解放の豊進丸が気仙沼港に 船長「心配掛けて申し訳ない」
ロシアのカムチャツカ半島東方で6月、国境警備当局に拿捕(だほ)され、2カ月半ぶりに解放された
富山県入善町のサケ・マス流し網漁船「第88豊進丸(ほうしんまる)」が21日未明、母港としている
宮城県・気仙沼港に到着した。
乗組員17人中11人が宮城県出身。19日夜、北海道根室市の花咲港に到着し、サケや積み荷の荷揚げ
を行った後、気仙沼港に向かっていた。
豊進丸は6月1日、ロシアの排他的経済水域内で操業中に、操業違反があったとして拿捕された。日本政府
は7月に国際海洋法裁判所に提訴。同裁判所は今月、日本側に保証金1000万ルーブル(約4600万円)の
支払いを命じ、送金が完了したため乗組員が解放された。
「第88豊進丸」の高橋昇司船長(48)は21日、報道陣の取材に応じ「関係者に心配を掛けてしまって
申し訳ない」と語った。
高橋船長はロシアでの様子について「電話で家族や会社と連絡はしていたが主に船内で過ごし、デッキを
歩いたりもした。まれには岸壁を歩かせてもらうこともあった」と述べ、拿捕理由については「裁判中なので
言えない」と説明を避けた。
乗組員の体調に異常はなく、同船は21日朝からサンマ漁の準備作業を開始。7〜10日後に出漁するという。
期間中には海上保安庁が乗組員から当時の状況など事情を聴く予定。
船主の池田水産(富山県入善町)の池田博社長(59)は、拿捕されてからの2カ月半を「長く感じた」とし、
「乗組員と船の返還がやっと実現してよかった」と話していた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070822-00000044-san-l04