なぜ情報元不明の鳥山発言がここまで拡散したのか?
では、なぜ2ちゃんねるの根も葉もない書き込みが
コピペblogで取り上げられたとはいえ爆発的な勢いで拡散し、
拡散した先の多くの受け手が鳥山発言の真偽を確かめなかったのであろうか?
その原因としてまず一つ目にblogのトラックバックの構造にある。
先程文中に記した通りトラックバックとは
blogAがどこからか情報を集めて記事を書くと、
その記事に興味を持ったblogBがそれを情報源として
記事を書くことが出来る引用機能である。
例えば、blogAが近所で起きた火事を題材に記事を書く、
blogBがその記事に興味があると
トラックバックして新しい記事になる。
その時点でblogBはその火事を
当然あった事実として扱っているのだ。
つまり、最初に記事を作成した人物自体が
情報の保証人=情報元になってしまうという事になる。
最初に記事を作成した人物が実際に起こっていない事件を偽造し記事にしたとしても、
その人物が情報の保証人となる形で情報は次々と拡散していくのだ。
そして、扱うサイトが増えれば増える程
発言を扱った者達は上記と同じカラクリで
無意識に鳥山発言の第二第三の情報の保証人となり、
扱うサイトの数だけ鳥山発言の真実味が補強されて行く訳である。
そして、”都市”伝説へ・・・
そして、二つ目の原因として鳥山発言が
それ取り上げたblogの管理者の望む理想の鳥山明像と合致していた点にある。
今回鳥山発言を調べている最中気が付いたのだが
この発言を取り扱っているblogの傾向として下記のどちらか、
もしくは両方に当てはまったのだ。
・パチンコ産業を毛嫌いし見下したい。
・鳥山明氏を漫画家の神様として神格化したい。
http://dbzif.blog63.fc2.com/blog-entry-56.html#comment_list 前述したトラックバックの構造的要因以上に
鳥山発言を爆発的に拡散させる原動力になったのは
鳥山明氏にこうあって欲しいと望む
鳥山明のファンやパチンコ業界嫌いの人々の願望なのだと
今回の資料を集めている最中に強く感じた。
鳥山発言を望む人々にとっては今回程痛快なものはなかったのだ。
しかし、皮肉なことに鳥山発言を生み出したのも他ならぬ彼らであった。
今思えば、その発言を欲する人々の妄想が生み出した鳥山発言なのだから
発言を欲する人々の間で爆発的に広まるのは必然であると言えよう。
「出所はどこからかわからないが。」「鳥山先生が発言したそうです。」などと
多少の疑問を感じながらも誰もソースを探さなかったのも、
現在のblogのトラックバックの数によって真実味が付加され
公然の事実にまで成り上がった状態が心地よく感じる人々が多かったからであろう。
この記事を作成中、2ちゃんねるのニュース速報でパチンコの話題のスレッドが立った。
都合のいい事にある人物が鬼の首を取ったかのように
この鳥山発言を書きこんでいたのでその証拠を尋ねた所、
「インタビューで発言していた。」と答えた。
私も色々発言を調べた後だったのでそれを伝え
「嘘ですよね?どの雑誌かわかりますか?」と尋ねると
「この朝鮮人の手先が!」と答えどこかへ行った。
つまりこういう事なのである。