高いギャンブル性や依存症が社会問題化しているパチンコ業界で、通常4円だった
貸し玉を1円に引き下げる店が増えている。2年後には、全国約1万4千店の3割が
導入する勢いという。一時は4千万人を超えたと言われたパチンコ人口は、娯楽の
多様化などで約1300万人まで激減。離れていった低所得者層を含むファンを取り
戻すため、「庶民の娯楽」への転換を迫られている。
「低い投資で長時間遊べるのは、とてもありがたい」。先月下旬、大阪府豊中市に
あるパチンコ店の「1円パチンコ」コーナーにいた元警備員の男性(59)はうれ
しそうに語った。
同店は7月中旬まで、「貸し玉は1個4円以下」と定めた風営法に基づき、全240台
を対象にパチンコ玉1個を他店と同じ4円で貸し出していた。パチンコ台の横にある
玉貸し機に千円札を入れると、出てくるのは250個だったのが、現在は千個。同じ
金額で4倍長く遊べる計算だ。店側は、1円制を導入した約70台のコーナーでは、
客寄せのためにほぼ毎月実施していた新台入れ替えをせず、赤字にならないようにして
いる。 同店の関係者は「ギャンブル性が高くなったため、パチンコから離れていった
人たちを呼び戻したい」と話す。
男性は「以前は1日で10万円分を出したことがあったが、7、8万円使っても大当たり
を引かないことがあった。玉を多く出しても大勝ちにならないけど、年金生活を控えた身
としては、こちらのほうがいいね」(抜粋)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200709190042.html