【ドリコム/Web2.0】2007年3月期赤字転落へ 投資家の皆様へお詫び [04/10]

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145名無しさん@お腹いっぱい。
日経の25日の記事から。「信頼回復への道のりは遠い」とのことだ。
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ドリコム、リストラ急ぐ、ネット広告、次の柱に――事業立て直しも資金制約。
http://company.nikkei.co.jp/news/news.aspx?scode=3793&NewsItemID=20080125NKM0057&type=2

 ブログ(日記風簡易ホームページ)システム販売のドリコムが収益低迷
に苦しんでいる。成長を期待した新事業の育成に失敗したからだ。事業の
立て直しに着手したが、資金面での制約もある。業績を回復させながら将
来の成長に向けて布石を打つという難しい手綱さばきが求められる。
 昨年十一月に発表した二〇〇七年九月中間期の連結決算。経常損益は一
億八千三百万円の赤字(前年同期は五千七百万円の黒字)だった。消費者
が情報発信にかかわる「Web2・0」関連の代表銘柄が赤字転落したこ
とで注目されたが、それ以上に市場関係者に衝撃を与えたのは開示された
財務制限条項だ。

 同条項は子会社のジェイケン(埼玉県所沢市)の九億二千万円の借り入
れに付いた。「ドリコムの連結経常損益が二期連続で赤字となった場合な
どには、三井住友銀行に担保のジェイケン株を処分される恐れさえある」
との内容だ。

 ドリコムの今期の予想経常損益はトントン(前期は一億八千百万円の
赤字)。計画を下回ればすぐさま条項に抵触する。ジェイケンは消費者
が作成した携帯用の「着メロ」を販売する会社で、〇七年四月に十三億
円超で買収したばかり。ドリコムはジェイケンの買収効果で、今期の売
上高は前期比二・六倍の二十二億円を予想するが、買収をテコにした拡
大戦略に暗雲が漂うことになる。

 ジェイケンの借り入れの契約日は昨年十月。「サブプライムローン
(信用力の低い個人向け住宅融資)問題発覚後でタイミングも悪く」
(内藤裕紀社長)、ドリコムは背中を押されるようにリストラに着手
した。

 中心は人件費を中心とするコスト削減だ。派遣社員を中心に、九月末
に二百四十二人だった従業員数を足元で二百人程度と約二割減らした。
新規事業のサイト構築システム事業では新規開発停止や営業体制縮小を
決めた。急成長の原動力となったブログ運営企業向けシステム販売は好
調が長続きしないと見て新事業の立ち上げに動いたが、積極採用した技
術者や営業担当者の人件費が収益を圧迫していたからだ。

 リストラで月間二千万円超のコストが削減できたという。ただ、収益
の柱はいまだにブログシステム。立て直しには「コストカットだけでな
く次の成長エンジンが必要」(内藤社長)。そんな中で期待を寄せるの
がネット広告事業だ。

 消費者のネット利用動向に合わせて最適な広告を表示する「行動ター
ゲティング広告」技術を自社開発。内藤社長が担当役員となり、自らサ
イト運営会社やネット広告販売会社などに同技術の採用を呼びかけてい
る。ドリコムは技術提供料として広告販売額の一部を収入とする考えだ。

 行動ターゲティング広告の市場規模は米国では〇六年で約四百億円。
五年後には十倍以上に伸びるとの予測もある。日本でも急速に普及が進
むが、それだけに競合も激しい。採用を持ちかけられたあるサイト運営
会社の幹部は「ドリコムは特許申請中として技術の詳細を明らかにして
おらず、選択肢が複数ある中で採用するか何とも言えない」と慎重だ。

 ドリコムの株価は東証マザーズ上場直後の〇六年二月に最高値を付け、
最近はその三十分の一以下で推移する。信頼回復への道のりは遠いが、
実績を着実に積み上げることが不可欠だろう。(柏崎海一郎)