげてほしい
コタキュンにハッピーエンドあれわっふるわっふる!!!!!
542名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/08(月) 17:17:20 ID:j7WOIDdY
オ…オウガイ無双のフラグが…
怖ぇぇ
543名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/08(月) 20:26:48 ID:gy74ms7I
チャンプルーのオウガイはほんとにかっこいいよな。
このスレのせいで4武将好きになったわ
544名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/09(火) 04:46:18 ID:SracgZfR
み、みんな!騙されてはダメだ!
乙女アタックで勝てなくなるぞw
545名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/10(水) 16:36:43 ID:2NLWMtnz
勝てなくなりました特にコタロウに何故かムラサメの勝率があがりました
546名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/11(木) 11:30:30 ID:w2kLYwBr
今更ながら>>523

 「ごめんなさい、足が滑っちゃったわ。でも大丈夫でしょう?」

は「驚いた?でも分かるでしょ?」を改変したヤツなのか気になる…

ツッコミ無いところ違うのかな
一人でニヤニヤしてた
(´・ω・`)
547コタロウちゃんぷるー:2008/12/12(金) 09:14:37 ID:Z8Su+Fod
 「待って。…彼にこの事、どう伝えるの?」
 「う…むぅ…そうか…」

よくよく考えれば、コタロウよりもむしろヤスヒロこそが酷な運命を背負っていると言える。
自身が榛名の「鍵」とは、まさに思いもしない出来事であろう。

榛名に関する古文書は、3人ともある程度までは解析できている。
もちろん、榛名が再び封印されることも彼女らは承知している。
「鍵」もまたしかり…ということだ。

 「もし彼が…嫌だと言ったら?いえ、普通は誰でも嫌だと言うわ」
 「だが…連れて行かないわけにもいかぬ。例え、力ずくでも…」
 「自分が消える可能性があるのに、そんな非道い事って…!!」
 「仕方がないだろう!!」
 「そんなんじゃ後悔するわ!犠牲で成り立った平和なんて!!」
 「これが天命なのだ!辛いのは誰だって…」
 「…もうやめてください!!」

睨み合っていたオウガイとムラサメはハッとして、申し訳なさそうにうつむいた。
コタロウは、全てを吹っ切ったような力強い眼差しで二人を見て、口を開く。

 「ボクが…ヤスヒロさんに伝えます」

 ─────────────────────

 「………………力ずくでも」 
 「……が消える可能性が……………非道い事って……!」
 「…………だろう!!」

部屋の前で、立ち尽くす人物が一人。
見張りをしていた、眼帯の娘もただおろおろするばかりだ。

 「…声…大きいよ…」

ヤスヒロは、今朝にはすっかり歩けるようになっていた。痛みもほぼない。
治りが早いのはいいことだ。そんな風に捉えて、ふらふらと城内を歩き回っていた。
その途中寄った部屋で、そんな言葉が耳に届いたのだ。

俺が……消える?榛名が俺に関係あるのか……?
にわかには理解できない事が多すぎるが、彼女らが本気で言い合っているのも分かる。
つまり、真実ということなのだろう。
身震いがする。自分の存在を確認するかのように、両腕で身体を抱きしめる。

そのままフラフラとした足取りで部屋を離れていくヤスヒロの背中に、彼女は戸惑いを覚えた。
程なくして、彼女は主の言いつけに背き、ヤスヒロの後を追っていった。
548名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/12(金) 09:28:02 ID:4lVDhr22
これは眼帯っ娘チャンプルーへの布石ですねわかります
549名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/12(金) 11:20:18 ID:TkFVbGEU
ちゃんぷる−の続きが気になってパチに集中出来ない
550名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/12(金) 11:45:46 ID:aovjJUEH
>>549
ちゃんぷるーはニコレットみたいなもんか?
551名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/13(土) 14:15:12 ID:9YciKmqn
( ^ω^)モッコス
552:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/12/14(日) 02:57:43 ID:Ek/wODag
>>501続き。
        チュンチュン。

   ○○「んあ?」

 戸の隙間から朝日が差し込み、スズメ達が庭先で鳴いている。その声で目を覚ました俺は、まだ半分覚めない頭のまま、むくりと上体を起こす。
今日もまた、いつもと変わらない平凡な朝を迎えた。・・・いや、ちょっと違うか。

 ヒデヨシ「スースー。」

 俺は自分の隣で寝ているヒデヨシの寝顔を見下ろし、昨夜のことを思い出していた。
我ながら何と恥ずかしいことを言ったりやったりしてしまったのだろう・・・、と。かるく切腹したい気分だ。

 ヒデヨシ「クークー。」

 ヒデヨシはあの後しばらく興奮して寝付けないでいたが、じきにいつもの調子を取り戻し、そのまますぐに寝てしまった。

   ○○「うーむ。しかし、よく寝てるな・・・。てい。」

 ヒデヨシの寝顔を眺めているうちに悪戯心がわきあがり、ヒデヨシのほっぺたを軽く指で突っついてみる。

        プニ。

 こ、これは・・・!なんという柔らかさだ、まるで最上級の饅頭の皮をつついているみたいだ。
どれ、もう少し・・・。今度は軽く引っ張ってみる。

       ムニムニ。

 おおおおお・・・・!意外な発見だ。よもやヒデヨシがこのように素敵なほっぺたの持ち主だったとは。
・・・・・・・・・胸のほうもがんばれよ。

 ヒデヨシ「ん?う〜ん。むにゃむにゃ。」

 ぬ、危ない危ない。ちょっと調子に乗りすぎたか。しかし、一向に起きる気配はなく、とても気持ちよさそうに寝ているので
俺はもう少し、ヒデヨシをこのままにしておいてやることにした。

   ○○「起きるか。」

 まだ夢の中のヒデヨシを尻目に、俺は身支度を整え顔を洗いに外へと向かった。
既に城内はあわただしく朝を迎えており、皆忙しそうに歩き回っていた。

  家臣1「あ、○○様おはようございます。」
   ○○「ああ、おはよう。」
  家臣2「○○様、今日もよろしくお願いします。」
   ○○「うん、こちらこそよろしく〜。」
  家臣3「今日の朝食は取れたばかりの川魚です。」
   ○○「おお、それは楽しみだ。」
  ???「ふふふ・・・。そして今夜は私との初夜だぞ、ア・ナ・タ。」
   ○○「おー、初夜かあ。うん、楽しみにして・・・。はっ?」

 流れで思わず返事をしてしまったが、最後の会話だけ何かがおかしい。
というか、誰と会話してたんだ今・・・。なにやら非常にいやな予感が押し寄せてくる。
553名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/14(日) 17:54:18 ID:Xbff2GsO
ヒデヨシカワユス
554名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/15(月) 01:45:18 ID:szZnw6lu
久々に〇〇さんの続きキター!(゚∀゚)
しっかし、ミツヒデの匂いがプンプンとw
555名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/15(月) 04:33:51 ID:mqOkhg/n
空気を読まずにシンゲンゲット
556コタロウちゃんぷるー:2008/12/16(火) 09:01:33 ID:LQ1AfM3/
ど、どこ行くんだろう…
オウガイ様達に知らせたほうがいいよね…でも…
あんなこと聞いちゃったら…

ん…ここって…?

 ─────────────────────

 「……」
 「………!」
 「…………」

部屋ではまだ、論争が続いている。
誰が、どう彼に伝えるか…でだ。

 「…わかったよ。お主がそこまで言うのなら、その覚悟を認めねばな…」
 「ありがとうございます…。ボクなら平気ですから」
 「……少し外の空気を吸って、頭を冷やしてくる」

オウガイはとぼとぼと扉に向かい、ガチャリと扉を開けた。
部屋の外に出たオウガイに、真ん丸い忍者は一礼をする。
欄干に頬杖をつき、ため息を吐くオウガイ。忍者は、そんなオウガイの姿を見て、驚いた。
いつも強気で豪快に振舞う我が将が、実は繊細で気遣いのよくできる素敵な女性だというのは知っている。
だが、自国以外でそのような姿を見せるのは初めてであった。

 「……何を見ておる」
 「…?あっ…も、申し訳ありません…」

その丸い身体を縮こませて謝る彼女の様子を見て、オウガイはふと何かが違うと感じた。

 「……ん?なぜお前がここにいるのだ。あいつはどうした?」
 「あっ………あぅ…そのぉ…」
 「なんだ、何かあったのか?報告はしっかりやれと言っておいたはずだぞ」
 「じ、実はですねぇ…」

 ─────────────────────

 「ここは確か…榛名の研究室…?」

最初この城に来た時に、オウガイがコタロウ直々に城の中を案内してもらったのを、彼女は覚えていた。
彼女はその付き添いで一緒に城中を回っていたのだ。
その中で印象に残ったのが、この部屋だ。

中には榛名に関する文献・古文書などが沢山あり、学者たちが解読に当たっていた。
何よりも驚いたのが、その大量の書物がキチンと整列され、ズラリと並べられていることだった。
どうやら、コタロウ様が掃除好きなこともあり、整理整頓がよく行き届いているようだ。
うちではこうはいかないな…と、オウガイが呟いていたのを聞き、それを笑ってしまって怒られたのも覚えている。

ヤスヒロ殿…ま、まさか、自暴自棄になって、憎き榛名に関するもの全てを葬りさろうと、文献に火をつけて
回ったりしないよね…って考えすぎか…。

どうしよう…胸が苦しい……
557名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/18(木) 01:03:58 ID:75g8tVK3
夢想さんも〇〇さんも楽しみに待ってます、わっふるわっふる(`・ω・´)
〇〇さんの執筆ペースは、きっとリアルが忙しいのだろうと日々言い聞かせてる所存でございます。
558名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/20(土) 01:43:29 ID:yRp/rbP7
ほしゆ
559名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/21(日) 06:54:11 ID:iDxo5CMn
わっふるついでにチェキ
560コタロウちゃんぷるー:2008/12/21(日) 14:28:29 ID:MC5kfqFo
意を決して扉を開ける。
扉の向こうには、一冊の古文書を立ちながら眺めるヤスヒロがいた。
他に何人かの学者もいる。
学者たちにはヤスヒロがふらっと気まぐれで来た、としか思えないであろう。

部屋に入ってはみたものの、いざヤスヒロに話しかける段階になると、尻込みしてしまう。
そんな彼女の迷いを断ち切るように、ヤスヒロが彼女に気付き、話しかけてきた。

 「…さっき声を掛けようと思ったんだけど…ごめんね、ちょっと…」
 「あ、い、いえ…」
 「薬、ありがとうね。おかげでほら、すっかり歩けるようになったよ」
 「え?と、とんでもないです…よかった…ですね」

今気付いた。
いくらあの薬でも、こんなに早く治るわけがない。
過去にオウガイがこれに近いほどの怪我をしたときも、十日以上はかかっている。(それでもすごい回復力だが)
先程の、部屋での会話が思い出される。
やっぱり榛名の…力…ってことなのかな。

 「…君もオウガイたちの会話、聴こえてたでしょ?」
 「!!」

鼓動が早まる。いつでも平静でいられるよう訓練している、忍びの私の鼓動が。
何か応えないといけないのに、何も喉から出てこない。

 「今、この古文書初めて読んだんだけど…おかしいよね、何で俺読めるんだろうな」
 「あ…」
 「これは歴史について書いてある…ずっと昔から榛名は存在するみたいだ」

周りにいる学者達も不思議そうな顔をしている。
知らないからそんな顔できるんだ。
私は…どんな顔をすればいいの?

 ────────────────────────

 「なぜそれを早く言わぬ!どこに行ったのだ!」
 「わ、わからないです〜…」

外から聞こえた大きな声に、ムラサメは扉を開けて顔を覗かせた。

 「…どうしたの?」
561コタロウちゃんぷるー:2008/12/21(日) 15:15:57 ID:MC5kfqFo
 ──────── 封印の塔前

 「あ〜〜〜ん、むくちゃもぐちゃ…ごくっ……はぁ…」

まるで大砲の弾ぐらいあろうかという大きなオニギリが、あっというまに無くなった。
横にはまだ、その大きさの笹包みが数個転がっている。
封印の塔の前で、床几に座り腹ごしらえをしているその人物は、指についた米粒を舐め取りながら…

 「…やっと来たかぁ。待ちくたびれたぞ!」

茂みの奥から一人の武将が現れた。
朱槍を携え、悠々と歩いてくるその姿は、勇ましさだけでなく気品さえ漂ってくる。

 「…どうやら、あなた以外でここに来たのは私が一番のようね」
 「おう!お前が一番に来てくれると信じていたぞ…ケンシン!」
 「ふふ…長きに渡る宿縁に決着をつけるわよ…シンゲン!」

シンゲンは立ち上がり、横においてある軍配を手に取り、振りかぶりその先をケンシンへ向ける。
それを受けてケンシンも朱槍を掲げ、その先端をシンゲンへ。

少しの間。
ふいにお互いが同時に走り出し、地面を蹴って相手のほうへ飛び掛る。

 「うおおおぉぉぉぉっ!!!!」
 「はああぁぁぁぁぁっ!!!!」

ガチガチと音を立て、交差する槍と軍配。
近づく二人の顔は、共に笑顔だ。
互いに認め合った生涯の戦友。その力強さに身は震え、自然と笑みが溢れる。

均衡を崩したのはケンシン。隙を突いて後ろへ飛びのき、槍を目の前で回転させる。
深く腰を落とし、一気に前へ詰め寄った。

 「はあぁぁぁっ!!雷光連撃槍ぉぉ!!」
 「ぐうぅぅっっ!!」

息をつく暇を与えぬ高速連撃を、かろうじて軍配で受け止める。
だがその穂先は電撃を帯びており、受けるたびに腕が痺れ、どんどん力が抜けていく。

 「があぁっ!!」

渾身の力で連撃を跳ね除けると、一瞬ケンシンの連撃が止まる。
跳ね除けた体勢のまま、今度はシンゲンが軍配を大きく振りかぶると、前の地面に一瞬亀裂が走る。

 「喰らえぃ!!炎竜軍配撃ぃぃぃ!!!」

亀裂が走った箇所から、突如強大な炎を纏った竜巻が発生した。
ケンシンはすんでの所でそれを避わすが、腕が一瞬巻き込まれてしまった。

通り過ぎた竜巻は、ケンシンの後ろを、木を巻き込みながら消えていった。

連撃を受け切れなかった傷、竜巻を避けきれなかった傷。
共に腕から血を流しながら、それでもなお笑顔で相対していた。
562名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/21(日) 18:14:53 ID:j78JQ9c7
>>561
>オニギリ
てっきりヒデヨシかと思ったw

わっふるわっふる。
563名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/21(日) 19:43:17 ID:2cEULxbz
チャンプルさんキタ(・∀・)キター!
ワクワクの展開でwafflewaffle!!!!
軽く忍者とヤスヒロのフラグが立ってるのは気のせいか
564コタロウちゃんぷるー:2008/12/21(日) 20:26:25 ID:MC5kfqFo
─────── 研究室

読める…読める…なんで読めるんだろう……。
文字を一文字ずつ追いながら、どんどん情報が頭の中へ入り込んでくるのを感じた。

そして、ここで暮らしているうちにどんどん消えていった元の世界の記憶…
はっきりと走馬灯のように、頭の中を巡っていく記憶。
そして最後に見えたのは…無惨に破壊されたバイクと横転したトラック…
そうか…俺は……

突然バタン!と大きな音がして、意識が引き戻された。
オウガイ…ムラサメ……と……コタロウだ。
彼女たちが部屋へ入ってきたのだ。

皆一様に何かを言いたげな顔をしている。
何を言いたいのかは分かっている。だから俺は一言だけ答えた。

 「…行こっか」

 ────────────────────────

眼帯の子は、出発の時に泣いていた。
ボクだって泣きたい。
でももう泣いたらだめなんだ。ヤスヒロさんが決めた覚悟を、ボクなんかが悲しむ権利は無い。
ボクは一国の長。民を捨てて逃げ出すことは許されない。
例え、他の誰かがその跡を継ぐこととなっても、逃げ出した責任はボクに付き回る。
国を治めるということには、それ相応の責任があるのだ。

 でも……

それでも逃げ出したい。ヤスヒロさんと一緒に逃げ出して、どこか誰も知らない所で二人で静かに暮らしたい。
真横を馬で走るヤスヒロをチラリと見る。いつもと変わらない横顔…。
この横顔をもう見れなくなる…?そんなの…いやだよ……。

 「っ!?止まれっ!!」

前を行くオウガイの声で、ハッと我に帰る。
こんな近くに来るまで…気が付かなかった!

 「気持ちは分からないでもないけど…やるべきことはやらないと、全てが無に帰ってしまうわよ」

ムラサメが横で囁く。
少し離れた所で道を塞ぐように立っている二人…。
彼女らのうち一人は、既に詠唱体勢に入っている。
この先どうなろうと、とにかくここで果てるわけにはいかない…!
565コタロウちゃんぷるー:2008/12/21(日) 21:20:22 ID:MC5kfqFo
 「ヤスヒロさんは、後ろへ走ってください。さっきの地蔵の所に避難を」

コタロウは馬から降りる。二人も続いて降りる。
馬達は走り出し、ヤスヒロの後を付いていった。後ろには旅人一人いない…大丈夫。

 「さて…と。とりあえずはあの二人をどうにかせんとな」
 「私は、やっかいなお嬢さんをやるわ。…来る!」
 「お、おい、どっちもやっかい…うわっと!」

オウガイがツッコミを入れる前に、元居たところを収束した光が音を立てて通り過ぎる。
散開し、ムラサメは次の詠唱体勢へ入る彼女を、オウガイは大槌を振り回して突進してくる少女を
それぞれ目掛けて突っ込んでいった。

後ろからコタロウの指示が飛ぶ。
オウガイは大きく跳躍した。遅れて少女も同じく跳躍した。
まるで自分が跳躍するのを読まれている…そういった焦りを少女は感じた。

 「な、なんでよぉ!?」
 「詰めが甘いぞ、ヒデヨシ!」

驚いて空中で体勢を崩したヒデヨシに、オウガイは容赦なく斬馬刀を振り下ろす。
かろうじて大槌の柄でそれを受け止めたものの、身体は激しく地面へと叩きつけられ
大きな砂煙が上がった。

着地したオウガイに向かって、砂煙の中から弾丸のように小さな塊が突っ込んできた。
だが、その前に既にコタロウが叫んでいた。オウガイは一回転し、斬馬刀を振り回す。
その回転と、突っ込む速度は見事にかち合い、ヒデヨシは道端の木へ叩きつけられた。

 「うぐっ!!ど、どうしてぇ!?むかつくぅぅっっ!!!」

あれだけ強烈な打撃を受けても、まだヒデヨシは立ち上がる。
一方でムラサメも、イエヤスの杖の先から迸る重力波を避わしながら、接近していく。
イエヤスも、自分が打ち込む所が読まれている事に気付き、頭にハテナが常に浮かんでいる。

彼女たちは、遠近自在な攻めを得意としており、そのコンビネーションにはかなりの自信があった。
だが、そのコンビが機能しない。完全に分断されているのだ。

ムラサメの打撃により、イエヤスの杖も凍り始めた。
魔力で溶かそうとしても、そうする暇も与えられない。

そして最期の時が近づく…。

コタロウが投げつけた刀に気を取られたヒデヨシに、今までイエヤスを攻めていたムラサメが…
そしてその突進と交差するようにオウガイが、イエヤス目掛け斬馬刀を渾身の力で打ち込んだ。

 「はあぁぁ!雅・汪っ!!!」
 「大寒の桜っ!!」

その瞬間、凍り始めていた箇所でイエヤスの杖は真っ二つに折れ、身体は10mほど吹っ飛ばされた。
吹っ飛ぶイエヤスが視界に映り、ヒデヨシもまた、ムラサメの技により大槌を弾き飛ばされ
両手から血飛沫をあげ、へなへなと座り込んだ。
566コタロウちゃんぷるー:2008/12/21(日) 22:00:49 ID:MC5kfqFo
 「終わりよ、豊臣ヒデヨシ。命までは取らないわ…大人しく国へ帰ることね」

へたり込んだヒデヨシの喉元へ、双刃刀を突きつける。
顔を上げたヒデヨシの瞳からは、既に戦意は失われていた。
これで大丈夫ね…さてもう一人は…。

オウガイは、吹っ飛ばされたイエヤスの元へ歩いていった。
グッタリとした彼女の側には、二つに折れた錫杖が転がっていた。
今まで、戦国乙女の操る武器が折れたり欠けたりしたのは見た事が無かった。

 「ふむ…榛名の武具が激しくぶつかり合えば、こうなる事もあるということか…。おい、起きろ」

頬を叩いて、イエヤスを起こす。
程なくして目を覚ましたイエヤスは、傍らに転がっている自らの錫杖を見て…

 「あ、あぁ…私の…杖が…ぐすん」

二つを抱き寄せて、泣き出してしまった。
まったく子供のようだな…とオウガイは思ったが、ふと思いついた。

 「おい、それ…今でも使い物になるのか?」

問われたイエヤスは、涙目で手に握ってみたが…

 「ぐす…だ、駄目です…力が感じられない…です」
 「ふ、む…?」

もしや…全ての武器を破壊していけば、榛名を使わずとも…?
ミツヒデ…は微妙なところだが、武器を使わず力を出せるのは…コタロウだけではないか?
これか!これなら…!抗う力を与えない、という考え方…少しはマシかもしれん。
とりあえず相手の武器を破壊しつつ、最期まで様子を見るとするか。

オウガイは、二人の元へ戻り、その旨を伝えた。
ムラサメは、イエヤスの様子を見る限りその道に少しは光が見えた気がし、承諾した。
コタロウも多少の疑念に駆られたが、淡い希望を胸に、承諾。

その話を聞いていたヒデヨシも、敗者に断る権利も無いと悟ったのか、何も言わずに
自分の大槌が折られるのを涙目で見つめていた。
そしてイエヤスと折れた武器を背負い、自分達の馬が繋がれているであろう方向へとぼとぼと歩いていった。

 「…これで、ヤスヒロも救われるか?」
 「わからないわ…でも、やれるべきことはやっていきましょう」
 「…さぁ、戻りましょう。ヤスヒロさんが待っています…」
567名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/21(日) 22:55:04 ID:XqtQc/sr
支援
568名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/22(月) 02:16:43 ID:4bPigBNL
みんな頑張れ〜!榛名の運命なんかに負けるなぁ!
ヤスヒロの未来に不安を感じつつもわっふるわっふる。
569名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/22(月) 05:35:17 ID:HuNpQciL
ちゃんぷる−さんの話は本当にいい話ばかりですね こんなん見たら もう乙女アタック勝てんですわ〜(言い訳)
570名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/22(月) 09:26:56 ID:4fXK9qd8
>>569
いや、また俺もそんな感じだから困ってるんだぜ。

オウガイ、姐さんいい人過ぎだろwマジ惚れるわw
571名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/22(月) 16:51:17 ID:HuNpQciL
もう乙女アタック勝てんとか言って朝甘乙女打ちに行ったコタロウ3回もキャインいわしたのに連チャンしないで中間ハマリくらいまくって負けもうした コタロウの呪いか
572名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/22(月) 21:47:40 ID:ZJhV33SF
涙目で>>571を呪うコタキュンに萌え
573名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/22(月) 23:19:27 ID:4E4dkbzI
コタロウは、イエヤスの寄せ上げ機能付き甲冑を手に入れた。
しかし、イエヤスは杖を破壊されて魔力を失っているので、寄せ上げ機能も無効化。

泣きながら甲冑を破壊するコタロウ。
見て見ぬフリをするオウガイ。
意味深に微笑むムラサメ。
何故かコタロウを手伝うヒデヨシ。
それらを眺めつつ、まんぜうを頬張るイエヤス。
そして、蝶を追いかけて走り回るシロ。

そんなシーンが浮かんだ。
574名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/23(火) 01:18:01 ID:gm5ndyMh
>>573 シロが可愛いすぐるw
575名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/23(火) 01:30:38 ID:pcxaAbbP
>>573
わらたw
ヒデヨシまで手伝ってるしw

しかしイエヤスは魔力補正であぁなってる訳じゃないよ。ちょっと垂れ気味だから、そこを寄せて上げt(横からの光魔葵ノ陣にて分子レベルまで分解されました
576:○○の中には好きな名前をどうぞ:2008/12/24(水) 00:11:48 ID:oZRvCkrJ
>>552続き

 今来た通路を振り返り最後の声の主を探すが、いるのは見慣れた女の子達ばかり。
皆朝の支度のために、忙しそうに動き回っている。

   ○○「き、気のせいだよな・・・。まだ寝ぼけてるのかな!アハ、アハハハハ!」

 イヤな予感を無理矢理吹き飛ばそうと、とりあえず大きな声を出して気持ちを落ち着ける。
周りの視線が少し痛いが、こうでもしていないと不安で仕方ないんだ・・・。
 外の井戸で水を汲み、顔を洗い部屋に戻ると、ヒデヨシが眠い目をこすりながら蒲団の上に座っていた。

   ○○「おっ、もう起きたか?」
 ヒデヨシ「あ、お兄ちゃん。うん、起きたあ・・・。ふみゅ。」

 まだまだ眠たそうだ。目が完全に開いてない。

   ○○「ほら、もう起きたんなら、ちゃんとして。顔でも洗ってきなさい。」
 ヒデヨシ「んっ・・・。行ってきまふ・・・。」

 そう言うとヒデヨシは、ヨタヨタと洗い場に向かって歩き出した。片手で枕を引きずりながら。

   ○○「やれやれ。」
  ???「ふふふ、かわいいものだな。」
   ○○「ぬあああ!!??」

 いた!なんかいた!絶対に今いたろ!

   ○○「だ、誰じゃあ!」

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 しかし、部屋をくまなく見渡すもやはり誰もいない。一体なんなんだ、さっきから・・・。
そんな風に部屋で一人おびえていると、不意に廊下から声をかけられた。

   侍女「○○様?よろしいですか?」
   ○○「うおっ!あ、ああ・・・。」
   侍女「?。朝食の用意が出来ましたので、どうぞ。」
   ○○「わ、分かった。すぐに行くよ。あ〜ビックリした。」

 侍女の足音が遠ざかるのを確認し、ほっと一息つく。イカンイカン。どうにも必要以上に警戒しすぎている。そもそも、曲者が進入するにしても厳重な警備がしいてあるんだ。
そう簡単に入れるわけないじゃないか。ちょっと過敏になりすぎたな。さ、メシだメシ。
577名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/24(水) 01:28:49 ID:ZmK8Ussu
>>576
ミwツwヒwデww
〇〇さん、いつも続き楽しみにしてます!
とはいえ、体壊さないペースで頑張って下さいw
578クリスマス無双:2008/12/24(水) 11:38:10 ID:VPFacYeA
 「う〜む、どこの国も資源が足りなくなってきたようだな…いっそ蝦夷でも開拓するか?」

時刻は昼。オウガイは午前中の仕事を片付けていた。

 「武田シンゲンが犬福に…?まぁ、ほっといても大丈夫だろう。……よし、終わった!」
 「お疲れ、オウガイ。はいお茶」
 「あぁ、すまんな。……ふぅ、子供達はどうしている?」
 「外ではしゃいでるよ、やっぱ雪が珍しいんだね」

シンシンと降りしきる雪。
今年の初雪が12/24…クリスマスイブとは、なんともロマンチックなことだ。

 「そういえば、先刻言っていた『くりすます』とは何なのだ?」
 「一応、外国の神様の誕生日を祝う日…かな」
 「む?なぜこの日本でそのような…おかしなことをするものだな」
 「はは、まぁね…何かにつけてお祝いしたいんじゃないのかな。それで、子供達に『サンタ』が
  『プレゼント』…つまり、贈り物をするんだよ」
 「ふ〜む?」

 ───────────────────

 「……というわけだ。今日は一日中良い子にしていれば、父上が好きなものを買ってくれるぞ」
 「ほんとー!?」
 「やった〜!」
 「え゙……好きなもの…?」

その日、確かにヤスヒロもハルナも手伝いをしてくれたりなど、とても良い子だった。
夕方、買い物に行ったわけだけど…この額はどうだ。
俺の小遣いのほとんどが掻っ攫われてしまった…とほほ。

夜、子供達は大量の玩具などに囲まれ、幸せそうに眠りに付いた。
まぁ…この幸せそうな寝顔が見れるだけ、いっか。

 「ふふ、随分買い込んだようだな」
 「次から次へと…甘やかしすぎかな」
 「まぁ、小さいうちだけさ。そのうち我の厳しい教育が待っておるからな」
 「おぉ怖い…あ、そうだ。……はい、これ。オウガイにも買っておいたんだ」
 「む、着物…!?……これって、流行りのあれだろう?結構高いのではないか?」
 「いやぁ、一目見て、これオウガイに似合うなぁって思ってさ…。俺の気持ちだよ、受け取ってくれ」
 「す、すまんな…ありがとう。でも、我にはお主がいてくれるだけで…十分な『ぷれぜんと』だぞ…」

顔を赤らめるオウガイ…な、なんてこったい!
ガバァッ!!

 「くそぅ!可愛い事言うじゃないかこんちくしょー!」
 「な、いきなり抱きつく奴があるか!」
 「最近ごぶさただったから…今夜は燃えるぜ!」
 「こ、こらっ!やめ………あぁんっ…!」

イッツバーニンクリスマス
579名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/24(水) 11:56:59 ID:d9pgrjwN
>>578
イッツバーニンwwwwww
580名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/24(水) 18:32:54 ID:Kr4BIO6q
クリスマス無双最高〜オウガイ超可愛い〜乙女アタック中では想像出来んぐらい
581名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/24(水) 18:40:09 ID:I9UoZgcF
戦国武将セックス占いってどんなのだ?
582名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/24(水) 19:33:31 ID:556l/M6G
シンゲン犬福を詳しく知りたい方は
「ものおき乙女」でぐぐるべし
583コタロウちゃんぷるー:2008/12/26(金) 02:22:51 ID:TVeTOIj5
現実とは、時として残酷なものである。淡い希望は水泡に帰し、人は己が過ちに苦悩する。
それはどの時代でも同じ事だ。

 「ヤ、ヤスヒロ…さん?」
 「あぁ…おかえり。よかった、怪我もないみたいで」
 「怪我って…お主、その左腕は…?」

ヤスヒロの左腕は全く動いていなかった。
ただダランと、肩から垂れているだけの左腕。
山賊に襲われたか?それとも…?様々な憶測、疑問が浮かび上がる。

 「あぁ、感覚が無いんだ。あと、どうも右目も駄目みたい…何も見えない、真っ暗だ」
 「えっ…?」
 「座って休んでたら急に、ね。…ただ、こうなるんじゃないかと思ってた」

三人はハッと息を呑んだ。
その意味するところを朧気に悟ったのであろう。

 「さっき読んだ本によると、『榛名より出でし11の魂は、鍵の源となる』ってね」
 「つまり…私たちの武器は全て、あなた自身だということ…?」
 「かもね、っていうか…そうみたい」
 「す、すまぬっ!!」

物凄い勢いでオウガイが、ヤスヒロに向かって土下座をした。

 「オ、オウガイ!?どうしたんだよ、いきなり…」
 「すまぬ、ヤスヒロ!我の…我のせいだ!!我が…武器を破壊しようと…提案をっ!!」
 「いいって、気にすることじゃないよ。どのみち、戦いが激しくなればこうなることは必然だったんだよ」
 「だが…っ!」
 「もう始まったことだし。早いとこ封印の塔へ行こう、ね?」

どうして…こんなことになるの?ひどすぎるよぉ…!!
ボクらの武器が破壊される度に、ヤスヒロさんの身体が蝕まれていくなんて…!
…もうこれ以上壊すわけにはいかない!!
封印の塔で、もし既に戦いが行われているのだとしたら…早く止めにいかないと!
584名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/26(金) 13:41:58 ID:0Pbvfi+h
クライマックス突入わっふる


ハッピーエンドになってほしいのぅ
585名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/26(金) 19:20:44 ID:P6m5AWcL
なんという展開…。
皆が無事に帰れますように…わっふるわっふる(´;ω;`)
586コタロウちゃんぷるー:2008/12/26(金) 21:07:54 ID:w7Ytqy7P
 「おらおらおらぁぁぁ!!!!」
 「えいっ!!!やぁっ!!!」

幾度となく交わう、シンゲンとケンシンの技、そして武器。
彼女らも随分と血を流し、疲労困憊といった感じだ。

 「はぁっ…はぁっ!……さ、流石はケンシンだなっ!オレが認めただけある!」
 「ふぅっ……あなたもね、シンゲン!私が戦った中で…一番よ!」
 「もう……技を出す力も残ってねぇ……、これで最後にしてやるぜ…」
 「ふ、ふふっ…奇遇ね……私も、最後の力であなたを……いくわよっ!!」

一際大きな叫び声を上げ、二人は一気に駆け寄り衝突した。

…互いに最後の力を振り絞った一撃は、またも二人の間で止まり、静まった森に剣戟の残響が染み渡っていく。

 「…はぁっ…はぁっ……へへ…駄目だったかぁ…」
 「えぇ……どうやらこの勝負……互角…っ!?きゃぁっ!?」
 「う、うわわぁっ!!」

突然、二人の間でかちあっていた軍配と朱槍が折れてしまったのだ。
勢い余ってシンゲンはケンシンに向かって倒れこむ。

 「きゃっ!…いたたた……もうっ!起きあがりなさいってばぁ〜〜っ!!
 「だ、だめだ〜…もう動けない〜…。それに…ケンシンの…柔らかくて気持ちよくて…動きたくない〜」
 「ば、ばかっ!頬擦りするなぁっ!……まったく…後で覚えてなさい!」
 「はははっ……でも、あれだな。オレの軍配…折れたのなんて初めてだ。ていうか、欠けた事さえなかったぞ」
 「私もそう……。ふふっ、それだけ私たちの力が拮抗していたってことね…」

身体に覆いかぶさる心地よい重みを感じながら、折れた朱槍を横目に見るケンシン。
長年使ってきたのだ、折れても仕方ない。それに、シンゲンとの闘いで折れたならば、それもまた本望…。

 「…にしても、いつまでそうしてるつもりよ…」
 「ん〜……まだ…もうちょい。ていうか、本当にこれからどうする?そろそろ他の奴らも来る頃じゃないか?」
 「そうね…武器の無い私たちでは、大敗は必死…。誰かに付かないと生きてられないわ…」
 「……とりあえずここから離れる、か。……ういしょっと」

起き上がり、ケンシンに手を差し伸べるシンゲン。
おずおずとその手を掴んでケンシンは立ち上がった。

 「とりあえず、うちの城に来いよ。そこでこれから先、どうするか決めようぜ」
 「えぇ…でも、敵である私がそう簡単に…」
 「なぁに、平気さ!うちのやつら、皆ケンシンのこと好きだからな!」
 「そ、そう…なの?まぁ…うちもそんな感じだけど…。ふふ、何か変な感じね、争ってる意味がまるで無いみたい」
 「んなことないさ!闘いの中で生まれた…ゆ、友情っていうのかな…その…ごにょごにょ…」

そうして最大のライバル同士であったシンゲンとケンシンは、深い森の中へと消えていった。
その姿を遠くの樹の上から見つめる、不審な影……。

 「…なんだあいつらは。国を獲ろうという気が感じられん。仲睦まじいのは良いことだが…
  それだけでは生きていけぬのが、この戦国時代だ……。榛名は、この私が必ず頂く」
587コタロウちゃんぷるー:2008/12/26(金) 22:09:00 ID:w7Ytqy7P
──── 峠の宿場

 「あっ…」
 「…どうしたんですか?……まさか、また!?」
 「うん…右の耳…聴こえなくなった」
 「くそうっ…!闘いが始まっていたか!」
 「もうここも発ちましょう。急ぎ、馬を潰してでも…取り返しが付かなくなる前に…!」

一行は、休憩もそこそこに再び馬に乗り、塔を目指す。

 (…風の匂いがしない…鼻も、か。…既に四箇所…できることなら…できることなら……
  彼女たちを最後まで…見ていたい…声を聞いていたい…)


──── 封印の塔

 「やぁ…この前はどうも」
 「お前か。…どうやら傷を負っているようだな。それでも尚、この地へ来たか。
  先ほどの二人よりは、殊勝な心がけだ」
 「私も一部始終を見ていたよ…。ふふ、友情か…、私やお主には縁がなさそうだなぁ?」
 「……」
 「…まぁそう、気を悪くするな。ところでどうかね、その目の前の扉は?私も試してはみたが、どうにも頑丈でな」

塔の最上階、重々しい扉の前に、ミツヒデは座り込んでいた。
オウガイ、そしてムラサメにやられた傷は未だ癒えず、立つのもやっとという感じだ。
そこへやってきた、眼帯を付けた美麗な少女は、ミツヒデの言葉を聞いて行動に出る。

手にした双剣を頭上でクロスさせ、力の限り扉を斬りつけた。
斬れた、という感触は手に残っている。だが、扉には斬り傷も無ければ、何の変化も起こっていない。
普通に押しても引いても、蹴飛ばしてもビクともしない。

 「はは、開けるより先に斬りつけるというのは、お主らしい行動だ。しかし不思議なものだろう?
  まるで砂の塊を斬りつけるようなもので…。いくら戦国随一の双剣の使い手、伊達マサムネ殿とはいえ…」
 「…随分と五月蝿く囀る鳥がいるものだな。榛名がどうこう以前に、その首跳ねてもよいのだぞ」

ミツヒデの首元へ剣先を向けるマサムネ。
その左目の鋭い眼光から、ハッタリではないことが伺える。

 「…ふふ、すまなかった、気を悪くしないでくれ。黙っているよ……それより」
 「どうやら来たようだな」
 「…本命のおでましだ。せいぜい頑張ってくれ、私はここで見ているよ」

答える間もなく、マサムネは塔の頂上から、地面を目掛けて飛んでいった。

地面から炎の柱が立ち昇る。
それを切り裂き、マサムネは相手に向かって全力で剣を振り下ろした。
激しい火花が散り、受けた相手は返す刀で横薙ぎに刀を振るう。
それをヒラリと避け、マサムネは地に降り立った。

左目が見据えた先には、威風堂々と立つ赤い長髪の女が居た。
588名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/26(金) 23:16:53 ID:ghrpq8Hl
わっふるわっふる。
589名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/27(土) 01:14:35 ID:LnmL7fTG
ほす
590名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/27(土) 01:16:02 ID:fzfI5dOL
ヤスヒロが出来る限り無事に帰れますように…わっふるわっふる。
591コタロウちゃんぷるー:2008/12/27(土) 20:35:19 ID:dsTBWt6F
 「ふん、貧弱じゃな。おとなしく北へ逃げ帰るのを薦めておくぞ」
 「黙れ…!」

マサムネは双剣を前に構え、勢いよく走り出した。
そして息をつく間もなく連撃を繰り出す。

 「喰らえっ!双竜連斬!」

ノブナガは全てを片手で、あの重そうな大剣を片手で繰り、攻撃を受け流していく。

 「やれやれ…力を手にしたノブナガがあれほどのものとは…」

塔の上から覗いていたミツヒデは、ため息をついて再び腰を下ろした。
…一度は裏切り、謀った身ゆえ、ノブナガが天下を獲るようでは、私の身が危うい。
いや、危ういどころか完全に死が待っているだろう。

ただ希望があるとすれば…あの三人か。悔しいが、奴らは強い。
絆…とでもいうのか、とにかく結びつきが強い。あの男を中心に…。
奴には何か秘密があるのか?女が活躍するこの世界で、異彩を放つあの男に…。

 「はっはっはぁっ!!独眼竜の名が泣くぞ!それしきの力でわしに歯向かおうなどと!」
 「…ちぃっ!」

マサムネは2,3回後ろへ回転して飛ぶと、大きく跳躍し『力』を込めて斬撃を放った。
十字に輝くその斬撃は、空気を切り裂いてノブナガへと向かっていく。

 「ほぅ!小癪な!はあぁぁっっっっ!!!!!」

ノブナガが大剣を構える。一瞬赤く輝いたかと思うと、大剣は炎を纏い始めた。
そして襲い来る斬撃に合わせ、ノブナガはまたもや片手で大剣を振りかざす。

ガキィィン!!と音を立て斬撃は弾け飛び、ノブナガは満足そうにキセルから煙を吐き出した。

 「ふん」
 「な…んだと…?私の技が…片手で…?」

マサムネはガクリと膝を付いた。
つかつかと、ノブナガが彼女のほうへ歩き出した。

 「これまでじゃ。せめて一撃にて葬ってやろう」

炎が激しく大剣から噴出し始める。
今度は両手で…力任せに振り払われた一閃を、マサムネはかろうじて双剣で受け止めた…ように見えた。
だが身体はその衝撃で浮き、遠くの樹に叩きつけられた。

 「ぐあぁぁっっっ!!!!」
 「あぁん?刀に助けられたか…。だが、次はないぞマサムネよ…」

樹の根元で、バラバラに砕けた双剣とともにグッタリと倒れこむマサムネに向かい、再び歩み始めるノブナガ。

 「とどめじゃ…」


 「 ─── ま、待てっ!」
592コタロウちゃんぷるー:2008/12/27(土) 21:24:54 ID:dsTBWt6F
森に響き渡る、幼い声。
声の主を見たノブナガは、満足そうに笑みを浮かべた。

 「ほう…来たか…くくっ」
 「はぁ…はぁっ…ノブナガッ…!」

急いで走ってきたため、息が荒い。
そして、後ろの茂みから続いてムラサメ、オウガイが姿を現した。
オウガイはヤスヒロを背負っている。既に両目が見えなくなったため、背負ってきたのだ。

 「すまぬが、ここで降ろすぞ…。お主の意志は…無駄にはせんからな」
 「ありがとう、オウガイ…」
 「さて…ここが正念場ね」

コタロウは叫んだ。やりきれない思いを全てぶつけるかのように。

 「あなたは…わかってくれたと!わかってくれたと思っていたのに!」
 「…確かにあの時、一度はお主らの志…理解はした……が」

ノブナガはこちらへ向き直った。

 「この力…そして榛名!その存在がこうして真実のものとなってしまった以上 ───
  抑えられるか!湧きあがる欲望を!わしが榛名を手にし、天下を手中に収めるという野望を!!
  お主ら等にやってたまるか!!天下はこのわしのものじゃ!!この織田ノブナガのなぁっ!!」

ビリビリと肌に感じるほどの咆哮、気迫。
ここで、コタロウは気付く。どす黒いほどの気の流れに。
…彼女の動きが…見えない!?

 「オウガイ…ムラサメ…。彼女の動き…予測できません。充分に気をつけてください…!」
 「ほう…相手にとって不足無しだ」
 「必ず止めてみせる…!」


─── 四つの魂が封印の塔を目前にぶつかり合う!一方その頃…

 「これは…!あぁ…ああぁ!!いける!いけますわぁ〜!!」

奇声を上げながら、一心不乱に目の前の琴を弾き鳴らすヨシモト…
その様子を、襖を少し空けながら覗く家臣…

 「…ヨシモト様、どうなさったのかしら?」
 「何だか、いい曲が出来上がりそう…ってことらしいですよ…」
 「お食事も召さないから、何だか心配ね」
 「まぁ、あぁしているうちは私たちにトバッチリは来ないから、気楽なものね」

 「湧きあがってきますわ!次から次へと!あぁ、やっぱり私は天才なのかしらぁ!?」

結局気付かないまま、ヨシモトの天下獲りは幕を閉じた。
593名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/27(土) 21:52:14 ID:h7z4Jg/4
wwwちょ…ヨシモー…www
594名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/27(土) 22:31:11 ID:D5RzD5xs
ヨシモトは音楽で天下を取るつもりに違いない。
595名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/28(日) 01:15:11 ID:jfQGJwBP
ヨwシwモーww
何故来ないのかと思ったら…、違う方向性で榛名の力が開花してるなw
596名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/28(日) 02:10:44 ID:Fg1rFnF7
逆に考えるんだ!
ヨシモーの武(ry
597名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/28(日) 02:26:40 ID:jfQGJwBP
>>596
…ん?そうか。ヨシモーの武器だけは確実に破壊を免れるわけだ。
…それがどう影響するかは、今後の展開にかかる訳だが。
598名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/28(日) 09:11:52 ID:GIREnd4I
間違って自分で壊すに100ペソ
599名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/29(月) 02:43:08 ID:SuNfvvtH
そのまま忘れるに1烈風真空破
600名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/29(月) 07:07:13 ID:qvIYyLaD
600ほしゅ
601名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/29(月) 10:36:32 ID:RTCstcEy
武器が光ってからのヨシモーの出番はまだかと心待ちにしていたが、やっぱりやってくれるぜwさすが俺の嫁ww
602名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/30(火) 00:10:06 ID:cBesgE6Y
流石、今川様だ、はにほー
603名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/31(水) 23:14:55 ID:68BZfOTI
さすがに年内完結は無理だったか

ちゃんぷるーさん、〇〇の方

あなた方の創る乙女ストーリーのおかげで楽しい1年でした。
来年もよろしくお願いします。
604名無し変更議論中@自治スレにて:2008/12/31(水) 23:28:39 ID:YMIDrtjO
もう今年もあと僅か
パチンカス・スロッターにとって来年が良い年になりますように
605名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/01(木) 02:09:15 ID:Tg3hWuCg
明けましておめでとう。
今年も乙女打ちにとって良い年となりますように(ー人ー)
606名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/01(木) 13:58:52 ID:Ip06iqOA
あけおめage
607名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/01(木) 21:50:06 ID:M9kk4Pe8
608名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/02(金) 02:25:00 ID:U1sQZd+k
609名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/02(金) 13:56:58 ID:CQZdjHUH
610名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/02(金) 14:39:21 ID:jHrHyOnl
611名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/02(金) 15:27:59 ID:q8UKrIsn
612名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/02(金) 20:27:06 ID:fVTLJ/v4
613名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/03(土) 00:33:08 ID:hWoXrbfH
614名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/03(土) 03:37:55 ID:7ansF2f0
615名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/03(土) 03:42:18 ID:vrzHFpjO
616名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/03(土) 06:06:24 ID:zyvHEmJA
617名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/03(土) 08:33:11 ID:plFEoeSv
あけおうがいつんでれキタ(・∀・)キター!
618名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/03(土) 08:41:02 ID:RBtWYiad
ツン 乙女アタックでの戦いっぷり
デレ 自宅で飼ってるハムスターに対して

だから俺の台のオウガイは無敵なんですね。
619名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/03(土) 12:23:35 ID:hWoXrbfH
なんという一文字マラソンw
620名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/04(日) 00:58:36 ID:7j2ziaRe
ウケたw
ここ何のスレだw
621名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/04(日) 09:31:26 ID:Hp0nvT89
オウガイの人気の高さに嫉妬(´・ω・`)
622名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/04(日) 23:48:26 ID:X4AZsAFn
623名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/04(日) 23:58:49 ID:7j2ziaRe
624名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/05(月) 00:50:25 ID:uGuhSqpm
625:○○の中には好きな名前をどうぞ:2009/01/05(月) 00:52:57 ID:7izWGfLv
皆さん明けましておめでとうございます。中地半端なペースでスイマセン。楽しみにしてくださってる方、ありがとうございます。
さて、ついに漫画化決定ですね。しかも、懇意しているサークルさんの作家さんなので、最高です。

でわ、>>576の続き

 朝食の場に行くと、既に用意が整えられていた。ヒデヨシはもう食べ始めている。
さっきまであんなに眠そうにしていたのに。

   ○○「おはよう、ヒデヨシ。朝から元気だな。」
 ヒデヨシ「うん、おはよう!だって、朝ちゃんと食べないと元気でないんだよ!」
   ○○「ははは、その通りだな。んじゃ、いただきます。」

 ヒデヨシの隣に座り、自分も朝食を食べ始める。うん、うまいな。
そんなこんなで朝食を済ますと、ヒデヨシは駄々をこねながらも政務を行うために広間へ。
 一方、俺は、特にやることもないので、城の屋根に寝そべりノンビリと食後の一休み。
今日は天気がよく、青空がどこまでも続いている。大きな雲がゆっくりと空を泳いでいく。

   ○○「・・・平和だ。」

 思わずそんな言葉が口からもれる。実際は、毎日どこかで戦が起きて、平和なんかではない。
あのオウガイとかいう化け物が率いる謎の勢力も現れたことだし、これからは益々戦が激しくなるだろう。しかし―。

   ○○「まあ、それはそれだなあ〜。今はこの貴重な平和を満喫しておこう、ふあ〜。んっ?」

 大きなアクビと共に体を伸ばすと、城に向かって甲冑姿の人間が向かってくるのが見えた。
あれはウチの軍で使っている甲冑だ。背中には虎柄の幟を背負っている。

   ○○「虎柄の幟・・・。伝令が最重要の書状を運ぶ時に使うやつじゃないか。でもまあ、その最重要とやらもガセネタが多いけど。」

 伝令が物凄い勢いで城門を駆け抜けていく。なんでもなければいいけど。
まあ、俺には関係ないことだし、どうでもいいかあ〜。寝よ寝よ。

 


 ???「ふふふふふっ。」
626名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/05(月) 01:00:11 ID:YYZ7efa8
627名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/05(月) 01:04:53 ID:nnsT9SCZ
>>625
〇〇さん、明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします。
これからも応援してますよ〜、わっふるわっふる!(`・ω・´)


さて一文字リレーの続き。

628名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/05(月) 01:17:53 ID:uGuhSqpm
きの文字をカキコしてから覗いてみたら・・・・〇〇さんキテター!!!
明けましておめでとうございます。
今年も楽しみにしております。
最後に出てきた人はやっぱりwww
629名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/05(月) 06:21:47 ID:bRGfovWJ
ガセネタが多い虎柄フイタwww
630:○○の中には好きな名前をどうぞ:2009/01/05(月) 07:28:35 ID:7izWGfLv
>>625続き。
        ドーンッ!ドーンッ!

   ○○「んあ?」

 その後、伝令が走り抜けるのを眺めてからすぐに寝入ってしまったが、騒がしい太鼓の音によってすぐに目が覚めた。
その太鼓は、何か重要かつ急を告げる事態が起こったときに、家臣達を呼び出すために打ち鳴らされる太鼓だ。珍しく、あの虎柄の伝令が正確だったのだろうか?

   ○○「う〜ん。城の中も騒がしいみたいだし、どうやら今回は珍しくガセじゃなかったみたいだな。」

 皆が、あわただしく城中を駆け巡っている。また戦じゃなければいいけど・・・。

   侍女「○○様〜。どちらにおいでですか〜?」

 慌しい城内の様子を、他人事のように見物していると、下の方から俺を呼び声が聞こえてきた。

   侍女「○○様〜。○○様〜。」
   ○○「ここだけどー!何か用事かー?」

 侍女の声に答えて身を乗り出すと、ホッとしたような表情を浮かべて侍女がこちらを見上げた。

   侍女「○○様!そんなトコにおられたのですか。」
   ○○「ん〜、ちょっと一休み。で、どうした〜?」
   侍女「ヒデヨシ様がお呼びですー!すぐに、○○様も皆のところへ!」
   ○○「えっ?俺も?」

 思いもよらない、侍女の伝言に困惑しながらも、先日のオウガイの件もあり、俺は急いでヒデヨシのもとへ向かった。

 俺が到着したころには、主要な家臣は皆揃っており、場には緊張した空気が張り詰めていた。
別に悪いことをしたわけではないのだが、なんだかバツが悪い感じを受けて、席に着く。

   ○○「スマン。待たせた・・・?」
   重臣「いえ、急に呼び出して申し訳ありません。実は・・・。」

 そういうと、重臣の手から俺に一通の書状が手渡された。

   ○○「これは?」
   重臣「先ほどこちらに到着した伝令が、持ってきたものです。」
   ○○「ああ、あの虎柄の。」
   重臣「おや、ご存知でしたか?」
   ○○「うん、ちょうど向かってくるのを見かけてね。でも、なんで俺に?」
   重臣「はあ、それが・・・。おい、もう一度説明を。」

 重臣が庭先に控えている伝令の兵士に顔を向けると、伝令は頭を下げはなし始めた。

   伝令「はっ!それは、明智ミツヒデ様からの書状にございます。」
   ○○「え?ミツヒデが?」
   伝令「はい。先ほど国境沿いの城に、ミツヒデ様の使者からそれが届けられ、急いでこちらへお届けした次第にございます。」
   ○○「ふ〜ん、なんだろ。あ、ご苦労様。下がって休んでくれ。」

 伝令を労って下がらせると、俺は手元の書状に目をやった。

   ○○「んで、なんで俺?」
   重臣「はあ、それがどうにも、宛名が○○様宛になっておりまして・・・。」
   ○○「え?これ俺になの?」
   重臣「ええ、どうやらそのようで。それで、こちらまでご足労願ったわけです。」

 困惑する重臣と不安な様子の一同。そして、イマイチ状況を理解していないヒデヨシの顔が目に入ってきた。
631名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/05(月) 18:58:34 ID:SAdW2Aks
ヒデヨシの夢が現実になる展開を期待しつつ

わっふるわっふる
632名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/05(月) 21:23:25 ID:KLALyil0
おおっ!?○○さん来てた!明けましておめでとうございます。
今年もまったりしつつ期待してますよ。(^^)
633コタロウちゃんぷるー:2009/01/06(火) 02:19:02 ID:nt4+5HTA
 「あっ!あなたたち!ちょうど今出来上がったところですわ…せっかくだから聴いていきませんこと?」

立ち去ろうとした家臣たちは、突然の主君の申し出に驚いた。
何だかんだ言って、ヨシモト様は唄が上手であられる。
この間も「四季ノ唄」という自作の唄を聴いたが、とても素晴らしいものだった。
ただ、機嫌取りに難儀するわけだが…。でも嫌いではないので、申し出を受けることにする。

 「よろしいのですか?では、失礼して…」


─── 琴の前に優雅に座っているヨシモトから少し離れ、数人で正座をして君主の演奏を待つ。

 「えー、コホン。私の今回の唄には、海の向こうのお国言葉を取り入れてみました…」
 「海の向こう…?なるほど!ヨシモト様は、この日本だけでなく更にその遥か先を…!」
 「おーほっほ!!当然ですわ〜。この私が天下を獲り、さらに海を越えた先も!……手中に収めて見せますわ」

格好いい!!今度のヨシモト様は一味違う!
この果てなき力強い野望…そしてこの目の輝き!やはり私達はこの御方に付いてきてよかったぁっ!!

 「いきますっ!!…曲名は『日出ずるすたいる』ですわっ!」
 「……へ?日出ずる…何ですって?」

ヨシモトはおもむろに立ち上がり、烏帽子を斜めにずらして被った。
そして、置いてあった琴を脇に抱え、空いた手で琴を叩きリズムを取り出した。

 「Yo!起きてるか今川家応答しろ!よしもーそぉど!辻蹴り飛び蹴り覚悟しろ!まだぬかねぇ!こぉしょん!」
 「……ええぇっ!?琴はぁ!?」
 「今日はどう斬ろうか流浪の剣客!よしもーじゃまいくろふぉんせんたぁ!どぉぷらいむべんだぁ!」
 「斬新…なの?これ。ていうか何コレ」
 「さぁ…?それに何故声をわざとガラガラになさるのだろうか…」
 「どんぶらとれいどなれいどばっく!これが日出ずるすたいるふぃいばっ!毎度お構いなく斬るふりぃらんすまぃく!」
 「あぁ…やっぱりダメだこの人…」

一人また一人と部屋を出て行く家臣たちを横目に、一心不乱にノッているヨシモト。

 「さぁむらぁい!だいぶ!前から知ってたすたいる!ぼぉんらぁい!鍔迫り合いうぃごっちゃまぃく切り開け未来ぃ!!」

指を頭上に掲げ仁王立ちで唄い終えたヨシモトは、息を荒げながらも満足そうな笑顔を見せていた。
634名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/06(火) 03:31:25 ID:5zlTFGCo
流石ヨシモー
どこまでも傾きよるわ・・・
635名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/06(火) 11:28:03 ID:7YrqlTmV
めっちゃサムライチャンプルー色が濃くて吹いたwww
四季ノ唄は名曲!いかんせん、パチ台のチャンプルーには入ってないのが残念
(´・ω・`)
636名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/06(火) 12:42:23 ID:Efl5GVMx
…ヨシモー…?
ヨシモーーーーーーー!!!!
637名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/06(火) 22:50:28 ID:B1rv1NXB
638名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/06(火) 22:55:10 ID:/8L8EZjp
639名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/06(火) 23:47:27 ID:8tGn3rkK
640名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/07(水) 00:34:11 ID:mQBandsP
641名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/07(水) 00:44:08 ID:LduJjNV4
642名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/07(水) 00:55:17 ID:XbrjRPfy
643名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/07(水) 01:16:22 ID:4Cz9d4Ay
>>637-642
ムラムラしすぎだろw
でも、確かにヨシモーのあの乳はムラムr(烈風真空波で消し飛ばされました
644コタロウちゃんぷるー:2009/01/07(水) 01:51:21 ID:mQBandsP
 ──── 封印の塔前

 「非情ノ大けえぇぇぇぇん!!!」
 「キャァッ!!!」
 「ムラサメッ!?うおおぉぉ!!」
 「くっ!!…この馬鹿力めぇ!」

一進一退の攻防が続く。
後ろでコタロウは、ヤスヒロを抱きながら戦況を見つめていた。

ムラサメの技ではノブナガとの相性が悪い…それにオウガイの力…
純粋な破壊力という『力』をも受け止めるノブナガの強さ…
少しずつ…押されているかもしれない。
あの炎が二人の体力を奪っているんだ。動きが悪くなってきている…。

 「…コタロウ」
 「あ、はい!」
 「二人とも…疲れが出てるみたいだ」
 「…分かるんですか?」
 「うん。見えなくても…感じられる」
 「そう…ですか…」

でもここでボクが加勢したところで、足手まといになるだけかもしれない。
やっぱり…あれしか道は…でも…。

 「行こう、コタロウ。二人を助けるため…いや、みんなの理想の為に」
 「……」
 「…俺一人でも行くよ。幸いまだ歩けるみたいだし」
 「わ、わかりましたっ。…肩貸しますね」

早足で塔の入り口へ向かう。
ノブナガもその動きに気付き、足止めに向かおうとするが…

 「おっと、こちらはあいにく通行止めだ」
 「くっ…どけぇ!どかぬかぁっ!!」
 「あなたに榛名を渡すわけにはいかないわ…」
 「貴様ら…貴様らああぁぁぁぁっ!!!」
645コタロウちゃんぷるー:2009/01/07(水) 02:16:47 ID:mQBandsP
──── 塔の内部

 「ハア…ハア……もう少しで最上階に…足元気をつけてくださいね」
 「ありがとう、コタロウ…」

階段を一歩一歩上がっていく。
その度に別れが近づいているみたいで、胸が痛む。
大好きなこの人を目の前で失いたくない気持ちが大きく揺れ動く。
何度彼の手を引いて戻ろうと思ったことか。
それでも進まなければいけない。進まなければいけない…。

 「あれは…光…?もう少しで…」
 「うわぁっ!?」
 「ヤスヒロさんっ!?だ、大丈夫ですか!?」
 「あ、足が…左足…動かなく…」
 「っ……!!」

誰が…!?ノブナガが倒れた?それとも二人のうちどちらかが…!?
嫌な予感が体中を支配し座り込みそうになるが、ヤスヒロに強く抱きしめられた。

 「大丈夫、コタロウ…上に上がれば見渡せるだろうから…二人を信じて…」
 「は、はい……」

そう、大丈夫…二人がやられるはずない…大丈夫…だいじょう……
…………??これは……この感覚……誰か…いる?最上階に…。

 「誰か…います……。多分、この感じは…ミツヒデが…。少しここで…待っててください」
 「うん、わかった…」

階段を上がるごとに、外の空気の匂いがしてくる。近い。
でもこの匂いは、戦場の匂い…あまり好きじゃない。

気付くと、コタロウは最上階に立っていた。
大きな扉の側に、一人座ってこちらを射抜くような視線で見つめるミツヒデ。

 「やぁ…何かと君とは縁があるようだ」
 「ミツヒデ…」
646名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/07(水) 06:01:45 ID:0hQi3Z5W
売り豚に逃げ場ねーな
オバマ失望がくるまで耐えれるかどうかの勝負だの


てか。オバマって小泉と同じ臭いがする
647名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/07(水) 09:24:00 ID:HMVpejUB
これはひどい誤爆
648コタロウちゃんぷるー:2009/01/08(木) 03:23:38 ID:Cb7LoYoS
コタロウは、腰に差した太刀に手をかけた。
ここで…倒れるわけにはいかない!
構えたコタロウを見て、ミツヒデはフッと笑みを漏らした。

 「まぁ、そう焦るな…。見ての通り、動くのがやっとといった具合でね。まともに戦える状態ではない」

確かに…戦意は感じられない。
それを確認し、コタロウは刀から手を離した。

 「こうなったのは君のお仲間のせいでもあるのだが…ふふ、だがアレを見て少しは溜飲が下がったよ」

えっ……
まさか!

バッと外壁から身を乗り出し、下を覗いた。
そこでは未だ戦い続けるオウガイ…そして……

 「そ、そんな……うそ……」

喉の奥にこみ上げてくるものがある。必死に胸を押さえ、それを我慢する。

 「大事な"仲間"とやらを犠牲にしてまでここまで来たからには…君ほどの武将だ。
  もちろん榛名を手に入れる自信があって来たわけだろう?…私はただ傍観するだけ。
  榛名をこの目に…そしてその所有者となる人物を見る為に…な」
 「ムラサメ……ムラサメ!あぅ……うぐっ……ボクは…ボクは……!」
 「むぅ…」
 「コタ…ロウ?どうした?…ミツヒデはいたのか?」
 「ん?あいつは…」

ミツヒデは階下から姿を現したヤスヒロを見て、ナルホドといった顔を見せた。

 「ほう、やはり君が秘密を握っていたのか。もっと早くに気付くべきではあったが…」
 「その声…!ミツヒデか!」
 「声…だと?まさかお前…見えていないのか?」
 「……あんたには関係ない事だ。だけど…頼む、俺たちの…コタロウの邪魔をしないでくれ!」
 「邪魔をする気は毛頭無いよ。今回は天下人の顔を拝みに来ただけさ。だが…そのコタロウがこれではな」

身体を抱えて震えているコタロウを横目に見る。
所詮は身近な喪失感に耐えられぬ餓鬼か。まるで昔の自分を見ているようで腹が立つ。
649名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/08(木) 20:12:57 ID:pyOe7bxL
ムラサメ姉様がノブ様に!?
しかもオウガイさんと五分だと!?
嘘だと言ってくれ!
俺んトコのノブ様はコタキュンとシロにしか勝った事ないよ…orz

何にしても相変わらず、ちゃんぷるーさんグッジョブです。
650名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/08(木) 21:34:34 ID:PnRmRHjj
確かにwww
俺が打ってもノブナガはムラサメに勝てないw
オウガイに勝つなんて夢物語だよ。
でもヒデヨシは結構勝率いいんだよなw
まあ1〜10%のレベルの話ではあるが。
651名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/11(日) 03:24:02 ID:OL4NV4dv
ムラサメ撃破→ヒデヨシ(15R付き)、ノブナガ
オウガイ撃破→ミツヒデ(08年最ケツ浮き)

マサムネ→未だ勝利無し
俺の…嫁…

戦国乙女もサムライチャンプルーも大好き保守
652名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/11(日) 23:07:00 ID:vdDSUkeT
653名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/11(日) 23:08:49 ID:pLBQ01/g
654名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/11(日) 23:25:08 ID:oqU0ksCe
655名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/11(日) 23:43:44 ID:/CNaQKNP
656名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 00:05:45 ID:curJBnX6
657名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 00:20:08 ID:kLW70Rwd
658名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 00:21:30 ID:7fW9B6Xf
659名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 00:36:43 ID:tYbJpoN4
660名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 00:59:44 ID:WASPgzCK
661名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 02:05:12 ID:bSvpErTF
>>652-660
ヒメサマンZって一体何者なんだよw
しかも参観日って時点で姫じゃねぇしw
662名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 02:13:15 ID:7fW9B6Xf
参をレスしたものだが、参上で続くかと思ったんだが。予想外で笑っちまったwここの一文字マラソン意味不明だがなぜか秀逸だよなw
663名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 10:47:08 ID:VqMa5fpP
意味不明だがワロタw
664名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 13:11:55 ID:s1LTgA8V
665名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 13:35:49 ID:5XeMFKvt
666名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 14:12:02 ID:iYCHOCEg
667名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 14:29:42 ID:Nv2j/0k4
668名無し変更議論中@自治スレにて:2009/01/12(月) 15:48:04 ID:WASPgzCK
669名無し変更議論中@自治スレにて