俺一人の自演の旅

おまえらが立てろ立てろウルサイから立ててやったぞ

やった2ゲット！！！！！！！！！！！！！

>>1
スレ立て乙

乙





ーーーーーーーーーーーーー糸冬ーーーーーーーーーーーーーーー

＞＞１さん乙です＾＾

>>1の人気に嫉妬・・

このスレおもしろいｗ

神スレの予感

＞＞１がとてもおもしろいスレがあると聞き飛んできました

オマエらの感謝の気持ちはもう分ったから
早く旅の話しろよｗ

早く話せとおっしゃるが、いまいちスレタイの意味が分からんのだ
なかなか本題に入らないのは皆もそうだからなのではないのか？

俺、旅夫！
こんど世界一人旅に出ることにしました。
予算はスーパーのパートタイマーで貯めた虎の子の100万円。
行けるとこまで行ってやるぞ！
目標は世界一周

まずは予防接種を受けることにしてみた。

近くの医者で値段や病気の詳しい情報を聞いてみたところ
黄熱病。これの予防接種をしてないと入国できない国があるみたいなので受けることにした
Ａ型肝炎。食べ物からでも感染するらしい。これも受ける
破傷風。旅の間に転んですり傷が出来ることもあるかも知れないので受ける
狂犬病。これは迷ったけど、万が一、犬に噛まれたら狂死にするらしいので受ける

全部で大体3万円くらいかかった。
だけどどれも半年後にもう一回打てとか、けっこう面倒臭い
次打つのは海外の国になりそうなので、医者に英語の説明書を作ってもらうことにした

さて次の準備として持ち物を揃えることに。
まずは大切なバックパックだ！

ここで悩むのはバックパックの容量
大きすぎても無駄な荷物を増やすだけだと聞くし
小さすぎては勿論ダメだし
自分の体格を考えて苦にならない大きさの最大容量を考えて40L〜55Lの物にすることにした

各社メーカー代理店や大手スポーツ店を探してみたけど
1つ分ったのは、どれも登山を目的とした作りのバックパックばかりだということ。

旅行用には3WYバックやキャリーバックが主流で背負うのには適してない。
う〜ん。これは予想外だ。
普通のバックパックで充分なんだけど、俺の考える容量に満たないものばかり・・
3WYやキャリーバックで旅をするのは俺の想像とはチョッと違うし・・

そこでネットで各社のバックパックをもう一度調べなおしてみた

ミステリーランチに38Lのバックパックが見つかった。でも値段が7万強ｗ
こんなの無理ｗ

グラナイトギアで可愛い配色のバックパックを見つけたけど女物
しかも、リッドといって上蓋が取り外しできるタイプのようで、これでは逆に上蓋だけ盗難にあっちゃうよ
なので却下

ダナデザイン。ブランドのもつイメージだけで実は全体的にモサい。小学生が履くナイキみたいなデザインばかりで
これも買う気がしない

アークテリクス。これもブランド性が先行してるだけで、どれもモサい。
値段もチョッと有りえない高さだ。何でも日本の代理店が暴利を貪ってるとかいないとか
わざわざ銀座に店を出す必要なんかないだろ。なので却下

そこで残ったのはホグロフスとモンベルの2つのメーカーだ
ホグロフスの50Lのマトリックスにするか
モンベルの45Lのルルイパックにするか

正直モンベルだと笑われるんだろうな。。
でも機能性と値段を考えれば、これがベストなんだけど
オシャレを意識してしまうと、やっぱりホグロフスに傾いてしまう。

結局、モンベルのルルイパック45Lにすることにした。
地味なデザインだけど、旅で訪れた国で売ってるワッペンを買って
都度、貼り付けていけば俺だけのオリジナルになるはず！

定価は12800円だけどネットオークションで2,3回使用しただけの物が出回っていて
8000円でゲッツ！

さぁ、これで旅の大切なお供が決まったぞ

次に旅に持っていくアイテムを揃えるために東急ハンズにやってきた。
必要な物って何だろう？

・服、タオル類
・服を圧縮する圧縮袋
・ふわふわマット、エアー枕
・シーツ
・洗面用具一式
・雨具
・バックパック用のレインカバー
・南京錠。ワイヤー錠
・洗濯紐、洗濯はさみ
・懐中電灯、目覚まし時計、蚊取り線香、ノートとペン
・カメラ、ipod、ノートPC、充電器各種、変圧器、世界対応プラグ
・辞書、ガイドブック、文庫本

大体、こんなもんかな？

いいんじゃね

そんなもんだ。頑張って！

どこ行くの？

まず服を調達しに来た。

パンツ×５（内、2枚は速乾性パンツ）
靴下×３
パッチ（速乾性で通気性の良い薄手のもの）
Tシャツ×４（内、1枚はロングTシャツ、1枚はポロシャツ）
タンクトップ×２
ボタンシャツ×３
スウェットパーカー
セーターのベスト
もてスリムなジーパン
半ズボン×２
水着
運動靴
サンダル
レインウェア
パナマハット

下着類は基本的に今あるもので充分だけど
旅先で洗濯物が乾かないといけないので2枚だけ速乾性パンツを購入することにした
ユニクロで2枚で1500円で購入
旅先でいつ何時、異国の女性とランデブーな展開に遭遇するとも知れないので
やはり、ある程度は魅せる勝負下着にしたいもの。
そこで一着はパンチの効いたピンク色にすることにした
これで用意万端だ。さぁ、こい！女！俺はいつでも準備ができてるぞ！

気になる機能なのだが、速乾性やドライ感、清涼感など今一、区別がつかない
なので急遽、防臭性をその第一目的と変更した。さぁ、こい！女！

みどくつ爺さんの脳内世界紀行

パッチはホグロフスの物を購入
薄くて動きやすく通気性、保温性に優れているらしい。

それ以外の衣類は夏のバーゲン時を見計らって購入
タンクトップやTシャツなどの薄手の物はかなり安く買える
白のタンクトップやボーダーのロンTなどシンプルで着まわしの効く物を購入

運動靴はニューバランスの灰色のやつ
サンダルは底の厚い、足首をしっかり固定できるタイプの物にした

さて残りの旅のギアは東急ハンズがメインだ。
僕はこの東急ハンズを訪れる際、必ず心の中で黙祷を捧げるようにしている
それは、ここにしかおいていない便利グッズが格安で売られているからだ。
東急ハンズ様様。敬意を表して万引きの準備・・いやいや買い物の準備をする。

まずは圧縮袋。大小合せて5,6枚購入。これがあれば飛躍的に衣類の量を減らすことができる
虫除けリング。これは初めて見た代物。何でも手につけておくだけで虫を寄せつけないらしい。これは期待大！
NASAシーツ。見た目はただのビニール紙なんだけど、これが羽毛より暖かいという最新テクノロジーシーツらしい

南京錠とワイヤー錠はTSA規格のダイヤルロック式の物を購入
バックセーフというバックパックごと鉄の網で覆う防犯グッズもあるみたいだけど
さすがにこれは重そうなので却下

後はプラグや懐中電灯などチマチマした物を購入

100万しかないんだったら日本出てからバックパックとかも買ったほうが安いよ。

そして買い物と言えば一番のメインがカメラである。

薄いデジカメにしようか渋い一眼レフにしようかは旅人みんなの迷い所
正直、写真の技術なんかコレッぽっちもない僕だが
一眼レフという響きだけでも引き寄せられてしまう。
う〜ん。悩み所だ。
一眼レフは重厚で格好良いんだけど重いし大きすぎるんだよな〜
デジカメは便利だし軽いし小さいけど、俺ほどの浪漫野郎には今一、物足りないんだよな〜

散々、悩んだ挙句、その両方を兼ね備える魅惑の物を発見した。
1つはオリンパス「PEN」。銀色のボディーに真っ黒の持つとこ。1230万画素のすごいやつだ
もう1つはリコー「GR DIGITAL III」。全身無骨なまでの真っ黒ボディー。まさしく男の哀愁が感じられる一品だ
大きさは両者共、写るんですくらいで軽さも似たような感じ

う〜ん。これまた悩む。
シルバーボディーのPENがルパンだとしたら
哀愁漂う真っ黒ボディーのGR DIGITAL IIIは次元大介。

ということは薄いデジカメは不二子ちゃんで、昔ながらのフィルムカメラは銭形の父ちゃんかも知れない。
唯一、見当たらない五右衛門を探そうかとも思ったが時間の無駄なので止めておいた

そして思い切って、「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な」で決断を下そうとする俺

やっぱ男が旅に持って行くアイテム選びはこうでなくちゃ。
結果はリコーの次元大介。真っ黒ボディーがとても渋いぜ！

なんだ。
オナニースレだったのか。。。

さて、ようやく旅のアイテムが揃ったが、
この時点で費やした予算が20万くらいになっていたのでノートPCは断念
ま、持って行ったとしても、どーせ海外で一人エロい動画を見て楽しむくらいしか使い道も考えていないし
ネットカフェやビデオ試写室くらい海外でもあら〜な、ということで
もっと大切な準備に取り掛かることにした

それは海外のATMから金の引き落としを出来る口座の新設だった。

自演スレとはけしからん！



もっと続けろ>>1

さて、海外での旅費の管理は大まかに分けて5種類ある

１・現金を持って行って全部やりくりする
２・トラベラーズチェックを作る
３・国際キャッスカードを作って都度引き出す
４・クレジットカードで支払う
５・施しを受けたり現地で働いて収入を得る

それぞれに一長一短だが、
盗難に遭わないようにお金を管理できることを考慮すれば全て現金で持ち歩くのはやっぱり危険
なので2,3,4,5の方法がメインで旅を考えるのが大切
トラベラーズチェックは紛失や盗難に遭っても番号さえ覚えておけば再発行ができるので便利だけど
作るときにお金がいるので、やや時代遅れの観もある

そうするとキャッスカードかクレジットカードか施しかになるわけだけど
クレジットカードはスキミングされたり利用額が決まっていたりと、ホイホイ使うのはやっぱり恐い
5はもうどっちでもいい。したい人はすればいい。

じゃ、残るはキャッシュカードになるわけだけど
他の銀行より、手数料が安いだ、換金率が良いだということで一時は駿河銀行神説などが囁かれていた。
なので少しでも金を工面したい人は現在はどの銀行がいいか調べてみてもいいかも知れない

でも僕は金の亡者ではないので、というか金の話や計算になると頭が痛くなってくるので
シティーカードと三井住友の2つにすることにした。

この国際キャッシュカードさえ作っておけば現地でいつでもお金を引き出すことができる

さて国際キャッシュカードを2枚作ったわけだけど
後、万が一の為にクレジットカードも当然作っておいた方がいい

しかし、ここで非常に重要なのが、このクレジットカードには別の目的もあるということ

そう。海外に旅行に行く際に一番気にかけなければならないのが怪我や病気
この怪我や病気になったさいに自費で治療費を払うのはすごい金額になる
なのでみんなバカ高い金額をかけて海外旅行保険に入るわけだけど
一週間やそこらの旅ならいざ知らず、僕のように世界一周を目論む英雄にはそんな保険じゃ生ぬるい
というか掛け金がすごいことになって、旅の予算が行く前から底をついてしまう

なので海外保険に入る代わりにクレジットカードに入るのです。

そうです。クレジットカードには海外旅行中に病気や怪我に見舞われた際の保険がつくんですね
その為にもクレジットカードは旅するときは忘れずになんです。

で、僕が入った会社はJCBなどをはじめ7枚。
なぜそんなに入る必要があるのかって？
実は持てば持つほど治療費の加算がされるからなんです。つまり病気や怪我になっても安心と

しかもそのほとんど無料で作れて、年会費もほとんど無料
カード会社の約款により現地で1度は使用しなければ保険の適用がされないとかはあるけど
そんなもん、ついた初日に免税店でタバコの一つでも買えば済む話
なのでクレジットカードは買い物に使う目的というよりは保険目的で加入するのが旅人の習いであります

でも気をつけておかなければならないのが有効期限は90日
これはどのクレジット会社でも同じなので、その後は危険です

そこで活躍するのがシティーカード
これは現地で公共機関を利用すればその日から60日間保険が効くというもの

つまり最初の90日間を他のクレジットカードで保険を効かせておいて
その後60日間をシティーカードで追加するというもの

計150日間は掛け金ほぼ0円で海外旅行保険が使えるのです！！

僕ってやっぱ賢いな〜と思いつつ
カード破産者のような面持ちで
ニヤニヤ微笑みを浮かべながら複数のカードを眺める僕・・

さ〜て、これで旅の金銭、保険関係が一気に解決したぞ！

お次は旅先で車やバイクを運転するための国際ライセンスの取得だ！！

これは日本での免許を持っていれば3千円程度払えばすぐに済みます。
実際にできるのは一週間〜二週間くらいだけど
それだけで海外で自分で乗り物を運転できるなんて楽ですね

僕の密かな計画の中にカブで台湾一周とベトナム縦断があり
オーストラリア大陸も四輪駆動で突っ走っちゃおうかな〜！？なんて考えています

どうでしょう信者か
国際免許は即日発行だぞ

自演☆乙

今日はマダ？

また
みかさん
むかついてて
珍しく
モッチー

残暑お見舞い申し上げます。
旅夫くん、元気？
僕も毎日楽しく頑張っているよ。
こんど世界一周するんだって？面白そうだね。
気が向いたら旅先から絵葉書ちょうだいね。
　山田より。

さて、旅の準備が一通りついたところで焼き鳥を食べにきた旅夫。
世界に繰り出す旅人は何故かその旅に対する興奮とは裏腹に
出発する前からある種のホームシックにかかるものらしい。

高架下にある古びた店で、油と煤にまみれた赤提灯が電車が通る度にゆらゆらと動いている
周囲の喧騒にありながらその店だけはどこか薄暗く、余計な雑音も入ってこない
（ふふ・・店が出す重厚感とでもいうやつかな・・音すらもこの店の出す雰囲気に遠慮してら・・）

後で聞いたところ防音壁が2重になっていたらしい

そして店の名前は「焼き鳥トリちゃん」

「へい、らっしゃい！　何にしやす？」
「そうだな。じゃ、まず皮をいただこうか」

焼き鳥で一番美味しいのはこの皮だ。決して御馳走とは言えないが
皮のコリコリした食感と、炎でとけ出した油の香りが塩の味と実によく合う。
逆に言えば、塩に合うからこそ、この皮が一番美味しいと言えて
それだけ焼き鳥にとって、この塩の味が大切だということだ

旨い焼き鳥屋の親父は、その塩加減を絶対に誤らない。
その手がミリ単位まで正確に測れる測量器のようになっていて
最高の塩を最高の分量で食材にふりかける。その塩のだす辛味、まろみ

「おやじ旨いな。この皮、いや塩・・。さてはこの塩、沖縄屋江島の天然塩だな？」

「違いやす！これは伯方の塩でやんす！」
「・・ふふ、そうだとも思ったよ」

「さてお次は・・」

砂ズリ、ねぎま、ネック、ぼんじり、せせりと続けざまに注文する旅夫
何かを振り払おうとしてるようだ。

そこへ、旅夫のすぐ隣に一人の男が席に座った。

「皮をくれ・・。」「へい！今すぐ！」

自分と同じ注文を始める男がハタと気になり、横目で盗み見る旅夫

！！！
旅夫は一瞬たじろいだ。
そう、その男は背中に巨大なバックパックを背負ったまま焼き鳥に貪りついてるではないか・・

「おやじ旨いな。この皮、いや塩・・。さてはこの塩、沖縄屋江島の天然塩だな？」
「違いやす！これは伯方の塩でやんす！」

！！！
自分と全く同じ知ったかをして全く同じ赤っ恥をかく、この男一体・・！？

その後、何かを振り払おうとするかのように続けざまに男は注文をした。

「ぼんじり」
「アスパラべーこん」
「ぼんじり」
「アスパラべーこん」
「ぼん・・

！！！
（ぼんじりとアスパラべーこんばっか注文してる・・）

その男の貫徹なまでの注文の仕方に旅夫はある想いを連想していた。

（カトマンズ、バラナシ、カトマンズ、バラナシ・・）
（いや！　ソイカ、ナナ、ソイカ、ナナ、たまにラチャダー・・）

旅夫は完全に呪文にかかっていた。そう、その男の放つ旅の呪文に・・

「あ、あの・・そのバックパック・・」

「ん？　あぁ、コレかね？　ミステリーリンチの2デーパックだよ。ホングコングで買って来たんだ」

（に、偽物！？　しかも3デーじゃなくて2デー・・）

「あ、あの・・旅がお好きそうですね・・お名前はなんと言われるんですか・・？」

「ああ、俺？　俺の名は沢木・・

「さ、沢木！？　もしかして耕太郎！？」

「いや、沢木安次郎。」

！！！
（ちゅ、中途半端。　中途半端に似ても似つかない名前だ・・）

その沢木安次郎と名乗る男は語りだした。

「いや〜サバンナから帰って来てねぇ〜」

「さ、サバンナですか？　す、すごい！」

「現地でまーなーのチーターとルーリアに格闘しちゃったよ〜。見てよコレ♪」

そういうとおもむろに左腕を差し出す安次郎。腕には確かに絆創膏が一枚貼られていた。

（け、軽傷・・・）

旅夫は絶句して言葉が出ない。まさに旅の達人、安次郎のオーラに呑みこまれたようだ。

微妙に面白いな

日本を誤った道に踏み込ませないために
あなたの力が、必要です
Googleの急上昇ワードに「売国民主党」をランクインさせましょう

やり方は簡単
グーグルで売国民主党と検索するだけです
協力お願いします

作戦本部
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1250609104/
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「こんばんはー。親父さん、頼んでおいたやつ出来てる？
うん、持ち帰り用、二人前ね。…ありがとう、あぁいい匂いだー
おっ、お兄さん、でかいリュックしょっちゃって。山登りかい？へへっ
んじゃ親父さん、どうもー。また来るよ」

旅夫、気が向いたらまた続きヨロシク

次第に安次郎の魅力に傾倒して行く旅夫
こんな質問をしてみた。

「安次郎さんが今まで行った国や場所でどこが一番良かったですか？」

「・・・以前働いてた会社の慰安旅行で行ったバリ島かな・・・」

！！！
「い、以外とベタですね！？　しかも慰安旅行って・・チョッとビックリです・・」

旅夫が思わずそう口にした途端、
安次郎の目はクワッと見開き、ものすごい大音量で、こう発した

「渇ーーーー！！！」

！！！

その安次郎の余りの怒気に声も出せないでいる旅夫
安次郎は一呼吸おき、声を落としてこう続けた

「いいか、旅夫・・　のりPはな、リアルでマンモスやっピ−だったんだ
　当時あのセリフを聞いた大人どもは小娘の単なる造語と一蹴したが、あれは造語なんかじゃなかった。
　自分はマンモスやっピーです。という列記とした自己紹介だったんだよ・・　分るな？」

身をもって実践してる人間の放つ言葉は重い。旅夫はその言葉の重さをひしひしと感じていた。

「おまえはバリ島に一度でも自らの足を踏み入れたことはあるのか？　ないのだろう？
　ならば、何故バリ島が神々の島と呼ばれているのか自分の目で確かめてから否定しろ
　自分の足で訪れ、自分の目で見る。そして自分の五感で感じる。それだけが唯一、旅人としての答えだ」

「は、はい。　僕が間違っていました。　自分の目で確めもせずに単なるイメージだけで決め付けていたこと
　それは、のりPの自己紹介を単なる造語と受け流していたマスコミや世間の大人どもと同じでありました！」

「うむ・・・　分ってくれたか、旅夫。　
　おまえはまだ若い、たくさんの失敗もするだろう
　しかしこれだけは覚えておけ。　
　価値を決めるのは他人じゃない。全てお前自身なんだ。と・・」

安次郎のその重い言葉を、旅夫はいつまでも心の中で繰り返していた

・・のりPはリアルでマンモスやっピ−
・・のりPはリアルでマンモスやっピ−
・・のりPはリアルでマンモスやっピ−

さてその後、しばし安次郎と旅談義に盛り上がった旅夫は
自分の倍以上も飲み食いした安次郎と割り勘にさせられ店を後にした。

夜道を一人でとぼとぼ歩く旅夫
空にはスモックに覆われた中途半端な星空が無限の宇宙を讃えていた。

「へへ・・満点の星空だ・・まるで俺の前途を照らし祝福しているみたいだな」

キラッ☆　　星が一瞬またたく

「おっ！　オリオン座が返事しやがった♪　陸も海も思いのままに旅することが出来たというオリオンの星座か・・」

もちろん、冬の星座であるオリオン座が真夏の空に見えるわけもなく
旅夫特有の妄想癖の果ての虚言だったわけだが
安次郎との出会いは、そんな真夏のオリオンを思わせる感動を旅夫の胸中に残したのだった。。

「チクワよチクワ♪　どうしてお穴が空いてるの〜♪　向うを覗いてみるためよ〜♪」

一夜明けて翌日
軽快なリズムで忍者ハットリ君の獅子丸のテーマソングを口ずさむ旅夫がいた
ご機嫌が良いようだ。

今日は待ちに待った国際ライセンスが発行される日
それを警察に取りに来た旅夫だった。

旅夫は車を運転中、パトカーとすれ違う度に
悪いこともしてないのに反射的に目を伏せてしまう癖がある
まるで自分が逃走中の犯罪者かのように恐怖を感じる旅夫
彼の心理的圧迫感、劣等感は神秘だ・・

そんな警察という国家権力の力の前に蟻よりも無力で弱い存在の旅夫だが
今日だけは自分の待ちに待った国際ライセンスをもらうという理由からかテンションが跳ね上がっていた

「あの・・国際運転免許書を貰いにきたんですけど・・」

受付で要件を伝える旅夫。指名手配中の犯人の似顔絵が自分と似てないか少し気になる様子だ

「はい。国際運転免許書の発行ですね。少しお待ち下さ・・あっ！」

「！！」

「た、旅夫君！？　旅夫君じゃない？　わたしよ。ほら中学の時、同級生だったミヨ子よ」

「み、ミヨちゃん！？」

ミヨちゃんとは中学時代が一緒で
その華奢で色白な容姿とは似つかない活発な女の子だった。
そしてバレー部のキャプテンとして他の部員たちを統括するその姿に
旅夫は密かに思いを寄せていた時期もあった。

校内で一番似合っていたその三つ編みヘアーに真っ赤なブルマの体操服すがた・・
夜な夜な、いつもそれを素っ裸にして
2人でバレーボールの猛特訓に励むという妄想にも使っていたな・・

旅夫の淡い青春時代の思い出が蘇える

旅夫〜〜？

「旅夫君・・国際ライセンスなんか取得して銀行強盗でもするの？」

「し、しないよっ　ミヨちゃんっ。何で国際ライセンスと銀行強盗が繋がるのさっっ！？
　よしんば、したとしても、普通は国内からだよっ！」

「そうよね・・おかしいと思った。普通は国内よね・・じゃ、何で国際ライセンスなんか取るの？」

「う、運転目的しかないだろっ！　他に何の目的があるんだよっ！？」

「さぁ・・？　消費者金融で提示する身分証明書のつもりか、海外の銀行襲う目的しか思いつかなかったわ・・」

「どんな偏見持ってライセンス発行の受付窓口してんだよっ！？」

「・・だって、こんなライセンス取りに来る人って変な人か、支那、毛唐の類しかいないんですもの・・」

・・絶句。

かわいい顔してミヨちゃん、恐ろしいほど選民思想に染まった女である。
ていうか、ここまでサラッと無垢な調子で言ってのけられると返す言葉がない。

「み、ミヨちゃんさ〜　もうﾁｮｯﾄさ、良いイメージ持ってよ〜
　国際ライセンスだよ！？　海外で車、運転する為の免許書なのに普通は格好良いと思うだろ！？」

「・・こんな物が？」

「こんな物だよっ！　こんな物が欲しくて俺は朝から機嫌が良かったんだよっ！」

「・・そうなの？・・傷つけてしまったみたいでゴメンなさい・・私、悪気があって言ったんじゃないの・・」

「い、いや、いいよっ。ミヨちゃんっ。俺も別に気にしてないからっっ。」

「・・そう？　　それにしてもワザワザ車なんか運転するために、海外に行くなんて旅夫君も変わってるわね？」

「じゃなくて、海外に旅に行くのが目的なのさ！　免許はその途中で車なんか運転する機会もあるかと思ってさ！」

「ふ〜ん。。旅夫君が海外に旅行。。ついでに車の運転ね〜。。仮にその話が本当だとして、目的は他にあるんでしょう？」

「ねーよ！　ただ旅して運転するだけだよ！」

どうやら、ミヨちゃん、完全に旅夫をクロと決め付けているようだ。明らかに口調が尋問になっている。
ここらで大きなホシでも捕まえて、いっちょ昇進してやっか〜♪
そんなミヨちゃんの出世への野心が滲み出た顔つきに旅夫は気後れを感じた。

さて、辛くもミヨちゃんの尋問を振り切って国際ライセンスを受け取った旅夫だったが
そこは刑事と容疑者、もとい同級生のよしみ
最後はミヨちゃんも旅に有益なアドバイスをしてくれた。

「長旅になるんなら海外転出届けを役所に出しといた方がいいわよ。
　住民税や健康保険料を払う必要がなくなるから」

そうなのである旅が1年を越える人なら海外転出届けを出しておいた方が無駄な税金を払わずに済むのである

ミヨちゃんからのそんなお役所的なアドバイスも
旅夫にとっては心からのエールに感じられた。

今の今まで、言われもない嫌疑をかけられていたというのに・・

旅夫がんばれ


とりあえず旅立つまでは続けて欲しい

イタリア旅行考えてる方メールして下さい！

100万で一年も旅行できるの？
『５』をやればいいのか。

旅夫がんばれ

さて、警察の帰りに本屋に立ち寄った旅夫
今回の旅で持って行く目ぼしい本を探しに来たようだ。

そうである。こう見えて旅夫は意外と読書家なのである。
と言っても1日に読み進めるページ数は多くて5ページという脅威の速読術を身につけているが・・
というのも、一つの「。〜。」へ、読むのにかなりの確率で2回読み直す
彼なりに書かれてある内容がちゃんと頭に入るように読んでるつもりなのだが
結果的に1冊の本を読み終える頃には、もう既にその本を2回も熟読したことになる。
それでいて、頭に入った情報量は１冊の半分にも満たないというから、これまた脅威の記憶力である。

だから、殺人推理小説など読もうものなら
例えば、ある犯人が冷凍マグロを鈍器として使用し、その後に解凍し凶器隠滅を図った事件だったとして
犯人は冷やしておいたカチコチのマグロで被害者の頭を強打する。そしてそれを素早く解凍
・・の次に、
もう一度、そのマグロを急速冷凍してカチコチにし、それをさらに可哀相な被害者にもう1度強打する。
そして、また急いで解凍・・
こんな、そのあとに食べる人にはとっても嬉しくない鮮度のボロボロのマグロが出来あがってしまうのである。

さて旅夫は悩んでいた。
今回の長旅に持って行く文庫をどうするか？という彼にとってはとても重要な議題についてである

実は旅夫、文庫本については自分のMｙBestが10冊ほどあって、それを旅に持って行こうか
もしくは、ここで日本の連続時代物などを持って行こうか判断しかねていたのである。

前者は旅夫生涯の宝物としてとても特別な意味がある。だから旅先で捨てられないのである。
普通は読み終えたら他の人と交換したり宿に置いてきたりして荷物を少しでも軽くする努力をするものだが
自分の宝物だけは容易には捨てられない。しかし10冊ともなると重いし荷物になる。
後者なら容易に捨てられるし、また旅夫の天邪鬼な性格にも適っている。

天邪鬼な性格というのは、旅先では人間は2種類のタイプに分別できて
自分のいる環境に合った行動や本を好むタイプと、自分のいる環境とは全く違う物に魅かれるタイプのことで

環境に即した本を好む人は現実的で目の前の問題やチャンスに対して全力で努力する、とても建設的なタイプ
全く違う物に魅かれるタイプは、例えば日本にいる時は海外物の本に興味を覚え、いざ海外に来ると日本を懐かしめる本に傾倒するという
まさに、ないものねだりの天邪鬼タイプである。
当然、万事につき腰が据わっておらず、いつもふらふらした印象がある。そして旅夫はまさにそのタイプ。

「う〜ん・・どうしようかな〜？　海外行くと日本を舞台にした本が無償に読みたくなるんだよな〜
　竜馬が逝くなんて、丁度手ごろだな〜。全八巻もあるし読めば捨てれるし落語全集も気軽に読むには最適なんだよな〜」

「でも俺のマイベストを旅先の宿で、沈む夕日を見つめながらアンニュイな表情して読み耽るのも憧れだしな〜」


「アンニュイな表情で本を読む俺の背後から女の声がかかる・・」
「あら若旦那・・難しい顔して本なんかお読みになって、最近、あちきの店に全く来てくれやしないじゃないですか？」
「おお、誰かと思ったら吉原（なか）の花魁さんかい・・いやね、会いたい会いたいと思う気持ちはあるのだけど
　丁度、風呂上りにこの吉原にやってくると初秋の風が俺を誘い、気がつけばこの先のお寺の境内で一人、本を読んでいるという調子なのさ」
「まぁ、そんなキザなこと言って、どーせ、そのお寺さんには可愛い女のお地蔵さんでもいるんでしょう？もう、あちきの方から愛想をつかしちゃうよ」
「こりゃ驚いた。女心と秋の空とはよく言ったもんだ・・すぐに様変わりしちまって捉え様もない・・

あらら・・・旅夫。一人で妄想落語の世界に入り込んでしまってるようである。
なんだコイツは・・・

そうやって妄想落語一人楽宴会に浸ってるうちに、悩むのに飽きてしまった旅夫
もう面倒臭いからどーでもいいや。マイベスト本を持っていこうということになった。

さすが旅夫。目の前の問題に何ら対処しないで、すぐに関係のない妄想に奔り答えを決めてしまう
こうやって旅夫の人生は進んで来たのだ。今までも、これからも・・・

その代わりに雑誌を持って行こうと決め、立ち読みを始める旅夫
あらら・・・少年ジャンプなんか読んでる。おまえ何歳だよ？

そんな中、ある一冊の雑誌が旅夫の目にとまった
「月刊ムー」

ひぃぃ・・怖ろしい。
UFOや超能力、心霊や陰謀説など多種多様なオカルディー情報を発信する驚愕の雑誌である。
解説してる人物の顔写真なんかも掲載されているのだが
こんな真っ先に派遣きりにあったような風体のオッサンが
一体どこからこんな地球的規模の情報を仕入れてきたのか！？
それこそ一番の謎である。

地球は実は空洞だった！！UFOはそこから飛来して来る！！そして運転してるのは実は幽霊だった！！

（うわ・・情報が欲張りすぎ・・１つでも驚きなのに３つも詰め合わせんなってｗ）

超能力をあやつる脅威の雌チンパンジー、アヤちゃんの実態に迫る！！

（アヤちゃん・・進化の順番間違えてるよ。まずは人間並みの知能から目指そうよ）

実はヒラリークリントンは爬虫類型エイリアンだった！！

（この情報はガチだな。これは本当だ。）

目を疑いたくなるような驚きの見出しが続く・・

旅夫支援保守

俺も保守

旅夫〜

驚愕の雑誌、ムーの極秘情報の数々に心を奪われた旅夫だったが
その号の一番の目玉特集である

実は織田祐二はネアンデルタール人最後の生き残りだった！！！

という記事を最後に本屋を後にした。


「あ〜読んだ読んだ。裕二はガチでネアンデルタール人だよな〜。よくも今まで真実を隠し続けたもんだよ〜」

膨大な量の知識を一気に頭に叩き込んだせいで、ちょっぴりお疲れ気味の旅夫
近くのスターバックスコーヒーにやって来た。

注文するのは咽が渇いた時はホワイトチョコレートモカ
それ以外はエスプレッソダブルのどちらかと決まっている。
いや、むしろ彼は挽いた豆だけを買って家で自分で作ることの方が多い。

それだけ旅夫にとってコーヒーとは、こだわりのある嗜好品なのだ。
これだけは他人には譲れない、彼のアイディンテティーの一部なのだ。

（チョコレートモカとエスプレッソどちらにしようかな〜？）

「え〜・・と・・エスプ・・」

「エチオピアシモダですね！？」

「えっ？　ち、ちが・・」

「本日のお薦めコーヒーのエチオピアシモダでよろしいですねぇ！？」

「え、あ、はい・・」

「ホット、エチオピアシモダ〜　ワン！」（店員）
「ホット、エチオピアシモダ〜　ワン！！」（他の店員全員で）

「・・・」（旅夫）

旅夫のこだわりが、豆と一緒に砕けていった・・・

コーヒーを受けとった旅夫だったが店内は禁煙なので
というか、恋人たちが甘い吐息で愛を語り合う店内なんかで飲み気もせず
一人、うちひしがれて近くの公園のベンチに腰を下ろした。

敗北感というエスプリの効いたそのコーヒーの味は
今まで飲んだどのコーヒーよりも深く、苦い、せつなさを醸し出していた

・・に、しても

旅夫ほど、独りで公園のベンチにたたずむシチュエーションが似合う男は他にいるだろうか？

空には雲がそよそよと浮かび、足元には鳩たちが集まりだしていた。
ぽかぽかした陽気が顔にあたり、たまに吹くささやかな風が
ゆっくりと、ゆったりと、旅夫の苦いコーヒーを冷ましていった

2ヶ月近く出発してねーじゃねーかｗ
せめて予防接種のご利益が無くなる前には旅に出れｗｗｗ

旅夫久しぶり〜

転出届だして、行き先決めて、チケット取って…
先は長そうだな

さて、沈むテンションを自ら奮い立たせようと
極上ビールを買って帰ろうと決めた旅夫

旅夫モンドセレクションにノミネートされているビールは
そんじょそこらのコンビニやスーパーには置いておらず
酒にこだわりのある、本物の舌を持った最高級店しか扱っていない
ということで、ライフにやって来た、旅夫。

銀河高原ビール、ヨナヨナエール、御殿場高原ビール、ギネスビール
目を輝かせてビールを買い漁る旅夫。どれも味も香りも極上品だ。

そんな中、このスーパーでは見慣れない、いや
かつて飲み慣れたことのあるビールが目に飛び込んで来た・・
「シンハービール」である

「おお！　これはタイのシンハービールじゃないかｗ」
このシンハービール、独特の風味をしていてとても癖になる味をしている。

しかし旅人にとって、その味いぜんに
自分がかつて訪れた国で触れたことのある文化と突然、日本で再会することに
まるで故郷の古い友人と出くわしたような、そんな感動を覚えることがある

このような感覚がある人は旅中毒であり、生来の旅人気質であると旅夫は思う。

つい嬉しくてテンションが上がってきた旅夫
帰りに王将の餃子を4人前買って帰路についた。

※余談だが、この王将の餃子は誰に聞いても4人前が限界である。


餃子のタレにラー油にコチジャンや豆板醤など激辛調味料をふんだんに入れ
そこに湯気の立った熱々の餃子をつけてパクッと一口。

「あふあふっ　辛いし、熱いけど美味しいよ〜」

もちろん片手にはお気に入りのビールがある。しかも今日は特別にシンハービール
旅夫まさに至福の時である。。。

ネットに入れておいた、お気に入りのムービーを見る。
「鷹の爪団」「シンプソンズ」
どれもブラックユーモアがピリリと効いた極上アニメである。

しかしそんな中、いま一番、旅夫の興味を惹いているのは

このリアルワールドというネット動画である。
http://www.fooooo.com/watch.php?id=68dd21d214de719dd513b99d35941bef

旅人のヒカルという男が自転車で世界一周を目指す動画であるが
まさに旅夫と同じ志を持った浪漫野郎である

ていうか、ヒカルはどう見てもDQNにしか見えない
むしろ、こんな奴、死ねばいいのに・・・

旅夫は動画に夢中になりながらも、
自分の夢を先取りされたようで妙な嫉妬心を覚えていた

翌日、瀕死の状態でフトンから起き上がれない旅夫がいた

ビールと餃子のフルコースの次の日は
必ずといって、極度の二日酔いで頭ガンガンになっている

体中の毛穴から餃子の毒が発酵されているかのように、周囲はニンニク臭く
意識朦朧として小刻みで痙攣は起してはいるが
体の芯には重い鉛を入れられたように身動きがとれない・・・

「　し、しぬ・・　」

旅夫、悶絶の一時である。

「みゃー　みゃー」

そんな主人を心配してか、ニンニクの匂いに惹きつけられてかペットの猫がやって来た。

「ぺろぺろ・・」　猫が旅夫の足をナメる。。

「や、やめろよっｗ　くすぐったい・・」猫を足で払いのけようとする

「ガブッ！！！」　「い、痛い！！」

そうである。この愛猫、気に喰わないことがあると旅夫に噛み付くのである。
拾ってきた赤ちゃんの頃から、鉄の英才教育を施され

「お前は虎の赤ちゃんだ！　大きくなったら獰猛な虎になるのだ！！」

そう言って旅夫に育てられたせいで、本人は自分を虎と信じ込んでいるのだ。

「ぺろぺろ・・」「ガブッ！！」「いた〜い！！」
「ぺろぺろ・・」「ガブッ！！」「いた〜い！！」

二日酔いの瀕死の状態で、ペットの猫から虐待を受ける旅夫

「もう、わかったよ！！」

痛い頭をおさえて起き上がる旅夫
それだけで立ち眩みを起しそうだ

気分が悪いのでお茶をいれる。
きゅうすにお茶の葉を入れ、熱湯を少し注ぎ30秒ほど茶の葉を蒸らす

日本茶の場合、お湯の温度を50℃〜80℃の間に決めている
テアニンは50度程度で、カテキンは80度以上で溶け出しやすい性質があるため
ぬるいお湯だとお茶の甘さが引き立ち、熱いお湯だと渋さが出るのだ

「あ〜　頭痛い・・　失敗したな・・こんな時は熱い渋めのお茶の方が良かったよ」

少し元気が出てきた旅夫
まだジャレついてくる猫に反撃とばかりに

猫をゴロンと仰向けにし、両手で脇と足の付け根部分を押さえ込む
無防備に露になった猫の柔らかいお腹
そこに耳をつけて頬ずりする

「んん〜？　柔らかいでちゅね〜？　気持ちいでちゅね〜♪」

「ミャアァァァァァ！！！！　ビャャャャァァァァ！！！」

猫はもの凄い形相で振りほどこうとするが、そこは人間様の力。容易に振りほどけない

「んん〜？　嫌なんでちゅか〜？　放して欲しいンでちゅか〜？　　ダメ〜ｗｗｗ」

柔らかい猫のお腹にホニョホニョしながら旅夫は魔女のような笑い声を上げる
猫は狂わんばかりに脱出を試みるが、今や、旅夫のペットである（もともと）

「んん〜？　ホニョホニョやめて欲しいんでちゅか〜？　　放して欲しいンでちゅか〜？」
「ミャアァァァァァ！！！！　ビャャャャァァァァ！！！」


「ダメ〜ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

さて、ヒステリックな欧米の動物愛護団体の目の届かないところで
このような行為にいそしむ旅夫だったが


ピーン　ポーン　♪


おや、誰か来たようだ

なにこのキモイスレ。

キモいとかは思わんけど、空港に行くのは３スレ目、飛行機は５スレ目位かな。

ミヨちゃんが訪ねてきたのか

>>91
ミヨちゃんか、大家さんが訪ねてきたのか？

ガチャガチャ　　
玄関を開けるとそこに立っていたのは、なんと


ミヨちゃん。。。


ではなく宅急便のおっさんだった。

「ここにサインくださーい」

ネットオークションで購入したバックパックがやっと届いたのである！

「うぉぉぉぉぉぉやっと届いたぞぉぉぉ　　俺のバックパック！！！」

家に上がり、やっと到着したお宝見たさに急いでダンボールから取り出す。

！！！

「んん？　気のせいかなぁ・・なんかぁ・・微妙に汚くねぇ・・かな・？」

確かネットオークション時の商品のPRには
「2,3回使用した程度です。ほぼ新品。状態良好」
と書いていたはずなのに
なんとなく現物がくすんで見える。。

横についてあるポケットに手をつっ込んでみると中からレシートが出てきた。

【サークルKサンクス】

アロンアルファ　500円
バナナ１房　200円
エリエールティッシュ１箱　　200円


「・・・・」

絶句。
旅夫絶句である。

「この野郎〜・・前の持ち主の野郎〜・・　一体、このバックパック何に使用してたんだよぉぉぉ？？？」

なんとなく汚らわしいイメージが付き纏うレシートである。

恐る恐るファスナーを開け、中も確認してみる

！！！！！！

その閉じられていた禁断の扉を開いた途端
中から猛烈な臭気が溢れだし、旅夫の鼻孔を襲う！！！

「ゴワッ！！　　死ぬ！！　　なんじゃ、この臭いわぁぁぁ！？」

えもいわれぬ合成化学料の溶けたような臭いだった。

そうである。
バックパックを扱うほぼ全てのメーカーの商品に共通して言えるのだが
外部からの雨や水分を撥ね返す目的で中にはウレタンコーティングというものが施されていて
だいたい10年、早くて5年くらい経つと、自然劣化して溶け出してくるのである。
それが溶け出すと当然、撥水効果もなくなるし、何よりその臭いが酷いのである。

臭いに、のたうち回る旅夫

「おどりゃぁぁぁぁ！！　　ナメくさりおってぇぇぇ！！　許せんけんのうぅぅぅぅ！！」

「このワシをナメたらどうなるか、目にもの見せちゃるけんのうぅぅぅ！！！」


ダンボールには発想主の住所が書かれてある。旅夫はそれを確認し、家からそう遠くはないことを知った。


「おどりゃぁぁぁ・・見ちょれよぉぉぉ・・」

「ワシをバカにしたらどうなるかぁぁぁ・・今から家まで乗り込んで叩っ斬ってやるけん・・」


怒りに狂った狂犬旅夫の暴走がはじまる・・

わけもなく
そんなこと出来る、わけもなく
旅夫にそんな勇気が、あるはずもなく


一人、背中を丸くし女座りで畳の目をむしる旅夫がいた・・
目からおちた大粒の涙がポトリポトリと畳を濡らしてゆく

負け犬旅夫、お得意の「泣き寝入り」のポーズである

昼過ぎまで寝ていたせいで、もう辺りは夕暮れ時に差しかかり
強い西日が旅夫の哀しい影を映し出す

「おど・・りゃぁ・・ぁ　　ワシをナメたら・・」

うつむき、念仏のように何かをブツブツ呟き続ける旅夫

もういいじゃないか旅夫。いつものことさ。
お前ほど騙されて泣き寝入ることに慣れた人間が他に誰がいる？
さぁ、元気を出せよ。旅夫。
きっとその内、いいこともあるさ
ていうかそもそも、お前、広島人でもないのになんで広島弁なんだよ・・

旅夫の目からこぼれ落ちた涙が畳にたまり
気がつけば、それが
世界地図の形に広がって行った

猫のくだりは何だったんだ。

旅夫さん頑張って！

忘れてしまいたいことや
どうしようもない悲しさに
包まれたときに旅夫は
泪みせるのでしょう

泣いて泣いて　ひとり泣いて
泣いて泣きつかれて　眠るまで泣いて
やがて旅夫は　静かに眠るのでしょう


と、川島英吾の酒と泪と男と女の歌詞を口ずさみながら
失恋した女子中学生のように泣きじゃくる旅夫

バックパックが粗悪品だったことが悔しいのではないのだ
また人生からコケにされた自分が悔しいのだ

「おいどんは・・もう・・ダメですた・・い」

何故か鹿児島弁で呟く旅夫。
泣きすぎたせいで目が真っ赤に腫れあがり視界が霞んできた

「おっつぁん・・　俺はもう燃え尽きたよ・・　真っ白な灰にな・・」

力石にﾌﾙﾎﾞｯｺされてセコンドに帰って来た矢吹ジョーのモノ真似もしてみる

そんな時、旅夫の視界に
なにかピカピカと発光する小さな生き物が目に入った

「！？」

その生き物は小さな羽をパタパタとはためかせ空中に浮遊している

（な、なんじゃこれは・・！？）

「 ふふ・・やっと、私に気付いたのね・・旅夫♪ 」

「き、君は一体・・」

「ふふ、私は妖精。　そう、旅の妖精よ。」

「！！！」「た、旅の妖精・・？」「う、嘘だろ？　幻覚だろ？　そんなもの見えるわけない！！」

「あら、そんなことないわよ。私は今までも、何人もの旅人から目撃されてるわ♪」
「　もっとも・・　」
「今まで私を目撃した旅人たちはカトマンズやバラナシで葉っぱキめキめで最高にラリってる時ばかりだったけど・・」

「！！！」
「お、俺は今、ラリってなんかねーぞっ！！」

「そうね・・どうやら、あなたの脳波は正常時からラリってるのと変らないみたい・・不思議ね」

「！！！」

「いい？　旅夫？　
　私たちは世界中の旅人たちが、道を踏み外し、絶望しそうになったらやってくるの
　こうやって旅人たちを応援し、勇気づける為に、私たちは存在するのよ」

「・・・そ、そうだったのか・・」

「そうよ。旅夫。頑張って！　元気を出して！
　ピーターパンだって何度も挫けそうになったけど最後は素敵な場所を見つけたわ。」

「だから、あなたも頑張って、自分だけのネバーランドを見つけて！！！」

「！！！」
「ね、ネバーランド・・」


旅夫の中で何かが吹っ切れたような気がした。

「う、うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！」

「俺はやる気になって来たぞ！！　たかがバックパック1つで何を俺はクヨクヨしてたんだ！？
　いつまで、こんな小さな島国に残ってるつもりなんだ！？　世界が俺を呼んでるぜ！！
　ポセイドンも、レインボー�Uも俺を呼んでるぜ！！！」

「よかった・・旅夫・・元気が戻って来たのね・・」

「うるせーー！！　どっか行け！　
　第一、俺はいつまで、こんな不気味な生き物と喋ってるんだよ？
　旅の準備が忙しいんだ！　オらッ！　幻覚は　帰った　帰った」

「ﾁｮｯ・・・」


酷い言い様である・・
励ましてもらっておいて旅夫まさに鬼畜

旅の妖精は怒りを抑えきれないような憮然とした表情で消えていった。。。


「あー危なかった　　やべー幻覚まで見えちまったよ。　やっぱ人間、気は確かに持たないとな
　俺までマンモスやっピーになるとこだった。　あ〜くわばらくわばら」

まだ悪態ついて、本当、人でなしの旅夫だったが
その表情は見違えて活き活きとしていた。

さて、悩むことも多いが一旦、心が決まると行動は誰よりも早い


。。のよ、わたし♪　オホホｗ

と、よく自慢げに語る人は多いが
大抵の場合、そんなに早くなかったりする

。。が

旅夫は


まさに、そんなタイプだった

騙されて先ほどまで怨み節を炸裂させていたネットオークションなのに
懲りもせず、再びアクセスし

「JR　青春18切符」の1枚物を買おうとする旅夫

そうである。
今回の旅は、旅夫の地元、大阪から出発しJRの快速を乗り継いで博多駅まで行き
その博多からフェリーで韓国の釜山まで行き、そこがスタート地点になるのである。

「ふふ・・俺の旅に飛行機なんかいらねぇ・・　男の旅は船か陸路と相場は決まってんだよ」

旅夫の壮大な計画が動き出す。

青春18切符は2980円で競り落とすことが出来た。
ライバルたちとの激しい競争の末、
最初に提示されていたスタート価格で競り落とすことが出来たのは奇跡だった。


「まずは第１ミッション・・クリアなりｗ」

アンニュイな表情で、おもむろに煙草に火をつけ
やり遂げた感を満喫する旅夫

男の渋さが滲み出ていた・・・

さて、そのたった1枚の切符を頼りに
JR大阪駅から博多駅まで着かなければならないのだ。
タイムリミットは【24時間】

世界一人旅の、その前哨戦とも言える国内電車旅の行程には
緻密な路線図や乗換え駅、発車時刻などを滞りなく計算しなければならない

それはまるで、パズルの膨大なピースを1枚の完成品に組み立てて行く作業に似ている。
真剣な表情でパズルと向き合う旅夫・・


・・だったが

実際のスケジュールは全てを
それ専用ソフトの『駅スパート』に丸投げして1分で解決した。


「文明の利器に乾杯♪　　ハレルーヤ♪」

大きな仕事（やま）を乗り越えて、また1つ男になった旅夫。。。
アメリカンエクスプレスのCMオファーが来るかも知れない

割り出された大体の所要時間は13時間。

「う〜ん。しかしアレだな・・　
　鉄道オタクの気持ちがチョッと分った気がしたな
　路線図や行程時間とかを調べていると
　確かにチョッと萌えてくるな〜これは結構、面白いナリ」

旅夫の国内移動の完璧なスケジュールが決まった。

「フフッ・・待ってろよ世界・・　　俺はもう目の前だぜ・・」

まだ、さっきまで泣いていた家なのに、気分はもう世界目前である。

涙の世界地図から行き先を思いつくのかと思ってた。
妖精とは意外な展開。

つか、旅夫は大阪だったんだ・・・

旅夫さん仕事はどうしてるの？
そんへんの背景も旅人によるから知りたいです

>>119

フリーターじゃないか？
>>11のような設定らしいから

博多までの計画も決まり、バックパックに荷物をパッキングする旅夫

異臭を放つバックパックの底には、ファブリーズが1本入っていた。
ご丁寧にも「ご自由にお使い下さい」なんて張り紙までされている。
「前の持ち主マジ殺す・・」
と舌打ちしながら黙々とパッキングを行う

今までの旅行の時は、いつも
出る間際になってようやく
ワッセワッセと急いで荷物を詰め込むという本当グータラな行動を続けていたが
今回は違った。
ちゃんと考えて荷物が邪魔にならないように、
少しでも軽くなるように丁寧にパッキングして行った。

普通、バックパックへの荷物のパッキングは
下の方に軽くてかさ張る物（テントや寝袋など）を詰めて、肩の位置に一番重い物を入れると
全体的に軽く楽に持てると言われている。

旅夫もそのように大切に、旅のお供たちを詰め込んで行った。

ものすごい異臭を放つバックパックだったが、これもきっと何かの縁なのだろう

「頼むぜ相棒。一緒に世界を、もぎ取ってやろうや！」

一瞬でも本当に、男の顔になっていく旅夫・・寡黙に作業にうち込む姿が少し格好良い。

そして黙々と作業を続ける旅夫だったが、右手に何かを持った。ファブリーズだ。

あっ！　ふりかけた
あっ！　また、ふりかけた
あっ！　また


どうやら寡黙に作業にうち込んでいたのではなく
単に臭いから息を止めていただけのようだ

そんなに臭くなるんだ、知らんかった

モンベルってダサいんですか！？
高性能で世界に誇りたいって思ってたのに…

↑(笑)おいおい

性能は良いとおもうけど、色が微妙と思いませんか。

シックな色選んでるから思わない…

パッキングも終わり、その翌日
ミドリ電化で、5万円台の小さなネットブックを買ってウキウキの旅夫がいた。

実は旅の出発も当初の予定から2ヶ月以上も割り込み
その間にスーパーのパートタイマーで稼いだ資金が少し増えたのだ。
そのお金で迷わずネットブック購入を決めたのだが
目的はただ1つしかない。

「い、急いで、我が魅惑のコレクションの数々を、このPCに移植せねばっっ！」

表情険しく、鼻息荒く、股間を誰よりも熱く

小走りで家まで疾走する旅夫の姿がった。

その途中
関西国際空港行きのシャトルバスが停留する広場の前を通ったのだが
沢山の若者たちが集まり、誰かに声援を送っていた。

「お〜い！　がんばれよ〜！　エアメール送ってくれよな〜」
「がんばってね〜　ヨシオさ〜ん！　必ず会いに行くから！」

見れば一人の青年が、バスの窓からしきりに手を振っている
その青年に、必死に応援や励ましの声を送る人たち。中には涙ぐむ女の子もいる。

（あ・・あれは多分、あの青年が今からバスで関空まで行って、
　そこからどこか遠くの外国にでも行く、その見送りの人たちなんだな。。。）

その青年の顔は、どこか誇らしく、しかし寂しそうで、だが自分を送ってくれる仲間たちへの感謝の気持ちで満ち溢れていた。

・・・・

旅夫は手に持った小さなネットブックを見つめ、少し悲しい気持ちになった。

いまどき数万だからバックアップしてれば
盗難故障アリでも持ってるパッカー多いよね。
男で似たような大きさのDVDプレーヤー(!)持ってる人いてたまげたけど、
やっぱり旅夫と同じ目的でわざわざ…？

彼はきっと、外国で嫌なことがあっても、辛い思いをしても
自分を見送ってくれる温かい友達と、今日の日の喜びを胸に頑張って行くんだろうな。。。

それに引き換え、この俺と来たら。。。
こんなエロ動画保存用のネットブック1つで喜び勇んで
俺が出立する日は誰も見送ってなんかくれやしない
独りで旅立ち、そして独りで死んで行くんだ。。。

旅夫の胸に不意にさしこんだ孤独という化け物

一人旅を愛する旅人は沢山いる。
しかしそれは孤独ではないのだ
自分の心の中に常に愛する人たちの顔がある、声がある、心がある
だからこそ旅人たちは、たった独りでも世界を旅して行くことができるのだ。

しかし、旅夫にはそんな見送ってくれるような人はいない
旅夫の中にさしこんだ孤独という感情だった。。。

元気をなくしうつむき、トボトボと歩く旅夫
手には先ほど購入した新品のネットブックが申し訳なさそうに小さくあるばかりだ。


そんな時、不意に声がかかった。

「旅ちゃん？　アレ？　旅ちゃんじゃねー？　何してんのこんなところで？」

見上げれば、そこには
歯がガクガクで、「高橋名人の冒険島」というロゴの入った真っ赤なTシャツを着
超色白の、虚弱体質のさらに上を行く痩せこけた体の男が
ニタニタと汚い笑みを浮かべていた。

「ば、バカ照！　バカ照じゃねーかっ！」

「ははっ　旅ちゃん　久しぶり〜！」

保育所の頃からずっと一緒だったバカ照だった。

「おまえ、こんな所で何してんだよっ？」

「いや〜マジコン買いに来てよっｗ　今もうどこも売ってないから日本橋まで来ちゃったよ」

「おまえ、マジコンってもう違法なんじゃねーのかよ？」

「そりゃ任天堂の言い分だよｗ　俺ら購買者からしたら合法合法♪」

「購買者って・・違法にソフトをダウンロードして使う目的にあんのに、どこが購買者なんだよｗ」

「ははっｗ　固いこと言ってんなよｗ　旅ちゃ〜ん♪」

このバカ照、相当のバカで
座右の銘は「座右の銘って何ですか？」である。

小学校の時、各々の座右の銘を考えるという宿題を与えられ
このバカ照だけ最後まで、その座右の銘の意味が理解できなくて
最後は投げ槍になった教師から、
じゃ、お前の座右の銘は「座右の銘って何ですか？」だ！
と決められたのである。

久しぶりのバカ照との再会に旅夫は嬉しかった。
こんなバカでも旅夫にとっては心を許せる友達なのである。

2人は子供の頃、よく遊びに来ていた地元の海岸にまでやって来た。

子供の頃はとても大きく感じられたその海岸も、今はどこか小さく年を取った気がした。

チョッと離れたところに一組のカップルがいる。
2人はヒソヒソとコチラを向いて内緒話をしているようだ。

「なに？あいつら〜　せっかく2人っきりでいれたのに、急に来て、しかも男同士とかキモすぎ！」
「だよなｗ　ていうか、あいつら2人で自殺でもするんじゃねｗｗｗｗ」

風にのって2人の会話が聞こえてくる・・・

「あの野郎・・　　うるセー！！　ブサイクカップル！！」

頭にきて旅夫も叫び返すが
「ザッパアーーーーーーーンッ！！！」打ち寄せた波の音に声が掻き消されてしまう。。。

やはり愛し合うカップルという人たちは奇跡に守られているようだ。
それに比べて汚い男2人組は守られていない・・・

悔しいが仕方ないのでバカ照に旅の話をする旅夫

「マジかよ！？　旅ちゃん世界旅行に行くのかよ？　すっげーな！」

「ああ。でもそんな豪華な旅じゃないぜ。食費も宿代も切り詰めたゴク貧旅行になりそうだよｗ」

「そうか・・ならさ、もし飯に困ったらいつでも俺に言って来いよ！　
　鳥取のばあちゃんが畑耕してるからさ、夏野菜をいっぱい送ってやるよ」

「ありがとう。バカ照。でもどーせなら夏野菜だけじゃなく、一年中送ってくれよｗ」

「ダメダメ！　うちの援助物資は夏野菜限定って決まってんだよ。　それが掟だろ？」

・・なんかよく分らない会話が続く
しかしバカ照との会話はいつもこんな調子なのだ
だから誰もバカ照とは話したがらないのだ

「お前だけは変らないな。。　昔のまま優しい奴だよ。」

「なに、言ってんだよ旅ちゃん・・　俺が子供の頃みんなに虐められてても旅ちゃんだけは庇ってくれたじゃねーか
　俺はあの時の感謝の気持ちを忘れないぜ！」　「バカ照・・」

保育園から一緒だったという誼で、確かに一時期、バカ照をイジメっ子から庇ってやってたこともある。
そんな昔のことをコイツは覚えてたんだ・・旅夫はちょっと懐かしい気持になった。

「そうか・・憶えてたんだ・・　ならバカ照に内緒にしてた話があるんだけ打ち明けてもいいかな？」
「？　何でも言ってくれよ！」

「実は、お前が大事にしてた64ソフトの星のカービィー・・あれパクッたのは俺なんだ」

「・・・・」

「違うんだよｗ　本当にやりたくてさっｗ　それで思わず魔が差して、やりまくって3日でクリアして中古やに売り飛ばしちまったよ♪」

『ｵﾏ・・　死ねよっ！　オマエッ！！』

「あのソフト探して、一日中、家の周りのドブ板漁ったんだぞ！！　しねよっ！」


「悪かったってｗ　そんなところ探しても見つからないのに・・って内心思いながらも黙ってたことを許してくれよｗ」

「本当ムカつくな〜旅ちゃん・・でも俺も1つ旅ちゃんに隠してることがあるんだ・・」
「？　な、なんだよ・・？」

「旅ちゃんの昔の彼女で林光子いただろ？」
「ああ、あのパンコ光子か？　俺の友達も先輩も全員と浮気したっていう最悪の女だよ」

林光子は、なずけ親のお爺ちゃんが大の森光子ファンであったことから、光子と命名されたのだが
苗字が林なので、劣化版、森光子みたいだと酷く本人は気にしていた。
因みに旅夫の男の人脈全てと肉体関係を持ったという最悪のやりマンである。


「みんな裏切ったよ・・でも、お前だけは裏切らずに、あいつと寝なかったじゃねーか
　俺は心から感謝してんだぜ！　えへへ」

「うん・・それがな・・実は」
「実はなんだよ？」

「俺もさ、旅ちゃんなんかと付き合う女なんて、ストライクゾーン広すぎて男なら誰でもいいんじゃねーか？と思ってよ
　それで、俺でも誘ったら行けんじゃねーかな？と思ってアタックしたことあんだよｗ
　でも、さすがに俺みたいなキモチ悪い奴は嫌だ！とか言われてよ、フラレたんだよｗ　最悪だよな？　あの女・・」


『ｵﾏ・・・　　死ねよっ！　　オマエッ！！』

2人は取っ組み合ってしばらくジャレ合っていたがその内、無性に可笑しくなってきた。

「いーよ。星のカービィーは俺からの旅の餞別だ。取っておけよ♪」
「ああ、ありがとう。でもとっくの昔に売り払っちまったって言っただろ？　500円だったぞｗ」

ククク・・ｗ　笑い転げる2人。
そんな2人の様子を遠くから忌々しそうに軽蔑の目で見つめる、さきほどのカップル


「そうだ！　・・バカ照ｗ　ﾁｮｯﾄ来いよ。　ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ・・・」
「マジかよ！？　そんなことやんのかよ？　　ｹﾗｹﾗｹﾗｗｗｗｗ」

何かを相談する2人

静かな波が打ちよせる小さな海岸で、突然、大声を出して叫ぶバカ照

「旅ちゃんのチン〇は短〜小！！」

旅夫も顔を真っ赤にさせて大声で叫び返す

「バカ照のチン〇は包〜茎！！」

「旅ちゃんのチン〇は早〜漏！！」

「バカ照のチン〇は真〜珠！！」


ｹﾗｹﾗｹﾗｹﾗｹﾗｹﾗｗｗｗｗｗｗｗ

大声を出し腹を抱えて爆笑する2人。

それを見ていたカップルの2人は顔を真っ赤にしている

「なんだよ・・あのキモいの2人組・・」

せっかくの自分たちのロマンチックな時間が、
こんなキモイ2人組に台無しにさせられて怒り心頭のようだ
カップルの2人は愛の力を合わせ大声でこう叫ぶ！！


『ｵﾏ・・・　　死ねよっ！　　オマエらッ！！』


『ザッパアーーーーーーーンッ！！！』

打ち寄せた大きな大きな波が、彼女たちの声をかき消した
今度は、旅夫たちに奇跡が微笑んだようである。。。

面白いす…
ショック☆彡

旅夫帰ってきて!

旅夫のネコの処遇が気になる…

旅男がんばれよ

映 画 化 決 定

その海岸は全く有名ではない
地元の人たちにしか知れていない本当に小さな海岸だ

取り立てて取り柄もない
水がキレイなわけでもなく、魚がたくさん採れるわけでもなく
波も風も、潮の匂いも全て普通の小さな海岸だ

しかしそんな海岸がこの地球上にあるのは
きっと天使たちがそんな海岸が好きだからだ

小さな天使たちが小さな休息をとるのにもってこいの小さな海岸
その為に、こんな名もなき小さな海岸が地球上に無数と存在するのだ

その海岸を、顔を真っ赤にさせ走り去って行くカップルの男女2人

「死ねよ！　こんな汚ねー浜なんかお前らにくれてんやんよｗ　
　どーぞキモオタたちの自殺の名所でも何でも好きなように有名にしてろよ！」

男の方が大声で悪態をつく。


「ホモ野郎共が！！　お前らなんか一生彼女なんか出来るか！　キモいんだよ！　死ね　腐れ童貞野郎！」

もの凄い形相で彼女の方も雄たけびを上げる。

旅夫たちも、ここぞとばかりに三大テノール並みの声量で言い返す

「うわははｗ　逃げてやんのｗ　お前らみたいなバカとブサイクのカップルなんてな、
　どーせ来年の今頃には泥々の破局を迎えてこの世で一番憎しみあう関係になってんだよｗ」


「女の方は新しいバイト先で可愛いイケメンと出会って、初めての飲み会で舞い上がって
　酔った勢いでイケイケで押したはいいが、その彼はイマイチ乗り気ではなく
　その彼の同い年のバイトの女の子に一蹴されて、年増女として引っ込みがつかず
　そのまま、新しく気になる人ができたから。。。とかキレイ事言って泥沼に嵌って行くんだよｗｗ」

「男の方は、先輩が東京に転勤決ったから断れなかったんだよ！仕方ねーだろ！男の付き合いなんだから
　とか言って、ヘルスやキャバに好みの女の子見つけて通いつめたあげく貯金はたいて性病になるんだよｗｗｗ」


天使たちが休息する、そんな小さな海岸で
地球でもっとも醜い言い争いが、今、行われていた。。

「ここは俺たちのホームグラウンドだ！　お前らみたいなバカップルが程度の低いロマンスに利用しようなんて100年早いわ・・」


喚き疲れ、はぁはぁ・・と肩で息しながら
ガッツりと勝利の握手をかわす男たち


いや、旅夫
全然爽やかじゃないぞ。。。

旅夫帰ってきたｗ
なんかもう名前しか旅行板っぽくないけど頑張っておくれ

支援

座礁した石油タンカーが周辺の海をオイル塗れにしながらも
タンカーだけは何故かスッキリし、ボランティアに助けられたりもして
船長なんか、もう

「仕方ね〜じゃん♪　座礁♪　座礁♪」

みたいに開き直って爽快にハマキなんかくわえてるのと同じように

己の毒を吐き出し切った旅夫とバカ照はとても気分晴れ晴れな気持ちに浸っていた。

青雲、それは君が見た光
僕が見た希望
青雲、それはふれあいの心
幸せの青い雲
青雲


毎日香のCMソングでも合唱しそうなほど、心澄みやかな二人

愛する世間のカップルたちに、
たった一太刀でも浴びせられた自分たちがとても誇らしいようだ

「やったな、旅ちゃん・・」
「おう。やったよ俺たち・・」

「俺たちにとっちゃ、愛するカップルたちの軽蔑の眼差しなんてLV40の中ボスくらいの強さだからな・・」
「おう。　破邪の剣を取っても勝てるかどうかくらいの難敵だよな・・」


「そんな奴らに勝ったんだから旅ちゃん・・世界制覇の旅、もう一人でも何も心配ないよな？」

「・・・ありがとう、バカ照・・。　　後は、俺一人でも頑張って竜王を倒してやるよ。。。」


「がんばれよ。　　俺だけは旅ちゃんを応援してやるからな。」


「・・・おう。　　お前もがんばって、高橋名人2世と呼ばれるゲーマーになるという小さい頃からの夢を叶えろよ」

「へへ・・あたぼうよｗ」


人生の戦闘力、LV2,3しかない二人は、お互いの門出を心から祝福し幸運を祈りあった。　

旅夫〜

「で、いつ出発するんだ？」

「決行の日は一週間後だ！」


心地良い風が吹いていた。空はまさに日本晴れ。
でも雲もいっぱい出てる
ていうか向うの方は黒い雨雲すら、徐々にちらつき近づいてきてるよ。。

でも、日本晴れ！
夢いっぱいの二人にとっては、これ以上ない日本晴れ

二人の思い出のホームグラウンドである、その海岸
ていうか、地球上ここ以外は全て超アウェー・・
そのたった唯一のホームで二人の負け犬は
固く握手し互いの健闘を誓い合った。

二人は負け犬
二人は夢いっぱい

そう。二人こそは


夢いっぱいの負け犬なのだ！


夢いっぱいの負け犬！

さて、バカ照と別れたその夜、
旅夫は一人で神戸の三宮に下り立っていた。
実は、以前から情報収集に使っていたある旅行掲示板でこんな書き込みを見つけたのだ。


85 名前：旅行人屋さん：2009/10/15(木) 22:30:30
ニーモ−のモルフォを新しく買ったので、
いま持っているモンベルのテントが不用になりました。
どなたか欲しい方3千円で譲ります。
ただし当方、神戸在住なのでそこまで取りに来てくれる方限定でお願いします。

この書き込みに旅夫は飛びついた。
モンベルのテントは小さく縮小でき軽量で、その品質には定評がある
それがたったの3千円で買えるなら、こんなお得な買い物はない
唯一、またモンベルという点に嫌な予感もしたが
相手と直に会って買うのだから粗悪品ではないという証拠だ。
さっそく返事の書き込みをしてみる。


86 名前：スナフキン旅夫：2009/10/15(木) 23:00:00
僕。僕。ぼく。買います！
家が大阪なんで神戸はすぐに行けますし、そのテント欲しいです！
モンベル最高！
モンベル欲しい！

スナフキン旅夫とは、旅夫の使っているハンドルネームなのだが
さすらいの旅行人スナフキンというより、旅夫はどう見ても
冬眠中のムーミン
動物園の飼育員さんにカバに間違われて追い掛け回されるムーミンパパ
こっちの方がお似合いだ。

しかし、それはさておいても
互いに話がまとまり、メールで今日の日の約束にこぎ着けたのだ。

旅夫! 旅夫!

TA･BI･O！ TA･BI･O！

アク禁に巻き込まれて書き込めないでござるの巻

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　糞スレだな

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　糞スレだな

イツマデモ話に入らず
その前でグソグゾつまんねーことばかり
アフォお笑い芸人クオリティー
死ねよ

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　糞スレ認定

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　糞スレは消えてなくなれ

確かにそろそろ旅夫にも旅に出てもらいたい

旅夫〜？
スレタイ通り、お前の好きにやれ！

さて、三ノ宮駅で待つ旅夫のもとに相手からのメールが来た。

「北野の異人館まで来て欲しい」

異人館とは明治期に建てられた西洋建築の家が立ち並ぶ
神戸屈指のデートスポットのことで、休日平日問わず、常に愛するカップルたちで賑っている。

当然、屈指なので、そこから排他されて近づけない人種もいる・・・


「くっそ〜　なんでワザワザ異人館なんだよ〜！？　いい加減にしろよな〜！
　あんな毛唐の古い家なんか見て何が楽しいんだよ！　
　まだへーベルハウスの住宅展示場でも見学してる方がマシだよ！　ぷんぷん　」

旅夫、ご機嫌ななめのようである。

行ったことがないので場所が分らない。道を聞きたくとも
知ってそうな若いカップルに、男一人の旅夫が聞くのはなんか忍びない・・

彼氏（こいつ、一人で行ってどーすんの？）
彼女（ね？　どーすんの？）
二人（くくくっ・・・）
二人（あいしてるよ）（ふふ、わたしも。。）
一つ（ちゅちゅちゅ）

こんな想像するにムカつく展開になると予想されるので、他の人を当りたいのだが
酒臭いおッさんに聞いて要領を得た回答をもらえるはずもなく
仕方ないのでタクシーで行くことにした。

行き先を告げると、初老の運転手はルームミラーで旅夫を三度確認し
そのまま無言で車を発車させた。

「お客さん・・今の時間行っても、あそこはもう閉館してますよ・・」
運転手はどこか疲れたような口調で語りかけて来た。

「知ってますよ！　　・・もうすぐ取り壊しになるから、外観だけでもと思い、見に来たんですよ。」
「ええ！？　異人館なくなっちゃうの！？　嘘でしょ！？」

「嘘じゃありませんよ。僕の親戚のおじさんが神戸市役所の偉いさんで都市開発機構の担当してるんです。だから聞いたの」
「ほ、本当に・・？　そりゃ知らなかった〜。。　そんなことして後どうするんです？」

「団地にするみたいですよ。」
「ええ・・、そんな観光地潰してわざわざ団地って・・」

「何もおかしくありませんよ。古い家を潰して新しい家を建てる。当然じゃありませんか」
「そんなことされたら、この不景気ますます、おまんま食い上げだ〜。えらいこっちゃ・・・」

とりとめもない嘘をタクシー運転手に吹き込む旅夫。

『ムシャクシャしてやった。』という動機が、今もっとも似合う男だった。

旅夫ｗｗｗｗｗ

そんな旅夫を乗せたタクシーは無事、異人館のある丘の上にまで上がって来た。

（にしても、アレだな・・神戸にこいっていうから来てんのに、どーせな駅でくれたらいいのに・・）

旅夫に一抹の不安がよぎる。

タクシーを降りた旅夫は、ひと気のなくなった西洋屋敷の前で一人ヒッソリと佇む・・

本来なら、夢の中の彼女と真昼間に二人で来るはずだったのだ
それなのに、どーして男一人で夜にこんなところ来なきゃならないのだ
それも今回が生涯で初じめての異人館だぞ

返せ！　　俺の異人館体験バージン返せ！

旅夫は心の中で自分の大切な物が、
あかの他人によって無神経に汚されたことに言いようもない喪失感を感じていた

そんな悶々とした旅夫だったが、どれくらい待っただろう・・
突然、背後から声がかかった。

「スナフキン旅・・夫・・くん？」

その声にハッと振り返った旅夫は、相手の姿を見てギョッとした。

なんだろう・・
真っ黒いスーツに身をくるんだ男が立っていた。

背の頃なら180前後だろうか？スラッとした体型に色白の肌
鼻筋がスッと伸び、唇は薔薇のように紅い。何より睫毛が異常なほど長い。

ここまでなら普通のイケメンといったところだが
旅夫の目は、相手の異様な部分、そのただ一点に集中していた。


そう。
頭の毛が「ASIENCEのCM」みたいな髪の毛なのである。

（なんじゃ・・こりゃ・・ぁ・・？）

旅夫は固まってしまって声がでない・・
メールのやり取りでは相手は35歳の男だと言っていた
その35歳の大の男が頭の毛だけASIENCEのCMなのである。

サラサラした肩の下ほども長さのある髪の毛が風にそよぐ
それが雲の間からさす月明かりに照らされて
まるでラメを塗ったかのごとく、ところどころに光り輝く光沢を放つのだ。


（このオッサン・・まんま、バンコランじゃないか！！）

そう。どこからどう見ても、ただのバンコランなのである

どう対応していいか分らない

昔ならバンドマンでこんなサラサラヘアーの男はちらほらとはいた。
しかし今頃、こんなオッサンがバンドの為に髪伸ばしてるとは思えないし
そもそも何で、上下、黒のスーツにサラサラヘアーなんだ？

結果、旅夫の中である一つの結論に達した。

（つまり・・・アレか？　　このオッサン・・・共食いの人か？）

旅夫は身をすくめた。
共食いの人を突然目の前にして身をすくめない男はいない。

もちろん旅夫にだって人生の中で知り合った共食いの人の2,3人はいる
しかしそのどれもが、もっと骨太というか野性味溢れた漢（おとこ）たちで
体中の毛という毛がHBの芯くらいありそうで、腕の太さなんか旅夫の2倍くらいある
言うなれば、メスとオスのハーフというより
人間とゴリラのハーフと分類した方が正しそうな共食いの人なのである

しかし今、旅夫が目の前にしてる男は明らかに違う。
正真正銘、オスとメスのハーフで、しかもその努力の跡も垣間見える。

（これは困った・・）　旅夫はその対応に天をあおいだ。

「堀益男と申します。はじめまして・・」男はそう名乗った。

「はは・・旅夫と申します・・ふふ・・　　き、キレイな髪の毛ですね・・ひひ」

旅夫も自己紹介を返しながら、相手の様子を窺う

「フフッ・・」

男は一瞬、嬉しそうに微笑した。


！！
（やっぱそうだ！　正真正銘、共食いの人だ！！）

旅夫の想像が確信に変った。

「いや・・僕はね宝塚の大ファンでね・・今日も今しがた公演を観に行って来た帰りなんですよ」

「え・・？」

「嗚呼！　もし僕が女に生まれていたならば！　宝塚に入団をし男役のトップスターとして、この一生を捧げるのにぃぃぃ！！」

堀益男はベルサイユの薔薇のオスカルのような雄々しい叫び声を上げ、旅夫に語りかけてきた

「行くぞ、アンドレぃぃぃぃ！！！」（いや、行かねーてっ・・）と一人ノリつっ込みをしながら旅夫は嘆息を漏らした。

なんだ・・思い過ごしか・・ただの中年のコスプレマニアの親父だったんだな
旅夫はホっとすると共に、世の中こんなわが道を行く人もいるのだな〜と感心した。
俺も他人の評価にイチイチ気を取られず、もっと自分の目標に向かって突き進まなきゃな！

フランス革命に身を投じて非業の死を遂げたオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェのように
自分も信念を貫き通すぞ！！！

旅夫は堀との出会い、その生き様を垣間見て、自分に大切な勇気を貰った。

断食
茶屋
づくり
出来上がる
どうですか

エリア88のサキでも可かい

旅男帰ってきてー。

みどくつの『俺様の世界旅行』

保守

旅夫には幻滅や！
投げ出すコやったんや！

旅夫！旅立て！

堀益男と別れて帰宅した旅夫
猫が餌をもらいに飛びついてきた

旅に出る日はもう明後日に迫っている。

出来るだけ猫の今後の処遇決めるのは先延ばしにして来たが
明日中にはいよいよお別れだ。
猫は飼い主のそんな気持ちを察してか察してないか
いつにも増して与えられた餌にむしゃぼりついていた

尻尾がピーンと立ってるのは嬉しい証拠
旅夫はそんな猫の後姿を見てとても悲しい気持ちになってきた

こんな我がままなだけの、か弱い飼い猫が
果たして野生の野良たちと上手くやっていけるのだろうか。。。

いじめられたりはしないだろうか？
エサにありつけずガリガリになって飢え死にしたりしないだろうか？

人間のエゴによって飼われ、人間のエゴによって捨てられる。
旅夫は自由な大空に旅立つ前に、この猫のことだけが唯一の気がかりだった

猫はそんな旅夫の表情に気付いてか、みゃーみゃーと鳴いて近づいてきた
手でそっと頭を撫でてやる。優しく首をくすぐってやる。

猫は目をとろけさせながら、えもいわれぬ恍惚の表情を浮かべ喉をゴロゴロと鳴らしていた
小さな小さな頭。柔らかい柔らかいお腹。
こんな小さな体でいつも我がままいっぱいだった猫
彼女は旅夫に顔を擦りつけて必死にマーキングをしていた。。。

もう、いなくなる人に
必死にマーキングする小さな猫がとてもけな気で
旅夫の目からは涙がこぼれ落ちて来た。。

猫はそんな旅夫をジッと見つめていたが、とうとう自分の運命についても察したようだ
「みゃーみゃー」

小さな鳴き声をずっと繰り返してくる。。。

「ごめんよ。。。ほんと、ごめんよ。。。」
「もうお別れなんだよ。。。俺はもうすぐ海の向うの世界へ旅立ってしまうんだよ。。」

溢れだした鼻水と涙のせいで旅夫の声も猫のように濁っていた

弱い無力な二人は小さな部屋の片隅で、寄り添って泣いていた

「みゃーみゃー」
「ダメだよ。お前は連れて行ってあげられないんだ・・例えお前がバックパックの中に入ってもだ・・」

「だって・・お前は弱いから。。。」

「みゃーみゃー」
「ごめんよ。。弱い俺じゃ、世界でお前までは守ってあげられないんだ。。。」

小さな猫とひ弱な飼い主は寂しそうに語り合っていた

旅夫はそッと部屋の灯りを消す。
窓の外には雲の間からまん丸なお月様が顔をのぞかせ部屋の中の二人を見つめていた。
地球上で今もっとも無力なこんな二人でも宇宙の彼方からそっと見守っていてくれるお月様

（※つたない文章表現力を補うため、もとい、叙情感をより感じていただくため、こちらのBGMをお聴き下さい）
http://www.youtube.com/watch?v=ZfSV_k3MhCw&feature=related


「キレイなお月様だね・・」「みゃーみゃー」

灯りを消した部屋に差し込む月の光。

「僕たちは世界で二人だけじゃないんだよ。ほら、お月様はいつだって僕らを見守っていてくれる」
「みゃーみゃー」

「月と地球の距離は地球の直径の30倍。384,400kmもあるんだ。でもそんな遠い距離のお月様だって、こんな近くで僕らをいつでも見守ってくれてるんだよ」
「・・みゃぁ」

「だから例え、僕が地球の裏側に行ったとしても、お前との距離なんてたかが知れてる、二人はいつも一緒ってことさ。。。」
「・・・・」

小学生の頃から全学年通して理科の成績1,2程度しかなかった旅夫の理系トークが炸裂する。
相手が猫なので「まぁ。。ウィットに富んだ知的な人。。。」と評価されてるかも知れない

猫は寂しそうな表情をやめ、旅夫に頬擦りしてきた

「分ったね。明日がさよならだ・・・明日からはお前は野良猫として第二の人生を歩むん・・だ・・」

その言葉を旅夫が発した途端、猫は今までの愛くるしい表情を一変させ猛獣のような雄たけびを上げて飛び掛ってきた

「ミャアアアアア！！！！！！！」
（ふざけるな〜！！！　　他にもっと建設的な案を出せ〜！！！　　このバカ飼い主〜！！！）

「うぎゃぁぁぁあぁぁぁーーーー！！！　　噛み殺されるぅぅぅぅぅ！！！」


・・こうしてペットの猫は無事に実家で飼われることになった

めでたしめでたし

(￣▽￣；)まだ〜

旅夫さん はやく戻ってきて〜

誰でもいいから続き書いて〜

さくら剛の下品な文章に似てるな…

たびおー

皆さん、今年一年を振り返って本当にありがとうございました。
自分自身、何の才能もないのに意地になって書きなぐって
それでも自分は才能があるとか思いたくて、チョッとでも読み直せば。。。あわわ

キモｲｗ恥ずいｗ　市ねと（いや、僕じゃないですよ。僕の見知らぬ世界の果ての悪い人の誰か）

そう、自分ですら思ってしまうオナニー文章を今までおおらかに優しく見守ってくれた皆さん
今年一年、本当にありがとうございました。心から感謝のお礼の言葉を申し上げます。

僕にある謙虚さ、慎ましさ、自身の才能へ対する自己評価のチョモランマ並の厳しさ
その、たった100分の1でも角川春樹にあれば、あんな軍需産業のイカれた似非エコロジー捏造勢力に屈しなかったはずなのに
きっと、ノーベル文学賞なんて下品た権威に彼も媚びなかったはずなのに。。。

嗚呼、神よ！　何故、たった一言、
我にそのことを断りたもおうことなかったかぁぁぁぁぁ！！！
もし、そのことを先に、この私目に断りたもうたら
我は、自ら進んで、その苦渋を喜んで受けたもうたのにぃぃぃぃぃ！！！

みたいなｗ
なんちゃって。。。

レスくれた皆さん、本当に今年一年ありがとうございました！
来年はいよいよ、旅夫、本格始動で世界を蹂躙しちゃいます！！！

おでん、でんでん、おでん、でんでん（ターミネーターのBGM風）

たびおはやくー！！！