洋服選びのこだわりは
「何これ?」って言いたくなる様な組み合わせをする事。
もっと言ってしまえば、「お前、とうとう気が狂ったんじゃねえか?」
って思われるくらいのコーディネートが最高。
ミッキーマウスのTシャツにシャネルのネックレスを合わせたりして
「何これ?あり得ねー!」って自分で見て笑ってる。
そして「どんなもんだい!」って思いながら街へ繰り出す。
着こなすというよりは、根性で着てやる感じ。
周りの目は気にしない。
タトゥーを入れてから、洋服選びがますます楽しくなった。
自分で自分をデザインする感じっていうのかな。
やっぱりタトゥーのイメージと、相反する服を着るのがお気に入り。
白いタンクトップなんて、何の意外性もない。
同じ白なら、アンティークのブラウスを着て
「こんなにエレガントな雰囲気なのに、タトゥーが入ってるの?」
っていうのが好き。
タトゥーの入った腕でステージに立つ私を見て
「コイツ、気が狂いやがったな」と思う人もいるんだろう。
もしかしたら昔とは違うってショックを受けて離れる人もいるのかな。
「いいぞ、もっとやれー!」って逆に好きになる人もいるかもしれない。
色んな人が色んな事を思うだろうけど、これが今の私。
もう普通のおばさんにはなれない私。このままファンキーに行くしかないね。
好きなスタイルは何と言ってもエイティーズ。
ラメとかグリッターとかメタルとかそういう言葉に弱い。
私のファッション・アイコンはマイケル・ジャクソン。
マイケルのステージ衣装みたいなギラギラした服が
私にとっての日常着。
一昔前は、雑誌を月に10冊以上読んでいたけど
世の中の流行を知るために読むだけでお手本にする事はなかった。
あくまでもオリジナルである事が私のポリシーみたい。
今だから言えるのだけど、
デビュー間もない頃はスタイリストさんが
用意してくれる衣装が超が付く程不満だった。
シンプルで清楚で透明感のあるイメージ。
たまには派手でセクシーなものも着てみたかったけど、
当時のマネージャーがキャバクラ大好きだったからか
キャバ嬢が着る様なボディラインのはっきり出る服は着せてもらえなかった。
「またAラインの服なの?」っていつも文句を言っていた気がする。
だけど当時は若かったから
可愛い感じの服も嫌いという訳じゃなかった。
今となっては、あんな服は、絶対に着ないけど
それは好みが変わったというよりも
本当に好きなものが分かって来たっていう感覚に近い。
最近は、モン族という民族衣装のアイテムにも興味がある。
それに「ジバンシー」を合わせたりするんだけど
これが結構、ハマる。
またある時は、バリバリのドラッグ・クイーンみたいな格好をして
「どうあたし?」って思いながら、肩で風を切って街を歩いてみたり。
これなら絶対に鬼束ちひろだってバレないし。