理系ポエム

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1ふなもり
専攻は違っても
感動を共有できるさ
関数電卓に憧れたあの頃のように
素直な心のままで
2ふなもり:04/10/10 00:21:52
帰りに寄ったコンビニの前の
霧に浮かぶ電灯
微細な粒子がそれを取り囲むかのように
漂い、流れ、集まり、伸び上がり、
まるでそれはミリカンの油滴実験のように
しばし佇む
僕の心を捕らえた
3ふなもり:04/10/10 00:24:26
まるで黒体のようで
暗室のような人の心の奥底で
直進光はプリズムに分光され
片対数用紙のようなビルの輪郭を
フェノールフタレインのように、さっと紅色に変えた
そうだ、君は波でもあり粒子でもあった
そんな簡単なことを、日常の中でつい忘れていたんだ
4名無し職人:04/10/10 00:34:15
正弦曲線が君のそばでx軸を包む
君はいつも完全な円形で
どこから見ても美しい
さあ今僕(弦)が君と交わって
もっと綺麗で美しい弧(子)を作ろう
5コンブ:04/10/10 20:01:04
2 3 5 7 11 13 17 19 23 29
31 37 41 43 47 53 59 61 67 71
73 79 83 89 97 101 103 107 109 113
127 131 137 139 149 151 157 163 167 173
179 181 191 193 197 199 211 223 227 229
233 239 241 251 257 263 269 271 277 281
283 293 307 311 313 317 331 337 347 349
353 359 367 373 379 383 389 397 401 409
419 421 431 433 439 443 449 457 461 463
467 479 487 491 499 503 509 521 523 541
547 557 563 569 571 577 587 593 599 601
607 613 617 619 631 641 643 647 653 659
661 673 677 683 691 701 709 719 727 733
739 743 751 757 761 769 773 787 797 809
811 821 823 827 829 839 853 857 859 863
877 881 883 887 907 911 919 929 937 941
947 953 967 971 977 983 991 997
6ふなもり:04/10/10 23:57:16
井戸型ポテンシャルのような50mプールを
何度も往復しながら あえぎながら
予選突破のタイムを目指して かなわず
そんな振子の等時性のようなことをしている間にも
それでも地球は回っていて
それをフーコーが教えてくれたんだっけ
7リリカルふなもり:04/10/11 23:41:50
空砲
不安になるほど
どこまでも青い秋空を

乾いた空気を伝播する振動

バックネットを超えた
8ヤンヤン ◆YANKEE3Be. :04/10/12 16:06:40
良スレさげ
9コンブ:04/10/12 18:27:21
1*2*3*4-5*6+7+8
1*2+3+4+5-6-7+8
1*2+3+4-5+6+7-8
1*2-3-4+5-6+7+8
1+2*3*4+5-6-7-8
1+2*3+4+5-6+7-8
1-2*3+4+5+6+7-8
1-2*3-4*5+6*7-8
1-2+3*4*5+6-7*8
1-2+3*4*5-6*7-8
1-2+3*4+5-6+7-8
1-2-3+4*5-6+7-8
10ふなもり:04/10/12 23:49:56
素肌に貼りつくシャツ
気化熱で冷え
交流60Hzの廻す扇風機

きっと同じか、それ以上に熱い連中の
20Hz近辺のズドンズドンとカーステレオ響かせ
タイヤ軋らせる
パトカーのサイレンが続く
唸る警告「前のセドリック止まりなさい」

忘れた頃
救急車の
ドップラー効果
熱帯夜
11コンブ:04/10/13 12:08:35
-2-3*5+7-11*13+17*19*23-29
-31-37-41*43*47-53+59+61+67+71
+73+79+83+89+97+101+103+107+109+113
+127+131+137+139+149+151+157+163+167+173
+179+181+191+193+197+199+211+223+227+229
+233+239+241+251+257+263+269+271+277+281
+283+293+307+311+313+317+331+337+347+349
+353+359+367+373+379+383+389+397+401+409
+419+421+431+433+439+443+449+457+461+463
+467+479+487+491+499+503+509+521+523+541
+547+557+563+569+571+577+587+593+599+601
+607+613+617+619+631+641+643+647+653+659
+661+673+677+683+691+701+709+719+727+733
+739+743+751+757+761+769+773+787+797+809
+811+821+823+827+829+839+853+857+859+863
+877+881+883+887+907+911+919+929+937+941
+947+953+967+971+977+983+991+997
12ふなもり:04/10/14 00:08:25
立てたバットを額に当て
それを軸に10回まわった直後
まっすぐ走れない実験

これがコリオリの力

うそ
13ふなもり:04/10/15 00:01:08
サーモスタットが カチリと水槽のヒーターをONする
ダ・ヴィンチメモの 戦車のような古代魚
目だけ動かし

時間

横たわる
なめらかな肌 指先の這う
動摩擦係数
うぶ毛
曲線は 変曲点をなぞり 新たな近似解のありかを求める

ピラミッド建造時に 巨石を曳いた木の船
砂漠に注がれる 潤滑油

水槽の 細かい水泡
低くハミングする エアポンプ
14ふなもり:04/10/16 00:09:42
こどもたちと 貧乏なカップルと 中途半端な不良どもの夢をのせて
空中ブランコは揺れるよ 場末のテント小屋で
ここで起こることは きっと本当なのさ
きっと誰もがヒーローになれるんだ
こどもたちと 貧乏なカップルと 中途半端な不良少年に
クライマックスに立ち会える幸運をクドクドと説く四角いスピーカー

こどもたちと 貧乏なカップルと 中途半端な不良どもの夢をのせて
いよいよ始まる 世紀のイベント
照明は落とされ スポットライトを浴びる 妖艶なヒロイン
逞しいヒーロー そして間抜けなピエロ
こどもたちと 貧乏なカップルと 中途半端な不良少女が
そんな間にも口の中でクチャクチャとお菓子ほおばり

こどもたちと 貧乏なカップルと 中途半端な不良どもの夢をのせて
それでも いやおうなしに盛り上げる 太鼓にシンバル
華麗な技に 美しい肢体に
開いた脚に ピエロの鼻に
こどもたちと 貧乏なこどもたちと 中途半端なこどもたちが 息を飲む その時
荷重に耐え切れず 客席が崩落

自由落下
15コンブ:04/10/16 00:18:53
ウォンバットを しっているかい
やつは ふかふかで
おもしろいかお しているけれど
ときどき …
16コンブ:04/10/16 00:57:39
メモリ不足であたまぽっかぽか 薄ら笑い
ふきすさぶ 何だろう 何だったのだろう
ああ もう そいいえば さっきも そう

数えていて どこからだったか など と
ノイズ いっぱい 鼻から出そうなもんで
目からも 出そうなもんで へっへっへつ

苛立ってもいるし 目玉がギンギンに赤く
熱く ノイズ いっぱい 五分だけ寝よう
続きを 数えて えーと 比率を ええと

向いてないおれ 向いてない もうこんな
えーと あと七時間 あれ独立してっから
今は問題視 したらだめなんであって と
17ふなもり:04/10/18 23:39:51
がらんどうの
白々しい街
前夜の魔力消え ゴミの類

Reverse & Rebirth などという
誰の為なのか分からないダジャレが ズキズキする頭の中
やっと腰を下ろす始発

手のひらで息の臭いを確認する
半減期は遠い

各駅 長すぎる停車時間に
今から新しい日の始まる人たちが 席を占めてゆく
パウリの排他原理に従って
18ふなもり:04/10/20 23:58:09
洗面台の
赤と青のカラン

プラスとマイナスが引き合うように
N極とS極が引き合うように
そしていつの日か
二重らせん構造のように
互いに結ばれるかも

艱難が待ち受けていても
電気泳動のように
いつの日か
うなぎのように
おたまじゃくしのように
19ふなもり:04/10/22 22:34:41
たった今 果てた小動物 手のひらの上に
最後に小さな、本当に小さな悲鳴だけ上げて
息絶えたOPアンプ手の上で
基板から取り外され
確認されたその死

コンデンサーの死のように壮絶ではなく
光デバイスの死のように嘘っぽくなく

僕は正義とその美徳について考えた

けれども生きているものどもは
ラーメンやスパゲティなんぞのことを考え
どうしても生きていかねばならず

眼鏡をかけた汗臭い脂肪塊をかき分け
電気の街に代わりのものを探しに行く
僕は

僕は正義とその意味について考えた
20Ar ◆Argon2R80M :04/10/23 15:01:51
この広い溶液の中で
ああ君だけに夢中
二人の運命はラララ…基質特異性さ
ねえ僕の立体構造で
ねえ抱き合って分解させて
ちゃんと補酵素つけるから
21コンブ:04/10/23 22:59:11
円周上の点P 見てるよ 昼下がり
スルスルと よじのぼってさ

どんな顔して 転がしてる?
おやじの フンコロガシ

ハートが転がす フンコロガシ
無口さ きっとそうだろう
22コンブ:04/10/23 23:41:16
他人任せさ こまごめピペット
みっともないかい 笑うがいいさ

赤い部分は 押されたくない
フワフワしてる 気安く触んなよ

押されてるよ 握られてる
だから僕は 黙って 吸うんだね
23コンブ:04/10/23 23:47:30
時間の前にあったもの
理屈の前にあったもの

のぞいてごらんフラクタル
脳の秘密はおなじ
計算量の向こうに伸びるだけの結果
24コンブ:04/10/23 23:59:45
中国語の部屋の中心で、記号をさけぶ
25コンブ:04/10/25 01:16:22
断じて、フンコロガせてない

現実に 蹴散らされた帰り道
恥ずかしくなって 泡吹きそうになって

とてもじゃないけど フンコロガせない
今のおれじゃあ フンコロガせない

勇気も度胸も何も無いから フンコロガせない
誰かが笑うから、怖いから フンコロガせない
26ふなもり:04/10/25 23:26:25

ほら
これが
ぼくらの川
こんなところに
こんなふうに流れていて
いろんな思い出がそこにはあって
一度だけしか歩いたことのないような道でも
ずっと先の方までつながっていて
そこにも人が住んでいて
そんな航空写真
ぼくらの町
これが
ほら
27名無し職人:04/10/26 18:10:54
感電するよ フランクリン
28コンブ:04/10/26 18:41:40
いつもNANDでも
29ふなもり:04/10/28 00:03:57
人生はルーレット
回る回るよ
赤と黒の数字
出会いと分かれ
もっとかき混ぜてくれ
勢いをつけて
次第に見えていく行方
対角成分に固有値が並んでいく
ビンゴ!
30八反安未:04/10/28 00:07:07
おや?なんか水曜どうでしょうの歌っぽくていい!
31名無し職人:04/10/28 18:16:27
お馬さんは予想通りには走らないんだよ
自分の気分で走るんだよ
32ヤンヤン ◆YANKEE3Be. :04/11/03 22:04:49
生きてるか死んでるか
わからないんだよなあ

      ねこ
33名無し職人:04/11/03 22:38:12
数字が僕を襲うんだ
コサインの様に
まだ柔らかかった日々は
君がいなくなった事で
三角関数になった
僕は失って初めて
生物化学的酸素要求量の
意味をこんなにも理解した
34名無し職人:04/11/03 23:27:22
あめはくものおとしもの
たいようがじょうはつさせて
とどけてくれる
でもたくさんおとすとこまるなぁ
35ふなもり:04/11/04 00:04:35
「確率論序説」

スーパーで買ったバナナの房の中には、1本だけシールを貼ったヤツがある。
その事自体には、大した意味はない。ただ、お前たちに教えておきたいのは、
その1本だけが他より旨いなどということは、決してありえんということだ。
ましてや、そのシールを貼ったバナナを取り合うなどもっての他だ。
わしがその事に気づいたのは、ある薄曇りの朝だった。
わしは、傘を持って行くべきか否か、履いていた下駄を宙高く飛ばした・・・

下駄は放物線を描き地面に落ちた
その下駄にケンケンで近付くこうとすると
履いている方の鼻緒が切れた
黒猫が目の前を横切った
36名無し職人:04/11/04 00:34:36
0℃,1atmの中で生まれた、白熱電球の様にhotな恋は円周率よりも長く続く。
逆もまた然り。円周率とは僕達がしている終わり無き恋の行方を測る為だけに存在していたんだ。
周囲4万kmの大きな塊から見た今の僕達はダイヤモンドは炭素からできているという事実を知ったに値しない。
それでもいい。君と僕がS極とN極みたいに、一緒にいられるだけでいい。僕達は今ニュートンの様に輝いているのだから。
37V字リーマン ◆vVVvvmOMEc :04/11/04 15:37:48
夕暮れの図書室
音楽室からこぼれるキミのクラリネット
ひたすらに助動詞を暗記する僕の気を削ぐ
意味も無く、数Vの教科書を開いてみたりする
文系の僕は、きっとキミと離れてしまうんだね
気がつけば無理して数字と戦っているんだ
理解できたことは一つ

lim→キミ
限りなく近づいたって、一緒になんかなれない
38名無し職人:04/11/07 07:49:51
フォノンの揺らぎがいつもより大きく感じられた今年の夏、

君は、光速にも迫る勢いで僕の傍を一気に駆け抜けた。

僕は何故君が運動を停止してくれないのか全然理解できなかった。

振動させた空気の一つ一つが君を共鳴に導かなかったのは明らかに思えた。

結局、僕にできたのは、微分によって加速度を求めることだけだった。

そして、それは特解を求めるには全くもって無意味であることを知った。

周波数を上げながら届けられた君の声は、

僕から遠ざかるにつれ、とたんに沈んだ低いものへと変わっていった。

僕が体験した無慈悲なドップラー効果。

もう君のスペクトルは観察できない。
39コンブ:04/11/09 18:10:14
傲慢が 世間知らずを慰める
予断のみ 確かめもせず思いこむ

バオー・メルテッディン・パルム・フェノメノン
40コンブ:04/11/09 18:13:39
思い込みを引き剥がし
つるりとみずみずしい
界面に出会うとき
知っていることの
少なさに反比例する自立性

鼓動を交わす音 大きい
41名無し職人:04/11/14 02:36:20
ふなもり最高。
抱いて。
42名無し職人:04/11/14 18:05:12
白液は紫色になるのかな
43∞ ◆q0uEtog.ao :04/11/15 00:07:35
観測できない君の本性
君は死んでいるのか生きているのか
観測するそばからするりと逃げられ

明日は雨
箱の中の黒猫が顔をなでた

44ふなもり:04/11/20 23:09:19
「モルモットという名のモルモット」

パブロフという名の犬
シュレディンガーという名の猫
メリーさんという名の羊
45ふなもり:04/11/20 23:15:24
「モーツァルト」

モーツァルトが流れてきていた
デパートの汚い天井の埋め込みスピーカーから
食べ物の臭いに混じって

モーツァルトが流れてきていた
校庭に向けた拡声器から
放送室のボロ針のターンテーブルで

そのあいだ
家族揃ってテレビを見ていた
頭の悪そうなアイドルがお菓子を食べていた

またしても
本屋の中をブラブラしていた
ハエも飛んでいた

その音は
虹の浮かぶCDの裏面を
レーザー光が舐めると出てくる

この音はどこから来るのだろう

モーツァルトは酔狂にも
ウィーンの共同墓地で眠っておられる
彼ぐらいになると
死ぬようなこともない
46コンブ:04/11/21 18:26:40
文系のブンは 分度器のブン!
議論と偽り糞茶番 自己弁護と勝利!のため
ときに彼らに強調されるその理論 論理とは何か
ぼくにはさっぱり分からない ぜんぶがロス!
47ふなもり最高。:04/11/21 22:31:42
E = mc2

Energy = miracle X crazy の2乗

Entropy = miserable X cruel の2乗

Elegance = mathematics X coquetry の2乗
48ふなもり:04/11/25 00:14:09
いつの日か
政治が宗教をコントロールできなくなって
インターネットが地下組織の暗号を運んで
誰でも核兵器を使えるようになったら

休暇を利用して家族で遊びに来ていたそれまで他人だった僕らが
にゃんまげに飛びついた瞬間に
世界同時多発核戦争が起きて
世界中の人間が死んで
にゃんまげの影になっていた僕ら二人だけが生き残って

僕ら二人は助け合って生きていくことを決めて
でも放射能による遺伝子の損傷によって
子供が生まれても
すぐに死んでしまって
それでも欠損した他方の遺伝情報を補い合って
子供をたくさん産んで育てて

僕らが初めて出会った頃ぐらいに子供が大きくなった時
君がこしらえたにゃんまげの着ぐるみを僕が着たら
初めて見るはずのにゃんまげに子供は飛びついて
僕らの他の子供もみんな飛びついてきて

そんなふうに誰にも邪魔することのできない
かけがえのないもの
49ふなもり最高。
でも…初心の頃の理系の心を忘れないで…

あの頃の硝子の真空管のようなキレ味を…