★趣がある文章を即興で書きなぐれ!【Vol.4】★
334 :
名無し職人:
ふいに、ししおどしが大きな音を立てた。
ジョェアァァッ!
僕は耳を疑った。
ヒーローの音だ。そう思った。
だが、僕がよく知るししおどしは、ウルトラマンの鳴き声を真似たりしない。
水を吐き出した後は高らかに
『カコーーーーーン ハイッ』
と心地よい音を響かせるはずだ。
ということは、これはししおどしではないのだろうか。
僕は混乱したまま空を見る。答えを求めるように。
その瞬間、謎は、解けた。
晴れ渡る青空に、そよ風と共に春を泳ぐセブンの姿を見つけたからだ。
セブンは泣いていた。それは遠目にもはっきり分かった。
アイスラッガーが逆に付いていた。いや、刺さっていた。
「そういうこと…か」
僕はバンソウコウを持ってセブンを追いかけた。
春の匂いがとても清々しかった。