先月二十九日に投開票された参院選で、滋賀県木之本町の代表監査委員(61)が立場を利用して
町職員に特定候補者への投票を呼び掛けたとして、県警は三日、公選法違反(公務員の地位利用)
の疑いで代表監査委員を取り調べ、自宅と代表監査委員が会長を務める同町商工会を家宅捜索した。
県警は代表監査委員を書類送検する方針。
関係者によると、代表監査委員は公示前日の十一日、町役場などで行われた月例監査で、同町の
課長ら十数人に対し滋賀選挙区から立候補した自民現職のパンフレットを渡し「頼むぞ」などと投票を
依頼した疑いが持たれている。
町監査委員は公務員の「非常勤特別職」で、公選法は地位を利用した選挙運動や類似行為を禁止している。
県警は、監査業務中に監査を受ける職員に投票を働きかけていたことから、地位を利用したと判断しているとみられる。
代表監査委員は一九九六年十月から町監査委員を務めているほか、二十年間にわたり町商工会長も務めている。
町商工会が政治活動を行う商工政治連盟木之本支部は、参院選でこの候補者を推したが、落選した。
配布したパンフレットは後援会入会申込書も付いている。受け取った課長の一人は「その時は特に気にも
留めていなかった」と話し、同席していた町幹部は「(監査の席だったので)変な感じはしたが、違法だとは思ってもいなかった」
としている。
代表監査委員は本紙の取材に対し事実関係を認め「私の不徳のいたすところでした。違反になるとは知らなかったとはいえ、
迷惑を掛けた皆さまには謝りたい」と話した。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007080402038381.html