◇「安全、安心に努めたい」
土佐くろしお鉄道宿毛駅の駅舎に特急列車が衝突した事故で、27日にまとまった国土交通省の報告書は、
同駅の自動列車停止装置(ATS)の設置不備などを指摘した。同社は新たにATSの設置個所を増やすなど
既に対策にとりかかっているが、池田義彦社長は「今日で終わりではなく、これからがスタート。安全で安心
できる運行に努めたい」と事故の再発防止を誓った。
事故は05年3月2日夜に発生。終点の宿毛駅に時速113キロで進入した列車が車止めを乗り越えて、駅舎に衝突。
運転士1人が死亡、乗客ら10人が重軽傷を負った。同社は被害者と示談交渉を進めてきたが、まだ痛みが残っている
3人との示談が成立していないという。今後も被害者の体調を第一に交渉を進める。
ATSについて国交省は06年7月、同事故を受けた対策として、鉄道に関する技術基準の一部を変更。同社は
終端部4カ所や急カーブ部分12カ所に既に設置したが、さらに他の急カーブ部分や急こう配部分など、スピードが
出やすい場所に設置していく。
また、池田社長は「機械がしっかりしていても、扱う人に問題があれば重大な事故につながる」と話しており、事故当時、
運転士の体調に異常があったと指摘されたことから、事故直後から勤務前に乗務員の体調や精神面のチェックを義務付け、
人的ミスを防ぐ対策を取っている。
池田社長は「被害者には改めて謝罪したい。沿線の住民にとって大切な路線なので安全が第一」と話している。
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