東京都渋谷区の短大生武藤亜澄さん=当時(20)=が殺害、遺体を切断された事件で、
殺人罪などに問われた兄の元歯学予備校生勇貴被告(22)の第2回公判が8日、東京地裁で開かれた。
犯行に及んだ動機について「覚えていません」を連発。自分が殺したという感覚はあったかと聞かれた際も
「現実的な感覚より、夢の中の出来事のようだった」と述べた。
先月31日の初公判時と同様、第1ボタンまで留めた白のワイシャツ、
黒のスラックス姿で初めての被告人質問に臨んだ勇貴被告。
まず弁護側から亜澄さんとの関係について聞かれ「ゲームを貸してあげるなどしていたし、
誕生日にはケーキを焼いてあげたこともある。悪い仲ではなかった」などとエピソードを交えながら話した。
しかし、取り調べ段階で詳しく供述していたとされる殺害方法や心境について聞かれると答え方は一変。
「なぜ殺さなければならなかったのか僕自身も分かっていない。今も考えている」と説明した。
遺体切断時の状況についても「ほとんど覚えていません」。遺体を隠すために切断したとする
検察側の主張にも「分からない」と語るなど、核心部分には触れずじまい。約3時間の公判中
「覚えていません」「分かりません」「記憶にありません」などと約40回も繰り返した。
その一方、供述は捜査当局による誘導と主張しているかのような場面では多弁に。
検察側が冒頭陳述で「(見下され)黙らせるには、妹を殺すしかないと考えた」とした殺害動機については
「僕の言葉ではなく捜査官にこんな感じだなと言われ、(それに対し)お願いしますという言い方をしたと
思う」と述べた。また、遺体切断の理由に関しても「取り調べの時に、検事さんがテレビでご覧になった
専門家の話として(1)隠すため(2)憎しみ(3)性的興味の3つを示し、このうちどれかだろうと言われた。
3つ目はないし、2つ目は捨てきれなかったが、じゃあ、1つ目にしますと。
(それで調書が)“隠すため”になった」などとした。「解体の時の話に限れば」と前置きした上で、
風呂場での「情景」も詳述した。
さらに、秋葉康弘裁判長から「殺した感覚はあったのか」と尋ねられると
「夢の中の出来事のような感覚が強かった」とした。
妹に対しては「理解してあげられなかったことを謝罪したい」と述べた。
東京地裁は弁護側の求めに応じ、勇貴被告の精神鑑定の実施を決めた。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2007/08/09/03.html 依頼
http://news22.2ch.net/test/read.cgi/owabiplus/1186131693/69